
ゆうちょ銀行は、郵政民営化の流れの中で2007年10月に誕生した銀行です。もともと国営の郵便貯金事業として運営されていたため、民間銀行では実現できないほどの店舗網を全国に持っているのが大きな特徴です。
全国の隅々まで店舗・郵便局のネットワークが広がっているので、ゆうちょ銀行の名前を知らない人はほとんどいないと思います。マイホームの相談を「いつも使っている身近な窓口でしたい」という子育て世帯やご家族にとって、相談のハードルが低いのは安心材料です。
一方で、ゆうちょ銀行には民営化後も普通の銀行にはない規制が残っていました。特に特徴的だったのが融資業務への規制で、ゆうちょ銀行は長く住宅ローンの融資業務(自前の貸付)の免許を持っていませんでした。その後、2021年にフラット35の取り扱いについて認可を受け、2021年5月から「ゆうちょフラット35」の取り扱いをスタートさせています。
現在ゆうちょ銀行が取り扱っている住宅ローンは、ゆうちょ銀行と住宅金融支援機構が提携して提供する「ゆうちょフラット35」(最長35年の全期間固定金利型)と、ソニー銀行・SBI新生銀行の住宅ローンの申し込み媒介です。ソニー銀行・SBI新生銀行の住宅ローンは、ゆうちょ銀行が銀行代理業者として申し込みを取り次ぐ形になります。
以前はスルガ銀行の住宅ローンを取り扱っていましたが、スルガ銀行の不正融資問題が大きな社会問題となり、提携を解消したという経緯があります。その後、ソニー銀行・SBI新生銀行といったネット系銀行の住宅ローンを、対面で相談しながら申し込める窓口として位置づけ直しています。「ネットの住宅ローンは金利が魅力的だけれど、顔が見えないと不安」というご家族にとって、対面でネット銀行の住宅ローンを相談できるのは心強いしくみと言えるでしょう。
とくにSBI新生銀行の住宅ローンは、事務取扱手数料や保証料など諸費用の考え方が分かりやすく、団信の保障内容も選びやすいため、教育費や家計のゆとりを大事にしたい子育て世帯にとっても検討に値する選択肢の一つです。しかも、ゆうちょ銀行の窓口で扱う「パワースマート住宅ローン<プラス>」は、SBI新生銀行本体や他の代理業者では取り扱いのない、ゆうちょ銀行専用の商品です。ネット銀行ならではの条件を、身近な窓口で相談しながら検討できる点はメリットになります。
なお、全期間固定型の金利は上昇が続いており、2026年8月のフラット35(返済期間21〜35年・融資率9割以下・新機構団信付き)の最も多い金利は年3.290%と、現行制度になった2017年10月以降で最も高い水準になりました(住宅金融支援機構・2026年8月時点)。それでも「借入時に総返済額が確定し、教育費のかかる時期の家計計画が立てやすい」という全期間固定ならではの安心感は変わりません。実際の適用金利は取扱金融機関や金利引き下げ制度の利用によって異なるため、ゆうちょフラット35の最新金利は公式サイトでご確認ください。
ゆうちょフラット35を取り扱う店舗は全国の直営店の一部(住宅ローン取扱店)に限られ、適用金利や手数料、申し込み条件は改定されることがあります。最新の金利・取り扱い店舗・必要書類は、ゆうちょ銀行および各提携銀行の公式サイトで必ずご確認ください。
ゆうちょ銀行の窓口から検討できる住宅ローンは、大きく次の3つです。ご家庭の返済計画に合わせて選び分けるのがポイントです。
| 商品・申し込みルート | 金利タイプ | こんなご家庭に向いています |
|---|---|---|
| ゆうちょフラット35(住宅金融支援機構と提携) | 全期間固定 | お子さまの教育費がかかる時期まで、毎月の返済額を確定させておきたいご家庭 |
| ソニー銀行の住宅ローン(ゆうちょ銀行が申し込みを媒介) | 変動・固定期間選択など | ネット銀行の金利水準に魅力を感じつつ、疑問点は対面で確認したいご家庭 |
| SBI新生銀行の住宅ローン(ゆうちょ銀行が申し込み・契約を媒介) | 変動(半年型)・当初固定など | 諸費用の分かりやすさや団信の選びやすさを重視したいご家庭 |
それぞれ商品性も諸費用の考え方も異なります。窓口では複数の商品を並べて相談できるので、「わが家は返済額の安定を優先するのか、金利の低さを優先するのか」を、ご夫婦の働き方や教育費の見通しと合わせて整理してから相談すると話が早く進みます。
Q.ゆうちょフラット35は、どこの郵便局でも申し込めますか?
いいえ。取り扱いは全国の直営店の一部(住宅ローン取扱店)に限られます。お近くの取扱店はゆうちょ銀行公式サイトの一覧で確認でき、来店予約もインターネットからできます。なお、ソニー銀行・SBI新生銀行の住宅ローンは、ゆうちょ銀行のWebサイトからも申し込み手続きが可能です。
Q.健康上の理由で団信に入れなくても、ゆうちょフラット35は利用できますか?
フラット35は団体信用生命保険への加入が任意のため、健康上の理由などで団信に加入しない場合でも利用できます(その場合、万一への備えを生命保険などで別途用意しておくと安心です)。ご家族の状況に合わせて、加入の要否と保障の組み合わせを窓口で相談してみてください。
Q.窓口で申し込むネット銀行の住宅ローンは、ネットで直接申し込む場合と同じ商品ですか?
ソニー銀行は同行の住宅ローンの申し込みをゆうちょ銀行が取り次ぐ形です。一方、SBI新生銀行についてはゆうちょ銀行専用の「パワースマート住宅ローン<プラス>」を取り扱っており、SBI新生銀行本体の商品とは条件が異なる場合があります。手数料等の違いはゆうちょ銀行公式サイトの比較表で確認したうえで、ご家庭に合うルートを選びましょう。
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