2024年9月2日
変動金利タイプは借り入れ中に金利が上昇するリスクがあるため、住宅ローンの金利上昇リスクを抑えたいと考える人は金利を固定することができる期間が用意されている固定金利タイプを選んでいます。
そのような金利タイプの住宅ローンの中でおすすめしたいのがSBI新生銀行の住宅ローンです。20年固定~35年固定の金利は業界内でもトップクラスの低金利です。しかも金利を固定できるだけでなく、事務手数料は55,000円(税込)~の初期費用が少ない住宅ローン(事務手数料定額型)も提供しています。
SBI新生銀行の住宅ローンは固定期間終了後の金利優遇条件も一般的なネット銀行の住宅ローンと比べて有利な条件となっていて、「住宅ローンの金利変動リスクに備えたい」と考える人におすすめの住宅ローンです。
日本は世界の中でも低金利が続いている国の1つですが、2022年ごろから世界的に金利上昇の圧力が高まり、2024年に入ってもその傾向が続いています。また、2024年に入ってマイナス金利解除や政策金利引き上げが実施されたことで住宅ローンの金利を引き上げる銀行もでてきています。
この記事では「固定金利で住宅ローンを借りたいと考えている」の方のために、金利と固定期間のバランスが良い20年固定金利タイプの住宅ローンについて、具体的な銀行の住宅ローンを例にして解説していきます。
※国土交通省 住宅局総務課民間事業支援調整室「住宅ローン、変動金利型が根強く」より
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001333632.pdf
目次
金利上昇のリスクを取りたくないという人に選ばれる住宅ローンは固定金利タイプ(固定金利期間選択型)の住宅ローンです。考え方は千差万別ですが、固定金利タイプの住宅ローンを選ぶ人の考え方(なぜ固定金利タイプを選んだか)としては以下が挙げられます。
では、実際に銀行の住宅ローン商品としてはどのようなものがあるのでしょうか。20年固定金利タイプの住宅ローンを取り扱っている銀行を例に確認していきましょう。
以下の表は、20年固定金利タイプを提供している金融機関の中から代表的な金融機関をピックアップしたものです。
20年固定金利タイプの住宅ローンを提供している金融機関はネット系銀行・都市銀行・地方銀行など多数存在していますが、今回は提供エリアを全国としているSBI新生銀行・auじぶん銀行・りそな銀行・みずほ銀行を取り上げます。
金利 | 事務手数料 | 借り入れ可能額 | 団信サービス | |
SBI新生銀行 | 年1.350% | 借り入れ金額×2.2%(税込) | 500万円以上3億円以下 | 金利+0.1%でがん団信に加入可能 |
auじぶん銀行 | 年HPご確認%(当初期間引下げプラン) | 借り入れ金額×2.2%(税込) | 500万円以上2億円以下 |
がん50%保障付団信(金利上乗せなし) ※全疾病長期入院保障と月次返済保障も含む |
りそな銀行 | 年2.935% |
借り入れ金額×2.2%+33,000円(税込) |
50万円以上1億円以下 | 金利+0.3%で団信革命加入可能 |
みずほ銀行(ネット住宅ローン) | 年1.580% | 借り入れ金額×2.2%+33,000円+11,000円(税込) | 50万円以上1億円以下 | 金利+0.2%でがん団信加入可能。8大疾病補償プラスがんサポートプランあり。 |
※SBI新生銀行:パワースマート住宅ローン当初固定金利タイプ、自己資金10%以上の場合
※auじぶん銀行:住宅ローン固定金利20年 当初期間引き下げプラン(審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。)
※りそな銀行:りそな住宅ローン 固定金利/当初型20年 融資手数料型
※みずほ銀行:みずほ銀行:みずほネット住宅ローン 固定金利選択 固定20年
※各銀行のウェブサイトなどより。みんなの住宅ローン編集部調べ(2024年9月適用金利)
この4行が提供する20年固定金利タイプの住宅ローンを上記のように比較すると事務手数料などが圧倒的に安いうえに、金利も低いSBI新生銀行の住宅ローンがかなり魅力的なことがわかります。
SBI新生銀行の住宅ローンは20年固定金利タイプの金利が低いのはもちろん、事務手数料も安く、ネット銀行のように非対面での取引(店舗での住宅ローン相談・契約などは原則廃止)が出来るという利便性があります。また、介護保障付きの安心保障付団信も魅力の1つです。
他の3行の事務手数料は基本的に借入金額に対して定率を乗じるものになっていますが、SBI新生銀行は一般団信のみのプランに関しては事務取扱手数料が55,000円(税込)、安心パック付プランでは110,000円(税込)となっており、金利と事務手数料を考慮すると非常に魅力的です。
それでは、それぞれの住宅ローンの特徴について詳しく解説していきます。
SBI新生銀行の20年固定タイプの金利は業界内でも最低金利水準です。新規借入で年1.350%(2024年9月・手数料定率型)で提供されています。
住宅ローンの事務手数料体系には定額型と定率型があります。定額型は借入金額に関係なく手数料が一定のタイプです。今回取り上げた4行の住宅ローンの中で唯一定額型も提供しているのがSBI新生銀行です。
定率型は借入金額に2.20%(税込)などの手数料率を乗じるタイプになるので、借入金額が大きくなるほど手数料負担が増大します。
SBI新生銀行の手数料定額型の住宅ローンは、オプションサービスによって事務手数料が変わります。ここでは一般団信利用時と安心保障付団信が利用できる安心パック利用時の事務手数料を比較してみます。
図のように一定の借入金額がある場合は、安心パックなし(一般団信を利用)の場合と安心パックの事務手数料は他行の主流である定率型の事務手数料に比べて低い負担額となっています。
また借入金額が高額になるにつれてその効果はより大きくなります。SBI新生銀行の借入可能金額は最高3億円となるため1億円以上の高額物件を検討している方にとっては有り難い手数料体系になっています。
借入金額 | 定額型事務手数料(税込) | 定率型事務手数料 借入金額×2.2%(税込) | |
安心パックなし | 安心パックあり | ||
1,000万円 | 5.5万円 | 11万円 | 22万円 |
5,000万円 | 5.5万円 | 11万円 | 110万円 |
1億円 | 5.5万円 | 11万円 | 220万円 |
SBI新生銀行では一般団信のみを選択するか、安心保障付団信が付いた安心パックを利用するかを選択することができます。
安心パックに付いた安心保障付団信とはSBI新生銀行の住宅ローン利用者が一定の介護状態になってしまった時に、保険会社から支払われる介護保険金で住宅ローンの残高が全て返済される団信です。
一定の介護状態とは以下の通りです。
(1)公的介護保険制度の要介護3以上に認定された
(2)次の状態が180日以上続いていることが医師により診断された
SBI新生銀行の安心保障付団信は脳血管疾患や心臓病、糖尿病、もしくは認知症が原因で介護状態になり住宅ローンが返済できない状況になるケースも保障しています。さらに20年固定タイプの利用者は、一定の条件を満たせば事務手数料を16.5万円(税込)に上げることで、安心パックの他にも、病児保育・家事代行サービスが付いた安心パックW、安心パックWに東急グループが提供するサービスが付いた安心パックW<東急グループプラン>、自然災害時債務免除特約が付いた安心パックSを選択することができます。
共働き家庭や小さい子供がいる家庭において安心パックWは魅力的です。
安心パックWの利用者は、認定NPO法人フローレンスが運営する病児保育サービスを10年間利用できます。また株式会社ベアーズが提供する家事代行サービスとハウスクリーニングサービスを利用することも出来ます。
さらに安心パックW<東急グループプラン>は、上記の安心パックWの内容に加えて、東急グループが提供するアフタースクールサービス、ホームセキュリティサービス、家事代行サービス、ハウスクリーニングサービスが付加されます。
安心パックW・安心パックW<東急グループプラン>を選択した方には借入金額によって双方のサービスを利用するためのクーポンが付与されます。
安心パックSには自然災害時債務免除特約が付いています。この特約は地震や台風などで自宅が被害にあった場合に自宅が全壊した場合は24回分、大規模半壊は12回分、半壊・中規模半壊は6回分の住宅ローンの返済額が免除される保険的なサービスです。
なおここまで説明した安心パック、安心パックW・安心パックW<東急グループプラン>、安心パックSには収入に余裕があるときに繰上げ返済をしておくことで、逆に収入が減少した時に元本の返済を休むことができる「コントロール返済」というサービスも付いています。
安心パックシリーズは手数料負担が上がってしまいますが、上手く活用すれば金額以上の価値が見出せるでしょう。
インターネット銀行の中でも昨今変動金利で人気が高いauじぶん銀行ですが、20年固定金利タイプの住宅ローンにおいても魅力的な条件を提示しています。
当初期間引下げプラン固定20年の金利は年HPご確認%(当初期間引下げプラン)(2024年9月)となっており、SBI新生銀行と比べても遜色ないレベルだといえます。ただし、auじぶん銀行では定率制の手数料体系を敷いています。事務手数料は借入金額×2.20%(税込)となり、借入金額が大きくなればなるほど負担額が増えていく仕組みとなっています。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。
また、auじぶん銀行の住宅ローンは、がんと診断されると住宅ローン残高が50%になる「がん50%保障」、「全疾病長期入院保障」「月次保障」を無料で付帯することができます。がん50%保障団信は上乗せ金利・年0.05%でがんと診断された場合に住宅ローン残高相当額100%の保険金が支払われる「がん100%保障団信」にすることもできます。また、上乗せ金利年0.15%でさらに特約が追加されたがん100保障団信プレミアムも用意されています。
SBI新生銀行が介護状態を保障するのと比べるとauじぶん銀行は病気の状態を保障しているといえます。自身が重視する保障を念頭に置いて選択すると良いでしょう。
りそな銀行は、保障が手厚い「団信革命」に定評があります。
りそな銀行の固定金利/当初型20年融資手数料型の最大引下げ金利は年2.935%(2024年9月)となっており、前述したSBI新生銀行やauじぶん銀行と比べるとかなり金利が高い印象があります。
また、りそな銀行の事務手数料(事務手数料型)は定率制の手数料体系です。借入金額×2.20%(税込)となっており、借入金額が大きくなると手数料も高くなってしまいます。また融資手数料型を選択の方は保証料が金利に含まれているため、保証会社に保証料を一括で支払う必要はありませんが、事務取扱手数料33,000円(税込)を支払う必要があります。
りそな銀行では+0.30%で医療のプロに選ばれる保障「団信革命」に加入できます。団信革命に加入していれば、がん(上皮内がん等を除く)と診断されたり、高度障害に該当しない片側の半身まひなどになった場合などの時に、所定の状態に該当すれば仕事に復帰しても住宅ローンの残高が0円になります。
みずほ銀行では「ネット住宅ローン」というサービスがあり、インターネット専業銀行と渡り合える条件を提示しています。
みずほ銀行の固定金利選択のプランの固定金利選択20年の金利は年1.580%(2024年9月)となっており前述のSBI新生銀行やauじぶん銀行よりはかなり金利が高くなっています。しかしみずほ銀行の固定金利選択のプランの場合、当初に設定された優遇幅が最終返済日まで継続されますので、20年の固定金利期間が終了したあとも、比較的優遇された金利を利用し続けることができます。
みずほ銀行のネット住宅ローンの事務手数料は保証料を一部前払いする方式、保証料が金利に上乗せされるタイプ、ローン取り扱い手数料型に分かれます。ローン取り扱い手数料型は、借入金額×2.20%(税込)をみずほ銀行に支払い、さらに33,000円(税込)を事務手数料として保証会社に支払います。また、固定金利選択方式または全期間固定金利方式を選択した方には、固定金利手数料11,000円(税込)がかかります。
みずほ銀行の団信では通常の死亡・高度障害を保障する団信が付いています。さらに金利を年0.2%上乗せするとがん団信に加入できます。また保険料を支払うことで、がんを含めた8 大疾病の保障が付いた8大疾病補償プラスがんサポートプランに加入することができます。
ここからは20年固定金利を選ぶメリットとデメリットについて解説します。
日本の金利は恒常的に上がっていないことはいうまでもありません。金利上昇の可能性を回避して20年固定金利を選択した方よりも、変動金利を選んだ方の方が得をしている状況です。もちろん今後の金利情勢は誰にも確約はできませんので、「今後は金利が上がるだろう」と考える方は20年固定金利を選ぶと良いでしょう。
20年固定金利は金利上昇リスクを負わないというメリットがありますが、それは借入実行後のお話です。住宅ローンの金利は、通常は審査や申し込みをした時の金利が適用されるのではなく、ローン実行時の金利が適用されます。中には実行時ではなく契約時の金利を適用する銀行もありますが、どちらにしても審査開始日と金利決定日が離れているということが重要です。審査から金利決定までに月を跨ぐ場合、実際に実行される金利が想定よりも大きく離れていることがあります。
傾向として変動金利は銀行同士の競争原理が働いていることもあり、月を跨いだ時に大きく金利が上昇してしまっていることはめずらしいといえます。
一方、固定金利に関しては月を跨いだ際に、金利が上昇している銀行をしばしば見かけます。特に、借入金利を計算する際の引き下げ幅が変更になった際には、金利は一気に上昇してしまうことがあります。
20年固定金利の住宅ローンを利用する際には、複数の銀行を候補とし、急な金利上昇が起きてしまった時に即座に第2候補、第3候補も検討できるようにしておきましょう。
また、実際の金利決定がローン実行日なのか、ローン契約日なのかを各銀行に確認をしておくことも大切になります。
日本の住宅ローンの金利は毎年のように過去最低水準と言われています。
「さすがにそろそろ金利が上昇する時代が来るのではないか」と考える方は20年固定金利を選びたくなるような状況にあるのも事実だと思います。
また、固定金利派の方でフラット35などの長期の固定金利を借りている人は、20年固定金利に借り換えるという選択肢もあるでしょう。
一般的に、住宅ローン業界では変動金利が注目され、さらに固定金利といえばフラット35を思い浮かべる人が多く、その中間の20年固定金利は注目されにくいのですが、実は20年固定金利の固定期間と金利水準のバランスは非常に高く一考の価値があります。
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