公開日: 2026年8月6日

マイホームを購入する際に、多くの方が利用している“住宅ローン”。
借入額が大きく、金利の変動が返済額に大きく影響するため、定期的にローンを見直すことが大切だといわれています。
長く続いた超低金利は転機を迎えています。2016年に導入された日銀のマイナス金利政策は2024年3月に解除され、その後も段階的に利上げが続き、2026年6月には日本銀行が政策金利を1.0%程度へ引き上げました(1995年以来の水準)。これを受けて変動金利は上昇局面にあり、これまでのように「借り換えれば必ず返済額が下がる」とは限らなくなっています。
固定金利も上昇が続いており、2026年8月のフラット35(返済期間21〜35年・融資率9割以下・新機構団信付き)の最も多い金利は年3.290%と、現行制度となった2017年10月以降で最も高い水準になりました(住宅金融支援機構・2026年8月3日公表)。一方で、数年前より高い固定金利で借りている方や、当初優遇の期間が終わって金利が上がった方などは、今でも借り換えでメリットが出ることがあります。大切なのは、雰囲気で決めず、現在の金利と諸費用をふまえてご家庭ごとに試算して判断することです。
具体的に住宅ローン金利がどう推移しているのか見ていきましょう。
ここでは、メガバンクに次ぐ規模にまで住宅ローン取扱高が拡大している住信SBIネット銀行の住宅ローン変動金利を例に見てみましょう。
変動金利は、2010年当時は年1.00%を超えていましたが、その後の超低金利で一時は年0.4%前後まで下がりました。ところが日銀の利上げを受けて上昇に転じ、2026年8月時点では年1.20%前後と、2010年当時に近い水準まで戻っています(ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行) WEB申込コース・通期引下げプラン、2026年8月時点・公式サイトにて確認。最新の金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください)。変動金利は今後の政策金利次第で動くため、借り換えを考える際は現在の金利水準で試算することが欠かせません。住宅ローン残高が1,000万円以上、返済期間が10年以上残っていて、今より低い金利に移せるなら、借り換えメリットが出る可能性があります。
住宅ローンの借り換えとは、現在の住宅ローンを他の金融機関のローンに変更することで、金利の引き下げや返済条件の見直しを図る手続きです。借り換えによって、毎月の返済額や総返済額を減らせる場合がありますので、将来の金銭的な負担を少しでも減らしたいという人は、ぜひ検討してもらいたいところです。教育費が本格化する前の家計の見直しとしても有効です。
ただし、住宅ローンを借り換える際にはいくつか注意したいポイントがあり、押さえておかないと「そこまで負担を減らせなかった」と失敗してしまうことも。そこで、住宅ローン借り換えをよりお得に実施するための注意点を7つ挙げてご紹介します。住宅ローンの借り換えで失敗したくないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
住宅ローンを契約する時には、ローン以外にも”保証料”や”事務手数料”といった手続き上でかかる「諸費用」があります。
メガバンク・地銀・信用金庫では保証料、ネット専業銀行・フラット35では事務手数料として、それぞれ借り換え金額の2.20%(税込)程度の諸費用が必要になることが多くなっています。
2,000万円の借り換えをする場合には、こうした諸費用だけで約44万円(税込)となるため、これらを加味して住宅ローン借り換えの効果があるかシミュレーションを行う必要があります。
なお、事務手数料には、借入額に応じて増える「定率型」(借入額×2.20%程度)と、数万円の「定額型」があります。定額型を選べる住宅ローンは、借入額が大きいほど諸費用を抑えやすく、借り換えユーザーには心強い存在です。
| 銀行名 | 事務手数料 |
| ソニー銀行(住宅ローン) | 44,000円(税込)※定額型(変動・固定セレクトは借入額の2.20%) |
| SBI新生銀行 | 借入額×2.20%(税込)の定率型 |
| SBIアルヒ | 借入額の2.20%(税込・最低22万円)※Web申込+電子契約で1債権33,000円(税込)の割引あり |
諸費用の「安さ」だけで比べるなら、定額型のソニー銀行「住宅ローン」(44,000円・税込)が有利です。SBI新生銀行やSBIアルヒ(フラット35)は現在、借入額×2.20%(税込)の定率型が基本となっています(かつてのSBI新生の55,000円定額型や、SBIアルヒダイレクトの半額1.10%割引は、いずれも現在は取扱いがありません)。
ただし、手数料が安くても金利が高ければ総返済額で損をすることもあります。手数料の安さと金利・保障をあわせた「トータルコスト」で比べるようにしましょう。
①で触れた諸費用ですが、この費用を用意することが難しく、住宅ローン借り換えに二の足を踏まれる方もいるかと思います。
そういった方には吉報です。多くの金融機関で、住宅ローン借り換えに伴う諸費用を住宅ローンに含めて借り換えることができます。
例えば、残高2,000万円の住宅ローン借り換えを行う場合には数十万円の諸費用が必要となりますが、借り換え先で諸費用を含めた金額の住宅ローンを組むことも可能です。借り換えにより総返済額を抑えることができるのであれば、多少の諸費用が発生しても借り換えを検討したほうがよいといえます。ただし、諸費用を上乗せすると借入額が増える点には留意し、必ず総返済額で比べましょう。
一般的な借り換え時の手続きの流れは以下の通りです。
借り換え先の選択
↓
事前審査(仮審査)の申し込みと審査
↓
本審査(正式審査)の申し込みと審査
↓
借入中の住宅ローンを全額繰り上げ返済
↓
契約手続き
↓
融資実行
住宅ローン借り換え時も住宅ローン審査が必要となりますので、この時点で年収や雇用形態に大きな変化があった方は注意が必要です。もしこれから退職・転職・独立を考えている方は、そうした大きな変化が起きる前に住宅ローン借り換えを終わらせておくことが賢明でしょう。
また、クレジットカードやキャッシングなどを利用されている場合、滞納や遅延などの支払いトラブルを過去5年以内に起こしていると住宅ローン審査にマイナスの影響がありますので、借り換えをする直前に慌てないよう、日頃から支払いを忘れないように心がけたいですね。
団信(団体信用生命保険)とは、住宅ローンの借主が死亡または高度障害を負った場合に、保険金でローンの残債が返済される仕組みです。
加入者が万が一の事態に陥っても、家族に住宅ローンの負担が残らないようにするための保険で、最近ではがんや心筋梗塞、脳卒中などの特定の重病にかかった場合にもローンの残高がゼロになる「がん団信」や「三大疾病保障付き団信」などの特約を付けられるプランも増えています。家計を支える方に万一のことがあっても家族が住まいを守れるよう、借り換えを機に保障を見直すのもおすすめです。
民間金融機関の住宅ローンを組むためには、団体信用生命保険への加入が必須です(フラット35など一部は加入が任意です)。
現在契約された住宅ローンの申し込み時にも、健康状態の告知を行い保険会社による審査が行われ、審査に通ることで住宅ローンを借りられています。
また、団信は住宅ローン借り換え時にも改めて加入審査が行われます。
過去の通院、治療・投薬歴などを告知する必要があるため、現在契約の住宅ローン借入れ後に健康状態が悪化した場合、住宅ローンの借り換えができない可能性がありますので注意してください。健康状態に不安がある方は、引受条件を緩和したワイド団信を扱う金融機関や、団信加入が任意のフラット35という選択肢もあります。
ネット銀行を中心に、疾病保障やがん保障、失業保障などといった付帯サービスつきの住宅ローンを取り扱う銀行が増えています。メガバンクや地銀では年0.2%、年0.3%程度の保険料上乗せが必要なものが、ネット銀行では上乗せ0円で付帯される場合もあり、住宅ローン借り換えで月々の返済額が減ったり完済の前倒しができるとともに、もしもの備えが手厚くなるという嬉しいオマケが付いてくることも期待できます。家族の暮らしを守る視点でも、保障の内容はしっかり比べたいポイントです。
メガバンク・地銀で住宅ローンを組んでいる方で、保証料を前払いで一括支払いしている場合、住宅ローンの借り換えで保証料の返金(戻し保証料)を受けられることがあります。残高や残りの期間に応じて戻る金額が決まるため、借り換えの損得を計算するときは、この戻し保証料も忘れずに加味しましょう。
会社員の方であれば年末調整で住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)により還付を受けていると思いますが、借り換え後も引き続き年末調整で住宅ローン控除を適用できます(借り換え後のローンが控除の要件を満たす場合)。
住宅ローン借入れ初年度のような税務署での確定申告は不要です。しっかり活用しましょう。なお、借り換えで返済期間や借入額の要件を外れないよう、条件は事前に確認しておくと安心です。

Q. 子どもが小さいうちに借り換えたほうがよいですか?
A. 一概には言えませんが、教育費が本格化する前の家計に余裕があるうちのほうが、審査(年収・雇用の安定)や手続きの面では動きやすい傾向があります。ただし借り換えの損得は「今の金利差」と「諸費用」で決まりますので、時期だけで判断せず、必ず試算して確かめましょう。
Q. 共働きでペアローンを組んでいますが、借り換えできますか?
A. ペアローンや収入合算でも借り換えは可能ですが、お二人それぞれの審査・団信加入が必要になります。健康状態や働き方が変わっている場合は、事前に借り換え先へ相談しておくと安心です。
Q. 変動金利が上がってきました。固定金利への借り換えも考えるべきですか?
A. 変動から固定への借り換えは、将来の金利上昇に対する「保険」の意味があります。ただし2026年8月時点では固定金利も上昇しているため、切り替えれば当面の返済額は増えるのが一般的です。「金利がどこまで上がるか」を当てにいくのではなく、返済額が増えても教育費や生活費と両立できるかという家計の耐性で判断するのがおすすめです。判断に迷う場合は、毎月の返済額の上限を先に決めてから、変動・固定それぞれで試算して比べてみましょう。
マイホーム購入にあたり資金を借りるのが住宅ローンです。であれば、無理のない範囲で無駄な支出を抑えるのが得策だと思います。
住宅ローンの借り換えは必要書類を揃えたり面倒な手続きが確かにありますが、条件が合えば確実に家計の節約につながる手段でもあります。とくに金利が動きやすい今は、現在の金利と諸費用をふまえた試算がいっそう大切です。
よく考えずに借り換えを行ってしまうと「返済負担が予想より減らせなかった」「思わぬ諸費用がかかった」などのトラブルが起きることもあります。
本記事の借り換え時の注意点を参考に、借り換えの条件やタイミング、費用などを総合的に判断したうえで、ぜひ前向きに検討していただければと思います。
住宅ローン借り換えには 【最新】住宅ローン借り換えランキング を参考にしていただければと存じます。
| 変動金利 | 10年固定 | 特徴 | |
|---|---|---|---|
| SBI新生銀行 | 年0.990%(金利優遇プログラム適用時)※1 | 年3.030%(自己資金優遇金利) | SBI新生銀行の住宅ローンは、団体信用生命保険の内容を重視する人にとって、非常にコストパフォーマンスの高い住宅ローンです。 |
| PayPay銀行 | 年1.330%(全期間引下型) | 年2.870%(当初期間引下型) | 変動金利タイプの金利の低さに注目。 |
| ソニー銀行 | 年1.347%(新規購入) (変動セレクト住宅ローン) | 年3.413% (固定セレクト住宅ローン) | がんと診断されるだけで住宅ローン残高が1/2に減額! ※2023年11月1日以降、物件の購入価格を超えて借り入れる場合は金利が年0.05%上乗せになります(新規購入時)。 |
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