公開日: 2026年9月20日 更新日: 2026年9月26日

「住宅ローンのボーナス払い」とは、住宅ローン返済の一部をボーナスで返済することにして、ボーナス月以外の毎月の返済額を少なくする方法です。毎月の負担が軽くなる半面、同じ条件なら総返済額はわずかに増え、ボーナスが減ったときに返済が重くなるため、子育て世帯には「ボーナス払いは組み込まず、余裕があるときに繰上返済する」形をおすすめしています。
ボーナス払い分を増やすことで毎月の返済額が少なくなるため、ボーナスという制度が安定していた時代は利用している人が多くいました。ただ現在は、将来もボーナス(賞与)を確実に受け取れる自信がある場合は別として、住宅ローンのボーナス返済を利用しないケースが増えてきました。
「ボーナス月にまとめて返済すること」自体は良いことですが、「最初からボーナス月にまとめて返済することを約束すること」はリスクでありデメリットです。その理由は、以下のような注意点があるためです。つまり、最初からボーナス払いすることを決めるのではなく、「ボーナスが出たら繰り上げ返済する」という自由度の高い返済計画の方がマッチしている時代です。

なぜボーナス返済を利用しない方が良いのか、まず、最初にボーナス払いの有無で住宅ローンの返済額がどのように変化するかを確認してみましょう。
例えば、借入額が2000万、金利3%変動、ボーナス返済分を300万円、借入期間25年とした場合、毎月返済額は80,615円、ボーナス月の返済額166,330円、返済総額28,470,363円です。
一方、ボーナス返済分無しで同条件の場合、月返済額は94,842円、返済総額28,452,481円となります(計算は全て、三井住友銀行による元利均等返済額試算シミュレーションを利用。金利・条件は説明用の一例です)。
「ボーナス月に普段の月よりも多く返済するんだから、住宅ローンの返済ペースも早くなるはず」と思う人が多いと思います。
ここで、注意しなければならないのは、「ボーナス月に多く払う≒その分、毎月の返済額が少なくなるのでボーナス月が来るまで住宅ローンの返済額が少なくなる」という仕組みになっているということです。
次回のボーナス払いの月まで(通常は6か月)ボーナス払い分の住宅ローンの元金は減りません。従って、6か月間の利息の支払も減らないことになるのです。一方で、ボーナス返済を利用しない場合は、毎月の返済で住宅ローンの元金を減らしているため当然、利息も少しずつ減っていきます。
ボーナス返済を含むと支払利息の減少ペースが落ちるため、結果的に全体の返済総額が増えてしまうのです。
なお、借入額のうちボーナス払いに充てられる割合には上限があります。たとえば【フラット35】はボーナス払い分を借入額の40%以内(1万円単位)と定めています(出典:【フラット35】ご利用条件・2026年9月確認)。民間金融機関の住宅ローンでも上限を設けているのが一般的で、取り扱いは金融機関により異なります。
一般的に、企業におけるボーナス(賞与)は経営状況や営業成績で増減します。一流の上場企業が債務超過に陥るこの時代、数十年間ボーナスを確実にもらえると言い切れる人はそんなに多くはないのではないでしょうか?
大手企業であったり業績が安定している企業であれば、ゼロになることはないかもしれませんが、減額の可能性は十分にあります。そのため、長期的な返済を確約することになる住宅ローンのボーナス返済は将来的な返済負担を高めることにもつながりかねません。
また、子育て世帯にとってボーナスは、進学費用や家族旅行、家電の買い替えなど「ここぞ」という支出に充てられる貴重な資金でもあります。ボーナスの使いみちを最初から住宅ローンに固定してしまうと、教育費が本格化する時期に家計の自由度が下がってしまう点にも注意が必要です。
確実にボーナスがもらえるかの観点から言えば、公務員であればボーナスがもらえなくなる可能性は極めて少ないためボーナス併用も選択肢としてよさそうですね。それでも、ボーナス月に教育費の支払いが重なる年があることを考えると、ボーナス払い分は控えめにしておくのが無難です。
前述の通り、ボーナスを期待した返済計画を最初から組んでしまうと住宅ローンの総返済額も増加することになりますし、ボーナスが支給されなかったり減額された場合、ボーナス月の返済負担も高まります。これらのデメリットを考えると、できるだけボーナス返済は利用せずに毎月の返済だけで住宅ローンを組むようにするのが理想的です。
最初からボーナス払分として返済計画を立てるのと「ボーナス月に余裕資金として繰上返済を行う」のは全く事情が異なります。繰上返済は「原則として返済額のすべてが元本に充当されます」ので、利息の減額効果は非常に大きく、しっかりと繰上返済を行うことで総返済額が数百万円単位で変わってくることがあります。
とくに変動金利で借りている家庭では、繰上返済の価値が高まっています。日本銀行は2026年9月18日に政策金利を1.25%程度へ引き上げることを決めており(9月24日適用)、変動金利型の住宅ローンは時間差をおいて基準金利・適用金利に反映されていきます。
5年ルールのある契約では毎月の返済額がすぐには変わらないものの、利息の割合が増えて元金の減りが遅くなるため、ボーナス月に元金を減らしておく意味は以前より大きくなっているのです(出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更(2026年9月)」)。
最近は一部繰上返済の手数料を無料にしている金融機関が増えています。たとえばSBI新生銀行では、インターネットバンキングから1円単位で、いつでも何度でも手数料0円で一部繰上返済が可能です(2026年9月時点・公式サイト確認)。こうした住宅ローンなら、ボーナスや児童手当の残りなど、家計に余裕ができたタイミングで少額からコツコツ返済でき、「ボーナスが出たら返す」という柔軟な返済計画と相性が良いでしょう。
SBI新生銀行の住宅ローンの特徴はSBI新生銀行の住宅ローンのメリット・デメリットで解説しています。
A. 多くの金融機関では、返済条件の変更(ボーナス返済分の見直しや毎月払いへの一本化)を相談できます。手続きには所定の手数料や再審査が必要になる場合があり、取り扱いは金融機関により異なります。まずは借入先の窓口で確認してみましょう。
あわせて、住宅ローンの借り換えでボーナス払いなしの返済計画に組み直すという方法もあります(手順は住宅ローン借り換えの手順と手続きを参照)。
A. 変えられます。【フラット35】では、収入の変化などにより機構が認めた場合、「毎月払いとボーナス払いの併用」から「毎月払いのみ」への変更や、毎月払い分・ボーナス払い分の内訳変更ができ、これらの手続きに手数料はかかりません(審査の結果、希望に添えない場合があります。出典:【フラット35】返済方法の変更を希望するときは)。申し出は返済中の金融機関に行います。
A. 契約時に「借入額のうちいくらをボーナス返済分にするか」を決めます。上限は金融機関ごとに定められており、【フラット35】は借入額の40%以内(1万円単位)です。民間金融機関では商品によって上限が異なるため、利用を検討する場合は各金融機関の商品説明で確認しましょう。
A. お子さまの進学期は出費が集中しやすく、ボーナスが教育費に消えてしまう年もあります。だからこそ、住宅ローンは毎月の収入だけで無理なく返せる金額に抑え、ボーナスは「余裕があれば繰上返済や貯蓄に回す」自由なお金にしておくのが、家計にやさしい考え方です。返済計画に迷うときは、金融機関やファイナンシャルプランナーへの相談も活用しましょう。
それでも、ボーナス返済して毎月の返済額を減らしたいと思う人は、契約する住宅ローンを考え直すのがおすすめです。また、今もボーナス払いの住宅ローンを利用している人にとっては、住宅ローンの借り換えも毎月の返済額を減らすために効果的です。
以下の金融機関は日本国内の数多くの金融機関の中でも金利が低く、返済額を減らせる住宅ローンです。現在検討中(または借り入れ中)の住宅ローンの金利との違いを一度チェックしておくことがおすすめです。金利・手数料・返済条件の変更ルールは金融機関ごとに異なるため、最新の内容は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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