公開日: 2026年10月29日
マイホームの購入を考えたとき、多くの人がまず気にするのは「物件価格」と「住宅ローンの返済額」かと思います。しかし、住宅を購入する際には物件の代金や頭金とは別に様々な費用がかかるものです。
こうした、契約時や住宅ローンの借入時、入居前後などに支払う必要がある経費全般を「諸費用」と呼びます。住宅ローンを組む際は、この諸費用を事前に把握しておかないと、購入直前になって資金が足りなくなってしまうかもしれません。
この記事では、住宅ローン初心者に向けて、住宅購入にかかる諸費用の種類や金額の目安、支払うタイミング、準備するときの注意点をわかりやすく解説します。
住宅購入にかかる諸費用とは、土地や建物そのものの代金以外に必要となる費用のことです。
主なものとして、不動産会社に支払う仲介手数料、登記にかかる費用、住宅ローンの事務手数料、火災保険料、税金などがあります。さらに、入居前の引っ越し費用や家具・家電の購入費用も諸費用として考慮しておく必要があります。
諸費用の金額は、物件の種類や購入方法、利用する住宅ローンなどによって異なります。一般的な目安として、新築住宅では物件価格の3〜6%程度、中古住宅では7〜10%程度とされることがあります。
例えば、3,000万円の住宅を購入する場合、諸費用の目安は次のようになります。
| 物件の種類 | 諸費用の目安 |
3,000万円で購入した場合 |
|
新築住宅 |
3~6% | 90万円~180万円 |
|
中古住宅 |
7~10% | 210万円~300万円 |
※これはあくまで一般的な目安であり、物件や契約条件によって金額は変化します。
特に中古住宅では、不動産会社を通じて購入する際の仲介手数料が発生することなどから新築住宅より諸費用が高くなる傾向にあります。ただし、新築だからといって中古物件より諸費用が安くなるというわけでもありません。新築物件であっても仲介手数料や各種工事費用などの諸費用が別途かかるケースもあるため、「新築だから。中古だから。」と安易に考えて物件を選ぶのは少々危険です。
購入後に「思った以上に費用がかかってしまった」といった事態にならないよう、個別の見積もり取るなどして購入する前にしっかりと確認しましょう。
住宅を購入する際に、住宅価格以外に発生する諸費用にはさまざまな種類があります。ここでは、これから住宅を購入しようと思っている方が特に押さえておきたい項目をまとめていきます。
仲介手数料とは、不動産会社の仲介によって住宅や土地を購入した場合に、不動産会社に対して支払う報酬です。
中古住宅や土地の購入で発生することが多い一方で、不動産会社自身が売主となる新築住宅などでは仲介手数料がかからない場合もあります。
この仲介手数料には法律で定められた上限があり、売買価格や取引条件によって金額が変わります。購入予定の物件については、事前に不動産会社へ確認して把握しておきましょう。
登記とは、土地や建物の所有者などを法務局の記録に登録する手続きです。
住宅を購入した際には、所有権の移転や保存、住宅ローンを利用する場合の抵当権設定な どの登記登録が必要になります。登記の登録費用には主に登録免許税という税金と、司法書士に手続きを依頼する場合の報酬があります。
税額は不動産の評価額や登記の種類などによって異なり、一定の条件を満たす住宅には軽減措置が適用される場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
住宅を購入する際は、金融機関などが提供する住宅ローンを利用する方が大半だと思います。
住宅ローンを借りる際には、金融機関などに支払う事務手数料が発生する場合があります。また、保証会社を利用する商品では、保証料も必要になることがあります。
事務手数料には、借入額に応じて計算するタイプや、定額のタイプなどがあり、保証料の有無や支払い方法も金融機関や商品によって様々です。
金利が低い住宅ローンでも、手数料などを含めると総負担額が大きくなることがありますので、住宅ローンを選ぶ際は金利だけでなく諸費用を含めた総額で比較するといいでしょう。
不動産の売買契約書や住宅ローンの契約書など、課税対象となる契約書には印紙税がかかる場合があります。印紙税の税額は契約書の種類や記載された契約金額などによって異なり、基本的に契約金額が高くなればなるほど税額も比例して高くなっていきます。
ただ、電子契約を利用する場合は紙の契約書にかかる印紙税が不要となることがあります。一見すると地味な費用ではありますが、契約金額とどのような媒体で契約するかによって負担する額が大幅に変わるため、契約前に紙ベースの契約書になるのか、電子契約書に対応しているのかは必ず確認しておきたいところです。
住宅は購入したら終わりというわけではありません。火災や地震などといった万が一の災害に備える保険についても検討する必要があります。
住宅ローンの利用にあたって火災保険への加入が求められる場合があります。地震保険は地震による建物被害を補償するものですが、火災保険に付帯して契約する仕組みです。
これらの保険料は建物の構造や所在地、補償内容、契約期間などによって変わります。
保険料だけを見て判断するのでなく、不測の事態に遭遇した際にどの範囲まで損害が補償されるのか確認しましょう。
住宅を取得すると、不動産取得税がかかる場合があります。
また、固定資産税や都市計画税についても売主との間で引き渡し日を基準に精算することがありますので、事前に確認しておきたいところです。
さらに、住宅が完成して入居する時には引っ越し費用も必要になりますし、今の住宅に合わせた家具・家電を購入することもあるでしょう。加えて、新築マンションでは修繕積立基金など、中古住宅では購入後の修繕費なども考慮しておく必要があります。
これらの費用は、住宅ローンの契約に関わるものもあれば直接関係がないものもあり、種類も様々です。もちろん、今回挙げた費用はあくまでよくある諸費用であり、購入・契約した状況によってはこれ以上に諸費用が必要となる可能性もあります。
住宅を購入する際は、購入後の生活まで見据えて予算を組むようにしましょう。
これらの諸費用は住宅を購入する際に発生するものですが、住宅の引き渡し後に一括して支払うわけではありません。
諸費用は、契約時から入居後までの間、複数のタイミングに分けて支払っていきます。
よくあるパターンとしては、以下のようなタイミングが一般的です。
※実際の支払時期は契約内容や金融機関、物件によって異なります。必ず確認するようにしましょう。
| 支払いが発生するタイミング | 支払う主な諸費用 |
| 売買契約時 | 印紙税、仲介手数料の一部、手付金 など |
| 住宅ローン契約・融資実行時 | 事務手数料、保証料、抵当権設定登記費用 など |
| 引き渡し・入居時 | 登記費用の残額、火災保険料、引っ越し費用 など |
| 入居後 | 不動産取得税、固定資産税、都市計画税、修繕費 など |
これらの中でも特に注意したいのは、住宅ローンの融資が実行される前に支払いが必要になる諸費用があるという点です。
もちろん、諸費用を住宅ローンに含めることができる場合もありますが、すべての費用が住宅ローンの借入対象になるとは限りません。そのため、住宅を購入すると決めた際は住宅ローンが開始される前に自己資金で支払う必要がある諸費用の金額と支払い期限を確認しておきましょう。
住宅を購入する際は、住宅の購入金額だけでなく諸費用分の費用も同時に用意しておかなければいけません。
諸費用を準備する際は、以下の3点に注意しましょう。
「頭金」とは、住宅価格のうち住宅ローンなどを使わずに自己資金で支払う必要のあるお金のことを言います。
例えば、住宅価格が3,000万円だった場合、10%程の300万円を自己資金より支払います。これが頭金です。これにより住宅価格は2700万円となり、この分を住宅ローンで借入して返済ます。
一方で、諸費用は購入代金以外にかかる費用です。上記の例の場合だと、3,000万円とは別に諸費用が必要になります。
頭金を多く支払えば借入額が少なくなり将来的に返済する額も減らすことができますが、手元の預貯金が少なくなると諸費用を支払うことが困難となってしまいます。それどころか、今後の生活すら危うくなって島かもしれません。
諸費用を準備する際は、入居後の生活費まで含めて、手元の預貯金が少なくなりすぎないように資金計画を立てましょう。
金融機関や住宅ローンの商品によっては、諸費用の一部または全部を借入額に含めることができる場合があります。
ただし、対象となる費用・借入条件は金融機関や商品ごとに異なります。また、借入額が増えると毎月の返済額や利息の総額も増える可能性もあります。
諸費用を含めて借り入れる場合は、自己資金で支払う場合と比較して返済計画に無理がないか確認することが大切です。
住宅を購入した後も、固定資産税や修繕費、マンションの管理費・修繕積立金などの細かい支出が続きます。加えて、年月が経てば家電の故障や急な医療費など予想外の出費が発生する可能性もゼロではありません。
購入時に諸費用の支払いとして自己資金を使い切ってしまうと、こうした細かい支出への対応が難しくなってしまいます。
住宅を購入するということは、その家に長い期間住み続けるということです。繰り返しとなりますが、住宅を購入する際は購入費用だけでなく家で生活するうえで必要な資金もしっかり確保しておきましょう。
住宅購入では、物件価格や頭金だけでなく、仲介手数料、登記費用、住宅ローンの事務手数料、保険料、税金、引っ越し費用など、さまざまな諸費用が必要になります。
諸費用の金額や支払うタイミングは、物件の種類や契約条件、利用する住宅ローンによって異なります。購入を検討し始めた段階で、不動産会社や金融機関に見積もりを依頼し、具体的な金額を確認しておくと安心です。
また、諸費用を住宅ローンに含められる場合でも、借入額が増えれば返済負担も大きくなる可能性があります。購入時に必要な資金と、購入後の生活費の両方を考慮し、無理のない資金計画を立てましょう。
マイホーム購入を成功させるためには、物件価格だけで判断せず、諸費用を含めた総額を把握することが大切です。
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