公開日: 2026年10月12日

住宅ローン控除のコロナ特例(入居期限の弾力化)は、2021年12月末までの入居を対象にした一時的な措置で、すでに役目を終えています。いまの控除は年末のローン残高の0.7%を最大13年間差し引く仕組みです。
この現行制度は令和8年度の税制改正で、2030年12月31日までの入居分まで5年間延長されました。これから家を買うご家族は、コロナ特例ではなく、入居する年の現行制度に当てはめて資金計画を立てることになります。
2019年10月の消費税率10%への引き上げに合わせ、住宅ローン控除には11年目〜13年目の控除期間が上乗せされていました。この13年控除を受けるには、本来は2020年12月末までに入居する必要がありました。
新型コロナウイルスの影響で工事や引き渡しが遅れたことを受け、一定の期限までに契約していれば、入居期限が2021年12月末まで1年延長されました。その後の税制改正では、一定の契約期限を満たせば2022年末の入居まで13年控除を使える措置も設けられています。
これらのコロナ特例は、すでに終了した過去の制度です。現在の住宅ローン控除は控除率や要件の仕組みそのものが変わっているため、これから住宅を購入する人は次の現行制度を前提に考えてください。
住宅ローン控除は令和4年度(2022年)の税制改正で大きく見直されました。さらに令和8年度税制改正で、適用期限が2030年12月31日の入居分まで5年間延長されています(関連税制法は2026年3月31日に国会で成立)。現行制度の主な内容は次のとおりです。
新築住宅の借入限度額(2026年〜2030年入居)は、住宅の性能と世帯の属性で次のように変わります。
| 新築住宅の種類 | 借入限度額(一般) | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 |
※省エネ基準適合住宅(認定住宅・ZEH水準を除く)は、2028(令和10)年以降に建築確認を受ける新築が原則として控除の対象外になります(登記簿上の建築日が2028年6月30日までなら対象)。
※2028年以降に入居する場合、土砂災害特別警戒区域などの災害レッドゾーンに建てる新築住宅は対象外です(建て替え・既存住宅・リフォームは対象)。
中古住宅(既存住宅)を買う場合は、2026年以降の入居から次の限度額になりました。省エネ性能の高い中古住宅を選ぶと、控除期間も新築と同じ13年になります。
| 既存住宅の種類 | 借入限度額(一般) | 子育て世帯・若者夫婦世帯 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
| その他の住宅 | 2,000万円 | 上乗せなし | 10年 |
出典:国土交通省「住宅ローン減税」・令和8年度税制改正の報道発表(2026年10月時点)
当時のコロナ特例と現行制度を並べると、違いがよくわかります。
| 比較の観点 | コロナ特例(終了済み) | 現行制度(2026年10月時点) |
|---|---|---|
| 控除率 | 年末残高の1% | 年末残高の0.7% |
| 控除期間 | 13年(消費税10%適用住宅) | 新築等は最大13年/2026年以降入居は省エネ性能の高い既存住宅も13年(その他の既存住宅は10年) |
| 入居期限 | 2021年12月末まで延長(特例) | 2030年12月31日まで(令和8年度改正で5年延長) |
| 省エネ要件 | なし | 2024年以降に建築確認を受けた新築は省エネ基準適合が必要 |
| 床面積要件 | 原則50㎡以上 | 原則40㎡以上に緩和(高所得者・上乗せ利用者は50㎡以上) |
| 家族向けの優遇 | なし | 子育て世帯・若者夫婦世帯に借入限度額の上乗せ |
現行制度で家計への影響が大きいのは、子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ措置です。教育費とローン返済を並行して払っていく時期ほど、控除で戻る税金が家計の支えになります。
たとえば、小学生の子が2人いる世帯がZEH水準の新築住宅を買い、年末のローン残高が4,500万円だったとします。控除額の上限は4,500万円×0.7%で年31.5万円です。同じ世帯が省エネ基準適合住宅を選ぶと、限度額は3,000万円になり上限は年21万円に下がります。
実際に戻る額は、その年に納めた所得税と住民税(上限9.75万円)の範囲までです。共働きで夫婦それぞれがローンを組むペアローンなら、夫婦それぞれが控除を受けられます。
省エネ基準を満たさない新築住宅は、控除そのものが受けられません。物件選びの段階で、認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合のどれに当たるかを販売会社に聞いてみてください。性能の高い住宅は限度額が大きいだけでなく、毎月の光熱費も抑えやすくなります。
控除の効果を家計に生かすには、住宅ローンそのものの選び方も欠かせません。金利に加えて、保証料・事務手数料・団信の保障内容まで含めて比べてみてください。
控除率が0.7%に下がった経緯は住宅ローン控除の0.7%への改正と現行制度の記事で、要件の全体像は住宅ローン控除の控除率・借入限度額・要件をまとめた記事で整理しています。
A. 延びません。控除率・控除期間・借入限度額は入居した年の制度で決まり、すでに控除を受けている人は当時の条件のまま最後まで適用されます。今回の延長は、2026年〜2030年に入居する人が対象です。
A. 対象になり得ます。令和8年度改正で床面積要件が新築・既存とも40㎡以上に緩和されたためです。合計所得金額が1,000万円を超える人と、子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せを使う場合は50㎡以上が必要なので、広さと上乗せのどちらを取るか試算してみてください。
A. 建設住宅性能評価書や住宅省エネルギー性能証明書などの証明書類で確認します(2025年4月以降に建築確認を受けた住宅は検査済証でも可)。控除の申告に使える証明書を発行できるか、契約前に販売会社・施工会社に聞いておくと手続きで慌てずに済みます。
A. 2026年以降の入居なら使えます。長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準の中古住宅は4,500万円、省エネ基準適合の中古住宅は3,000万円が限度額です。省エネ基準を満たさない中古住宅は上乗せの対象外で、限度額2,000万円・控除期間10年になります。
ご家庭の計画に当てはめる前に、各金融機関の最新の金利と条件も確かめておいてください。制度の要件や証明書類の詳細は、国土交通省の住宅ローン減税のページに掲載されています。
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