2023年12月7日
目次
PayPay銀行では2019年7月30日に住宅ローンの取り扱いを開始しています。当時は、ジャパンネット銀行と言う銀行名で営業していました。すでに他のインターネット銀行が住宅ローンに力を入れていて数年経過していた状況でしたので満を持して住宅ローン業界に参入した形でした。
最後発だけに、その時点のライバルになりそうな住宅ローンを研究して開発された住宅ローンで、今でも最新の商品性を備える住宅ローンとして人気を集めています。
それでは、PayPay銀行の住宅ローンのメリットやデメリットについてわかりやすく解説していきたいと思います。
PayPay銀行の住宅ローンが人気を集める最大の理由は金利の低さです。変動金利は年0.499%(全期間引下型)/新規借り入れ・自己資金10%以上/2024年11月適用金利とメガバンク・地方銀行とは比べ物にならない低い金利なのは言うまでもありませんし、他のネット銀行と比べても低金利です。
PayPay銀行の住宅ローンはただ金利が低いだけではありません。「一般団信」に加え「がん50%保障団信」が金利上乗せ無しの無料で利用することができます。
一般団信の保険料を銀行が負担するのは一般的ですが、「がんに対する先進医療特約」や、がんと診断された時に住宅ローンの残高が半分になる「がん50%保障団信」が無料で付いてくる住宅ローンはまだ少なく、PayPay銀行の住宅ローンは間違いなく魅力的な住宅ローンの1つです。
また、さらに充実した保障を付帯したい場合、例えば、がん100%保障であれば0.1%の上乗せで利用することができます。
注意点は一般団信以外の疾病保障付きの団信は50歳を超えた場合は利用できないという点です。
また、ワイド団信にも対応していますので、健康状態に不安を抱えている人も利用しやすい住宅ローンになっています。
PayPay銀行の住宅ローンには保証料がかかりません。保証料は一般的に金利に換算すると0.2%ぐらいの負担になりますし、銀行や審査結果によっては審査結果で0.4%・0.6%も保証料がかかることがあります。
インターネット銀行はこの保証料がかからないのがメリットですが、PayPay銀行も保証料がかからない形で提供してきています。
ネット銀行の住宅ローンと比較した場合にはメリットにはならない(互角)ですが、メガバンク・地方銀行・信金などの大多数の金融機関と比べた場合メリットと言えます。
住宅ローンの総返済額を最終的に減らすには「積極的な繰上返済」が重要です。PayPay銀行の住宅ローンはインターネットなら1万円から手数料無料で繰上返済できます。1万円ぐらの小額から繰上返済できるので、借りたあとに余裕ができた月に少しずつ繰上返済できることで便利に感じることでしょう。
なお、あまり使う人はいないと思いますが、電話で繰上返済すると5,500円(税込)、全額繰上返済は33,000円(税込)の手数料がかかるので注意してください。
PayPay銀行は申し込み手続きを全てインターネットで完結できます。申込書や必要書類をパソコンやスマートフォンからアップロードして提出できるので、郵送の手続きがいらないので契約までの手続きのスピードが早いというメリットもありますし、収入印紙代(借入金額や契約数によって変わりますが2万円~)がかからないので借り入れ費用を節約できるメリットがあります。
ネットでの提出が難しい人には郵送で提出することもできますし、アップロードと郵送を使い分けて提出することもできますので、アップロードが心配な人も問題ありません。
PayPay銀行の住宅ローンは最大で2億円までの融資に対応しています。この住宅ローン融資には団信が付帯されるので、もし2億円の借入をした場合には瞬間的に2億円の生命保険に加入したのと同等レベルの保障を得ることになります。
例えば、37歳の方が1億円の生命保険に入った際の月額保険料は19000円にもなります。2億円の生命保険に加入することはなかなかありませんが月額の保険料は4万円や5万円、またはそれ以上の金額になるでしょう。
団信が無料で付帯することはこれだけ大きなメリットがあります。(※もちろん数千万円の借り入れでも十分な団信の保障メリットがあります)
PayPay銀行で住宅ローンを借りたとしたら、毎月、PayPay銀行の口座に返済用の資金を移すことになります。PayPay銀行をメインバンクにして、給与振込口座にする人でなければ良いですが、そうでないと毎月振り込んだりする手間が発生しますし、何よりも振込手数料やATM手数料が継続的に発生してしまうと心配になる人もいると思います。
PayPay銀行には「定額自動入金サービス」というサービスがあり、毎月、決まった金額をPayPay銀行の口座に手数料無料で引き落としすることができますのでその心配はありません。
例えば、購入時の条件によって変わりますが3,000万円のマイホームを借りようとした場合、100万円~200万円ぐらいのお金がかかります。不動産会社への仲介手数料や事務手数料・火災保険料・司法書士報酬・登記費用などです。
PayPay銀行の住宅ローンの場合、それらの費用を住宅ローンの一部として借入することができます。手元資金が不足しそうな場合に一部の費用を上乗せして借りて賄うこともできますし、新生活開始の準備に備えて手元に資金を残しておきたい場合などに重宝するサービスです。
借り換え時にも利用できますので、手元の資金を減らさずに借り換えできるのはメリットの1つと言えます。
なお、PayPay銀行の住宅ローンは諸費用を借りても金利があがったりしない点も好感がもてます。
他にも「2億円まで借り入れできるので高額な物件にも対応」「リフォーム資金を上乗せして借り換えできる」などのメリットがあります。最後発だけに他の銀行の住宅ローンのサービスを研究して、メリットになるサービスを多数取り入れているのがPayPay銀行の住宅ローンの特徴です。
まず最初にデメリットとしてあげたいのは「事務手数料が高額」という点です。
高額と言っても、借入金額×2.20%(税込)なので、手数料が高く金利が低い住宅ローンの一般的な水準ですが、事務手数料を固定金額にしている住宅ローンと比較した場合です。ただ、仮に1億円借りた場合、220万円(税込)も事務手数料がかかることになります。SBI新生銀行やソニー銀行では融資事務手数料が数万円ですむ金利タイプも提供しています。
融資事務手数料が44,000円(税込)~のソニー銀行はこちら
PayPay銀行の住宅ローンの変動金利には5年ルール・125%ルールが適用されないことになっています。最初にこの2つのルールについて簡単に解説しておきます。
変動金利の金利は市場の金利に照らし合わせながら銀行が決定するしますが、5年ルールは「住宅ローンの変動金利があがっても、最大で5年間、毎月の返済額はが変わらない」というルールです。
誤解の無いようにしておきたいのは、「あくまでも金利はすぐに上がっている」という点です。毎月の返済額が変わらないのは「利息返済が増えた分、毎月の元本返済が減っている」ことになりますので、住宅ローンの元本返済が遅くなると同時に5年後から遅くなった分を負担していくことになります。
125%ルールは、前述の5年ルールで毎月の返済額が変わらない5年間が終わった後に訪れる返済額の見直しタイミングで、「それまでの返済額から125%より増えることが無いようにします」というルールです。毎月10万円返済していた人は12.5万円までしか上げないということです。
ここでも誤解が無いようにしておきたいのは、仮に本来の見直し後の返済額が13万円だった場合、このルールで減った月5,000円の減額分はさらに5年たった後に負担していくことになるという点です。
「急激に金利が上がった時でも毎月の返済額が増えて困ることが無いようにするショックを和らげるメリット」と「本来支払うべきお金を先延ばしするので総返済額が増えるデメリット」を併せ持つこのルールには賛否両論あるので、必ずしもデメリットとは言い切れませんが、PayPay銀行の住宅ローンにはこの2つのルールが無いという点は覚えておくようにしましょう。
なお、PayPay銀行と同様にこれらルールを採用していない住宅ローンとして挙げられるのはSBI新生銀行とソニー銀行です。
2023年12月7日時点で個人事業主、会社役員、親族が経営する会社勤務の方は利用不可となっています。低金利を実現するため、貸し倒れリスクが比較的高いこうした職業の方は審査対象外となっています。
ネット銀行の中ではソニー銀行が派遣社員の不可としており厳しい基準となっていますが、PayPay銀行ではそれ以上に厳しいものとなっています。この点は次項で詳しく解説しています。
次に住宅ローンの審査基準について主要なポイントを確認しておきたいと思います。主な利用基準には以下のように定められています。
審査基準 | 説明・ポイント |
年齢 | 借入時の年齢が20歳以上65歳未満。完済時年齢は80歳未満。 |
年収 | 前年度の年収が200万円以上 |
職業 | 個人事業主・家族が運営する会社経営者の利用は不可 |
収入合算・ペアローン | 収入合算・ペアローン共に利用可能(希望する金額が借りられないときに活躍) |
資金使途 | 戸建・マンション購入(中古もOK)、戸建ての新築費用、借り換え費用。諸費用の借り入れも可能。 |
借入可能上限金額 | 2億円 |
ポイントは「年収200万円以上」と年収基準が比較的甘い一方で、個人事業主や家族経営の経営者へを利用対象外にする厳しさを併せ持っているという点です。
2億円まで借りることができますし、物件などの条件は特に厳しいと言えるものはなさそうです。
住宅ローンを始めたばかりということもあり、まずは収入が安定している公務員・正社員を対象に開始しているように見えます。そもそも、PayPay銀行は以下のように報道機関に戦略について発表していましたので、個人事業主・家族経営が利用できないという従来型で審査基準を定めていること自体に当初の発表からは矛盾がある状態なので、今後、段階的に改善していく可能性は高いと言えます。(この戦略を守るつもりがあるのであれば、ですが)
インターネット専業のPayPay銀行は2019年夏にも住宅ローン事業に参入する。将来は人工知能(AI)を審査に活用し、顧客の属性に応じた適切な融資につなげる。住宅ローンの提供で貸出金を伸ばすほか、顧客のメインバンクにしてもらうことを目指す。
ネット銀行は店舗がなく、経費率は一般的な銀行に比べて低い。住宅ローンの最低金利も低く抑えやすく、地方銀行やメガバンクから借り換える顧客が多い。 ただネット銀行で住宅ローンを借りている顧客は信用力の高い人に偏っており、顧客の裾野を広げることが課題だった。
将来的には融資の審査にAIを導入し、給料や勤続年数などによる画一的な審査ではなく、幅広いデータから返済能力などを見極めて融資を判断する。親会社のヤフーがもつビッグデータ解析の技術を顧客情報の分析に活用する。 住宅ローンは金利の引き下げ競争が激しいが、金融機関側のメリットも大きい。
住宅ローンを通じて顧客のメインバンクになれば、デビットカードの利用や投信の販売が見込める。こうしたプラス効果を重視し、ジャパンネット銀は住宅ローンの参入を決めた。日本経済新聞
次にPayPay銀行の住宅ローンの比較されやすいネット銀行の住宅ローンの最新動向を紹介しておきます。
auじぶん銀行が住宅ローンを変動金利で利用している人向けに2025年1月から3年間、住宅ローン利息の一部を毎月現金でキャッシュバックするキャンペーンを行っています。キャッシュバック金額は、円普通預金残高の増加額とやその他のお取引状況で算出され、住宅ローン契約者本人の口座に加えて、家族の口座の預金増加額も合算して計算されます。
auじぶん銀行は2024年11月の変動金利を年HPご確認%(全期間引下げプラン)・新規借入れ、10年固定金利:年HPご確認%(当初期間引下げプラン)という魅力的な金利で提供していますが、さらに利息額の一部がキャッシュバックされることになります。このキャンペーンはエントリーが必要なので2024年12月末までに必ずエントリーするようにしましょう。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
auじぶん銀行の住宅ローンは、ただ金利が低いだけでなく、がんに対する診断保障(がん50%保障団信)、精神障がいを除くすべての病気とケガによる就業不能(入院)に備える全疾病保障、精神障がいを除くすべての病気とケガによる入院時に月々の住宅ローン返済が保障される月次返済保障が”無料”でセットされています。
なお、このキャンペーンに参加するには、エントリー期限日(2024年12月31日)終了時点で、auじぶん銀行の住宅ローンを変動金利でご契約中であり、お借入残高が1円以上あることが条件となっています。また、固定金利または保証付金利プランは対象外で、ミックスローンを利用している場合、変動金利タイプの部分のみが対象になります。
適用条件・キャンペーン内容・キャッシュバック期間の詳細はauじぶん銀行の公式サイトをご覧ください。
PayPay銀行の住宅ローンのYahoo!との連携では現在、Yahoo!住宅ローンの提供を行っています。今後はPayPayやTポイントなどとの連携も期待、と言ったところです。
PayPay銀行の住宅ローンは、検討候補に加えておくべき最新の商品性と驚異的な低金利を実現している住宅ローンと言えます。
特に変動金利の年0.499%(全期間引下型)/2024年11月適用金利は他のネット銀行の金利にも大きな影響を与えると考えるほどの大きなインパクトがある住宅ローンと言えますし、実際申し込みが殺到して手続きに遅れが発生したりしている様子です。
auじぶん銀行・楽天銀行・SBI新生銀行など様々な銀行がそれぞれの魅力ある住宅ローンを提供していますが、PayPay銀行の住宅ローンがその一角に食い込むことになったのは間違いないと言えるでしょう。
今月の注目住宅ローン
今月のおすすめ特集
各社住宅ローンの金利速報
サイト更新情報
2024.11.19
2024.11.19
2024.11.19
2024.11.19
2024.11.18
2024.11.17
2024.11.17
2024.11.17
2024.11.17
2024.11.16
住宅ローンの基礎
住宅ローンの審査特集
職業別の住宅ローン審査
年収別の住宅ローン審査
地域別おすすめ住宅ローン
取扱銀行一覧
執筆・監修者
Copyright © Izit Inc. 2013 - 2024
Copyright © Izit Inc. 2013 - 2024