2026年6月29日

完成した物件を購入するのではなく、工務店や大工さん・ハウスメーカーに建築工事を発注して家を建てる注文住宅の場合、家を建てる土地を購入するお金や、建築業者に支払う「着手金」「中間金」などのお金をどう用意するかを考える必要があります。
住宅ローンで借りて払えばよいと考えてしまいがちですが、住宅ローンは土地と家を担保にしてお金を借りるしくみのため、家が完成していないと原則として利用できません。
そのため、一般的には注文住宅が完成するまでにかかる土地の購入費用や建築費用は、「つなぎ融資(つなぎローン)」でまかなうか、分割融資に対応する住宅ローンを利用して手当てすることになります。
このページでは、つなぎ融資をわかりやすく解説しつつ、つなぎ融資に対応しているおすすめの住宅ローンを紹介していきます。注文住宅は家族にとって一生に一度の大きな買い物ですから、資金の流れを理解して、無理のない計画を立てておきましょう。
目次
つなぎ融資とは、家を建てる土地の購入資金や注文住宅の建築費用を手当てするためのお金を借りる商品です。住宅が完成したら住宅ローンで返済する(住宅ローンに切り替える)ので、家を建て始めてから完成するまでの“つなぎ”の期間のお金を借りられる商品なので、このような名前になっています。
分譲住宅や建売住宅は完成した住宅を購入するので、最初から住宅ローンを利用できますが、注文住宅は家が完成するまでにかかるお金をつなぎ融資でまかない、家が完成したタイミングで住宅ローンに切り替える(住宅ローンでつなぎ融資を返済する)という流れで資金を手当てしていくことになります。
(取扱金融機関は多くありませんが、つなぎ融資以外に「分割融資」に対応する住宅ローンを提供している銀行もあります。)
つなぎ融資は元金を完済時に一括で返済する(住宅ローンで返済するイメージ)ので、借り入れ中は利息だけを返していくことになります。住宅ローンとつなぎ融資は似ているように見えますが、しくみはまったくの別物です。自社でつなぎ融資を提供している金融機関もあれば、自社では提供せずに信販会社のつなぎ融資を紹介してくれる金融機関もあります。
つなぎ融資は性格上、1年程度の融資期間となっていることが多く、支払う利息はさほど大きな金額にならないため、融資事務手数料を比較するのが重要になってきます。家計の視点では、つなぎ融資にかかる事務手数料や利息も含めて、家づくり全体の総額を見ておくと安心です。

昔から住宅ローンを提供している金融機関は、つなぎ融資に対応していることが多くあります。例えば地方銀行の営業基盤である地方では、首都圏よりも戸建て住宅の割合が多く、代々受け継いだ土地に家を建てるようなケースも多いため、つなぎ融資に対応しないと利用者の期待に応えられない、という背景があります。
一方で、近年登場して低金利で人気を集めているネット銀行の住宅ローンは、つなぎ融資に対応していないことが大半です。ネット銀行はどこに住んでいても利用できるのがメリットですが、当初は人口が多い都市部に住む人たちをターゲットに住宅ローンを開発したためです。
ネット銀行の住宅ローンも10年・20年と歴史を積み重ね、最近はつなぎ融資に対応したり、つなぎ融資を紹介してくれたりするようになっています。
具体的に、ネット銀行の住宅ローンでつなぎ融資に対応していたり、他社のつなぎ融資を紹介することを明記している銀行をピックアップしましたので参考にしてください。
利用の流れも簡単です。まずソニー銀行の住宅ローンに申し込んで審査に通ったら、ソニー銀行のコールセンターなどに事情を説明し、アプラスや日本モーゲージサービスのつなぎ融資を紹介してもらう、という流れです。

| つなぎ融資に対応する金融機関 | 商品名 | 備考 |
| SBI新生銀行 | つなぎ融資(元金一括返済型住宅ローン) | 土地購入代金のつなぎ融資にのみ利用可能 |
| SBI新生銀行 | 住宅つなぎローン(アプラスブリッジローン) | グループ企業のアプラスのつなぎ融資を利用可能(着工金・中間金など) |
| ソニー銀行 | 住宅つなぎローン(アプラスブリッジローン)ほか | SBI新生銀行グループのアプラスや日本モーゲージサービスのつなぎ融資を紹介 |
| auじぶん銀行 | アプラスブリッジローン/とうこうブリッジローン | アプラス(SBI新生銀行グループ)または「とうこう」のつなぎ融資を紹介 |
| アルヒ | ARUHI フラットつなぎ | 【フラット35】等の利用者向け・最大4回の分割融資に対応 |
| 住信SBIネット銀行 |
土地先行プラン | 土地購入代金の融資にのみ利用可能(2回に分けて融資) |
| イオン銀行 | イオン【つなぎ】融資(フラット35つなぎ) | 【フラット35】利用者向け・複数回の分割実行に対応 |
※2026年6月時点の当サイトの調べでは、auじぶん銀行やソニー銀行が自社でつなぎ融資を提供している事実は確認できませんでした(いずれも提携先のつなぎ融資を紹介する形です)。各社の取扱内容・手数料・条件は変更される場合があるため、最新情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
つなぎ融資を利用せずに、住宅が完成したら住宅ローンを組んでお金を払うだけでよい工務店やハウスメーカーがあれば、完成後に借りる住宅ローンの心配だけをすればよいことになります。しかし、残念ながらそのようなしくみを提供するのは、業者側にとって高いハードルがあります。
例えば、建築中に発注者(オーナー)が亡くなった場合や、連絡が取れなくなった場合にどう対応するか、といったリスクへの備えが必要になるためです。
資金的に余裕がある大企業でも、住宅建築中の金銭面のトラブル管理は煩雑で提供しにくく、小さな工務店では職人に支払う賃金を立て替えるのが難しくなります。もし代金を受け取れない状況になれば、会社の経営にも影響してしまいます。
家を建てる側の立場に立つと、まだ代金を受け取っていないのに材料を買って職人に働いてもらうことの難しさが理解できます。だからこそ、注文住宅では家族の資金計画につなぎ融資を組み込んでおくことが大切です。
注文住宅を建て始めるタイミングでは、工務店やハウスメーカーから紹介されたつなぎ融資に対応している金融機関を利用します。審査が通ったら、必要な資金をつなぎ融資でまかなってもらいます。
それと同時に、最終的に利用したいネット銀行の住宅ローンの審査も進めておきます。万一審査に通らなかった場合に備え、別の低金利のネット銀行の住宅ローンも候補にしておくと安心です。
審査に通過したら、つなぎ融資を利用していることや、物件引渡しのタイミングで借り換えたいと考えていることを、あらかじめ各金融機関にきちんと伝えておきましょう。
借り換えが成功すれば、最初に借りていた住宅ローンは完済され、実質的にネット銀行の住宅ローンをつなぎ融資で借りたような状態になります。
※最初に利用する住宅ローン(またはつなぎ融資)は短期間で完済する前提のため、金利よりも、事務手数料など最初に支払う費用をできるだけ少なくしておくことが重要です。手続きや費用については、各金融機関に正直に相談しながら進めるのが、結果的にトラブルの少ない進め方です。
Q. つなぎ融資にはどんな費用がかかりますか?
A. つなぎ融資には、融資事務手数料と、住宅ローンが実行されるまでの利息がかかります。融資期間は1年程度のことが多く利息はさほど大きくならないことが多い一方、事務手数料は金融機関によって差があります。家計への影響を抑えるには、手数料を含めた総額で比較しておくことが大切です。
Q. 子育て世帯が注文住宅を建てるとき、気をつけることは?
A. 土地の購入から建物完成までに複数回の支払いが発生するため、つなぎ融資の利用が前提になりやすいです。教育費など他のライフイベントと支払い時期が重ならないよう、家計全体で資金繰りを見通しておくと安心です。無理のない借入額にとどめ、引渡し後の毎月返済額が家計を圧迫しないかを事前にシミュレーションしておきましょう。
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