2026年6月23日

この記事では、住宅ローン専門金融機関のアルヒ(2024年1月に商号をSBIアルヒ株式会社へ変更)が取り扱う変動金利タイプの住宅ローン「ARUHIスーパー40」について、家族の暮らしと家計の視点からわかりやすく解説します。2022年5月に取り扱いが始まった商品で、2026年6月時点でもSBIアルヒで申し込めます。
※ARUHIスーパー40の取り扱い開始にともない、従来の「ARUHI変動S」の新規受付は終了しています。
なお、店舗によって取り扱っている住宅ローンが異なりますので、お近くの店舗の場所を確認する際に、取扱商品もあわせて確認するようにしましょう。
結論から触れると、ARUHIスーパー40は自営業・個人事業主の方にとって非常に使いやすい住宅ローンです。
商品性や金利を確認するとわかりますが、まず、ARUHIスーパー40は、auじぶん銀行などのネット銀行の住宅ローン(変動金利)に比べると金利・保証料・手数料などの各種条件が特別に良いわけではありません。
そのため、低金利で人気のネット銀行の住宅ローンの審査が通る方は、そちらを利用したほうが有利なケースが多いと言えます。ネット銀行の住宅ローンも自営業・個人事業主の方が利用できるようになっていますし、金利・手数料・疾病保障などの住宅ローンとしての商品性は、ネット銀行のほうが有利な場合が多いです。
ただし、正社員や公務員と比べると住宅ローンの審査で厳しい結果を出されがちな自営業の場合、ネット銀行の住宅ローンの審査に通らないケースが少なくありません。厳しく審査されるからといって、”個人事業主でも利用できると宣伝しながら、足元を見て高金利にしている”ような住宅ローンの利用は避けたいところです。
今回解説するARUHIスーパー40は、「審査基準をやわらげて個人事業主にも貸しやすくしている住宅ローン」ですが、けっして法外な高金利で貸し出す住宅ローンではありません。
ARUHIスーパー40の特徴的な審査基準を確認しておきましょう。
① 年収(所得)100万円から利用可能
② 年間返済負担率40%まで対応
③ 事務所兼自宅物件でも利用可能
④ 小さめの戸建て住宅にも対応(床面積40平方メートル以上でOK)
⑤ 最長40年まで借り入れできるので毎月の返済負担額を抑えられる(年間返済負担率も抑えやすい)
※利用条件は改定されることがあります。申し込み前に最新の条件を必ずSBIアルヒ公式サイトでご確認ください。
自営業・個人事業主にもさまざまな業種がありますし、この審査条件を眺めただけでは「自営業におすすめの理由」がわかりにくいかもしれません。
フリーランスのデザイナーやプログラマーのように実質的にはサラリーマンに近い働き方をしている方もいれば、酒屋・美容室・個人経営の居酒屋などのように小規模の店舗型ビジネスを営む方など、その働き方も内容もさまざまなので、ARUHIスーパー40がすべての自営業・個人事業主の方におすすめというわけではありませんが、この審査基準を魅力的に感じる自営業の方は非常に多いと思います。
個人事業主・自営業は共通して、事業内容やビジネスの状況で年収(所得)が不安定になりがちです。
たとえば、一昨年の業績は良くても昨年の業績が悪いということはよくありますし、サラリーマンと比較して「経費算入」の自由度も高いため、節税の努力次第で所得が少なくなる(少なく見える)ことは通常のことです。
(脱税は違法行為ですが、節税は権利であり、収入が不安定な自営業・個人事業主にとっては必要な取り組みです)
その一方で、納税額をできるだけ少なくしようと節税に取り組むと、住宅ローンの審査で重要になる「所得」を減らすことになります。そのため「マイホームを購入したい」「自宅を兼ねて自分のお店を建てたい」と思っても、所得の低さが原因で審査に落ちたり、希望する金額を借りられなくなる可能性が高まります。
ビジネスを拡大させる努力をするのは当然ですが、拡大は簡単ではありませんので、住宅ローンを借りるために経費算入を無理に減らして所得を多めに見せ、借りやすい確定申告書を作り上げている方も多いと言われます。
自営業・個人事業主の方であればおわかりのとおり、経費に算入できる支出を算入しないと納税が増えるので、大きなコスト増になります。
「住宅ローンは借りたいが、その審査のために経費を少なくして所得を多く見せるのは避けたい」——そうした自営業・個人事業主の悩みに応えているのがARUHIスーパー40です。家計を守りながら無理なくマイホームを検討したいご家庭にとって、心強い選択肢になり得ます。
続けて、冒頭で紹介したポイントを解説していきます。
自営業・個人事業主の場合、ここでいう年収とは課税所得のことですが、ARUHIスーパー40では課税所得100万円以上が条件となっています。月10万円未満の所得でクリアできるハードルなので、事業立ち上げ時の先行投資で支出が極端に増えていなければ、100万円の課税所得はクリアできるご家庭が多いと思います。
ちなみに、年収100万円以上を条件としている他の住宅ローンには、フラット35やイオン銀行の住宅ローンなどがあります。興味のある方はそれぞれの公式サイトで商品性を確認してみてください。
年収100万円から借りられる変動金利タイプの住宅ローンは、ARUHIを除くとイオン銀行の住宅ローンぐらいしか思い当たりません。
SBIアルヒであれば、来店予約をして「フラット35」と「ARUHIスーパー40」を比較しながら説明してもらえるので、まとめて感触を知りたい方には店舗相談がおすすめです。
この年間返済負担率40%は最大の特徴です。年間返済負担率とは「年収」に対する「その年のローン返済額」の割合を示すもので、金融機関ごとに独自のルールで貸出上限が決まります。年間返済負担率40%はかなり高い基準で、他の金融機関よりも多くの金額を借りられる可能性が高いことを示しています。
ただし、借りられる上限額と、無理なく返せる金額は別ものです。年収の40%が返済に消える状況は、家計全体で見れば返済負担がかなり重くなります。教育費や生活費とのバランスを考え、上限いっぱいではなく「手取りから無理なく返せる金額」を基準に借入額を決めることをおすすめします。
| 年収 | 年間返済額の上限 | 毎月の返済額 |
| 100万円 | 40万円 | 3万3,333円 |
| 200万円 | 80万円 | 6万6,666円 |
| 300万円 | 120万円 | 9万9,999円 |
| 400万円 | 160万円 | 13万3,333円 |
上記の年間返済額の上限をもとに、2022年5月当時のARUHIスーパー40の金利(年0.65%〜・変動金利)で35年契約した場合の借り入れ可能金額を試算した参考例です。
| 年収 | 借入可能額 | 総返済額(利息含む) |
| 100万円 | 約1,200万円 | 約1,400万円 |
| 200万円 | 約2,400万円 | 約2,800万円 |
| 300万円 | 約3,600万円 | 約4,200万円 |
| 400万円 | 約4,800万円 | 約5,600万円 |
※元利均等返済・ボーナス返済なし。総返済額に住宅ローンの借り入れにかかる諸費用は含めていません。
※上記は当サイトが試算した参考値です。実際の借り入れ可能金額とは異なる可能性があります。
※この試算は2022年5月当時の金利(年0.65%)を前提とした例です。2026年6月時点では日本銀行の利上げにより金利環境が変化しており、金利が上がると同じ年収でも借り入れ可能額は下がります。最新の適用金利・借入可能額は必ずSBIアルヒ公式サイトでご確認ください。
一般的な住宅ローンの場合、「居住」を目的とした物件でしか利用できないなどの制限がありますが、ARUHIスーパー40は事業・居住兼用の住宅でも利用可能です。これは店舗が必要なビジネスを営む方にとって、非常に魅力的な利用条件と言えます。
不動産担保ローンや事業性ローンは住宅ローンとは比べものにならないほど高い金利になることが一般的ですし、規模の小さな自営業では借りられる金額もかなり少なくなってしまいます。
フラット35は戸建て住宅の場合、床面積70平方メートル以上が条件です。ARUHIスーパー40ではその半分近い40平方メートル以上の物件で利用可能となっています。これは、「都市部の狭めの物件で仕事もする」「小さいながらも戸建てを持ちたい」と考える自営業・個人事業主にとって、メリットの大きい条件です。
中古物件の購入にも対応していますし、リフォーム資金にも利用できるので、立地の良い都市部の中古物件をリフォームして仕事・居住兼用にしたいと考えている方のサポートになり得る住宅ローンです。
ARUHIスーパー40は変動金利タイプで、保証料込みの金利とはいえ、ネット銀行の変動金利と比べると高めの水準です。最大10年の当初固定金利タイプもありますが、そちらもそこまで低金利ではありません。参考までに、2022年5月時点の適用金利は年0.65%〜でした。
2026年6月時点では、日本銀行の利上げ(政策金利1.0%程度)を受けて金利環境が変化しています。変動金利は今後の見直しで上がる可能性もあるため、最新の適用金利・その他の金利タイプは必ずSBIアルヒ公式サイトでご確認ください。
住宅ローンは金利が最大の比較ポイントですが、どんなに金利が低い住宅ローンでも、審査に落ちたり希望する金額を借りられなければ意味がありません。特に自営業、それも節税をしっかり行っている自営業の方ほど、住宅ローンの審査で厳しく見られがちです。
ARUHIスーパー40は、そのような自営業・個人事業主にとって魅力的な利用条件・審査基準を備えた住宅ローンと言えます。残念ながらネットからの申し込みは受け付けていないため、SBIアルヒの店舗が近くにある方しか利用しにくいというデメリットはありますが、店舗に相談に行けるようであれば、一度相談してみてはいかがでしょうか。
Q. 節税で所得を抑えていると、住宅ローンは借りられないのでしょうか?
A. ネット銀行など所得基準が高めの住宅ローンでは審査が通りにくくなることがあります。一方で、ARUHIスーパー40やフラット35のように年収(課税所得)100万円から利用できる商品もあります。借りやすさだけでなく、無理なく返せる金額かどうかも合わせて検討しましょう。
Q. 上限いっぱいまで借りても大丈夫でしょうか?
A. 年間返済負担率40%は「借りられる上限」であって「無理なく返せる目安」ではありません。教育費・生活費・万一の収入減も見据え、手取り月収から逆算した余裕のある返済計画を立てることをおすすめします。
Q. 自宅兼店舗でも団信(団体信用生命保険)に入れますか?
A. ARUHIスーパー40は団信に対応しています。保障内容や加入条件は商品・時期によって異なるため、家族の万一に備える意味でも、申し込み前にSBIアルヒで保障内容を確認しておくと安心です。
※自営業・個人事業主の方の審査基準についても解説しています。あわせてこちらの記事も参考にしてください。
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