会社役員・経営者・社長の住宅ローン審査とは?

2019年10月1日

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会社役員・経営者・社長の住宅ローン審査とは?

社長・役員のイメージ図

この特集ページでは、社長や代表取締役などのように、会社の役員・経営をされている人のための住宅ローンの審査について解説しています。

国税庁の調査では平成27年度の日本の法人数は264万社もあると言われています。1人で2社以上を経営している例もあるでしょうし、正確な数字とは言えませんが、単純計算で日本には250万人ぐらいの社長がいて、その3倍~4倍程度の人が会社役員として会社経営に携わっていると考えることが出来ます。

 

会社役員・経営者・社長の住宅ローン審査ポイント

会社での立場(偉さ)は「社長>役員>従業員(正社員)」というのが当たり前でも、住宅ローンの審査では「従業員(正社員)<役員<社長」と判断されがちです。同じA社の社長と社員がいたとします。仮にそのA社が経営難に陥ったら社長は経営責任を問われることになり、個人の収入や家計にも大きく影響します。代表権の無い会社役員であれば社長ほどの影響はありませんが「雇用保険」対象外なのは同じですし、従業員(正社員)と比べて収入を維持しにくい立場にあります。社員であれば経営陣が変わって存続した会社で仕事を続けられる可能性は十分ありますが、役員には更迭されるリスクや事業リスクがつきまとうことになります。。

 

これが社長・経営者の方が普通の社員よりも住宅ローンが利用しにくいと言われている理由の1つです。

 

ちなみに、一定規模以上の会社では「取締役」の他に「執行役員」という役職が用意されていることがあります。
執行役員は、会社法上の役員ではなく従業員という立場で会社の重要な役割を担っているという人が大半です。そのような執行役員の方は、住宅ローンの審査では会社員として審査されることになります。

 

特に中小企業や歴史の浅い企業の場合、会社役員・経営者はかなり厳しい目で審査されることを意識して住宅ローン選びを行うことが大事なポイントです。例えば、2019年7月30日から申込みを受け付けているジャパンネット銀行の住宅ローンは「家族経営の会社の社長」の申込みを受け付けていません。「家族経営の会社で働く正社員」の申込みは受け付けているのに社長は申し込めないということも実際にある、ということがわかります。

 

 

会社役員・経営者・社長にフラット35が選ばれる選ぶ理由

社長や会社役員・経営者、特に中小企業を経営している立場の人が住宅ローンの審査で提出しなければならない書類をチェックすると、おそらくフラット35を選びたくなると思います。自営業に近いな法人であればなおさらで、筆者の周りの社長や会社役員はフラット35を利用している人が多くいます。

 

民間銀行の住宅ローンは中小企業の経営者の審査は特に中小企業の経営者に対して厳しいこと、また、審査してもらう為には3期分の決算書を勘定科目内訳書まで添付して提出する必要があることがあげられます。すでに面倒な気持ちになってると思いますが、フラット35の場合、決算書の提出は原則不要となっています。これを聞くだけでもフラット35にしようかなという気持ちになっても仕方がない程だったりします。

 

民間銀行の住宅ローンの場合、大量の書類を提出してもあっさり審査に落とされ、その理由も教えてもらえませんが、国の支援で成り立っているフラット35の場合、中小企業の経営者でも審査に比較的通りやすいというのは人気の理由の一つとされています。

 

フラット35は個人事業主やパート・アルバイトでも利用することができる住宅ローンです。これは、ビジネスとして提供している民間銀行ではなかな実現できないことで、国が支援しているからこそ幅広い人に住宅ローンを提供できているわけです。

 

なお、変動金利の方が金利が低いのでフラット35を選びたくないという人もいますのでフラット35以外を利用する人もいますが、会社が銀行から借りる事業性のローンに比べれば住宅ローンの金利は低く、「借入」と言う行為に慣れている経営者の人はやむなしと考える人も多いようです。

 

なお、このページの後半でもおすすめのフラット35を紹介していますが、同じフラット35を申し込むのであれば、少しでも条件のよい金融機関に申し込むようにしましょう。(基本的にはどの金融機関から申し込んでもフラット35そのものの審査基準は変わりません)

 

会社役員・経営者・社長が住宅ローン審査に通りにくいのはなぜ?

日本の法人(会社)の数は30年以上減り続けている

中小企業庁のまとめによると日本国内の企業の廃業率はこの20年ぐらい年6%程度で推移しています。一方で新しく誕生した会社は全体の5%程度です。

100個の会社があったとするとそのうち5社が誕生したばかりの会社で、6社は廃業しているわけです。

バブル崩壊後は「開業数」よりも「廃業数」が常に上回っているほど会社を存続させるのは難しいことです。

 

日本の廃業率と開業率

中小企業庁の中小企業白書より

 

これからの日本の中小企業は深刻な人手不足と高齢化社会の影響を受けて更に厳しい経営環境になります。人口が減る≒会社(社長)も減る。もちろん、1つ1つの会社の経営状況が同じわけではありませんが、「日本の法人全体」を取り巻く環境は決して良いわけではありません。

社長や会社経営者が住宅ローンの審査に通りにくいのは、会社を安定的に継続することの難しさが反映されている側面があります。

 

会社役員には労災保険や雇用保険がなく即解任のリスクがある

会社の役員になった人であれば認識しているはずですが、正社員・従業員の時に加入できていた「労災保険」「雇用保険」は会社役員になると入ることができなくなります。また、立場上、事業や商売の責任を取らされて即解任させられる可能性があります。

従業員として雇用保険に加入しながら働いている人は、その会社を離れた後に一定期間・一定割合の収入が雇用保険により守られますが、会社役員の場合はそのような保護を受けることができないわけです。

これは、東証一部などに上場する大企業の役員だとしても基本的な考え方は同じです。大企業の社長・役員でも業績が悪ければ株主に解任を求められる可能性があるためです。ただし、大企業の場合は退職金なども積みあがっていたりしますし、従業員として再雇用してもらえる可能性も高いので中小企業ほど厳しく審査されることはないでしょう。

 

社長(代表取締役)は個人保証の可能性もある

昔に比べると個人保証を求められる機会は減っていますが、会社が軌道に乗るまでは代表者による個人保証で融資を受けることがあります。また、資金繰りが厳しくなった時に会社に個人のお金を貸し付けてしのぐこともあるかもしれません。

 

従業員であれば経営状態が悪い会社を捨てて、他社に転職することで収入を維持できますが、社長や会社役員はそうはいきません。

 

このように企業として安定していない中小企業の会社役員・経営者を取り巻く環境が、数千万円単位のお金を融資する金融機関の立場からするとどうしてもリスクが高い融資先にみえるわけですね。

 

特に設立したばかりで金融機関からの借り入れも多い会社の会社役員や経営者がメガバンクや人気のネット銀行の住宅ローンを利用するのはかなり難しいでしょう。

 

会社役員・経営者の住宅ローン審査の必要書類について

会社員の住宅ローンの審査では、勤め先の経営状態は審査で評価はされても会社の経営資料の提出を求められることはありません。ところが、面倒なことに社長や会社役員の場合、個人と法人の書類を用意する必要があります。

特に「法人」の書類の提出は非常に面倒です。一般的な住宅ローンの場合、3期分の決算書、しかも勘定科目内訳書の提出が必要になります。提出したくないですよね。中小企業の社長や役員であれば誰もがそう感じるはずです。

精神的なブレーキの効果もありますし、準備する書類の種類が数が多いので、会社役員、経営者は書類準備に時間がかかることを想定して余裕をもって住宅ローン選びを行うように心がける必要があります。

個人で用意すべき必要書類

必要書類備考
住民票原本
印鑑証明書原本
健康保険証コピー
運転免許証無い場合はパスポートなど
源泉徴収票直近2年分
住民税決定通知書直近2年分
確定申告書※給与所得以外がある場合

 

法人で用意すべき必要書類

必要書類備考
法人の決算報告書3期分(勘定科目内訳書を含む)
法人税の納税証明書3期分
法人税の事業税納税証明書3期分

 

役員・経営者の住宅ローン審査に会社の決算書は不要?必要?

残念ながら、社長・代表者の場合、会社の決算書の提出が不要な住宅ローンはありません。しかも3期分の提出を求められることが大半です。

 

3期分の決算書の提出について

住宅ローンを利用したいだけなのに、3期分の決算書、しかも、勘定科目内訳書まで提出することに大きな抵抗感を持つ経営者の人は多いと思います。

しかも「提出しても住宅ローンの審査に落ちる可能性がある」のでなおさらです。

実は、住宅金融支援機構が提供するフラット35の場合、決算書の提出は原則不要、とされています。フラット35は民間の住宅ローンよりも審査に通りやすいことも社長・経営者に人気を集める理由ですが、提出する必要がある会社資料の少なさも社長・経営者にフラット35が選ばれる理由です。

また、フラット35は代表権のない役員の場合、会社の決算書の提出が不要となっています。これも会社経営者の人にフラット35が選ばれる大きな理由です。

 

会社役員・経営者・社長におすすめの住宅ローンとは?

住宅ローン審査において金融機関は「安定かつ継続した収入が見込めるか?」を重視するため、経営者の裁量に収入が依存する会社役員・経営者・社長に厳し視点で審査を行うのは仕方がないことと言えます。

そして、一般企業である銀行がそのリスクを受け止めきれないのは仕方のない側面もあります。

従って、会社役員・経営者・社長におすすめしたいのは「フラット35」です。フラット35は営利目的の民間銀行の住宅ローンと違って、1期分の決算書を提出するだけですみますし、パート・アルバイトでも審査に通ると言われている程、利用しやすい審査基準が設けられています。これは国が所管する住宅金融支援機構が提供している住宅ローンだからこそ実現できていると言えます。

事業性ローンも民間銀行よりも政策金融公庫の方が良い条件で貸してくれることが多いのに似ている関係とも言えます。

 

銀行業界でフラット35の取り扱いシェア1位の楽天銀行のメリット・特徴は?

日本を代表するIT企業、楽天グループに属する楽天銀行(フラット35)の特徴は事務手数料の安さです。新規購入時は1.100%、借り換え時であれば0.990%と業界標準の半額の水準になっています。

コストパフォーマンスの高さが受け、2016年度には日本全国でフラット35を扱う銀行の中で取扱シェア1位になっています。(取り扱う金融機関全体ではARUHIに次ぐ2位)

楽天銀行(フラット35)は申し込みから審査・契約まで来店不要でSkypeを使えば年末年始以外、毎日朝9時~夜10時まで住宅ローンの相談に応じてくれます。また、ATMや他行振込み手数料の優遇も受けれるなど日々の生活の節約にもつながるうれしいおまけがついています。

楽天銀行ではビジネスローンも扱っていますし、楽天カードではビジネスカードの発行もしており、楽天グループは会社役員・経営者・社長には住宅ローン以外でも心強い存在と言えます。

楽天銀行の公式サイトはコチラ https://www.rakuten-bank.co.jp/

楽天銀行のフラット35のメリット

 

ARUHIのメリット・特徴は?

ARUHIは8年連続で日本国内でフラット35の取り扱い実績が1位のシェアになっています。メガバンクなどを凌ぐ実績であり驚かされます。

ARUHIの特徴は全国にある店舗網でしょう。対面サービスで何かと慣れないことが多い住宅ローン契約をサポートしてくれるのは心強いですね。

アルヒダイレクトはこちら:https://www.aruhi-corp.co.jp/service/direct/pre.html

aruhiの店舗数

 

おすすめのフラット35申込先は?

上記のように審査基準・審査書類の観点で社長・経営者・会社役員におすすめのフラット35ですが、フラット35は申込金融機関で金利や手数料・サービス内容が異なるので注意が必要です。

フラット35はネット申込が便利で手数料が安くなることが多いので、オトクなネット(スマホ)申込を活用するようにしましょう。コスト(手数料)をできるだけカットしたい人楽天銀行のフラット35は申込候補に入れて欲しい住宅ローンですし、住宅ローン審査に不安がある方は楽天銀行(フラット35)より融資事務手数料が2倍かかりますが、アルヒがおすすめです。

 

社長・経営者・会社役員の住宅ローン審査の補足情報

会社役員・経営者・社長の立場はばれる?

たまに、「会社役員であることを隠して住宅ローンを申し込もう」と考える人がいますが、会社謄本(登記事項証明書)には、その会社の取締役の名前や住所が明記されていますので、経営者・役員であることを隠しても金融機関には簡単にばれてしまいます。

仮に申し込み時点でバレなかったとしても、後日判明して虚偽の申告をしていたと判断されるた場合、金融機関から住宅ローンの一括返済を求められるリスクもあります。

 

経営者の息子だと住宅ローンを審査に通りにくい?

親が社長・経営者の息子が社員や役員として働いている場合、住宅ローン審査に不利と言われていますが、これは本当でしょうか。親が経営者である場合、同族経営企業という判断がさえ、金融機関は住宅ローン審査に慎重になるためです。息子さんが親が社長をしている会社に属しているということはいずれ、その会社を継ぐ、経営者という立場になる可能性が高いのでこれはいたし方ありません。

こうした場合には会社の決算書の提出が求められることが多いようです。

 

雇われ社長・役員の住宅ローン審査について

中小企業で実際の経営参加権を有していないのに取締役の肩書きを有する場合があると思います。こうした場合でも住宅ローン審査を行う金融機関では取締役として扱い審査を行うため慎重な判断が行われてしまいます。

役員は善管注意義務、忠実義務、競業避止義務などの各種義務、会社に対する損害賠償責任があり、肩書きだけの雇われ役員を引き受けている自体が極めて危険なことと言えます。

また、中小企業の場合には金融機関からの融資を受ける際に代表取締役(社長)の個人保証をつけることが前提となることも認識しておきたいと思います。

 

赤字の会社の会社役員・経営者・社長は住宅ローンを借りれるのか?

赤字が単年なのか、数年続いているのか、また累損が発生しているのか?など「赤字の状況」により住宅ローン審査結果は違ってくるでしょう。前項に記載した会社経営者・社長の役員報酬を含んでの赤字なのか?は極めて重要な判断材料となるでしょう。

また、節税のために、逓増定期保険、生命保険、オペレーティングリースなどさまざまな節税商品が世の中には出回っていますが、こうした商品の多くは何かしらの形で損金処理をし、利益を繰り延べするもので、利益が簿外に流れることになりますが、こうした御社の節税状況を住宅ローン審査を行う金融機関が理解・加味するのはあまり期待しないほうがよいでしょう。

 

経営者・会社役員は社宅かマイホーム購入か?

経営されている会社が御自身がオーナーを兼任している場合、会社として社宅を賃貸で用意されているケースもあるのではないでしょうか。経営者にとり社宅なのか個人によるマイホーム購入なのかは永遠のテーマになると思います。

ここで社宅とマイホーム購入のメリット・デメリットを比較してみましょう。

社宅マイホーム購入
メリット家賃の70%程度を会社の損金とできるマイホームの取得ができる

団体信用生命保険が万が一の際の備えになる

デメリット会社で継続的に家賃支払いが継続する所得税や住民税を差し引いた後の所得で住宅ローン返済を行う必要がある

会社で損金処理ができない

 

会社役員・経営者・社長の住宅ローン控除について

住宅ローン残高に応じて所得税や住民税の還付が受けれる住宅ローン控除ですが、会社役員であっても受けれることが可能です。

住宅ローン減税はすべての所得からの控除となるためです。ただし、年間所得が3000万円の超える場合には住宅ローン控除を受けることができません。

役員の住宅ローン控除は一般の会社員同様に年末調整で対応可能です。(ただし、年収2000万円以上の場合には会社では年末調整を行えない仕組みです)

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