2026年6月13日

2016年1月に日本銀行が導入したマイナス金利政策は、2024年3月の金融政策決定会合で解除されました。その後も日銀は段階的に利上げを進め、2025年12月には政策金利が0.75%程度と、約30年ぶりの水準まで引き上げられています(2026年6月時点)。
「マイナス金利が終わると住宅ローンはどうなるの?」というのは、これからマイホームを考えるご家族にも、すでに返済中のご家庭にも、とても気になるテーマだと思います。本ページではマイナス金利政策の経緯を振り返りながら、解除後の住宅ローン金利への影響と、ご家庭でできる備えを一緒に考えていきます。
目次
マイナス金利政策とは、民間銀行が日銀に預け入れている預金(日銀当座預金)の一部の金利をマイナスにする政策です。通常のプラス金利であれば、日銀が民間銀行に利息を支払うことになりますが、マイナス金利にすることで民間銀行が日銀に金利を支払うように仕向けます。そうすることで、個人・法人から預かったお金を民間銀行が日銀の口座に置きっぱなしにしないように働きかける効果を期待していたわけです。
(日銀に預けて利息を取られるぐらいなら他の使い方(個人・法人への融資など)を探そうという動きを促し、経済活動が活性化することでデフレからの脱却を狙う政策でした)
マイナス金利政策は、2012年の衆院選挙で当時の自民党安倍総裁が大胆な金融緩和を公約に掲げ、衆議院選挙に勝利したことからスタートします。
その後、日銀総裁に金融緩和論者の黒田アジア開発銀行総裁(当時)が指名され、黒田・日銀により大規模な金融緩和が推進されていく中で基本的な道筋が作られました。2013年4月4日の黒田総裁体制1期目の初回会合で「量的・質的金融緩和」が導入され、この際、「2年程度で消費者物価指数を2%上昇させる、資金供給量を2倍にする」という分かりやすい目標が掲げられています。
その後も物価目標の達成が難しい状況が続き、2016年1月29日の金融政策決定会合で、それまでの大規模な金融緩和だけではデフレからの脱却が実現できないと判断され、マイナス金利政策の導入が決定されました。
当時、マイナス金利政策を日銀が導入すると予想している人はほとんどおらず、マスコミ・金融関係者に大きな驚きを与えることになりました。

マイナス金利政策で絶大な効果があったのは住宅ローン金利の低下です。住宅ローンの金利が大きく下がったことにより、不動産会社や金融機関の住宅関連ビジネスが大きく活性化しました。変動金利を中心とした歴史的な低金利は、子育て世帯がマイホームに手が届きやすくなった追い風でもありました。
逆に弊害と言えるのは・・・・
メガバンクはもちろん、地銀の収益が大きく悪化し、リストラや手数料引き上げの動きが広がりました。
債券市場で利益が上げられなくなり、債券市場のトレーダー削減をはじめ、三菱UFJ銀行が国債入札の特別参加者の資格を返上して当時は大きな話題になりました。
生命保険の一部商品の取り扱い中止、銀行の預金金利の低下など、資産運用には大きな障害となっていました。
低金利を背景に不動産価格は大きく上昇し、一般的な家庭では都心部にマイホームを購入するのが難しいほどになりました。
長くデフレ脱却の道筋が見えない時期が続きましたが、2022年以降は世界的な物価上昇や円安を背景に日本でも物価が大きく上がり、賃上げの動きも広がりました。こうした「賃金と物価の好循環」が確認できたとして、植田総裁体制の日銀は2024年3月の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決定しました。約17年ぶりの利上げで、政策金利(無担保コールレート・翌日物)の誘導目標は0〜0.1%程度となりました。
その後も日銀は段階的に利上げを進めています。
| 時期 | 政策金利(誘導目標) | 主な内容 |
|---|---|---|
| 2016年1月〜 | ▲0.1% | マイナス金利政策を導入 |
| 2024年3月 | 0〜0.1%程度 | マイナス金利政策を解除(約17年ぶりの利上げ) |
| 2024年7月 | 0.25%程度 | 追加利上げ |
| 2025年1月 | 0.5%程度 | 追加利上げ |
| 2025年12月 | 0.75%程度 | 追加利上げ(約30年ぶりの水準) |
2026年6月時点の政策金利は0.75%程度で、市場では今後の追加利上げの可能性も話題になっています。今後の金融政策は経済・物価情勢しだいで変わりますので、最新の動向は日本銀行の公表資料や各種報道でご確認ください。
変動金利は、多くの銀行が「短期プライムレート(短プラ)」を基準に決めています。短プラは2009年以降長らく据え置かれていましたが、マイナス金利解除後の2024年9月に引き上げられ、その後も利上げを反映して段階的に上昇しています。これにより、すでに変動金利で借りているご家庭でも、基準金利の見直しを通じて適用金利が上がりはじめています(反映時期は銀行や契約によって異なります)。
多くの銀行では年2回(4月・10月など)に変動金利を見直し、元利均等返済では「5年ルール」(毎月返済額は5年間変わらない)や「125%ルール」(見直し後の返済額は直前の1.25倍まで)が設けられています。ただし、これらのルールがない銀行・契約もありますので、ご自身の契約条件を一度確認しておくと安心です。
10年固定やフラット35などの固定金利は長期金利(10年国債利回り)の影響を受けるため、変動金利よりも先行して上昇してきました。フラット35をはじめとする現在の具体的な金利水準は、住宅金融支援機構(フラット35)の公式サイトや各金融機関の公式サイトでご確認ください。
マイナス金利政策が実施される前の2015年12月の住宅ローン金利は以下のような水準でした。(各金利タイプの最低金利の金融機関をピックアップ。当サイト調べ。)
| 金利タイプ | 金利 | 金融機関 |
| 変動金利 | 年0.568% | ネット銀行など |
| 10年固定金利 | 年0.800% | 三井住友信託銀行 |
| 20年固定金利 | 年1.28% | アルヒ |
| 35年固定金利 | 年1.550% | アルヒ |
当時と現在では金融機関ごとの金利・商品内容が異なります。あくまで「マイナス金利導入前はどのくらいの水準だったか」の参考としてご覧ください。
「金利のある世界」に戻ったからといって、慌てて行動する必要はありません。大切なのは、わが家の家計にとって無理のない返済計画になっているかを確認することです。
A. 多くの銀行では基準金利の見直しが年2回で、元利均等返済なら5年ルールにより毎月の返済額がすぐには変わらない場合もあります。ただしルールの有無や反映時期は銀行・契約によって異なるため、ご自身の契約内容を確認しましょう。なお、返済額が変わらなくても返済額に占める利息の割合が増える点には注意が必要です。
A. 一概にどちらが正解とは言えません。金利上昇局面でも家計に余裕があれば変動金利の低さを活かす選択もありますし、これから教育費のピークを迎えるご家庭などは、返済額が確定する固定金利の安心感が向く場合もあります。「金利が上がったら家計が困るかどうか」をわが家の数字で考えることが出発点です。
A. 将来の金融政策は経済・物価情勢しだいであり、断定はできません。現時点では日銀は段階的な利上げを進めており、当面は「金利のある世界」を前提に家計を考えておくのが現実的です。
マイナス金利政策は2024年3月に解除され、政策金利は2025年12月に0.75%程度まで引き上げられました。住宅ローン金利は変動・固定とも上昇傾向にありますが、大切なのは金利の動きに一喜一憂せず、家族のライフプランと家計に合った借り方・返し方を選ぶことです。
これから借りる方・借り換えを検討する方は、金利だけでなく諸費用や団信も含めた「総コスト」で比較するのがおすすめです。たとえば、全期間固定型のフラット35を中心に扱うフラット35を提供するARUHI(現・SBIアルヒ)のような専門金融機関のほか、SBI新生銀行は保証料が原則0円・団信保険料は銀行負担で、事務取扱手数料は定額型・定率型から選べる商品構成となっており、店舗とオンラインの両方で相談できるため、はじめての住宅ローンに不安があるご家族にも検討しやすい選択肢です。最新の金利・条件は各社の公式サイトでご確認ください。
アメリカのFRBがマイナス金利政策を採用?住宅ローン金利への影響は?
メガバンクが口座維持手数料の導入を検討。住宅ローン金利に与える影響は?
今月のおすすめ特集
各社住宅ローンの金利速報
サイト更新情報
2026.06.16
2026.06.16
2026.06.16
2026.06.16
2026.06.15
2026.06.14
2026.06.13
2026.06.12
2026.06.12
2026.06.12
住宅ローンの基礎
住宅ローンの審査特集
職業別の住宅ローン審査
年収別の住宅ローン審査
地域別おすすめ住宅ローン
取扱銀行一覧
執筆・監修者
Copyright © Izit Inc. 2013 - 2025
Copyright © Izit Inc. 2013 - 202