2025年2月3日
インターネットが普及する前と今では住宅ローンの選び方や住宅ローンの情報収集の方法は大きく変わりました。インターネットが普及していない時代は、住宅ローンは、雑誌やちらしで情報収集するか、不動産会社や近所の金融機関で探すぐらいの方法しかありませんでした。日本全国で利用できる住宅ローンもほとんどなく、情報を集めるだけでも大変で、商品性を比較するのに大変な労力がかかっていました。
また、利用できる住宅ローンが実質的に自宅周辺の金融機関が提供する商品だけだったので、例えば、北海道や東北・九州などの地方部に住む人と都内に住む人が同じ銀行の同じ住宅ローンを利用している、と言ったことはありません。
インターネットが普及して20年以上経過し、パソコンやスマートフォンがあれば自宅で住宅ローンを比較できますし、自分に合った住宅ローンが無いかを検索できます。その気になればX(旧Twitter)やFacebookなどのSNSで質問して疑問を解消することもできます。ChatGPTやGeminiと言ったAIに質問することもできますし、本当に住宅ローンを選びやすい時代になりました。
住宅ローンはインターネット上で比較されやすくなったことが金融機関同士の競争に繋がっています。ネット銀行が誕生して住宅ローンを積極的に提供しはじめたこともあって、日本全体の住宅ローン金利引き下げ競争が一気に進みました。すでに金利が低いだけでは差別化できなくなっていて、多くの金融機関が独自のサービスや制度を提供することで商品を差別化しています。
すでに団信(団体信用生命保険)の保険料を金融機関が負担するのは当たり前のことになりましたが、がん50%保障団信など追加の保障を金利上乗せなしで提供している金融機関もあります。
今回は金利上乗せなしで「がんになった時に住宅ローンの残高が50%になる保障」がついた団信を提供している「auじぶん銀行」と「楽天銀行」の住宅ローン(金利選択型)について比較してみたいと思います。この2つの住宅ローンは似ているようですが、利用条件などは大きく異なっています。しっかり違いを把握し、自分にとって有利な住宅ローンを選びましょう。
目次
※審査の結果によっては、保証付金利プランとなる場合があり、その場合、上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。それぞれの金利プランの詳細はこちらから確認してください。
auじぶん銀行は、大手通信会社と都市銀行が共同出資して設立したネット銀行です。スマートフォンやパソコンで口座開設から各種預金、通帳確認、振込み、電子マネーのチャージなど、さまざまな取引を行うことが出来ます。
住宅ローンも魅力的で、新規借り入れと借り換えのどちらの場合でも低金利で利用できる住宅ローンを提供しており、実際、auじぶん銀行の住宅ローンは、価格.comやオリコンランキングで上位の常連となっています。
楽天銀行は国内最大規模のインターネット通販グループに属している大手ネット銀行です。楽天を使わない人のメリットは少ないかもしれませんが、楽天銀行は親会社の楽天の影響で口座数がとてつもない勢いで伸びています。2020年6月時点では900万件だった口座数が2024年7月時点で1,600万件に到達しています。auじぶん銀行の口座数が2024年4月末時点で約600万件程度なので単純な口座数では2倍以上違います。
最近、楽天銀行の住宅ローンは「利益率重視」の方針が続いているため、私たち一般利用者の視点から見ると住宅ローンは以前より魅力的ではなくなっています。
楽天銀行は2023年11月7日の2023年4~9月期(上期)の決算発表において、「金利が上がれば、住宅ローン関連の貸し倒れが増える可能性が高い。もともと、中所得・高所得の顧客に絞って住宅ローンを提供していたが、今後はターゲットとする所得層をもう一段上げる」「(楽天銀行の住宅ローン残高が2023年3月末から9月末にかけて46億円も減っているのは、住宅ローンの貸し出しを)金利が上がったとしても確実に返済できる顧客に絞った結果、住宅ローンの実行件数が減った」と社長が説明しています。
実際に2023年2月以降断続的に主力であり人気の金利タイプである変動金利タイプを引き上げており、楽天銀行は住宅ローンの審査を厳しくして住宅ローンの貸出を絞りつつ、利益率を保つために貸し出し金利も引き上げていく方針であることがわかります。楽天銀行の住宅ローンは、もともと「審査の結果で提示する金利が大きく変わる商品性」としているため、審査が厳しくなると提示される金利が高くなる可能性があります。
このような戦略が続いている場合、私たち住宅ローンの利用者としては、auじぶん銀行・SBI新生銀行・住信SBIネット銀行・PayPay銀行など、住宅ローン利用者の獲得に積極的で低い金利を提示してくれている銀行の住宅ローンに申し込んだ方が良いでしょう。
がん50%保障団信の内容がよく似ているこの2つの銀行の住宅ローンですが、事務手数料、団信全般、夫婦共同のローン形態、年収基準、つなぎ融資の有無など、住宅ローンを総合的に比較すると異なる点が数多くあります。以下は、auじぶん銀行と楽天銀行の住宅ローンの代表的な商品性の違いをまとめた比較表です。
項目 |
auじぶん銀行 |
楽天銀行 |
変動金利 (2025年2月適用分) |
新規借り入れ:年HPご確認%(全期間引下げプラン・物件価格の80%以下で新規借入時・50歳以下で一般団信を選択時・住宅ローン金利優遇割を最大適用後) ※ 借り換え:年HPご確認%(全期間引下げプラン・借り換え時・50歳以下で一般団信を選択時・住宅ローン金利優遇割を最大適用後) ※ |
年0.836%~ |
事務手数料 |
借入金額×2.20%(税込) |
一律330,000円(税込) |
50歳以下の団信 |
<健康な方> がん50% がん100% がん100%プレミアム→金利 ※がん団信は入院保障あり <病歴・持病がある方> ワイド団信 |
<健康な方> がん50% がん100% 一般団信 夫婦連生団信
<病歴・持病がある方> ワイド団信なし |
51歳以上の団信 健康 |
<健康な方> 一般団信
<病歴・持病がある方> ワイド団信 |
<健康な方> 一般団信 全疾病保障
<病歴・持病がある方> ワイド団信なし |
ペアローン |
あり |
なし |
連帯債務 |
なし |
あり(夫婦連生団信利用可) |
年収基準 |
200万円以上 |
400万円以上 |
つなぎ融資 |
なし |
あり |
|
詳細はこちら | 詳細はこちら |
※50歳以下の方が一般団信を選択し、住宅ローン金利優遇割を最大適用した物件価格の80%以下で新規借り入れの場合の金利。J:COM NET優遇割、J:COM TV優遇割、コミュファ光優遇割は適用条件充足後、3ヶ月後から適用開始となります審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。
何を重視するかでどちらの銀行を選ぶかは変わってきます。それでは1つ1つ見ていきましょう。
例えば、人気を集めている変動金利タイプでの2つの銀行を比べるとauじぶん銀行の方が金利がかなり低いことがわかります。一方で事務手数料は楽天銀行の方が少し有利です。この楽天銀行の住宅ローンの特徴である「事務手数料を一律330,000円(税込)で固定していること」が、auじぶん銀行の住宅ローンの低金利に対抗できているのかを検証してみましょう。
下記の表は、借入金額1億円の場合と3,000万円の場合、返済期間は35年の場合と10年の場合で事務手数料(税込)と利息を合わせた総支払い額がどうなるかを計算したものです。
<前提条件>
項目 |
auじぶん銀行 |
楽天銀行 |
金利 (2025年2月適用分) |
新規借り入れ:年HPご確認%(全期間引下げプラン・物件価格の80%以下で新規借入時・50歳以下で一般団信を選択時・住宅ローン金利優遇割を最大適用後) ※ (変動金利) |
年0.848%~ (金利選択型変動金利) |
事務手数料 |
借入金額×2.2%(税込) |
一律330,000円(税込) |
※50歳以下の方が一般団信を選択し、住宅ローン金利優遇割を最大適用した物件価格の80%以下で新規借り入れの場合の金利。J:COM NET優遇割、J:COM TV優遇割、コミュファ光優遇割は適用条件充足後、3ヶ月後から適用開始となります審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。
<1億円の借り入れの場合>
項目 |
auじぶん銀行 |
楽天銀行 |
||
借入金額 |
1億円 |
|||
返済期間 |
35年 |
10年 |
35年 |
10年 |
支払い利息 |
約569万円 |
約161万円 |
約1,200万円 |
約337万円 |
事務手数料 |
220万円(税込) |
33万円(税込) |
||
総支払い額 |
約1億789万円 |
約1億381万円 |
約1億1,240万円 |
約1億370万円 |
<3,000万円の借り入れの場合>
|
auじぶん銀行 |
楽天銀行 |
||
借入金額 |
3,000万円 |
|||
返済期間 |
35年 |
10年 |
35年 |
10年 |
支払い利息 |
約170万円 |
約48万円 |
約362万円 |
約101万円 |
事務手数料 |
66万円(税込) |
33万円(税込) |
||
総返済額 |
約3,236万円 |
約3,114万円 |
約3,395万円 |
約3,14万円 |
※2025年2月にそれぞれの銀行の住宅ローンシミュレーションを使って当サイトが計算。千円未満切り捨て。
この表からわかることは、35年で住宅ローンを完済する場合はauじぶん銀行の方が有利になり、10年で住宅ローンを完済する場合は楽天銀行の方が有利になるということです。
一方で、「住宅ローンは早く完済してしまいたい。」という方には楽天銀行が合っているかもしれません。実際には、各銀行のウェブサイトの住宅ローンシミュレーションをしてみることが大切です。
ちなみに、融資金額が1,500万円の場合、auじぶん銀行の事務手数料2.20%(税込)は330,000円(税込)になります。1,500万円以下の借入金額の場合は、素直にauじぶん銀行の方が有利だと考えて差し支えなさそうです。
|
auじぶん銀行 |
楽天銀行 |
〜50歳以下の団信 |
<健康な方> がん50%→金利上乗せなし がん100%→金利+年0.05% がん100%プレミアム→金利+年0.15% 一般団信→金利上乗せなし ※がん団信は入院保障あり <病歴・持病がある方> ワイド団信→金利+年0.3% |
<健康な方> がん50%→金利上乗せなし がん100%→金利+年0.2% 一般団信→金利上乗せなし 夫婦連生団信→金利+年0.2% 失業保障特約→借入額100万円あたり年間800円 ※がん団信は就業不能保障あり
<病歴・持病がある方> ワイド団信なし |
51歳以上の団信 |
<健康な方> 一般団信→金利上乗せなし
<病歴・持病がある方> ワイド団信→金利+年0.3% |
<健康な方> 一般団信→金利上乗せなし 全疾病保障→金利上乗せなし
<病歴・持病がある方> ワイド団信なし |
auじぶん銀行と楽天銀行の「がん団信」はよく似ています。50歳以下の方であれば、がん50%保障団信が金利上乗せなしで付けられます。そして金利を年0.05%上乗せすれば、がん100%保障団信にグレードアップすることができます。これらのがん団信は「医師による診断確定」で保険金が支払われるシンプルな保険金の支払い条件が魅力です。
さらにauじぶん銀行のがん団信には、すべてのけがや病気で入院31日以上になった場合に毎月のローン返済が保険金でカバーされる月次返済保障、入院が180日以上となった場合は残債が保険金で完済される全疾病保障(入院保障)が付いています。
楽天銀行の場合は、入院ではなく就業不能を保障しています。毎月27日時点で、就業不能状態が15日を超えて継続している時は、毎月の返済額が保障されます。そして、就業不能状態が1年を経過すると残債が保険金で完済されます。
この点は一長一短あります。まず、保険金受け取り対象になる状況の幅広さの観点では楽天銀行に軍配が上がります。なぜなら、auじぶん銀行は、自宅療養のケースは保障されませんが、楽天銀行の場合は就業不能状態であれば入院をしていなくても保障されるからです。
一方で、残債が完済される金額の保険金を受け取れるまでの期間の観点ではauじぶん銀行に軍配があがります。auじぶん銀行は180日間で条件を満たせますが、楽天銀行は1年を経過しないと保険金が受け取れず住宅ローンの残高が0円にならないためです。
auじぶん銀行にあって楽天銀行にない医療保障付団信は、がん100%保障団信プレミアムです。この団信はがんと診断された場合は残債が保険金で完済されます。その上で各種給付金が充実しています。
一方、楽天銀行には、入院保障付の失業保障特約があります。借入金額100万円あたりに800円の特約料を支払うことで、非自発的に失業した場合は再就職まで最長6ヶ月間住宅ローンの返済額が保障されます。さらにこの特約を付けておくと、入院した場合も退院まで最長6ヶ月間の住宅ローンの返済が保障されます。この2つの保障は、借入期間通算で最長で36ヶ月利用できます。失業保障特約は、雇用保険の対象外である自営業者や経営者も対象となるので、一定のニーズはあるでしょう。
さらに楽天銀行には、「夫婦連生団信」があります。通常は夫婦で連帯債務を組む場合、団信が1人にしか付けられないというデメリットがありますが、夫婦連生団信は主契約者と連帯債務者両方に団信の保障が付くので安心です。夫婦連生団信の上乗せ金利は年0.2%です。
ところで、がんの病歴がある方や持病がある方は、がん特約は付けられない可能性が高いと言えます。そのような方のために両銀行とも一般団信の準備はあります。一般団信の保障は、死亡または高度障害の時に、残債と同額の保険金が支払われる、というものです。
しかし、高血圧症、糖尿病、肝機能障害などを抱えている方は、一般団信にも加入できない可能性があります。この点、auじぶん銀行のワイド団信であれば、一般団信に加入できなかった方でも加入できる可能性があります。ワイド団信に加入するためには、年0.3%の金利上乗せが必要ですが、楽天銀行にはワイド団信の取り扱いが無く、一般団信に入れないと住宅ローンの審査に落ちてしまいます。健康状態に不安がある人はauじぶん銀行のワイド団信を1つの手段として覚えておきましょう。
auじぶん銀行も楽天銀行もがん団信に入れるのは50歳までです。auじぶん銀行の場合は、51歳以降は、一般団信とワイド団信しか選択肢がありません。auじぶん銀行の全疾病保障はがん団信とセットになっている保障であるため、51歳以上は全疾病保障も付帯できないことになります。
楽天銀行の場合は、51歳以降はがん団信には入れませんが、一般団信と全疾病特約付団信に加入できます。こちらは、がん団信の「就業不能時の保障」の部分だけが付いた団信になります。また、夫婦連生団信は、がん団信、一般団信、全疾病保障団信、のどのタイプの団信でも適用できます。
ただ、楽天銀行にはワイド団信がないため、健康状態の問題で困ることが多い50代以上の方の住宅ローン探しではワイド団信に対応するauじぶん銀行が活躍する機会の方が多いと言えるでしょう。
近年、日本は共働き世帯が増加傾向にあります。そのため、ペアローンや連帯債務を利用するケースも増えてきています。どちらも夫婦で力を合わせて住宅ローンを返済する、ということは同じですが留意点が異なります。
なお、auじぶん銀行にはペアローンがありますが、連帯債務はありません。楽天銀行はその逆で、連帯債務はありますが、ペアローンがありません。
|
auじぶん銀行 |
楽天銀行 |
ペアローン |
あり |
なし |
連帯債務 |
なし |
あり(夫婦連生団信利用可) |
夫婦各々が住宅ローンを組み、お互いに連帯保証人になるという方法です。夫婦それぞれが団信に加入します。ゆえに夫婦どちらかに万が一のことがあった場合でも、遺された方の分の残債はそのまま残ります。住宅ローン控除はそれぞれが利用できます。
夫婦の一方が主債務者、もう一方が連帯債務者となって住宅ローンを組む方法です。連帯債務者は、債務者が返済できなくなった時に返済義務を負う「連帯保証人」とは異なり、主債務者と同じように最初から返済義務を負います。連帯債務の場合は収入を合算して審査ができるため、1人で住宅ローンを組むよりも、大きなが額を借りられる可能性があります。また、主債務者、連帯債務者共にそれぞれが住宅ローン控除を利用できます。
連帯債務の場合、団信は片方にしか付けられないというデメリットがありますので、楽天銀行では、夫婦連生団信(金利+年0.2%)を利用することで、夫婦両方に保障を付けることができるようにしています。
共働き家庭で2人ともある程度の収入を得ている場合、ペアローンや連帯債務を利用することで住宅ローン控除の恩恵は大きくなります。
ペアローン、連帯債務ともに住宅ローン控除は夫婦それぞれが利用できます。例えば、新築住宅購入で6,000万円の借入を行うケースの場合は、控除対象の借入額は、認定住宅購入のケースの5,000万円が最大になります(2022年・2023年の場合)。1人で借りた場合は、6,000万円の債務の全てを住宅ローン控除の対象にすることはできないということです。しかし、ペアローンか連帯債務を利用すれば、1人ずつ住宅ローン控除を利用できるため、6,000万円全ての借入金を住宅ローン控除の対象にすることができます。
もっとも、夫婦のどちらかが住宅ローン控除の恩恵を受けられるだけの所得税・住民税を納めていない場合は、納税額が多い方がめいっぱい住宅ローン控除を受ける選択肢が最も有利な場合もあります。
住宅ローン控除(減税)は、2024年に制度の内容が修正されています。
下記に新しい制度の住宅ローン控除の制度内容を表にしたものを掲載します。なお、住宅ローン控除で所得税から税額控除できる額は、「年末の借入残高」に0.7%を乗じた額です。2022年中に認定住宅を購入した人で、年末の住宅ローン残高が5,000万円以上あるケースでは、「5,000万円×0.7%=35万円」がその年の税額控除額となります。
2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅の場合、省エネ基準を満たす住宅でない場合は住宅ローン減税を受けらないので注意が必要です。
【対象となる年末借入残高上限】
①新築または買取再販住宅の場合
|
入居年 |
|
2022・2023 |
2024・2025 |
|
認定住宅 |
5,000万円 |
4,500万円 |
ZEH水準省エネ住宅 |
4,500万円 |
3,500万円 |
省エネ基準適合住宅 |
4,000万円 |
3,000万円 |
上記以外 |
3,000万円 |
2,000万円 |
控除期間:13年間(2024・2025の「上記以外」に該当する「2000万円」については、建築確認日が一定の期限内ではない等の理由で適用外になるケースがあるので個別物件ごとに注意する必要あり)
②既存住宅(中古・増改築などの新築または買取再販以外)の場合
|
入居年 |
|
2022・2023 |
2024・2025 |
|
認定住宅 |
3,000万円 |
|
ZEH水準省エネ住宅 |
||
省エネ基準適合住宅 |
||
上記以外 |
2,000万円 |
控除期間:10年間
(出所)国土交通省ウェブサイトを基に筆者作成
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
なお、住宅ローン控除の税額控除額がその年の所得税額を超えてしまった場合は、住民税からも税額控除をすることができます。その際の計算式は以下のとおりです。
(計算式)
所得税の課税総所得金額等×5% (上限97,500円)
(参考)
大田区 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)について
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/zeikin/kazei/jutaku4.html
auじぶん銀行は、住宅ローン利用の年収を200万円以上、楽天銀行では400万円以上と定めています。auじぶん銀行では、夫婦がそれぞれ住宅ローンを組んでマイホームを購入するペアローンを提供していることもあり年収基準は低めに設定されているのかもしれません。
融資限度額は auじぶん銀行が2億円、楽天銀行が1億円となっており、この点は大きな相違点になっています。
近年、東京圏を中心に不動産価格の上昇が顕著であり、立地の良い地区だと1億円を超える物件もめずらしくありません。そのような物件を買いたい人にとってはauじぶん銀行の2億円というバーは安心材料になります。auじぶん銀行に限らず融資上限額を1億円超にしている銀行は徐々に増えてきています。では、楽天銀行も融資上限額を引き上げる可能性はあるのでしょうか。それについては、楽天銀行しか答えを持っていません。
ただ、先述のとおり、楽天銀行の住宅ローンの事務手数料は定額制になっているため、融資額が高額になるほど割安になるという考え方ができます。つまり、「融資限度額を上げすぎると、手数料が割安な金額帯が広がってしまう」ということです。この点が、楽天銀行が融資限度額を上げていない1つの原因になっていると推測することは不自然ではないと思われます。
昨今各金融機関が、住宅ローンと同様に力を入れているのがNISA口座などの証券口座の開設です。
auじぶん銀行はauカブコム証券が、楽天銀行は楽天証券が同じグループの証券会社として存在します。
同じグループの銀行と証券会社をセットで利用すると、自動入金サービスが利用できるだけでなく、金利やポイントの優遇が受けられる場合があります。
どちらかの銀行を住宅ローンで選択した際には、証券会社の利用で得られる特典も取りこぼさないようにチェックしましょう。
家を購入したら、家計管理はこれまで以上にしっかり行う必要があります。住宅ローンの返済は毎月確実に到来するからです。
auグループと楽天グループには、それぞれ家計管理システムがあります。auグループの家計管理システムはauPay「お金の管理」です。このサービスは家計簿アプリ的なサービスです。auじぶん銀行以外の金融機関の口座や、さまざまなクレジットカードを登録することで、収支と資産をスマホで一元管理することができます。
楽天グループには、楽天銀行の無料資産管理ツール【マネーサポート】があります。こちらも楽天銀行以外の金融機関の口座やクレジットカードを登録することで、収支や資産の管理が手軽にできるようになります。
auPayの「お金の管理」または楽天銀行の無料資産管理ツール【マネーサポート】を有効活用することによって「残高不足で支払いが遅れてしまった」という自体だけでなく、「余剰資金が低金利の普通預金にほったらかしになっている」といった機会損失も防ぐことができます。
注文住宅を建てる時に多くの方が利用するつなぎ融資。
注文住宅の場合は建築完了後に住宅ローンの借り入れができるようになるので、土地取得資金や着工金などは建物が建つ前に必要になります。「つなぎ融資」とは、このような住宅ローンの融資実行前に必要な資金を融資するローン商品です。
つなぎ融資はauじぶん銀行にはありませんが楽天銀行では扱っています。ただし、つなぎ融資の事務手数料は住宅ローンの事務手数料とは別に11万円(税込)かかってしまいます。また、つなぎ融資の金利は2025年1月の金利で年2.95%と住宅ローン金利に比べると高く設定されています。
つなぎ融資は住宅ローンの借入資金で返済してしまいますし、多くのネット銀行がつなぎ融資が出来ないことを考えると、つなぎ融資が利用できることは楽天銀行の強みではありますが、そこまで魅力的なつなぎ融資を提供しているわけではなさそうです。
地銀もつなぎ融資には対応しています。しかし、それが住宅ローン選びの決め手にはならなさそうです。住宅ローンの金利・手数料・疾病保障などの条件はネット銀行の方が有利な傾向があるからです。また、つなぎ融資がない銀行で住宅ローンを借りる人で、つなぎ融資の利用が必要な場合は、ノンバンクでつなぎ融資を利用する手段があります。
注文住宅でマイホームを建てる場合、土地購入代金や建物建築費用(着工時・上棟時・引渡し時)の支払いが必要となります。通常の住宅ローンは、住宅が完成してから契約して利用することになりますが、それまでの中間の支払いに対応するのがつなぎ融資です。 地銀もつなぎ融資には対応していますが、住宅ローンの金利・手数料・疾病保障などの条件を考えるとネット銀行などが提供する全国区のお得な住宅を利用した方が有利です。以下に住宅ローン金利や条件が優れていて、かつ、つなぎ融資に対応しているおすすめの住宅ローンを4つ紹介しておきます。
auじぶん銀行、SBI新生銀行はアプラスと提携しつなぎ融資を受けることができ、ARUHIでは独自のつなぎ融資を提供しています。
auじぶん銀行の住宅ローンも、楽天銀行の住宅ローン(金利選択型)も金利上乗せなしのがん50%保障団信が目玉商品です。この商品性だけで比べようとすると迷ってしまうと思います。今のところ、住宅ローンの重要な比較要素である金利はauじぶん銀行の住宅ローンの方が低く設定されています。ただし、これまで解説してきたように、希望物件や借入金額、返済期間や返済計画によってどちらの銀行の住宅ローンの方が良いのかは変わってきます。
住宅ローンは、多くの方にとって人生の最大の借入です。じっくり検討し、ご自身の借り入れ計画の中で有利な銀行を選びましょう。
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