2020年10月30日
フラット35Sは、住宅金融支援機構が定める省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性を満たす住宅購入時にフラット35の金利を一定期間引き下げる制度です。
フラット35の商品性も毎年変わっていますが、フラット35S の条件や金利引き下げ幅や予算規模も年度によって違ったりしますが、現在は基本的なフラット35Sの金利優遇は年0.25%の引き下げで、所定の条件を満たす物件のローンであれば、5年間または10年間が引き下げ後の金利が適用されます。
この特集ページではフラット35Sの適用条件とフラット35Sのメリットについて、できるだけわかりやすく解説したいと思います。
もともと、「フラット35」という制度には、日本にエコ性能や耐震性などの優れた住宅ローンを普及させる目的があるので、利用できる物件には制限がありました。
さらに、より性能が良い住宅の場合に利用できるのがフラット35Sという住宅ローンです。フラット35Sは年0.25%の金利引き下げが10年間適用されるAタイプと、5年間適用されるBタイプがあります。
AタイプとBタイプのどちらを利用できるかは物件の性能次第です。それぞれの適用条件を確認してきましょう。
省エネルギー性 ※1 | ①認定低炭素住宅 |
②一次エネルギー消費量等級5の住宅 | |
③性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法) | |
耐震性 | ④耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅 |
バリアフリー性 | ⑤高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同建て住宅の専用部分は等級3でも可) |
耐久性・可変性 | ⑥長期優良住宅 |
省エネルギー性 | ①断熱等性能等級4の住宅 |
②一次エネルギー消費量等級4以上の住宅 | |
耐震性 | ③耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅 |
④免震建築物 | |
バリアフリー性 | ⑤高齢者等配慮対策等級3以上の住宅 |
耐久性・可変性 | ⑥劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同建て住宅などについては、一定の更新対策が必要) |
省エネルギー性(開口部断熱) | ①二重サッシまたは複層ガラスを使用した住宅 |
省エネルギー性(外壁等断熱) | ②建設住宅性能評価書の交付を受けた住宅(省エネルギー対策等級2以上または断熱等性能等級2(※1)以上) または中古マンションらくらくフラット35のうち【フラット35】S(省エネルギー性(外壁等断熱)に適合するもの)として登録した住宅(※2)(※3) |
バリアフリー性(手すり設置) | ③浴室および階段に手すりを設置した住宅 |
バリアフリー性(段差解消) | ④屋内の段差を解消した住宅 |
注目したいのは、浴室に手すりを設置した住宅という条件です。専門業者に依頼しても数万円ぐらいで手すりの設置はできるので、中古住宅でフラット35Sが利用できないときはこのような工事を行うと良いでしょう。
フラット35の利用には適合証明書の提出が必要ですが、適合証明書の取得手続きの中でフラット35Sの条件を充足させ、適合証明書にフラット35Sの条件も満たしていることを入れてもらえばフラット35Sが利用できます。
一般的に、適合証明書は不動産仲介会社、分譲メーカーなどに用意をしてもらうことが可能なので、よくよく相談してみるようにしましょう。住宅購入者がフラット35を利用するのか、フラット35Sを利用するのか「不動産会社」はあまり興味がないですし、フラット35Sの適合証明書を新たに取得する手続きはやや面倒なので、不動産会社にしっかりと伝えることが重要です。
フラット35Sのメリットは5年もしくは10年間の金利が引き下げられることです。現状の制度では年0.25%の金利引下ですが、具体的にどの程度のメリットがあるのかシミュレーションをしてみたいと思います。
3,000万円、35年返済での借入を2019年4月にした前提でシミュレーションしてみましょう。
フラット35 | フラット35S(Aタイプ) | フラット35S(Bタイプ) | |
借り入れ金利 | 1.27% | 当初10年間 1.02% 10年以降 1.27% | 当初5年間 1.02% 5年以降 1.27% |
月々の返済額 | 88,512円 | 当初10年間 84,965円 10年以降 87,555円 | 当初10年間 84,965円 10年以降 88,040円 |
総返済額 | 37,189,929円 | 36,457,038円 | 36,786,038円 |
差額 | 732,891円 | 403,891円 |
3000万円で数十万円の違いがあるので、5000万円・6000万円など高額になればメリットは100万円を超えてくることがわかります。
最後にフラット35Sの金利推移を見て行きたいと思います。
15年から20年 | 21年から35年 | |
2020年10月 | 0.960% | 1.070% |
2020年9月 | 1.000% | 1.070% |
2020年8月 | 0.990% | 1.060% |
2020年7月 | 0.980% | 1.050% |
2020年6月 | 0.970% | 1.040% |
2020年5月 | 0.980% | 1.050% |
2020年4月 | 0.980% | 1.050% |
2020年3月 | 0.940% | 0.990% |
2020年2月 | 0.980% | 1.030% |
2020年1月 | 0.970% | 1.020% |
2019年12月 | 0.910% | 0.960% |
2019年11月 | 0.870% | 0.920% |
2019年10月 | 0.800% | 0.860% |
2019年9月 | 0.800% | 0.860% |
2019年8月 | 0.860% | 0.930% |
2019年7月 | 0.870% | 0.940% |
2019年6月 | 0.960% | 1.020% |
2019年5月 | 0.980% | 1.040% |
2019年4月 | 0.960% | 1.020% |
2019年3月 | 0.970% | 1.020% |
2019年2月 | 1.000% | 1.060% |
2019年1月 | 1.010% | 1.100% |
2018年12月 | 1.070% | 1.160% |
2018年11月 | 1.100% | 1.200% |
2018年10月 | 1.100% | 1.160% |
2018年9月 | 1.050% | 1.140% |
2018年8月 | 1.040% | 1.090% |
2018年7月 | 1.040% | 1.090% |
2018年6月 | 1.060% | 1.120% |
c | 1.050% | 1.100% |
2018年4月 | 1.050% | 1.100% |
2018年3月 | 1.040% | 1.110% |
2018年2月 | 1.070% | 1.150% |
2018年1月 | 1.050% | 1.110% |
2017年12月 | 1.020% | 1.090% |
2017年11月 | 1.050% | 1.120% |
2017年10月 | 1.040% | 1.110% |
※上記はアルヒなどのフラット35の最低金利水準を提示する金融機関で、自己資金10%以上の条件を満たした場合。
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