ジャパンネット銀行の住宅ローンの落とし穴とは?

2019年12月2日

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ジャパンネット銀行の住宅ローンの落とし穴とは?

ジャパンネット銀行の住宅ローンの落とし穴

日本で初めて誕生したインターネット銀行であるジャパンネット銀行がついに住宅ローンに業界に参入してきたわけですが、変動金利で年0.415%、10年固定金利で年0.580%という業界最低水準の金利(金利は2019年12月現在)でサービス開始当初から手続きに遅れが生じるほど人気を集めている住宅ローンの1つにあっという間に成長しました。

 

普通の銀行では提供できないほどの低金利の住宅ローンに仕上がっているジャパンネット銀行の住宅ローン。この特集ページではそんなジャパンネット銀行の住宅ローンには、なにか落とし穴になりそうなポイントは無いのか?という観点で解説したいと思います。まだ、ジャパンネット銀行の住宅ローンのメリットなどを把握できていない人は、先にこちらのページでジャパンネット銀行の住宅ローンのメリットや特徴を確認してからこの記事を読んでいただくと良いと思います。

 

公式サイトへのリンクも掲載しておきます。

 

ジャパンネット銀行の住宅ローン公式サイト

 

 

落とし穴になりそうなポイントを徹底解説

ジャパンネット銀行の企業背景・業績は?

住宅ローンは30年以上返済を続けていくことになる商品なので、企業背景や業績などを確認して安心して取引できるかを確認しておくことも重要なポイントです。特に「変動金利」の住宅ローンは、借り入れ時の金利は低いのですが、極端に言えば銀行が金利を自由に変更できる金利タイプなので、業績悪化などに起因して金利を引き上げられてしまう可能性があります。

 

もちろん、銀行は金融庁から認可をもらって営業ができる事業なので、一般的な企業に比べると信頼性や安心感が高い業界です。そのため、過度に心配する必要はありませんが、一部の地方銀行のように会社全体の業績が苦しいと、構造改革・合併・サービスの改悪などが行われる可能性は否定できません。

 

基本的な話ですが、ジャパンネット銀行は2000年10月に営業を開始した日本初のインターネット専業銀行(ネット銀行)です。

 

ネット銀行とは、最低限必要な事務所(本部・事務・電話対応)以外の店舗・支店を持たない形態の銀行です。店舗を持たない以外にも、自前のATMを持たず、通帳発行も行わないなど、従来の銀行と比べて、人件費・店舗費などの銀行業を提供していくための運営にかかる費用を抑えることができるので、一般的に預金金利が高く、手数料やローンの金利を安くできるという点が特徴です。

その代り、店舗で銀行員に手続きをお願いしたり、対面で相談したりすることはできず、パソコンやスマートフォンを使ってインターネットで手続きするか、コールセンターに電話して相談したり手続きを依頼する必要があります。

 

ジャパンネット銀行の親会社は日本最大のネットサービスと言える「Yahoo!Japan」を提供しているZフィナンシャル株式会社(ヤフー株式会社から社名を変更)と、メガバンクの1つ「三井住友銀行」で、さらに富士通株式会社からも出資を受けているネット銀行です。いずれも日本を代表する大企業で企業背景としては申し分ありません。

 

次にジャパンネット銀行の業績について確認しておきましょう。以下はジャパンネット銀行が公表している2014年~2018年の業績の推移から抜粋したものです。順調に経常収益(≒売上)は増加していることがわかる一方、経常費用(≒使ったお金)も増えているので2018年度は経常利益は約16億円まで減少しています。日銀の金融政策による低金利が長引き、多くの銀行が業績悪化に苦しんでいることを考えるとこの業績の推移は心配は無用と言えるでしょう。

 

ジャパンネット銀行の業績

 

経常利益が減っている理由について、ジャパンネット銀行の説明を要約すると以下のようになっています。

  • 貸出残高も手数料収入も増加したが、国債や株式などの売却による収益は減少し、
  • 預金や口座数も順調に集まったが、その分口座保有者に支払う利息やコンビニATMが利用された時に払う手数料が費用が増えて
  • 貸出残高が増えたのは良かったが、ビジネスローンの貸し倒れが増加してマイナスになった。
  • さらに、住宅ローンなど、新しいサービスを立ち上げるための人件費などの先行投資が増えた

 

ジャパンネット銀行の公式サイト

 

住宅ローンの説明に入る前の前置きが長くなってしまいましたが、住宅ローンに関する落とし穴になりそうなポイントの解説を続けます。

 

費用(初期費用・諸費用)

住宅ローンを選ぶときに最も重要なのは金利の低さです。「金利の低さがなぜ重要なのか?」と言うと、話は単純で、住宅ローン全体にかかるお金の大半は住宅ローンの利息が占めるので、その利息を左右する金利が非常に重要なためです。

 

一方で、「住宅ローンは金利だけを見ていれば良いか?」というとそうではありません。利息以外にも、「事務手数料」「保証料」「繰上返済手数料」「団信・疾病保障の保険料」などの費用が住宅ローンによって違うので、それらを総合的に考慮して住宅ローンの魅力を判断することが大切です。

 

ジャパンネット銀行の住宅ローンは、「保証料無料」「一部繰上げ返済手数料無料」「団信保険料無料」ですが、「事務手数料」については少し注意が必要で、借入金額の2.2%(税込)が必要になります。例えば、3,000万円を借りる場合66万円、5,000万円を借りる場合110万円、1億円を借りる場合、220万円の事務手数料を支払う必要があります。

 

この事務手数料の水準は、金利が低く、保証料がかからないネット銀行の住宅ローンとしては標準的ですが、例えば、楽天銀行の金利選択型住宅ローンは33万円、新生銀行のパワースマート住宅ローンは5万5,000円~と少ない金額の住宅ローンを提供しているので、そのような事務手数料が低い住宅ローンと比較する時は注意するようにしましょう。特に高額のローンになればなるほど、その影響が大きくなってくるので注意が必要です。

 

メガバンクや地方銀行の住宅ローンの多くは、事務手数料は数万円程度と少なく済みますが、ジャパンネット銀行の住宅ローンでは支払う必要がない保証料がかかります。この保証料は住宅ローン(銀行)によって決定ルールがありますし、「審査した結果で変化がある」ので事務手数料と単純比較できませんが、保証料は将来住宅ローンの借り換えを行ったり、繰り上げ返済をした時に支払い済みの保証料の一部を返金してもらえる可能性があります。

そのため、同じ金額の保証料と事務手数料を支払うのであれば、保証料を支払う方がマシ(将来戻ってくる可能性がある)という違いは見逃しがちな落とし穴の1つです。

 

住宅ローンの金利水準

ジャパンネット銀行の2019年11月の住宅ローン金利

ジャパンネット銀行の住宅ローンの最大の魅力は金利の低さです。確かに変動金利は年0.415%!10年固定金利は0.580%!と業界最低水準の低金利ですが、「金利タイプをまだ決めていない人、具体的には長期固定金利の住宅ローンの利用も考えている人」には、少し注意してほしい落とし穴があります。

 

実はジャパンネット銀行の住宅ローンの長期固定金利タイプは、現時点では、魅力的と言えるほど低金利とは言えず、35年返済の住宅ローンの金利を完全固定したいと考えている人であれば他の住宅ローンを選択した方が良い可能性があります。

 

具体的に他の住宅ローンと固定金利タイプの金利水準を確認してみましょう。(金利は2019年11月時点)

事務手数料保証料金利(35年固定)実質金利
ジャパンネット銀行2.2%不要1.450%1.650%→ 詳細
新生銀行55,000円~不要1.300%1.300%→ 詳細
じぶん銀行2.2%不要1.267%1.467%→ 詳細
楽天銀行(フラット35)0.990%~不要1.170%1.270%→ 詳細
三菱UFJ銀行33,000円必要1.550%1.750%→ 詳細
三井住友銀行33,000円必要1.590%1.790%→ 詳細
みずほ銀行33,000円必要1.590%1.790%→ 詳細

※実質金利とは事務手数料や保証料の費用を当サイト所定の計算式で上乗せ金利を計算し、金利(表面金利)に反映させた金利です。計算方法について詳しくはこちら
※金融機関によって異なる商品性の住宅ローンを提供している場合があります。

35年固定金利で比較するとジャパンネット銀行の住宅ローン金利よりも魅力的な金利設定になっている住宅ローンがあることがわかります。メガバンクなどと比べれば見劣りするわけではありませんが、フラット35や新生銀行の住宅ローンの低金利が目立っている通り、選択肢は他にもあることがわかると思います。

 

審査基準

ジャパンネット銀行の住宅ローンにどんなに魅力を感じても審査基準を満たせなかったり、審査に落ちて利用できなければ全く意味がないので、審査基準にも注目しておくべきです。ちなみにジャパンネット銀行の住宅ローンには他の銀行の住宅ローンではほとんど見かけず落とし穴になりそうな審査基準が1つあります。

以下が基本的に定められている主な審査基準です。

審査基準概要
年齢住宅ローンの借入時の年齢が20歳以上65歳未満であること。完済時年齢は80歳未満。
年収前年度の年収が200万円以上
職業個人事業主・自営業・家族経営の会社の経営者は利用できない。
収入合算・ペアローン収入合算・ペアローン共に利用可能
資金使途戸建・マンション購入(中古もOK)、戸建ての新築費用、借り換え費用。諸費用の借り入れも可能。
借入可能上限金額2億円

 

注意してほしいポイントは、個人事業主・自営業・家族経営の会社の経営者はジャパンネット銀行の住宅ローンを利用できないことです。「正社員」「公務員(または準公務員)」であれば問題ありません。雇用体系について明記されていませんので、状況によっては審査に通る可能性はありますが、「契約社員・嘱託社員」や「派遣社員」・「パート・アルバイト」・「年金収入のみ」などに該当する人は審査に落ちる可能性が高いと考えておいた方が良いでしょう。

 

住宅ローンは審査に落ちる可能性や審査に通っても金利や借入金額が希望通りにならない可能性があるので、基本的には2~3社に申込みしておいた方が無難ですが、上記に該当する人はジャパンネット銀行以外の住宅ローンを選択肢に加えておくようにしましょう。

 

審査完了までの所要日数

ネット銀行の住宅ローンは店舗で申し込む住宅ローンより審査が完了して融資されるまでに日数がかかるという特徴があります。余裕を持って申し込んだつもりでも書類不備ややり直しが発生すると希望する借入日に間に合わかったという落とし穴にはまることもあります。

 

ジャパンネット銀行では住宅ローンの審査書類をすべてインターネットで完結できる手続き方法を用意しているので、郵送するよりは早く手続きを進めることができますが、「事前審査の結果が出るまでに最大で5営業日(1週間)」、「本審査を申し込んでから結果が出るまでに最大で10営業日(2週間)」かかります。それ以外にも提出する書類を準備する期間や不動産会社を交えた調整、司法書士との面談などの手続きがありますので、事前審査申込みから融資実行までに1か月はかかると考えておく必要があります。

 

特に多数の人が申し込みすると手続きにさらに時間がかかる可能性があります。住宅ローンの借り換えであれば、数日程度のズレは許容できると思いますが、マイホーム購入などで融資実行日がある程度定められている場合は余裕をもって申し込み手続きを進めるようにしましょう。

 

住宅ローン審査申込みについて詳しくはこちら

 

申込み手続き・サポート体制

これまで説明した通り、ジャパンネット銀行はネット銀行なので申し込み手続きはパソコンかスマホで進めていくことになります。コールセンターで問い合わせして相談することはできますが、パソコンやスマホをほとんど使わないような人にはジャパンネット銀行の住宅ローンは向いていないと言えます。

ジャパンネット銀行の住宅ローンを利用するには申し込みする時も、申し込んだ後も基本的にはパソコンやスマホのインターネットバンキング画面で行う必要があります。パソコンやスマホではなく、店舗で手続きしたいという人には借り入れ後の残高確認や繰り上げ返済などの手続きにも困る可能性があります。

<住宅ローンに関する主な手続き>

  • 事前審査申込み
  • 本審査申込み
  • 書類の提出
  • 住宅ローン返済用の資金移動
  • 繰上げ返済(借り入れ後)
  • 預金や住宅ローンの残高の確認

 

団体信用生命保険(団信)

住宅ローンの団体信用生命保険は銀行ではなく、保険会社により提供されますが、ジャパンネット銀行ではクレディ・アグリコル生命を引受保険会社として採用しています。クレディ・アグリコル生命は団体信用生命保険に非常に強く、多くの銀行から採用されている実績があります。

 

実績が豊富な保険会社だけに商品ラインナップも申し分ないのですが、ジャパンネット銀行の住宅ローンには無料の疾病保障は付保されません。通常の一般団信は無料で利用できます。

 

従って、がん保障や11疾病保障などの疾病保障の利用を考えている人は疾病保障を利用する時にかかる上乗せ金利を加味して住宅ローンの金利を比較する必要があります。例えば、じぶん銀行・ソニー銀行の住宅ローンはジャパンネット銀行と同じクレディ・アグリコル生命を採用していますので、団信・疾病保障のラインナップはほとんど変わりません。

 

2019年12月時点の金利で比較していますので参考にしてください。

一般団信のみがん50%保障がん100%保障11疾病保障
ジャパンネット銀行0.415%0.515%(+0.1%)0.615%(+0.2%)0.715%(+0.3%)
じぶん銀行0.457%0.457%0.657%(+0.2%)0.757%(+0.3%)
ソニー銀行0.507%0.507%0.707%(+0.1%)0.807%(+0.2%)

※金利は変動金利・自己資金無しで借り入れた場合。ソニー銀行の金利は変動セレクト住宅ローンを利用する場合です。なお、じぶん銀行とソニー銀行は無料でがん50%保障がセットされますが、がん50%保障の審査に落ちて付保できない場合や年齢制限(50歳代以上)で付保できない場合がありますので、一般団信のみで利用することになる可能性があります。

上記のようにどのような疾病保障を利用するかで金利の見え方が違ってくることがわかります。特にライバル商品であるじぶん銀行とは団信の組み合わせにより優劣が入れ替わる状況になっていることがわかります。

 

このようにジャパンネット銀行の住宅ローンを無料の疾病保障付住宅ローンと比べるときは金利の優劣が入れ替わる落とし穴がありますので認識しておくようにしましょう。優劣と言ってもその差は微妙な誤差とも言えますし、どちらの住宅ローンも非常に魅力的な住宅ローンなので後悔するほどのことではないかもしれません。(上記は変動金利を参考にした例ですが、10年固定金利など他の金利タイプでは違った結果になりますので、希望する金利タイプで同じように比較するようにしましょう。)

 

<参考:ジャパンネット銀行の住宅ローンの団信ラインナップ>
ジャパンネット銀行の団信ラインナップ

 

団体信用生命保険・他の金利はこちらから

 

変動金利の 5年ルールと125%ルールについて

ジャパンネット銀行の住宅ローンでは、変動金利の5年ルール・125%ルールが採用されていません。落とし穴と言う程のものではないかもしれませんが、ジャパンネット銀行の住宅ローンを変動金利で借りようとしている人は頭の片隅には入れておくようにしましょう。

 

この2つのルールを簡単に解説は以下です。

5年ルールとは

変動金利の金利は市場の金利に照らし合わせながら銀行が決定しますが、銀行が「住宅ローンの変動金利の金利があがっても、5年間は毎月の返済額を変更しない」のが5年ルールです。

 

ポイントは「変動しないのは毎月の返済額」であって、金利ではありません。そのため、毎月の返済額を変えずに元本と利息の返済割合の調整が行われます。具体的には「利息返済が増えた分、毎月の元本返済が減る」ということになります。毎月の返済額が変わらないのは安心感がありますが、その一方で住宅ローンの元本返済スピードが遅くなる影響で総返済額は増加することになります。

125%ルールとは

125%ルールは、先ほど説明した5年ルールをさらに発展させたルールで、毎月の返済額が変わらない5年間が終わった後の返済額の見直し時に「見直し前の毎月の返済額より125%より多い金額にしない」というルールです。例えば、毎月10万円返済していた人の返済額が見直されたとしても12.5万円までしかあがりません。なお、この12.5万円にも5年ルールが適用されますので、5年間の毎月の返済額は12.5万円で確定し、その5年後の見直し時にも125%ルールが適用されるので最大で約15.6万円になります。

 

ポイントは、仮に本来の見直し後の返済額が13万円だった場合、このルールで減った月5,000円の減額分はさらに5年たった後に負担していく必要がありますし、元本返済スピードは遅くなるのでやはり総返済額が増えることになります。

 

ジャパンネット銀行の住宅ローンの変動金利は「住宅ローンの金利があがったら、その金利に応じて返済額が決まっていく」というシンプルな設計が採用されているだけですが、日本の住宅ローン業界ではこの5年ルールと125%ルールが普及していることもあって、このルールを採用していない少数側に回っているというように理解しておきましょう。なお、ジャパンネット銀行と同様にこのルールを採用していない他の銀行に新生銀行とソニー銀行があります。

 

まとめ

2019年に登場したばかりのジャパンネット銀行の住宅ローン。最新・最後発の住宅ローンとして非常に魅力的な商品です。特に変動金利タイプの金利の低さは驚異的です。

 

ただ、「全く同じ住宅ローンは存在しない」ので、他の住宅ローンと比較すると落とし穴になるポイントや商品性の違いはいくつか存在していることがわかりました。

 

じぶん銀行・楽天銀行・新生銀行など様々なライバル商品があり、それぞれが商品性を差別化して魅力ある住宅ローンを提供できるように企業努力を繰り返していますので、誰にとっても1番の住宅ローンと言うものは存在しませんが、ジャパンネット銀行の住宅ローンは借入先候補に加えておいて損はない商品と言えるでしょう。

 

今回の特集記事で解説した通り、気を付けておきたいポイントもありますので、その辺も念頭にしっかりと住宅ローン選びを行うようにしましょう。

 

ジャパンネット銀行の住宅ローン公式サイト

 

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