公開日: 2026年9月23日 更新日: 2026年9月26日

定期借地権付きマンションでも住宅ローンは使えます。まず候補になるのは【フラット35】で、住宅金融支援機構は「敷地が定期借地権でも要件を満たせば利用できる」と公式に案内しています(借入期間は借地権の残存期間が上限)。
一方、銀行独自の住宅ローンは対応が分かれ、ドコモSMTBネット銀行やイオン銀行のように借地上の物件(イオン銀行は定期借地)を対象外としている銀行もあります(2026年9月・各社公式で確認)。
マンション購入を検討しているときに、土地の権利が所有権ではなく「定期借地権」となっている物件を目にしたことはありませんか?
「定期借地権」とは、1992年に施行された「借地借家法」で導入された契約で、都市部の地価が高い場所を中心に、相場より手ごろな価格でマイホームを持てる選択肢として一定の供給が続いています。
借地権付き建物を購入する際にも金融機関の住宅ローンを利用できますが、借地権は一般的な土地の所有権とは異なる性質を持つため、通常よりも取り扱う金融機関が限られたり、審査が慎重になったりする傾向があります。
以下では、定期借地権付きマンションのメリット・デメリットを改めて整理し、家族の暮らしと家計の視点から、利用しやすい住宅ローンと各銀行の扱いを紹介していきます。

定期借地権とは、一定期間、地主から土地を借りて利用できる権利のことをいい、土地そのものの所有権はなく、土地に建つ建物の所有権だけを持つ形になります。
一般的に定期借地権は50年程度に設定されており、期間が満了すると原則として建物を取り壊し、更地に戻して地主へ返却します。
また、建物ではなく「土地」を借りる形態のため、原則として月々の“地代”を支払う必要があります。さらに、定期借地権のある土地に建てた建物を売る場合には、地主の承諾が必要になるのが一般的です。
定期借地権マンションは、土地を購入しない分だけ、相場より手ごろな価格でマイホームを持てるのが最大のメリットです。目安として相場より2〜3割ほど安くなる傾向があるといわれます。
特に、東京都心など地価の高いエリアで住まいを探しているご家庭にとっては、土地代を抑えられる分、教育費や暮らしのゆとりに資金を回しやすくなります。
土地を購入・所有すると固定資産税や都市計画税がかかりますが、定期借地権では土地を所有しているわけではないため、これらの土地分の税金は地主が納めることになり、購入者の支払いは原則不要です。
定期借地権では「土地を借りている」状態のため、賃貸のように毎月“地代”の支払いが必要です。物件によっては地代が改定されて値上がりする可能性もあるため、購入前に地代の金額と改定の条件をあらかじめ確認しておくことが大切です。
ローン返済額に加えて地代がかかる点は、家計の返済計画に必ず織り込んでおきましょう。
金融機関の中には、定期借地権付きマンションへの融資に慎重なところもあり、通常の住宅ローンより選択肢が狭まる場合があります。選択肢が少ないからと不利な条件で契約してしまわないよう、複数の金融機関を比較・相談することが重要です。
定期借地権では、契約期間の満了時に更地にして地主へ返却する必要があるため、そのまま老後まで住み続けにくく、途中で買い替えが必要になる可能性があります。永住や、お子さまへの相続を前提とする場合は、この点を家族でよく話し合っておきましょう。
残存期間が短いほど「その建物に長く住めない」ことになるため、次の買い手がつきにくくなります。将来売却する可能性があるご家庭は、購入時点の残存期間と、売却を想定するタイミングを意識しておくと安心です。
定期借地権付きマンションは、住む期間や家計の資金計画に合わせて選ぶのがポイントです。
定期借地権付きの住宅で住宅ローンを利用する際に、まず有力な選択肢になるのが【フラット35】です。住宅金融支援機構は、敷地が借地(普通借地権・定期借地権・建物譲渡特約付借地権)の場合でも、次の要件を満たせば利用できる場合があるとしています(住宅金融支援機構「敷地が借地の場合」・2026年9月確認)。
とくに借入期間の上限は家計に直結します。たとえば残存期間が30年のマンションなら借入期間も最長30年となり、35年で組む場合より毎月の返済額は大きくなります。地代と合わせて、無理のない返済額に収まるかを必ず試算しましょう。
フラット35は取扱各社で金利が共通のため、フラット35で申し込むなら、実行件数シェアで長年No.1のSBIアルヒなど、サポートの手厚い取扱金融機関に相談するのがおすすめです。SBIアルヒは公式FAQで「敷地が借地等の場合でも一定の要件を満たせば利用できる場合がある」としており、借地の物件は店舗での相談・申込になります(Web完結のダイレクト支店では申込不可・SBIアルヒ公式FAQ)。
一方、民間銀行の住宅ローンは、定期借地権への対応・条件が金融機関ごとに異なり、方針が変更されることもあります。2026年9月時点で各社の公式が示している扱いを整理しました。
| 金融機関・商品 | 借地上の物件の扱い(公式の記載) |
|---|---|
| フラット35(各取扱金融機関) | 普通借地権・定期借地権とも、要件を満たせば利用可。定期借地権は残存期間が借入期間の上限 |
| ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)の住宅ローン | 借地上・保留地・共有仮換地上の物件は取扱なし(同行のフラット35は要件を満たせば利用できる場合あり) |
| イオン銀行住宅ローン | 普通借地は一定の条件を満たせば利用可。定期借地は利用不可(商品概要説明書) |
| auじぶん銀行 住宅ローン | 借地物件・保留地物件は「借入対象外となる場合がある」(商品詳細) |
出典:ドコモSMTBネット銀行 公式FAQ「どのような地域や物件が対象ですか?」/イオン銀行住宅ローン 商品概要説明書/auじぶん銀行 住宅ローン商品詳細(いずれも2026年9月確認)
このように、ネット銀行の低金利な住宅ローンは借地の物件を対象外にしていることがあり、担保設定の可否など物件ごとの条件にも左右されます。対応可否は必ず各金融機関に直接ご確認ください。可能性を広げるためにも、フラット35と民間ローンの両方で、複数の金融機関に相談・審査申し込みをしておくと安心です。
中古マンション全般の住宅ローンの選び方はauじぶん銀行の住宅ローンは中古マンション・中古戸建でも使える?、年代別の借入額の目安は30代・35歳の住宅ローンはいくら借りられる?頭金なしの注意点も解説も参考にしてください。
A. 価格を抑えられる分、教育費や暮らしのゆとりに資金を回しやすいのは大きな魅力です。一方で、毎月の地代がローン返済額に上乗せされること、契約満了時に住み替えが必要になりやすいことは押さえておきましょう。お子さまの進学や住み替えの時期と、借地権の残存期間が合うかどうかを家族で確認するのがおすすめです。
A. フラット35の場合、通常の借入期間(最長35年)と借地権の残存期間を比べて短いほうが上限です。残存期間が30年なら最長30年になります。返済期間が短い分だけ毎月の返済額は増えるため、地代・管理費・修繕積立金を含めた月々の支払いで無理がないかを確認しましょう。
A. 地代は物件や立地によって大きく異なり、改定されることもあります。金額は物件ごとに必ず確認し、ローン返済額+地代+管理費・修繕積立金の合計が、無理のない返済比率(手取り月収のおおむね2〜3割以内が目安)に収まるかをチェックしましょう。
A. 定期借地権付きの住宅でも、床面積などの要件を満たせば住宅ローン控除の対象になり得ます。ただし適用要件は制度改正で変わることがあるため、最新の内容は国税庁や取扱金融機関でご確認ください。
今回は、定期借地権付きマンションのメリット・デメリットと、利用できる住宅ローンについて解説しました。
定期借地権付きマンションは担保価値が評価されにくく、住宅ローンの選択肢が限られることがありますが、フラット35をはじめ対応できる金融機関もあります。価格の手ごろさというメリットと、地代・残存期間というデメリットを家族でよく話し合い、無理のない資金計画で検討してみてくださいね。
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