2024年4月26日
日本にネット銀行が登場したのは今から約20年前です。ジャパンネット銀行・イーバンク銀行・ソニー銀行・セブン銀行の4つの銀行が日本のネット銀行が初めて登場した付近に誕生した銀行で、同じぐらいの時期に破綻した日本長期信用銀行(長銀)を前身とするSBI新生銀行も営業を開始しています。(なお、2021年11月の時点でジャパンネット銀行はPayPay銀行、イーバンク銀行は楽天銀行になっています)
その後、イオン銀行が営業を開始し、住信SBIネット銀行・auじぶん銀行、GMOあおぞらネット銀行などのネット銀行などの新しい銀行が次々に登場しました。
ネット銀行が登場したばかりのころは、残高の確認・入出金明細の確認などの照会系サービスと、振込・振替やATMを使った入出金+円定期預金ぐらいのサービスしか提供されていませんでしたが、今のネット銀行の多くは外貨預金・仕組預金・投資信託・カードローン・住宅ローンなどほとんどの銀行サービスを提供しています。
特にカードローンや住宅ローンはインターネットやスマートフォンを使いこなしている若い年代が利用する銀行サービスということもあり急速に利用者を拡大しました。
この特集記事では、2021年11月時点でのインターネット銀行が提供している住宅ローンの特徴を解説しています。もちろん、”インターネット銀行の住宅ローン”と言っても、それぞれの銀行ごとに提供している住宅ローンなので商品性は違うので、ひとまとめにはできませんが共通点も多くあります。
インターネット銀行は店舗を持たずにインターネットサービスだけで銀行サービスを提供する銀行です。
インターネットという仕組みが世の中に浸透しはじめて、ネットを使う人が増え始めたのは2000年ごろでした。ネット銀行が誕生した当時から変わらないネット銀行の特徴は、「店舗開店・維持費用」と「店舗で対応するための人件費」がかかりにくく、「低コスト」で営業できる銀行であるという点です。
インターネットは世界中のどこにいても、いつでも利用できます。アメリカやヨーロッパにいてもお金を振り込んだりできますし、プリペイドカードサービスなどを活用すれば現地のATMで現地通貨を引き出すこともできます。そのため、新しい店舗をオープンしたり、その店舗を運営するために人を増やす必要がありません。
コストかからないということは、利用者からもらう利息や手数料を減らしても採算を合わせることができます。つまり、ネット銀行の銀行サービスが便利でおトクなのは、この低コスト体質(店舗にお金がかかっていない)が根幹にあるからと言えます。
インターネット銀行の住宅ローンのデメリットは、ネットで申し込みはできるけど住宅ローン審査書類を郵送しなければならず、審査が完了するまでに時間がかかるという点でした。
近年は、法令がデジタルに対応してきたこともあり、住宅ローンの申し込み資料をデジタル化して、スマホやパソコンからアップロード提出することができるようになっています。ただし、提出書類が多い職業は特に、提出書類をスキャンしたりスマホて撮影して提出するのは面倒な作業です。
多くのネット銀行の住宅ローンは保証料が無料ですが、事務手数料が2.20%(税込)かかります。例えば、3,000万円の住宅ローンを借りる場合の事務手数料は66万円(税込)です。
この金額は「保証料がかかるのと大差ない」ですし、メガバンクや地銀が提供している住宅ローンの保証料を前払いした場合、繰り上げ返済や借り換え時に、一定の割合で計算されて返戻されてきますが、事務手数料の場合、返戻されることはありません。
つまり、同じ金額を支払うのであれば「保証料」よりも「事務手数料」の方が圧倒的に不利なので、ネット銀行の住宅ローンが「保証料がかからない」でも「事務手数料はたくさんかかる」と言っているのは、デメリットとして理解しておく必要があります。
日本のネット銀行で初めて住宅ローンを提供したのはソニー銀行です。当時からソニー銀行の住宅ローンは審査が厳しいという評判を目にすることが多くありました。例えば年収基準は厳しく、年収400万円以上が利用条件です。
ソニー銀行だけでなく、ネット銀行の住宅ローン全般の特徴としてその傾向は変わりません。メガバンク・地銀の住宅ローンの審査に通った人でも、ソニー銀行の住宅ローンの審査に落ちることは頻繁にあるようです。
インターネット銀行に限らず住宅ローン審査の基準は基本的に非公開です。審査に落ちた後でなぜ落ちたのかを問い合わせても詳しく教えてもらうことはできませんが、まず、ネット銀行の住宅ローンは低金利であることが審査基準の厳しさを示しています。
お金を貸すことになる銀行は、貸した相手からもらえる受取利息と手数料で利益をあげていますので、ビジネスを成立させるためには、貸し倒れによる回収不能資金やコストがを抑える必要があります。
「金利が低いローンは審査基準が厳しくて当然」と考えるのは当たり前なので、低金利のネット銀行の住宅ローンが厳しく審査される傾向があるのは自然なことと言えます。
働き方改革やシェアワークの拡大で、契約社員や派遣社員などの非正規社員は増加していますが、このような雇用形態を理由に住宅ローンが借りられないケースは減ってきています。ネット銀行の住宅ローンもその傾向は変わらず、派遣社員や契約社員でも安定的な収入を得られると判断されれば問題なく審査に通ります。
また、終身雇用という考え方が薄れ、転職が当たり前の時代になってきたこともあり、勤続年数に対する考え方も変わってきています。もちろん、勤続年数が短いほうが審査上で不利になるのは変わりませんが、10年前・20年前の住宅ローン審査と比べるとあまり重要視されなくなっていると言われています。
インターネット銀行が提供している最新型の住宅ローンの大きなメリットは大きく2つあります。
1つ目は金利が低いこと。昔ながらのスタイルで営業している金融機関と比較して明らかに低金利の住宅ローンを提供しています。また、金利が低いだけでなく「疾病保障」が充実していることも大きなメリットです。
変動金利 | 備考 | |
---|---|---|
auじぶん銀行 | 年HPご確認%(全期間引下げプラン)・新規借り入れ(※1) | がんと診断されるだけで住宅ローン残高が半分になる保障とすべてのケガや病気を保障する全疾病保障が無料で付帯。保証料も無料(審査の結果で保証会社を利用することになった場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途支払う保証料はありません)。 |
SBI新生銀行 | 年0.410% | すべてのケガや病気による介護保障が無料で付帯。 ※自己資金10%以上の場合 |
住信SBIネット銀行(WEB申込コース)※2 | 年0.448%(通期引下げプラン) | すべてのケガや病気を保障する全疾病保障が無料で付帯。保証料も無料。 |
PayPay銀行※4 | 年0.499%(全期間引下型) | 変動金利タイプの金利の低さに注目。 個人事業主・自営業、同族企業にお勤めの方は申込不可。 |
住信SBIネット銀行の住宅ローン(対面)※3 | 年0.448%(通期引下げプラン) | 通常の団体信用生命保険、全ての病気やケガに備える全疾病保障に加え、お借入時のご年齢に応じてガン診断時給付を含む3大疾病保障特約(50%)を基本付帯 |
ソニー銀行 | 年0.647%(新規購入) (変動セレクト) | 2023年11月1日以降、物件の購入価格を超えて借り入れる場合は金利が年0.05%上乗せになります(新規購入時)。
がんと診断されるだけで住宅ローン残高が1/2になる疾病保障が無料付帯。 |
みずほ銀行ネット住宅ローン | 年0.375%~ | メガバンクのみずほ銀行がネット限定の低金利住宅ローンを提供中。50歳まで年0.1%の上乗せでがん団信に加入可能。 |
イオン銀行 | 年0.530%(金利プラン) | イオングループでの買い物が5%引きになるサービスがセット。保証料も無料。2024年11月の適用金利。 |
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