公開日: 2026年6月25日

マイホームの購入を考えるとき、家計の心強い味方になるのが「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」です。住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、年末のローン残高に応じて所得税や住民税が軽くなる制度で、教育費などの出費が重なりやすい子育て世帯にとっては、購入後の家計の負担をやわらげてくれる大切な仕組みです。
ここでは、2025年(令和7年)時点の住宅ローン控除の仕組み・控除率・借入限度額・適用要件を、これからマイホームを検討するご家族の目線でわかりやすく整理します。
・控除率は年末ローン残高の0.7%(2022年の改正で1%から引き下げ)
・控除期間は新築・買取再販で最大13年、中古(既存)住宅は最大10年
・床面積は原則50㎡以上だが、合計所得1,000万円以下なら40㎡以上でも対象(緩和措置)
・子育て世帯・若者夫婦世帯は借入限度額が上乗せされる
住宅借入金等特別控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得・増改築した場合などに受けられる税の控除制度です。毎年末の住宅ローン残高の合計額をもとに計算した金額が、その年の所得税から差し引かれ、所得税で引き切れない分は翌年の住民税からも一部控除されます。
つまり、「納めた所得税・住民税が戻ってくる(軽くなる)」制度です。住宅取得から数年間は出費が重なりやすい時期だからこそ、家計にとって大きな支えになります。
2022年の税制改正以降、控除率は年末ローン残高の0.7%(一律)に、新築・買取再販住宅の控除期間は最大13年となりました。控除の対象になるローン残高には「借入限度額」という上限があり、住宅の省エネ性能によって限度額が変わるのが今の制度の大きな特徴です。
2025年(令和7年)に入居する場合の、新築・買取再販住宅の借入限度額は次のとおりです。
| 住宅の種類(新築・買取再販) | 一般世帯 | 子育て・若者夫婦世帯 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 4,000万円 | 13年 |
| その他の住宅(省エネ基準を満たさない新築) | 原則として控除の対象外 | — | |
中古(既存)住宅の場合は、長期優良住宅などの省エネ住宅で借入限度額3,000万円、その他の住宅で2,000万円、控除期間は10年です。
2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は、原則として省エネ基準への適合が必要で、省エネ基準を満たさない新築は控除の対象外になる点に注意しましょう。なお、2026年(令和8年)以降は税制改正で内容が変わる(中古住宅の控除拡充など)ため、最新の借入限度額・要件は国土交通省・国税庁の公式サイトで必ずご確認ください。
新築または建築後に使用されたことのない住宅を取得した場合、控除を受けるには次の要件などをすべて満たす必要があります。
(1) 取得などから6か月以内に居住し、適用を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいること
(2) 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
(3) 住宅の床面積が50㎡以上で、床面積の2分の1以上が居住用であること(床面積40㎡以上50㎡未満の場合は、合計所得金額1,000万円以下の年に限り対象)
(4) 返済期間が10年以上の住宅ローンであること
床面積は登記簿に表示されている床面積で判断します。マンションの階段・通路など共同で使う部分(共用部分)は含めず、店舗併用住宅は店舗部分も含めた建物全体の床面積で、共有住宅は他の人の持分も含めた建物全体の床面積で判断します。
控除額は「年末の住宅ローン残高 × 0.7%」で計算します。たとえば、子育て世帯が2025年に新築の省エネ基準適合住宅(借入限度額4,000万円)を購入し、年末のローン残高が4,000万円以上だった場合、その年の控除額は 4,000万円 × 0.7% = 28万円 になります。
ここで気をつけたいのは、住宅ローン控除は「納めた所得税・住民税」の範囲でしか戻ってこないという点です。所得税は累進課税で各種控除も多いため、年収がそれほど高くない世帯では、借入限度額の枠をすべて使い切れないこともあります。「借入限度額いっぱいまで必ず戻る」わけではないことを、返済計画を立てる段階で家計に織り込んでおくと安心です。
年収ごとの控除や審査の目安は、次の各ページでも試算していますので、あわせてご覧ください。
● 年収100万円の住宅ローン審査基準
● 年収200万円の住宅ローン審査基準
● 年収300万円の住宅ローン審査基準
● 年収400万円の住宅ローン審査基準
● 年収500万円の住宅ローン審査基準
● 年収600万円の住宅ローン審査基準
● 年収700万円の住宅ローン審査基準
● 年収800万円の住宅ローン審査基準
近年の改正では、子育て世帯・若者夫婦世帯に対して借入限度額の上乗せが続いています。対象になるのは、次のいずれかに当てはまる世帯です。
・子育て世帯:入居年の12月31日時点で19歳未満の子がいる世帯
・若者夫婦世帯:入居年の12月31日時点で夫婦のいずれかが40歳未満の世帯
これらの世帯が省エネ性能を満たす新築に入居する場合、上の表のとおり一般世帯より高い借入限度額が適用されます。教育費や住み替えの負担が重なりやすいご家庭にとって、心強い後押しになる仕組みです。
住宅ローン控除を受けるには、入居した翌年に確定申告が必要です。会社員の方でも、初年度は確定申告を行います。登記事項証明書・売買契約書・住宅ローンの年末残高証明書などを準備しましょう。
2年目以降は、会社員であれば勤務先の年末調整で手続きできますので、思ったより手間はかかりません。申告もれがないよう、初年度の確定申告は忘れずに行いましょう。
Q. 共働きでペアローンを組むと、夫婦それぞれで控除を受けられますか?
A. 夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約するペアローンの場合、要件を満たせば夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられます。共働きで所得税・住民税をそれぞれ納めているご家庭では、控除の枠を活かしやすくなります。ただし団信や諸費用が2本分かかる点もあわせて検討しましょう。
Q. 繰り上げ返済をすると控除はどうなりますか?
A. 繰り上げ返済で年末残高が減ると、その分(残高×0.7%)の控除額も小さくなります。また、繰り上げ返済の結果、当初からの返済期間が通算で10年未満になると、以後の控除が受けられなくなる場合があるため、控除期間中の大きな繰り上げ返済はタイミングに注意しましょう。
Q. 中古住宅でも住宅ローン控除は使えますか?
A. 使えます。1982年(昭和57年)以降に建築された住宅、または現行の耐震基準に適合している中古住宅などが対象で、借入限度額・控除期間は新築と異なります(上記の表を参照)。
住宅ローン控除は、マイホームを持つご家族の家計を長く支えてくれる制度です。ただし金額や要件は税制改正でたびたび見直されており、購入・入居の時期によって適用される内容が変わります。契約前に最新の制度内容を国税庁・国土交通省の公式サイトで確認し、無理のない返済計画とあわせて検討していきましょう。
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