公開日: 2026年10月25日

住宅ローン控除は、住宅ローンを組んで家を新築・購入したときに、年末のローン残高の0.7%を所得税から差し引ける制度です。2026年に入居する場合、新築なら控除期間は最長13年で、所得税で引き切れない分は翌年の住民税からも差し引かれます。
控除の対象になる残高の上限(借入限度額)は、住宅の省エネ性能と世帯の状況によって2,000万〜5,000万円の幅があります。戻ってくる金額は家計が納めている税金の額が上限になるため、限度額いっぱいの控除を受けられない家庭もあります。
令和8年度税制改正で制度は5年延長され、2026年(令和8年)1月1日から2030年(令和12年)12月31日までに入居した人が対象になりました。
住宅借入金等特別控除とは、償還期間10年以上の住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得・増改築した場合などに受けられる税の控除制度です。毎年末の住宅ローン残高をもとに計算した金額が、その年の所得税から差し引かれます。
所得から差し引く医療費控除などと違い、住宅ローン控除は計算した税額から直接差し引く税額控除です。控除額がそのまま税金の軽減額になるので、購入後しばらく出費が重なる時期の家計を支えてくれます。
控除率は年末ローン残高の0.7%で、新築・買取再販住宅の控除期間は最長13年です。控除の対象になるローン残高には借入限度額という上限があり、住宅の省エネ性能が高いほど限度額も大きくなります。
2026年(令和8年)に入居する場合の、新築・買取再販住宅の借入限度額は下の表のとおりです。一般世帯と、子育て世帯・若者夫婦世帯で金額が異なります。
| 住宅の種類(新築・買取再販) | 一般世帯 | 子育て・若者夫婦世帯 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
| その他の住宅(省エネ基準を満たさない新築) | 原則として控除の対象外 | なし | |
※国税庁タックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)の控除限度額をもとにしています。省エネ基準適合住宅の新築がこの扱いになるのは、2026・2027年の入居までです。
令和8年度改正では、中古(既存)住宅の扱いも大きく変わりました。長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅の中古は借入限度額3,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は4,500万円)になりました。省エネ基準適合住宅の中古は2,000万円(同3,000万円)です。
どちらも控除期間が従来の10年から13年に延びています。省エネ性能の証明がないその他の中古住宅は、これまでどおり2,000万円・10年です。2025年までの入居との違いは、住宅ローン控除の改正の要点の記事で紹介しています。
省エネ基準適合住宅の新築は、2028年(令和10年)以降の入居では原則として控除の対象外になります。2027年末までに建築確認を受けたものや、登記簿上の建築日が2028年6月30日までのものは、借入限度額2,000万円・控除期間10年で控除を受けられます。
もう一つの変更は立地です。国土交通省の案内では、2028年以降に入居する場合、災害危険区域や土砂災害特別警戒区域など、いわゆる災害レッドゾーンに新しく建てる住宅は控除の対象外になります。中古住宅の購入や建て替え、リフォームは引き続き対象です。
注文住宅で土地探しから始めると、着工が遅れて入居が2028年にずれ込むことがあります。土地を決める前に区域の指定を市区町村の窓口やハザードマップで調べ、建物の省エネ性能も設計の段階で決めておくと、控除を受けられないまま住み始める事態を防げます。
新築または建築後に使用されたことのない住宅を取得した場合、控除を受けるには次の要件などをすべて満たす必要があります。
床面積は登記簿に表示されている面積で判断します。マンションは共用部分を含まない専有部分(内法面積)で、店舗併用住宅は店舗部分も含めた建物全体の床面積で判断します。
2026年入居分から、40㎡以上50㎡未満の住宅も新築・中古を問わず対象になり、コンパクトなマンションも選びやすくなりました。子育て世帯の上乗せを使うなら50㎡以上が必要なので、40㎡台の住まいでは一般世帯と同じ借入限度額になります。
国税庁タックスアンサー No.1211-1(新築住宅の住宅ローン控除)
控除額は年末の住宅ローン残高に0.7%を掛けて計算します。たとえば、子育て世帯が2026年にZEH水準省エネ住宅の新築(借入限度額4,500万円)に入居し、年末のローン残高が3,500万円だったとします。
この場合、その年の控除額は3,500万円×0.7%で24万5,000円です。残高は返済とともに減るので、2年目以降の控除額も少しずつ小さくなります。
住宅ローン控除は納めている所得税・住民税の範囲でしか戻りません。所得税から引き切れなかった分は翌年度の住民税から差し引かれますが、上限は所得税の課税総所得金額等の5%で、最高9万7,500円です。
上の例で、各種控除を差し引いた後の課税所得が150万円の家庭を考えます。所得税は150万円×5%の7万5,000円なので、24万5,000円のうち所得税から引けるのは7万5,000円です(復興特別所得税は除いて計算)。
残る17万円は住民税から差し引かれますが、上限は150万円×5%の7万5,000円です。控除の合計は15万円になり、9万5,000円分は使い切れません。借入額を決めるときは、控除額の計算に家計の税額も当てはめておくと、控除をあてにした返済計画になりにくくなります。
住民税側の仕組みは総務省の個人住民税の住宅ローン控除の案内に載っています。年収ごとの審査や借入額の目安は、次の記事でも紹介しています。
子育て世帯・若者夫婦世帯には借入限度額の上乗せがあり、令和8年度改正では中古住宅にも上乗せが広がりました。対象になるのは、入居した年の12月31日時点で次のどちらかに当てはまる世帯です。
これらの世帯が省エネ性能を満たす住宅に入居すると、上の表のとおり一般世帯より高い借入限度額が使えます。上乗せを使う場合は床面積50㎡以上が条件になるため、子どもの成長に合わせた広さを考えるときも、50㎡を一つの目安にしてください。
夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約するペアローンでは、要件を満たせば夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられます。合計所得2,000万円以下などの所得要件も、夫婦の合算ではなく1人ずつ判断されます。
共働きで2人とも税金を納めている家庭は、控除を使い切りやすくなります。その代わり、団信や事務手数料などの諸費用は2本分かかるので、ペアローンと収入合算の違いとあわせて比べてみてください。
繰り上げ返済で年末残高が減ると、その分の控除額も小さくなります。さらに返済期間を短くする繰り上げ返済で、最初の返済月から最後の返済月までが10年未満になると、その年から控除を受けられません。
控除期間中にまとまったお金が入ったときは、教育費の準備に回すか繰り上げ返済に使うかを、残りの控除額と比べてから決めましょう。
住宅ローン控除を受けるには、入居した翌年に確定申告が必要です。会社員でも、初年度は自分で確定申告をします。省エネ性能に応じた借入限度額を使うには、住宅省エネルギー性能証明書や建設住宅性能評価書の写しなど、性能を示す書類も提出します。
年末残高の書類は、借入先の対応で変わります。2024年以降に入居した人は、借入先が新しい年末残高調書の方式に移っていれば、金融機関へ住宅ローン控除の適用申請書を出しておくことで、確定申告に年末残高証明書を付ける必要がなくなりました。移っていない金融機関では、これまでどおり残高証明書を添付します。
2年目以降は、会社員であれば勤務先の年末調整で手続きできます。初年度の申告を忘れると控除が始まらないので、入居した翌年の確定申告の時期は家族の予定表にも入れておきましょう。
住宅ローン控除は、2030年12月31日までの入居なら利用でき、新築の多くは13年間にわたって家計を支えてくれます。実際に戻る金額は住宅の性能・入居の時期・世帯の税額で変わるので、物件を選ぶ段階で省エネ性能と立地、借入額の目安をそろえて考えておきましょう。
ご家庭の計画に当てはめる前に、入居する年の要件と必要書類を、国税庁や国土交通省の最新の案内でも確かめておいてください。
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