公開日: 2026年6月28日

この記事ではPayPay銀行の住宅ローンの落とし穴になりそうなデメリットや注意点について解説しています。
目次
PayPay銀行は2019年の夏に住宅ローンの取り扱いを開始しました。ネット銀行の中でも比較的新しい住宅ローンで、取り扱い開始からまだ数年という点は人によっては気になるところかもしれません。住宅ローンは十年単位の長いお付き合いになるため、その金融機関と安心して長く付き合えるかは大切な視点です。
それでは、引き続きPayPay銀行の住宅ローンの落とし穴やデメリットを中心に解説していきます。
なお、PayPay銀行の住宅ローンは魅力的な水準の低金利と充実した疾病保障で利用者を伸ばしており、キャンペーンや金利優遇(ソフトバンクの「スマホ/ネット/でんき優遇割」など)も実施しています。この記事内では最新の金利やキャンペーンの詳細にはあまり触れていませんので、こちらのページや公式サイトで最新情報を確認しておきましょう。
住宅ローンはメリットだけでなくデメリットもしっかり把握しておくことが大切です。検討中の方は、この記事でメリット・デメリットを理解して、思わぬ落とし穴にはまらないようにしましょう。
住宅ローンは30年以上返済を続ける可能性がある商品なので、その金融機関が安心して取引できる先かを確認しておくことも重要です。
PayPay銀行の最大の魅力は変動金利タイプの低金利ですが、「変動金利タイプ」は銀行が状況に合わせて金利を変更できる仕組みです。もちろん、銀行は金融庁の認可を受けて営業する許認可事業で、一般企業より信頼性は高く、過度に心配する必要はありません。
PayPay銀行は三井住友銀行やソフトバンクグループ系の企業が出資するネット銀行で、住宅ローンの取扱残高も順調に拡大しています。ネット銀行は店舗・自前ATM・通帳発行などを持たないことで運営コストを抑え、預金金利を高め、ローン金利や手数料を低くできるのが特徴です。とはいえ、変動金利は今後の金利情勢で見直される点は、どの銀行でも共通の前提として理解しておきましょう。
住宅ローンを選ぶときに最も重要なのは金利の低さです。住宅ローンにかかるお金の大半は利息で、その額を決めるのが金利だからです。
ただし、金利や利息だけで選んでよいわけではありません。「事務手数料」「保証料」「一部繰上返済手数料」「団信・疾病保障の保険料」などの費用も住宅ローンによって違うので、総合的に判断することが大切です。
PayPay銀行の住宅ローンは、「保証料無料」「一部繰上返済手数料無料」「一般団信の保険料無料」など多くの費用が無料です。一方、がん50%保障団信は2026年6月1日のお借入分から上乗せ金利が必要になりました(最新の上乗せ幅は公式でご確認ください)。また、借入時に支払う「事務手数料」は借入金額の2.20%(税込)が必要です。
例えば、3,000万円を借りる場合66万円(税込)、5,000万円なら110万円(税込)、1億円なら220万円(税込)の事務手数料がかかります。
この事務手数料の水準は、金利が低く保証料がかからないネット銀行の住宅ローンとしては標準的です。ただし、ソニー銀行の変動セレクト・固定セレクト住宅ローンのように事務手数料が定額(44,000円・税込)で選べる住宅ローンと比べると高めです。借入額が大きいほど定率型の影響は大きくなるので、定額型を選べる住宅ローンと比較するときは、この違いに注意しましょう。なお、保証料0円のSBI新生銀行も、現在は事務手数料が借入金額×2.20%(税込)の定率型です。
そのため、同じ金額を払うなら保証料の方がマシ(将来戻る可能性がある)という違いは、見逃しがちな落とし穴の1つです。
PayPay銀行の最大の魅力は金利の低さで、変動金利は1.330%(全期間引下型)・10年固定金利は2.870%(当初期間引下型)と、どちらも最低水準です。気を付けてほしいのは「長期固定金利」です。
※2026年8月金利
PayPay銀行の長期固定金利タイプは現時点でそこまで魅力的とは言えないため、20年〜35年といった長めの期間で金利を固定したい方は、他の住宅ローンも候補に入れておくとよいでしょう。教育費のピークが続く時期に金利を固定して家計を安定させたいご家庭は、全期間固定が得意な住宅ローンとの比較もおすすめします。
どんなに魅力を感じても、審査に通らなければ利用できないので、審査基準も確認しておきましょう。
<主な審査基準>
| 審査基準 | 概要 |
| 年齢 | 借入時の年齢が20歳以上65歳未満であること。完済時年齢は80歳未満。 |
| 年収 | 前年度の年収が200万円以上 |
| 職業 | 会社員・公務員向けに加え、個人事業主・法人経営者向けの住宅ローンも用意(自営業・ご自身やご家族が経営する会社にお勤めの方も申込可。会社員向けと審査・金利条件が異なる場合あり) |
| 収入合算・ペアローン | 収入合算・ペアローン共に利用可能 |
| 資金使途 | 戸建・マンション購入(中古もOK)、戸建ての新築費用、借り換え費用。諸費用の借り入れも可能。 |
| 借入可能上限金額 | 2億円 |
以前のPayPay銀行は、個人事業主・自営業・家族経営の会社の経営者は申し込めないという厳しめの基準でしたが、現在は個人事業主・法人経営者向けの住宅ローンが用意され、これらの方も申し込めるようになりました(適用金利や条件は会社員向けと異なる場合があります)。
「契約社員・嘱託社員」「派遣社員」「パート・アルバイト」「年金収入のみ」などに該当する方は、雇用形態や収入の安定性によって審査結果が左右されやすいので、PayPay銀行以外の住宅ローンも選択肢に加えておくと安心です。住宅ローンは審査に落ちたり希望どおりにならない可能性があるため、基本的には2〜3社に申し込んでおくと無難です。
ネット銀行の住宅ローンは、店舗で申し込む住宅ローンより審査・融資に日数がかかる傾向があります。余裕を持って申し込んだつもりでも、書類不備ややり直しで希望の借入日に間に合わない、という落とし穴もあります。
PayPay銀行は手続きをすべてインターネットで完結できるため郵送より早く進められますが、「事前審査の結果まで最大5営業日(1週間)」「本審査の結果まで最大10営業日(2週間)」かかります。書類準備や不動産会社との調整、司法書士との面談などもあるため、事前審査申込みから融資実行までに1か月はかかると考えておきましょう。マイホーム購入で融資実行日が決まっている場合は、特に余裕をもって進めてください。
PayPay銀行はネット銀行なので、申し込みはパソコンかスマホで進めます。コールセンターでの相談はできますが、パソコンやスマホをほとんど使わない方には向いていません。対面でじっくり相談したい方は、店舗を持つ銀行も検討しましょう。
住宅ローンに関する主な手続きは、申し込み時も借り入れ後も基本的にインターネットバンキング画面で行います。
PayPay銀行の住宅ローンの変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」がありません。一般的な住宅ローンの変動金利には、急に毎月の返済額が増えないようにする「5年ルール」「125%ルール」が用意されていることが多く、「返済に困る家庭が増えるのを防ぐ」目的があります。
変動金利は今後上がってもおかしくないこと、PayPay銀行にはこのルールがないことは、変動金利を借りる予定の方は認識しておきましょう。金利上昇局面では、返済額がそのまま増えるため、家計に余力をもたせておくことが大切です。
auじぶん銀行の住宅ローンはこれらのルールを採用しているので、心配な方はauじぶん銀行も候補に入れてみることをおすすめします。
この2つのルールを簡単に解説します。
変動金利は市場金利に照らして銀行が決定しますが、「金利が上がっても、5年間は毎月の返済額を変更しない」のが5年ルールです。
ポイントは「変わらないのは毎月の返済額」であって金利ではない点です。返済額を変えずに元本と利息の割合を調整するため、「利息が増えた分、毎月の元本返済が減る」ことになります。返済額が変わらない安心感はありますが、元本の減りが遅くなる分、総返済額は増えます。
125%ルールは5年ルールを発展させたもので、5年ごとの返済額見直し時に「見直し前の返済額の125%を超えて増やさない」というルールです。毎月10万円返済していた人なら、見直し後も最大12.5万円までしか上がりません。この12.5万円にも5年ルールが適用され、さらに5年後の見直しで最大約15.6万円になります。
仮に本来の見直し後返済額が13万円でも、このルールで抑えられた月5,000円分は後で負担することになり、元本の減りも遅くなるため、やはり総返済額は増えます。
PayPay銀行の変動金利は「金利が上がったら、その金利に応じて返済額が決まる」シンプルな設計です。日本ではこの2つのルールが普及しているため、PayPay銀行は採用していない少数側にあたると理解しておきましょう。なお、同様にこれらのルールを採用していない銀行にSBI新生銀行とソニー銀行があります(各行の最新の取り扱いは公式でご確認ください)。
PayPay銀行は、三井住友銀行やソフトバンクグループ系の企業が出資するネット銀行です。低金利の長期化で多くの銀行が収益に苦しむなか、PayPay銀行は決済サービスとの連携や住宅ローンの拡大などを背景に、経常利益を伸ばしてきました。住宅ローンを長く付き合う相手として、経営基盤の面で過度に不安視する必要は小さいと言えるでしょう(最新の業績は公式の決算情報でご確認ください)。
2019年に登場したPayPay銀行の住宅ローンは、低金利と充実した団信が魅力で、商品性を着実に高めてきました。もちろん、auじぶん銀行・楽天銀行・SBI新生銀行など多くのライバルがあり、誰にとっても1番という住宅ローンは存在しませんが、PayPay銀行は借入先候補に加えておいて損のない商品と言えます。
一方で、本記事で解説したとおり、事務手数料(借入額×2.20%・税込)・がん50%保障団信の上乗せ・5年ルール/125%ルールがない点・つなぎ融資非対応など、気を付けたいポイントもあります。金利の低さだけでなく、家計のゆとりや家族の備えまで含めて、しっかり住宅ローン選びを行いましょう。
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