2023年1月10日
住信SBIネット銀行の住宅ローンは累計の融資金額の合計が2022年10月21日時点において8兆5,000億円を超えています。また、魅力的な金利と充実した保障内容で、価格.comの住宅ローン人気ランキング新規・借換え(変動金利)などで2021年下半期の第1位に選ばれているなどネット銀行の中でも人気と実績を兼ね備えた住宅ローンです。
金利が低いことが人気を集める理由ですが、すべての病気とケガでの就業不能(長期入院)に備えることができる全疾病保障(無料)は高い評価を得てきましたが、実は、人気を集めていた「ネット専用住宅ローン」は住信SBIネット銀行の親会社である三井住友信託銀行が提供する住宅ローンで、住信SBIネット銀行はそれを代理で販売する立場でしかありません。
また、auじぶん銀行・ソニー銀行など、様々な銀行が無料の疾病保障サービスの内容を充実させたり、低い金利で提供するようになってきたり、最近は他のネット銀行が住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンを意識してより魅力的な金利や付加サービスを提供しつつあります。このため最近ではauじぶん銀行の住宅ローンのほうが評価を高めつつあります。オリコンの顧客満足度調査でもauじぶん銀行とソニー銀行は住信SBIネット銀行より高い評価です。
住信SBIネット銀行の”ネット専用住宅ローン”は商品性の改善がほとんど行われていないのが実態です。ただし、住信SBIネット銀行が住宅ローンビジネスを諦めたわけではなく、住信SBIネット銀行が取り扱っている別の住宅ローンである「住宅ローン(対面)」などのような「自社で提供する住宅ローン」の商品性の改善に力を入れています。
住宅ローン(対面)は住信SBIネット銀行が店舗からの申し込み専用の住宅ローンとして提供している住宅ローンで、同じSBIグループの「SBIマネープラザ」の店舗などで相談できます。
最近も住宅ローン(対面)は「スゴ団信」や「土地先行プラン」と言う新サービスを次々と提供しています。
メガバンクなどではネット専用の住宅ローンのほうが好条件のことが多いですが、住信SBIネット銀行では「ネット専用住宅ローン」よりも「住宅ローン(対面)」の方が変動金利タイプや10年固定金利タイプなど、低く借り入れできる可能性があって、対面相談した方が有利な金利で住宅ローンを契約できる可能性もあります。
住信SBIネット銀行の住宅ローンを検討している人は、SBIマネープラザで申し込める住宅ローン(対面)の最新金利をチェックしておくことをおすすめします。
目次
住信SBIネット銀行は複数の住宅ローンを提供していますが、この特集ページでは主にネット専用住宅ローンについて解説しています。
住信SBIネット銀行の親会社はSBIホールディングスと三井住友信託銀行ですが、SBIは三井住友信託銀行と犬猿の仲とも言われる三井住友銀行とのタッグを組んで多数の金融サービスを展開することを発表するなど、住信SBIネット銀行を取り巻く環境は複雑になっています。
それが影響しているのかわかりませんが、最近は変動金利を除くと金利も高めですし、2019年12月から審査結果で金利を上乗せするような商品改定を行われているので、全体的な金利水準が他のネット銀行と比較して徐々に割高になっている印象があります。
いずれにせよ、どんなに優れた住宅ローンでも商品性を把握しておかないと思わぬ”落とし穴”にはまってしまう可能性がありますし、住宅ローンを選ぶときにはそのメリット・デメリットの両方を理解することが重要です。この特集ページでは住信SBIネット銀行の住宅ローンのデメリットや落とし穴になりそうな商品性を紹介しています。
もし住信SBIネット銀行のメリットや魅力を把握できていない人は、先にこちらのページで最新金利やキャンペーン情報などを事前に確認してから記事を読んでいただければと思います。
「2019年3月にauじぶん銀行ががん50%保障団信に加えて、精神障がいを除く全ての病気や怪我を保障する『全疾病保障』が無料でセット」、「2019年7月にSBI新生銀行が介護保障付き住宅ローンの変動金利を年0.45%(変動フォーカス)まで引き下げ」るなど商品性の改善が進んで、住信SBIネット銀行のライバル銀行の住宅ローンが次々と商品改定・商品開発を行っています。
住信SBIネット銀行は、信託銀行最大手の三井住友信託銀行と、ネット金融サービス最大手のSBIホールディングスの共同出資で2007年に誕生したインターネット専業銀行です。銀行サービス全体(ATM手数料・振込手数料・定期預金・外貨預金など)も高く評価されていて多くの外部調査で高い評価を獲得してきました。例えばオリコンが毎年発表している「オリコン日本顧客満足度ランキング」でもネット銀行部門で1位を受賞していますし、価格.comの住宅ローンの評価調査においても何度も1位を獲得しています。
それでは最初に住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリットを少し確認していきましょう。落とし穴・デメリットは記事後半でしっかりと紹介したいと思います。
2019年ごろまでは「非常に魅力的な水準の金利」と自信をもって言えた住信SBIネット銀行の住宅ローンですが、ここ最近、自信をもって低金利と言いにくい状況が続いています。ただし、変動金利はまずまずの低金利です。
2023年1月時点では変動金利についてはまずまずの金利水準ですが、住信SBIネット銀行の住宅ローンは審査の結果で金利が年0.1%上乗せされる可能性があることを考えると、審査結果によってはメガバンクや地方銀行と比べても見劣りする可能性もありますので注意しましょう。
また、住信SBIネット銀行の10年固定金利タイプ(当初引下げプラン)は過去に最も金利が低いときで年0.470%だったので、当時よりかなり高めの水準の金利が適用されています。また、商品性として固定期間終了後の金利(当初10年固定を選択された場合は11年目からの金利)が当初金利よりも大幅に上昇してしまう点にも注意が必要です。一方でauじぶん銀行やSBI新生銀行は住信SBIネット銀行よりも低い金利で提供されていることが多いだけでなく、10年経過した後の金利も有利なので10年固定金利タイプを選ぶのであればauじぶん銀行やSBI新生銀行の方が魅力的と言えるでしょう。
なお、2019年12月16日から住信SBIネット銀行では住宅ローン審査結果で、金利を年0.1%上乗せとする商品改定を行っているので注意が必要です。審査の結果が出たと思ったら年0.1%上乗せされた金利が提示されて、ショックを受ける可能性もありますし、金利的な魅力度が薄れてしまう可能性もあります。
住信SBIネット銀行の住宅ローンには無料で「全疾病保障」という疾病保障がついてきます。疾病や傷害で所定の就労不能状態になった場合に月々の返済が保障される点と、その後、就業不能状態がおよそ12ヶ月間続いた場合、住宅ローン残高相当額が支払われる保障となっています。メガバンクや地方銀行の住宅ローンと比較するとこの疾病保障サービスは優れており、住信SBIネット銀行の住宅ローンの最大の特徴です。
ただし、この1~2年の間に、auじぶん銀行や楽天銀行が「がん診断保障」と「全疾病保障」の2つを無料にしたり、ソニー銀行の住宅ローンの疾病保障も充実するなど、他のネット銀行が疾病保障サービスを充実させたことで、住信SBIネット銀行の住宅ローンの全疾病保障はあまり目立たない存在になってしまいました。
住宅ローンは長い期間返済を続けなければいけませんから病気やケガに対する備えは重要です。備えが全くないと、大きな病気やケガで働けなくなってしまって住宅ローンを返済できなくなった場合、マイホームを手放すことを考えなければなりませんから、全疾病保障は何もないよりもメリットなのは言うまでもありません。
ただし、この全疾病保障は12カ月の就業不能もしくは入院を保険金の支払い条件となっているので、保険金を受け取れるハードルは高いです。実際、12ヶ月以上の就業不能や入院を伴う怪我や病気になる人は極めてレアケースとも言えます。簡単に保障してもらえるものではないというレベルで考えておいたほうがよいでしょう。
なお、住信SBIネット銀行のライバルと言える「auじぶん銀行」は住信SBIネット銀行の住宅ローンに似た全疾病保障に加えてがん診断保障も無料でついてくるので疾病保障の面で比較するとauじぶん銀行の方が有利な状況です。
メガバンクや地方銀行の住宅ローンは保証料がかかります。この保証料は金利換算すると年0.2%の負担に相当します。住信SBIネット銀行は保証会社を利用していないためこの保証料が無料です。先ほどの疾病保障の金利上乗せとこの保証料を足すと、通常の住宅ローンの金利に年0.4%~年0.6%も上乗せが必要になることもあります。メガバンク・地方銀行の住宅ローンと住信SBIネット銀行の住宅ローンを比較検討している人は、この点を忘れないようにしましょう。
さらに、住信SBIネット銀行の住宅ローンの場合、一部繰上返済手数料は無料で1円から繰上返済できるので気軽に繰上返済ができる点もメリットの1つです。
住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンには女性限定のガン診断給付金特約が付帯されています。これはガンと診断されるだけで30万円の給付が受けられるもので保険料が無料となっています。
この特約への申し込みもそうですが、万が一の際には給付金の申請を忘れずに行いたいですね。保険料が無料なので女性であれば必ず付帯させるべき特約と言えるでしょう。
メリットの説明はこれぐらいにして、続いて住信SBIネット銀行の住宅ローンの落とし穴・デメリットなどの注意点について確認していきましょう。
住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンでは2019年12月から審査結果により適用金利が年0.1%上乗せとなるサービス体系に変わっています。これは本審査が終了しないとどうなるかわからない性質のものなので、注意が必要です。
審査結果により金利が変わることでより多くの人が審査に通るようになることは間違いないのですが、年0.1%の金利上乗せがされると、変動金利でも割高感が出てしまう点は気になります。
本審査が出てから他行にも申し込むでは遅いので、auじぶん銀行、SBI新生銀行などの変動金利が低金利な住宅ローンにも仮審査の段階で同時に申し込むようにしたいですね。
最初に紹介する住信SBIネット銀行の住宅ローンの落とし穴・デメリットは、住宅ローン審査・契約・融資実行までに1か月~1ヵ月半程度の時間が必要な点です。
住信SBIネット銀行はネット銀行なので店舗がありません。ネットからの申し込みに、書類自体の郵送、不明な点はコールセンターのスタッフとの電話で解決という流れになります。他のネット銀行のも基本的には同様に時間がかかるものなのですが、来店不要だけれども契約までに時間がかかってしまうのがネット銀行の住宅ローンならではの落とし穴です。
ギリギリになると予期せぬ書類不備などが発生したりして、希望の融資日に間に合わなくなる可能性もありますので余裕をもって申し込みするようにしましょう。
2つめに紹介したいのは契約時の融資事務手数料が2.20%(税込)がかかるという点です。
住信SBIネット銀行の住宅ローンに限った話ではありませんが、これは住信SBIネット銀行の住宅ローンの一番大きな落とし穴と言えるかもしれません。auじぶん銀行でも住信SBIネット銀行と同じ水準の手数料がかかりますが、SBI新生銀行やソニー銀行などでは事務手数料が数万円から利用できる金利タイプもあります。
この事務手数料負担は無視できるものではありませんので念頭においておくようにしましょう。
※ただし、融資事務手数料も住宅ローンの一部として借り入れることができますので、現金で用意しなければならないわけではありません。
(変動金利・長期固定金利を選ぼうとしている人には関係ないので読み飛ばしてください。)
低金利の住宅ローンですが金利面で1つ気を付けておきたい点があります。それは当初固定金利タイプの住宅ローンの固定期間終了後に適用される金利です。住信SBIネット銀行の住宅ローンには借入期間を通じて金利優遇幅が同じ通期引下げプランと固定金利期間の金利優遇幅が大きく、固定金利期間終了後の金利優遇幅が小さい当初引き下げプランの2つの金利があります。
住宅ローン金利(例えば10年固定金利)をホームページ上で掲載する時には基本的に当初引き下げプランの金利が表示されています。特に住信SBIネット銀行の当初固定金利タイプの住宅ローンは当初期間終了後の金利優遇幅が他の金融機関よりも小さい傾向があります。当初期間終了後の金利優遇幅を把握していなかったというような落とし穴にはまることの無いように注意しておきましょう。
このため当初固定期間経過後は他の住宅ローンへの借り換えをすることを意識しないとなりません。
また、当初引き下げタイプを選ぶ場合、2年から5年などの短期のものは選ばない方がいいですね。固定期間が終了した後に適用される変動金利は年0.975%(変動金利の基準金利 年2.775%から年1.80%の優遇)となり、住宅ローンを借りた後すぐに割高な変動金利が適用されてしまうこととなります。
大きなメリットでもある全疾病保障にも注意点・落とし穴はあります。まず、理解してほしいのが疾病時の保険金の支払い条件です。住信SBIネット銀行の住宅ローンの疾病保障とは「特定の疾病(病気)やケガになり、”一定の条件を満たした時に”住宅ローンの残高が保険金で支払われる」ものです。
ポイントはこの”一定の条件を満たしたとき”という条件で、住信SBIネット銀行の全疾病保障の保険金支払い条件は「医師から診断されること」ではありません。
12か月超働けない状態になってはじめて保険金で住宅ローンの残高がゼロになる商品です。無料で付帯されているとはいえ、大変厳しい受け取り条件と言えるでしょう。
支払い条件を理解していないと、いざという時に「え?こんな大変な状況でも使えない保障なの?」と路頭に迷ってしまう可能性がありますので注意しましょう。auじぶん銀行のがん50%保障団信のように医者にがんと診断されることを条件としている疾病保障とは大きな違いがあります。
健康上の理由、病歴により団体信用生命保険に加入できない方向けに加入条件を緩和したワイド団信を取り扱う銀行が増えていますが、住信SBIネット銀行ではワイド団信の取り扱いをしていません。このため、団信が理由で住宅ローン審査に落ちた方はワイド団信を取り扱うauじぶん銀行やソニー銀行にも審査申し込みをするほうがよいでしょう。
※2021年10月より、対面で申し込みする住宅ローン(対面)にてワイド団信の取り扱いが始まりました。全国の住宅ローン店舗「ローンプラザ」に行ける方は、住宅ローン(対面)も併せてご検討されることをおすすめします。
ネット専用住宅ローンと住宅ローン(対面)は金利と商品性が微妙に違う!
住信SBIネット銀行が提供している住宅ローンは3種類あり、1つはフラット35です。
残りの2つが住信SBIネット銀行がネット申込を受け付けている「ネット専用住宅ローン」とSBIマネープラザ(新宿、大宮、秋葉原、横浜、船橋、名古屋、大阪、神戸、福岡)で来店予約・相談して店舗申込できる「住宅ローン(対面)」です。
この2つの住宅ローンは商品性や金利設定が似ていますが、住宅ローン(対面)にはスゴ団信が付帯しますし、土地先行プランも付帯します。適用される金利や審査基準などが違っている点は落とし穴の1つです。
まず、住宅ローン(対面)の金利の方が低い時もありますが、住宅ローン(対面)は「審査結果で年0.1%から年0.75%の金利を上乗せする場合がある」としているので、実際の適用金利はネット専用住宅ローンの方が有利になる可能性も否定できません。
住宅ローン(対面)の方が低い金利で借りられる可能性があることもあれば、審査結果で逆転してネット専用住宅ローンの方が低い金利で借りられることがある、微妙な金利設定が落とし穴と言えますので注意しておきましょう。
なお、ネット専用住宅ローンと住宅ローン(対面)の違いはこちらの記事で特集していますので参考にしてください。
住信SBIネット銀行の住宅ローンはつなぎ融資や分割融資には対応していません。
従って、戸建の注文住宅を予定している人は、つなぎ融資専用商品の利用を検討するか、フラット35や地方銀行などのつなぎ融資に対応した住宅ローンをいったん契約して、住宅が完成した直後に住信SBIネット銀行へ借り換えたり、つなぎ融資専用の融資商品を活用する必要があります。
なお、SBIマネープラザでは独自のつなぎ融資を提供していて、さらに、住宅ローン(対面)には土地先行プランという分割融資プランもあります。注文住宅の人はSBIマネープラザに相談して、どのような資金繰り方法があるのかを相談してみることをおすすめします。
住信SBIネット銀行の住宅ローンでは定期的にキャンペーンを行っています。キャンペーンの実施有無や適用されるための条件を把握して、利用できるキャンペーンが実施されていないかをチェックしておくようにしましょう。また、住宅ローンのキャンペーンは「キャンペーンを利用できるかどうかが契約日で判断されて間に合わない」と状況に陥りがちです。
キャンペーン条件を確認する際は「住宅ローンの申込日」なのか「契約日・融資実行日」なのかをチェックするようにしましょう。
住信SBIネット銀行の住宅ローンは正社員ではない契約社員や派遣社員でも利用可能ですが、パート、アルバイト、年金受給者は利用できません。パート、アルバイト、年金受給者であれば公的な住宅ローンであるフラット35がオススメです。フラット35取り扱い最大手、ARUHIに相談をしてみましょう。
住信SBIネット銀行の住宅ローンは低金利・利便性・保障というあらゆる面で魅力的な総合力の高い住宅ローンです。ただし、どんなに優れた住宅ローンでも、落とし穴やデメリットは存在するので、しっかりと理解したうえで利用することが大切です。
商品性を理解していれば問題にならなかったり、事前に対処できることが大半です。理解が浅いと思わぬ落とし穴はまってしまう可能性があるので注意が必要ですし、どんな住宅ローンでも、「しっかりとメリット・デメリットを理解して申し込むことが重要」ということを忘れないようにしましょう。
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