2021年4月1日
この特集記事では10年後の住宅ローン金利の予想と住宅ローン選びの考え方について解説しています。
目次
がんと診断された時に住宅ローンの残高が半分になる”がん50%保障”に加えて、精神障害を除く全ての病気や怪我を保障する“全疾病保障”も無料でセットされるauじぶん銀行の住宅ローン。
金利が低いだけでなく、充実した無料の疾病保障サービスの魅力は他の住宅ローンとの競争から頭1つ抜け出しているとも言える状況で、申し込み先候補に加えておきたい住宅ローンです。今後、他のネット銀行が今後どのようにauじぶん銀行に対抗してくるかにも注目です。
2016年のマイナス金利政策の影響で急激に低下した日本の住宅ローン金利ですが、2018年~2019年に「今後、住宅ローン金利が上昇する(可能性がある)」・「日銀の金融政策変更の影響で住宅ローン金利があがった」・「フラット35の金利が上昇した」などのように、住宅ローンの金利が上昇していくという報道が盛り上がっている時期がありました。
その当時の記事は根拠もなければ、表面的なことを報道しているだけで、住宅ローンの金利タイプに悩んでいる人の参考になる情報とは言えませんでした。実際、2020年になっても住宅ローン金利は上昇しなかったですし、新型コロナウイルスの影響で金利低下が進んだこともあって金利上昇をあおるような記事を見かけることもなくなりました。ただ、世界的に金利上昇しつつあって、2021年3月に住宅ローンの金利が少し高くなったことで、またいい加減な記事が増えそうなので皆さんも情報収集には十分に注意してください。
10年後の住宅ローン金利を予想する前に10年ぐらい前の住宅ローンの金利水準を確認しておきましょう。
以下は2008年6月時点の住宅ローンの金利です。「基準金利」ではなく「適用金利」なので、今から10年以上前に住宅ローンを借りた人はこの水準の金利で住宅ローンを借りていたことになります。
30年固定金利で借りた場合の金利 | |
三菱UFJ銀行 | 3.520% |
三井住友銀行 | 3.490% |
みずほ銀行 | 3.280% |
ソニー銀行 | 2.856% |
住信SBIネット銀行 | 2.850% |
楽天銀行(楽天モーゲージ) | 3.050% |
固定金利タイプの金利とはいえ、今では考えられない金利です。なお、同じ時期の変動金利は1.5%~1.8%、10年固定金利は2.0%~2.5%ぐらいでしたので全体的に今の2倍以上の金利が当たり前でした。
続いて、今後の住宅ローン金利を予想するうえで重要な経済指標の動向を確認しておきましょう。
まずは固定タイプの住宅ローンの金利に影響する長期金利の動向からです。
2016年以降で考えると高めの金利に見えますが、中長期的には低金利で安定しているだけです。なお、長期金利を実質的にコントロールしている日銀が0.2%までの金利上昇は容認していますので、0.2%程度まで上昇していく可能性を否定することはできません。
ただし、2021年以降も新型コロナウイルスにより傷ついた日本経済を立て直すために、大量の国債を発行することになります。また、国としても金利を急激に上昇させるわけにはいきませんので、当面は長期金利の上昇を予想しにくい状況が続くことになるでしょう。
次に短期金利の金利動向を確認しておきましょう。短期金利は変動金利タイプの住宅ローンの金利に影響するとされている指標の1つです。
以下は日銀統計データから抽出した短期金利の代表例である”無担保コールオーバーナイトもの”の金利推移です。
引き続き、マイナス圏を推移していることがわかります。こちらは特に大きな動きはありません。
今の日本のように長期金利を中央銀行がコントロールし続けるのは珍しいのですが、短期金利に関しては中央銀行(日本では日銀)がコントロールすることが一般的と言えますし、今のところ「日本の政策金利はマイナス金利のまま」で短期金利が上昇する気配はありません。
日銀が長短金利をコントロールしているのは、日本を安定的なインフレ(物価の上昇)にもっていき、結果的に日本の景気を引き上げるためです。
現時点では、日銀が具体的な目標として定めている物価上昇率2%には到達する見込みはたっていませんし、2019年10月には消費税の増税を実施し、GDPが大きく減少しています。2020年に入ってからはコロナショックに見舞われており、今の日本経済は、金利を上昇させたくてもさせられない状況にあると考えるのが自然だと思っています。
前述した状況を踏まえると、短期的な住宅ローン金利の動向を予想すると以下のようになります。
変動金利 : 短期金利は変わっておらず、今後も上昇する可能性は低い。2022年~2023年ぐらいまでは今の金利水準を維持。
固定金利 : 日銀が長期金利を0.2%まで上昇することを容認しているため若干の金利上昇の可能性はあるが、誤差の範囲。
2020年に世界中を大混乱させた新型コロナウイルスとその感染拡大を軽減することを目的として経済活動の停滞は無視できるものではありません。日本だけではなく世界中の中央銀行が金利を引き下げ、ゼロ金利政策を導入しています。
世界経済のリーダであるアメリカの経済をコントロールしている中央銀行のFRBも同じです。FRBは2020年3月に約12年ぶりにゼロ金利政策を再導入しています。リーマンショック時に行ったゼロ金利政策は、金利引き上げるままで7年もの時間がかかりました。新型コロナウイルスはリーマンショック以上に経済にダメージを与えているので、今回もゼロ金利をやめるまでかなりの期間を必要とする可能性が高いでしょう。
ちなみに日本はリーマンショック後、政策金利を引き下げることはできていません。(経済が回復していないため)
長期的な住宅ローンの金利動向を予想するのは難しく、様々な観点から考える必要があります。住宅ローンの金利は日本経済の状況に影響を受けるので、10年後・20年後に日本がどうなっているかを理解しておく必要があります。
内閣府の統計データによると2030年に日本の人口は1億1,661万人程度になると予想されています。たった10年ぐらいで人口が10%も減ってしまいます。しかも、人口が減るだけでなく高齢者の割合が増えながら人口が減少していくという未曽有の少子高齢化と人口減少の時代に突入します。
例えば、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年には日本人の10人に1人が認知症になると言われていて、私たちが想像している以上に日本の人口減少と高齢化は深刻です。
労働人口や若い人口は国力です。人口の減少と少子高齢化は日本が経済弱者に近づいていくことを示しています。また、人が少なくなり、経済が縮小していくなかで「お金の需要」を増やすのは並大抵のことでは実現できません。
金利は「お金の需要(貸して欲しい人が増える)」があるから高くなるという原理原則に立ち返れば、急激な人口減少と高齢化の時代に突入している日本には、金利を上昇させない大きな圧力がかかっている状態にあることが想像できると思います。
次に日本の財政事情について確認しておきましょう。これは金利を実質的にコントロールしている日銀の金融政策に影響してくることになります。
まず、事実として、日本の国債残高はすでに1,000兆円を突破しています。国はその国債を保有者に利息を払う必要があるので、毎年10兆円ぐらいの国債の利息支払いのための予算を計上しています。
今の日本の税収は60兆円弱なので、全ての税金収入の20%ぐらい国債の利払いに消えている状況にあります。なお、この数年は日銀のマイナス金利政策の効果で国債の利息の支払額が低下していて、日銀のマイナス金利政策は国の財政にはプラスの効果をもたらしているという点は非常に重要なポイントで、金利が上昇すると国が支払う利息は増加して財政を悪化させる要因になります。
国債の残高が1,000兆円もあると平均金利が0.1%上昇するだけで国が支払う利息は1兆円も増えることになります。
景気が回復して税収も増えて利息の支払いも増える、であれば良いですが税収が増えないのに国債の利払いだけが増えることは国の財政に悪影響を与えることになりますますので、国の財政面でも、景気回復や税収の増加を伴わずに金利が上昇していくことは容認できる状況にはないだろうということは念頭に入れておかなければなりません。
出典:財務省ホームページ http://www.mof.go.jp/
他にも要因はありますが、この2つのポイントを抑えるだけで中長期的に金利が右肩上がりで上昇していくと予想することはとてもできないことがわかると思います。
一方で、万が一?、日銀の思惑通りに日本の景気が回復すると、日銀が行っている金融緩和は縮小に向かっていくことになるので、段階的に金利が上昇していく可能性はゼロではありません。
続いて、具体的な住宅ローンの金利と返済額を確認しながら中長期的な金利上昇が住宅ローンの返済額に与える影響を整理したいと思います。
住宅ローンの金利が急激に上昇することが無いとしても、徐々に上昇していく可能性はせずにいくつかの金利上昇パターンで住宅ローンの総返済額を試算しています。
<前提条件>
借入金額:3,000万円
借入期間:30年
返済方法:元利均等返済・ボーナス返済なし
金利上昇シナリオ | 総返済額(手数料などは考慮せず) | |
パターンA | 年0.5%の変動金利で借りて金利が完済まで金利があがらない | 32,312,288円 |
パターンB | 年0.5%の変動金利で借りて5年後に年1.0%に上昇 | 33,997,946円 |
パターンC | 年0.5%の変動金利で借りて10年後に年1.0%に上昇 | 33,392,516円 |
パターンD | 年0.5%の変動金利で借りて5年後に年1.0%、10年後に年1.5%に上昇 | 35,125,344円 |
パターンE | 年0.5%の変動金利で借りて5年後に年1.0%、10年後に年1.5%、20年後に年2.0%に上昇 | 35,422,512円 |
パターンF | 年0.5%の変動金利で借りて5年後に年1.0%、10年後に年1.5%、15年後に年2.0%、20年後に年2.5%に上昇 | 43,482,644円 |
パターンG | 年0.5%の変動金利で借りて5年後に年1.0%、10年後に年1.5%、15年後に年2.0%、20年後に年2.5%、25年後3.0%に上昇 | 43,673,500円 |
パターンH | 年1.5%の固定金利で借り入れ | 37,272,796円 |
上記は、変動金利を年0.5%、固定金利を年1.5%として試算したもので、パターンAは変動金利で借りた場合のベストシナリオで、住宅ローンの金利タイプの中で最も金利が低い変動金利が変わらずに完済日を迎えたケースです。
変動金利が上昇していくシナリオがパターンB~G、パターンHは住宅ローンの金利を1.5%で固定したパターンです。
まず、パターンA~Eまでは、パターンH(固定金利での借り入れ)よりも総返済額が少なくなっていることがわかります。
パターンFやパターンGのように金利がどんどん上がっていくと総返済額が逆転する一方で、パターンE(5年後に今の2倍の金利、10年後に3倍の金利、20年後に4倍の金利)程度の上昇であれば、総返済額ではパターンHよりも少なく済むことがわかります。
繰り返しですが、「緩やかに金利が上昇するぐらいであれば、変動金利の低い金利で借りておく方が住宅ローンの総返済額は少なく済む」ということは頭の中にいれておく必要があります。
※ここでいう緩やかな金利上昇は、「変動金利(≒短期金利)」の金利上昇で「固定金利(≒長期金利)」の金利上昇ではありません。
これまで説明してきたとおり、当サイトでは多少住宅ローンの金利が上昇することはあっても、住宅ローンの総返済額が 固定金利<変動金利 のように逆転するほど金利は上昇しない可能性が高いと予想しています。
もちろん、10年後は日銀の金融政策も変わっているはず、住宅ローンの変動金利が今の金利水準の5倍や6倍を超えていくという予想はとてもできません。リーマンショック前の2008年でも1.5%程度だったわけですからね。
もちろん、金利を固定しておきたいという気持ちや考え方を否定するつもりはありません。最終的に変動金利を選ぶか固定金利を選ぶかは最終的には自分自身で判断するしかありません。
その判断は難しいと思いますが、この特集の内容も踏まえてご自身の考え方にあった住宅ローンを選ぶようにしていただければ幸いです。
ソニー銀行が発表した2019 年 4 月から 2020 年 3 月まで同行の住宅ローンを利用した方々の実績を見ると、新規購入で88%、借り換えで74%の方々が変動金利を選んでいます。固定金利とは圧倒的な差が開いている状況です。
こうしたデータはりそな銀行など他行も発表していますが、これらでも90%近い方が変動金利を選んでいるのが確認できます。
実際に住宅ローンの借りる方、借り換える方は金利は当分上がらない、変動金利が最もメリットがあると考えるのが支配的な状況です。
・auじぶん銀行の住宅ローン
がん50%保障と全疾病保障が無料でセットされる人気の住宅ローン。変動金利を中心として金利の低さも魅力。
・ソニー銀行の変動セレクト住宅ローン
インターネット銀行のソニー銀行の住宅ローン。電子契約に対応し、来店不要のネット完結型の住宅ローン。がん50%保障が無料で付帯。
ソニー銀行のがん団信50の特徴は、「保障料無料」、「”がんと診断されたら”というハードルの低い保険金支払い条件」。”入院”などではなく、”診断されること”が条件の疾病保障が費用負担なく付帯する点です。ソニー銀行ではがん団信100やワイド団信などの借り手が安心できる疾病保障を業界最低水準の保険料で提供していることにも注目です。
・住信SBIネット銀行のミスター住宅ローンREAL
累計の住宅ローン実行額で6兆5,000億円を超えるネット銀行の住宅ローン。ポイントは「店舗で相談できるネット銀行の住宅ローン」だということ。
ライバルのauじぶん銀行や楽天銀行のようなネット銀行ではなかなか実現しにくい店舗相談を提供しながら、住信SBIネット銀行独自の「全疾病保障(所定の就業不能状態になった時に住宅ローン残高がゼロになる保険)」が無料で付帯。この疾病保障が金利に上乗せさの費用負担なく付帯するミスター住宅ローンREALは住宅ローンは特に変動金利での借り入れ・借り換えを検討している人には必ず候補に入れておいてほしい住宅ローンの1つです。
・auじぶん銀行の住宅ローン
変動金利だけでなく、10年固定金利で圧倒的な低金利を提示しているauじぶん銀行。auじぶん銀行独自の疾病保障も無料で、10年固定金利タイプでの借り入れ・借り換えを考えている人にとって、間違いなく最有力候補の住宅ローンの1つ。
・新生銀行の住宅ローン
新生銀行の住宅ローンは長期固定タイプの住宅ローンがとにかく低金利であることが最大のメリットです。独自の安心保障付き団信を無償で付帯し、万が一の備にも対応しています。また、新生銀行の住宅ローンは事務手数料が一律55,000円(税込)~と非常に安価な設定になっていることも大きなメリットです。20年、35年などの長期固定金利タイプでの借り入れ・借り換えを考えている人にとっては、間違いなく最有力候補の住宅ローンの1つ。
今、注目の住宅ローン
今月のおすすめ特集
各社住宅ローンの金利速報
サイト更新情報
2021.04.21
2021.04.21
2021.04.21
2021.04.20
2021.04.20
2021.04.19
2021.04.19
2021.04.16
2021.04.15
2021.04.14
住宅ローンの基礎
住宅ローンの審査特集
職業別の住宅ローン審査
年収別の住宅ローン審査
地域別おすすめ住宅ローン
取扱銀行一覧
執筆・監修者
Copyright © Izit Inc. 2013 - 2021
Copyright © Izit Inc. 2013 - 2021