公開日: 2026年9月26日
個々の価値観や生き方が尊重されやすくなったことで、生涯を共にする相手が同性であるというケースも珍しくない時代となりました。
とはいえ、周囲の理解や法制度の整備は追い付いていないのが現状で、同性カップルの方々は様々な場面で悩むことが多いでしょう。
同性パートナーと住むためのマイホーム購入も、そういった悩みの一つかと思います。
以前は「配偶者」の定義が壁となり、同性カップルにおける住宅ローンの選択肢はごく限られてしまっていましたが、近年ではペアローンや収入合算、連帯債務などを利用することで住宅ローンを組めるケースが増えてきているようです。
ここでは、同性カップルが利用できる住宅ローンの仕組みや注意点をわかりやすく解説します。
結論から言うと、同性カップルであっても住宅ローンを組むことは可能です。
ただし、異性の夫婦と同じ条件で、どの金融機関でも申し込めるわけではありません。
同性カップルが住宅ローンを組む際に代表的な住宅ローンプランは、次の3つになります。
ペアローンは2人がそれぞれ住宅ローンを契約する住宅ローンで、例えば4,000万円の住宅を購入する場合、片方が2,500万円、もう片方が1,500万円といったように、それぞれ別に住宅ローンを組みます。
2人の収入をそれぞれ審査に利用できるため、単独では借りにくい金額の住宅を購入しやすくなるのがペアローンのメリットです。
収入合算は、片方が主債務者となり、パートナーの収入を合算することで住宅ローンを組む方法です。
金融機関によってはパートナーが連帯保証人になるタイプがありますが、ペアローンと違って契約が1本化されるため、仕組みがシンプルで分かりやすいのが特徴です。
連帯債務は、2人が1つの住宅ローンの債務を負う方法です。
「1つの住宅ローンを2人で一緒に返済していく」という仕組みとなっており、1人の債務者が主体となって返済していく収入合算とは少々違いがあります。
これらの住宅ローンプランであれば、同性カップルでも申し込むことが可能です。
ただ、金融機関によっては対応していなかったり、自治体が発行する「パートナーシップ証明書」などの追加生類の提出を求められる場合もあります。
住宅ローンを探す際は、希望の金融機関で上記の住宅ローンを取り扱っているかどうかだけでなく、同性カップルに対してどれだけ柔軟に対応しているかも確認することが大切です。
住宅ローンを申し込む際の書類は、基本的に異性の夫婦と同じです。
しかし、同性カップルが住宅ローンを申し込む場合、金融機関からパートナー関係かどうかを確認・証明するための書類を求められることがあります。
証明書として代表的なのは「パートナーシップ証明書」「パートナーシップ宣誓証明書」ですが、「合意契約に関する公正証書」「任意後見契約に関する公正証書・登記事項証明書」なども証明書としては有効です。
ただ、これらの書類を必ず求められるわけではありません。
必要書類は金融機関によって異なりますので、「パートナーシップ証明書をもっているから大丈夫」と決めつけずに、申し込み前に必ず金融機関へ確認しましょう。
住宅ローンを検討する際は、金利や借入額と同様に「団体信用生命保険(団信)」の吟味も重要です。
団信とは、住宅ローン専用の保険で、債務者の身に万が一のことがあった際に保険金によって住宅ローンの残高が返済される仕組みとなっています。
ペアローンや収入合算では、2人が同じように団信の保保障を受けられるとは限りません。
異性・同性に限った話ではありませんが、住宅ローンを組む際は「どちらか一方に万が一のことがあったら、残されたパートナーの返済はどうなるのか?」までしっかりと考えておく必要があります。
金融機関によっては、2人を対象にした「連生団信」を提供していることもありますので、一度確認してみるといいでしょう。
ではここで、同性カップルが住宅ローンを組む際に注意しておきたい点を紹介します。
世間的には同性同士であってもパートナーと認められつつありますが、制度や契約となると難しい場面が出てきてしまうのが現状です。
同性カップルに対する対応も例外ではなく、金融機関によっては「同性カップルには対応していない」ということも考えられます。
そのため、同性カップルが住宅ローンを比較する際は、金利の安さや団信の内容だけでなく、「同性カップルに柔軟に対応してくれる金融機関かどうか」という点を先に確認するとよいかもしれません。
同性パートナーへの対応確認→条件を比較という順番で進めると、後々悩む場面が少なくなるのでおすすめです。
同性カップルが2人で住宅を購入する場合は、下記の事柄について事前に2人でしっかりと話し合って取り決めておくことが重要となります。
特に、実際の資金負担と登記上持分割合が大きく異なる場合、税務上の問題が生じる可能性もあります。そういった問題が起きないように、税理士などの専門家へ相談・確認することも検討しておきましょう。
住宅ローンは35~50年と長い年月にわたって返済していく商品です。その間に環境や心境の変化によって、あまり考えたくはないことですが下記のようなことが起こる可能性があります。
こういった変化は異性であっても発生するものですが、どちらの場合にせよ、2人が関係を解消したからといって住宅ローンの返済は自動的になくなるものではありません。
住宅は売却するのは、一方が住み続けるのか、ペアローンを一本化でかなど、万が一関係が変化した場合のことまでしっかりと考えておきましょう。
世間的に同性同士であってもパートナーとして認められつつありますが、法律や制度はまだまだ不十分といえます。
現代の日本だと、法律上の婚姻関係にある異性の夫婦と同性パートナーでは、相続の扱いが同じというわけにはいきません。
また、住宅を共有名義にしている場合、どちらか一方が亡くなったときにその持分が誰に相続されるかという問題もあります。
住宅ローンを申し込む前に、遺言書や任意後見契約などをしっかり考えて話し合っておくといいでしょう。
もし、2人だけで決めるのが難しい場合であれば、必要に応じて専門家へ相談しておくと安心です。
ペアローンや収入合算を利用すると借入可能額が大きくなる場合があります。
しかし、住宅ローンで重要なのは「借りられる金額」ではなく「無理なく返せる金額」です。借りられるからといって上限いっぱいまで借り入れると、後々の返済が苦しくなってしまいます。
住宅ローンを組む際は「どちらかの収入が減っても返せるか」を念頭に置き、無理のない返済計画を立てましょう。
同性カップルでも、ペアローンや収入合算、連帯債務などの方法で住宅ローンを組むことができます。
ですが一方で、金融機関によって対応や必要書類、団信の条件などが異なるので、住宅ローンに申し込むずっと前から綿密に準備しておくことが大切です。
また、「どちらか一方に万が一のことがあったら」「パートナーシップを解消したら」といった将来リスクも考えておかなければいけません。
2人にとって無理のない返済計画を立てるとともに、必要であれば金融機関の相談窓口や税理士、司法書士などに相談するのも手です。
まだまだ世間の風当たりが厳しい部分もあるかと思いますが、お互いが納得できるマイホーム購入を目指していきましょう。
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