2026年10月4日
住宅ローンの表面金利は各金融機関が公表している金利そのもの、実質金利は保証料や事務手数料などの諸費用を金利に換算して上乗せした、比べやすくするための目安です。みんなの住宅ローンでは、各金融機関の住宅ローンをこの2種類の金利で比較しています。
金利の低さは大切な判断材料ですが、表面金利が低くても、手数料や保証料しだいで実際の負担は逆転することがあります。ここでは2つの金利の違いと、当サイトの実質金利の計算ルール、比べるときの注意点を順に説明します。
表面金利とは、各金融機関が住宅ローンの広告や商品概要で公表している金利そのものを指します。
ただし、住宅ローンは金融機関ごとに商品設計が大きく異なります。
たとえば、事務手数料の有無や金額、保証料の必要性、団信保険料が金利に含まれているかどうか、繰上返済の最低額や手数料の違いなどがあります。
例えば、事務手数料が100万円かかる住宅ローンと10万円で済む住宅ローンを、金利だけで比較するのは不適切です。
確かに金利が低い住宅ローンは一見魅力的に見えますが、事務手数料などの初期費用が高額な場合、結果的に総支払額が多くなる可能性があります。
そこで、こうした費用の差を考慮に入れて金利に換算し、できる限り公平に住宅ローンを比較できるようにしたのが「実質金利」です。
実質金利とは、住宅ローンの契約時や返済期間中に発生するさまざまな費用(保証料・手数料・団体信用生命保険料など)を考慮し、それらを金利に上乗せする形で算出した比較指標です。
厳密な計算ではありませんが、表面金利だけで単純比較するよりも、住宅ローンの「本当のコスト感」を把握するのに役立ちます。
たとえば、ある銀行の変動金利が年1.000%と表示されていたとします。
この金利が適用されるのは、保証料(例:3,000万円の借入れで約60万円)を一括で支払う場合です。保証料を毎月の金利に含めて支払う方法を選ぶと、年0.2%程度の金利上乗せになるのが一般的です。
したがって、保証料のある住宅ローンと保証料のない住宅ローンの金利を比べるには、+0.2%の補正を加えて比較する必要があります。
また、保証料が不要なネット銀行の住宅ローンでも、借入額の2.20%(税込)といった定率の事務手数料が設定されているケースが多く、実質的なコストは保証料と同程度かそれ以上になることもあります。当サイトでは、こうした違いを金利に換算した「実質金利」を用いて、より公平な比較を行っています。
当サイトでは、以下のようなルールで各諸費用を金利に換算し、表面金利に上乗せして実質金利を算出しています。
もちろん、実質金利はあくまで目安であり、すべての住宅ローンに当てはまるわけではありませんが、表面金利だけで判断するよりも確かな判断材料になります。
| 諸費用の種別 | 上乗せ金利 |
| 保証料がかかる | +0.2% |
| 事務手数料が融資金額の2.20%(税込)程度 | +0.2% |
| 事務手数料が融資金額の1.10%(税込)程度 | +0.1% |
| 事務手数料が30万円以上で固定されている | +0.1% |
| 事務手数料が30万円未満で固定されている | 上乗せ無し |
| 団信保険料を別途支払う必要がある | +0.3%(※現在は該当商品はほぼなし) |
上のルールを、条件の異なる3つの住宅ローンに当てはめてみます。銀行名と金利は説明のための仮定の数値です。
| 仮定の住宅ローン | 表面金利 | 主な諸費用 | 上乗せ | 実質金利 |
|---|---|---|---|---|
| A銀行 | 年1.000% | 保証料あり(一括払い) | +0.2% | 年1.200% |
| B銀行 | 年0.950% | 事務手数料 融資金額の2.20%(税込) | +0.2% | 年1.150% |
| C銀行 | 年1.050% | 事務手数料 33,000円(税込)の定額 | 上乗せ無し | 年1.050% |
表面金利ではB銀行がいちばん低く見えますが、諸費用まで含めた実質金利では表面金利がいちばん高いC銀行が最も低くなります。チラシや広告の金利だけで決めず、諸費用の種類を確かめることが大切だと分かります。
実質金利は「初期費用まで含めたコスト感」をそろえて比べるための目安ですが、次の点は数字に表れないため、ご家庭の状況に合わせて別途確認することをおすすめします。
① 団信の保障範囲の違いは金利換算しきれません。同じ実質金利でも、がん保障や全疾病保障が無料で付く住宅ローンと一般団信のみの住宅ローンでは、万一のときに家族に残る負担が大きく変わります。
特に小さなお子さまがいるご家庭では、金利差がわずかであれば保障の厚さを優先する判断も十分に合理的です。
② 優遇金利には適用条件があります。給与振込口座の指定やアプリ利用など、最も低い金利の適用に取引条件が設定されている金融機関も多くあります。ご自身が無理なく満たせる条件かどうかを必ず確認しましょう。
③ 最後は総返済額のシミュレーションで確認を。実質金利で候補を2〜3本に絞ったら、「借入額・期間・手数料込みの総返済額」を試算し、毎月の返済額が教育費や生活費と両立できる水準かを確かめてから申し込むと安心です。
全期間固定のフラット35は、保証料と繰上返済手数料が不要で、団信(新機構団信)の保険料も借入金利に含まれています。一方で、融資手数料は取扱金融機関によって異なります(出典:住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件)。
そのため、同じフラット35でも、定率の融資手数料か定額の手数料かで実質的な負担は変わります。フラット35同士を比べるときも、金利と融資手数料をセットで確認しましょう。全期間固定と変動金利で団信の扱いがどう違うかは、楽天銀行の住宅ローンの団信(フラット35と金利選択型の違い)も参考になります。
A. 同じにはなりません。実質金利は諸費用を金利に換算した目安で、団信の保障内容、繰上返済のしやすさ、店舗相談の有無といった「使い勝手」までは反映していないためです。実質金利が並んだら、保障の厚さや手続きのしやすさなど、ご家庭にとって価値のある要素で選びましょう。
A. 繰上返済や住み替えの予定で考えるのが一つの軸です。定率型の事務手数料は原則返金されませんが、保証料を一括前払いする方式では、早く完済すると保証料の一部が戻ることがあります(扱いは金融機関により異なります)。手元に残したい資金の額も踏まえて比べてみてください。
A. 含まれています。公表されている金利は新機構団信付きの金利で、健康上の理由などで団信に加入しない場合は、その金利から年0.2%低い金利になります。夫婦で加入するデュエットや新3大疾病付機構団信を選ぶと、金利が上乗せされます。
A. 預金連動型住宅ローンなどで使われる表現で、預金残高と同額のローン残高に基本金利がかからない仕組みを指します。団信の特約金利や手数料は別にかかることがあるため、当サイトの実質金利とは意味が異なります。詳しくは預金連動型住宅ローンのメリット・デメリットをご覧ください。
※各金融機関の金利・手数料・保証料の扱いは変わることがあります。最新の条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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