公開日: 2026年7月24日 更新日: 2026年8月4日

マンション購入を検討しているときに、土地の権利が所有権ではなく「定期借地権」となっている物件を目にしたことはありませんか?
「定期借地権」とは、1992年に施行された「借地借家法」で導入された契約で、都市部の地価が高い場所を中心に、相場より手ごろな価格でマイホームを持てる選択肢として一定の供給が続いています。
借地権付き建物を購入する際にも金融機関の住宅ローンを利用できますが、借地権は一般的な土地の所有権とは異なる性質を持つため、通常よりも取り扱う金融機関が限られたり、審査が慎重になったりする傾向があります。
本ページでは、定期借地権付きマンションのメリット・デメリットを改めて整理し、家族の暮らしと家計の視点から、利用しやすい住宅ローンを紹介していきます。

定期借地権とは、一定期間、地主から土地を借りて利用できる権利のことをいい、土地そのものの所有権はなく、土地に建つ建物の所有権だけを持つ形になります。
一般的に定期借地権は50年程度に設定されており、期間が満了すると原則として建物を取り壊し、更地に戻して地主へ返却します。
また、建物ではなく「土地」を借りる形態のため、原則として月々の“地代”を支払う必要があります。さらに、定期借地権のある土地に建てた建物を売る場合には、地主の承諾が必要になるのが一般的です。
定期借地権マンションは、土地を購入しない分だけ、相場より手ごろな価格でマイホームを持てるのが最大のメリットです。目安として相場より2〜3割ほど安くなる傾向があるといわれます。特に、東京都心など地価の高いエリアで住まいを探しているご家庭にとっては、土地代を抑えられる分、教育費や暮らしのゆとりに資金を回しやすくなります。
土地を購入・所有すると固定資産税や都市計画税がかかりますが、定期借地権では土地を所有しているわけではないため、これらの土地分の税金は地主が納めることになり、購入者の支払いは原則不要です。
定期借地権では「土地を借りている」状態のため、賃貸のように毎月“地代”の支払いが必要です。物件によっては地代が改定されて値上がりする可能性もあるため、購入前に地代の金額と改定の条件をあらかじめ確認しておくことが大切です。ローン返済額に加えて地代がかかる点は、家計の返済計画に必ず織り込んでおきましょう。
金融機関の中には、定期借地権付きマンションへの融資に慎重なところもあり、通常の住宅ローンより選択肢が狭まる場合があります。選択肢が少ないからと不利な条件で契約してしまわないよう、複数の金融機関を比較・相談することが重要です。
定期借地権では、契約期間の満了時に更地にして地主へ返却する必要があるため、そのまま老後まで住み続けにくく、途中で買い替えが必要になる可能性があります。永住や、お子さまへの相続を前提とする場合は、この点を家族でよく話し合っておきましょう。
残存期間が短いほど「その建物に長く住めない」ことになるため、次の買い手がつきにくくなります。将来売却する可能性があるご家庭は、購入時点の残存期間と、売却を想定するタイミングを意識しておくと安心です。
・初期費用(土地代)を抑えたい人
・一定期間の居住を前提に考えている人
・資産として残すことより、住まいとしての快適さを重視する人
・長期的な資産価値を重視する人
・その土地で永住したいと考えている人
・お子さまへの相続を考えている人
定期借地権付きマンションは、住む期間や家計の資金計画に合わせて選ぶのがポイントです。
定期借地権付きの住宅で住宅ローンを利用する際に、まず有力な選択肢になるのが【フラット35】です。住宅金融支援機構は、敷地が借地(普通借地権・定期借地権・建物譲渡特約付借地権)の場合でも、一定の要件を満たせば利用できるとしています。
ただし定期借地権の場合、借入期間は「通常の借入期間」と「借地権の残存期間」を比べて短いほうが上限となる点に注意が必要です。また、原則として敷地に住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定する(=地主の承諾が必要になる場合がある)など、いくつかの条件があります。詳しい要件は取扱金融機関やフラット35公式サイトでご確認ください。
フラット35は取扱各社で金利が共通のため、フラット35で申し込むなら、実行件数シェアで長年No.1のSBIアルヒなど、サポートの手厚い取扱金融機関に相談するのがおすすめです。
一方、民間銀行の住宅ローンは、定期借地権への対応・条件が金融機関ごとに異なり、方針が変更されることもあります。たとえばドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)のように、一定の要件を満たせば条件付きで対応する銀行もあれば、取り扱っていない銀行もあります。担保設定の可否など物件ごとの条件にも左右されるため、「対応可否は必ず各金融機関に直接ご確認ください」。可能性を広げるためにも、フラット35と民間ローンの両方で、複数の金融機関に相談・審査申し込みをしておくと安心です。
Q. 子育て世帯でも定期借地権マンションは向いていますか?
A. 価格を抑えられる分、教育費や暮らしのゆとりに資金を回しやすいのは大きな魅力です。一方で、毎月の地代がローン返済額に上乗せされること、契約満了時に住み替えが必要になりやすいことは押さえておきましょう。お子さまの進学や住み替えの時期と、借地権の残存期間が合うかどうかを家族で確認するのがおすすめです。
Q. 毎月の地代はどれくらいかかりますか?
A. 地代は物件や立地によって大きく異なり、改定されることもあります。金額は物件ごとに必ず確認し、ローン返済額+地代+管理費・修繕積立金の合計が、無理のない返済比率(手取り月収のおおむね2〜3割以内が目安)に収まるかをチェックしましょう。
Q. 住宅ローン控除は使えますか?
A. 定期借地権付きの住宅でも、要件を満たせば住宅ローン控除の対象になり得ます。ただし適用要件は制度改正で変わることがあるため、最新の内容は国税庁や取扱金融機関でご確認ください。
今回は、定期借地権付きマンションのメリット・デメリットと、利用できる住宅ローンについて解説しました。
定期借地権付きマンションは担保価値が評価されにくく、住宅ローンの選択肢が限られることがありますが、フラット35をはじめ対応できる金融機関もあります。価格の手ごろさというメリットと、地代・残存期間というデメリットを家族でよく話し合い、無理のない資金計画で検討してみてくださいね。
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