公開日: 2026年7月17日

高額な金額の借金(借り入れ)を長い時間をかけて返済するのが住宅ローンですが、住宅ローンの返済期間中の万が一の事態(死亡時や高度障害)に備えるのが団信(団体信用生命保険)です。
フラット35を除くと基本的には住宅ローンを利用するには団信に加入する必要があります。住宅ローンの利用者が団信に加入することで、住宅ローン契約者が死亡したり高度障害状態になってローンの返済が行えなくなった時に、保険会社から支払われる保険金で住宅ローンが完済されるので、金融機関の貸し倒れリスクを減らし、利用者(とその家族)がマイホームを手放さずに済むようになります。
団信の仕組みは利用者にも金融機関(銀行)にもメリットがある。

ただし、団信はあくまでも生命保険で、「医療保険」や「就業不能保障保険」のような保障はありませんので、住宅ローンの契約者が病気やケガで入院したり、働けなくなってしまった場合に対する保障はありません。従って、病気にかかって闘病生活を始めることになったり、治療に集中する為に長い期間働けなくなっても住宅ローンの返済を続けていく必要があります。
短期間で治療から復帰できたり、職場復帰できれば対応できるかもしれませんが、収入が少ない状態や収入が無い状態が長期化すると住宅ローンの返済が困難になり、結果としてマイホームを手放さなければならない事態になる可能性があります。
さらに、「生存リスク」という言葉を見かける機会がありますが、医療が発展した結果、『不治の病』と言われていたような病気でも治療法が確立されて回復できる可能性が増えていますし、延命治療の技術も発展しており大病を患っても生存できるようになってきました。
それ自体は喜ばしい事ですが、「病気にかかっても生存できること」に対する備えが重要な時代になっていると言われています。(以下は国立がん研究センターが公表している最新のがん統計情報ですが、がんと診断された人の生存率が年々高まっていることがわかります。)
2018年にがんと診断された人の5年相対生存率は男女計で64.8%(男性63.2%、女性66.8%)。部位別では乳房(女性)、子宮、前立腺などが高い一方、膵臓や肝臓などは低い傾向があります。(2026年7月時点・国立がん研究センター「最新がん統計」より)
国立がん研究センター がん情報サービス
このような背景から、当サイトでは住宅ローンには将来の病気に備える疾病保障をセットすべきで、かつ、それらのサービスが無料でセットされる住宅ローンをおすすめしたいと思っていますが、各住宅ローンの疾病保障の内容は違っています。最終的には自分の考え方(どういう状態に備えたいか)に合った住宅ローンを選ぶと良いでしょう。
疾病保障とは、一般的な団信よりも幅広い病気や状況に備えられる保証のことで、「3疾病、8疾病、全疾病、がん保障」などのような名称で提供されています。メガバンクや地方銀行では、この疾病保障を付帯する場合、通常では金利に上乗せする形で保険料を負担することが多いです。一方、ネット銀行の住宅ローンでは、こうした疾病保障が無料で付帯するケースが増えてきており、より手厚い保障を受けやすくなっています。
auじぶん銀行の住宅ローンには、満50歳以下で健康状態の告知に問題がない方を対象に、無料でがん50%保障団信と全疾病長期入院保障が付帯します。2023年7月には保障がさらに拡充され、がん50%保障に急性心筋梗塞・脳卒中など4つの疾病の100%保障を加えた「がん・4疾病50%保障団信」となっています(引受保険会社はライフネット生命保険)。
「がん50%保障団信」は、がんと診断されただけで住宅ローンの残高が50%が支払われる団信です。「ガンと診断されるだけ」という保障を受け取るハードルの低さが特徴です。2人に1人はガンと診断される日本では、ガンのリスクに備えることは非常に重要です。長期間の返済になる住宅ローンの場合、万が一、ガンを患い高額な治療費や入院費が発生した場合の返済負担の軽減というのは大変大きなメリットです。
また、ガンと診断された時点で保証が適用されるため、早期発見で手術を受け、その後すぐに仕事に復帰した場合でも、住宅ローンの残高が半分になるなどの経済的なメリットを受けられます。早期発見なら、経済的負担も小さく済みますし、万が一に備える安心材料にもなります。
全疾病保障は2019年3月から取り扱いが開始されている保障で、精神障害を除く全てのケガと病気をカバーする内容になっています。180日以上の継続した入院で住宅ローン残高がゼロになる保障です。例えば、auじぶん銀行の競合の住信SBIネット銀行は12ヶ月以上の就業不能を保障の条件にしているので、「期間」の観点ではauじぶん銀行の方が有利と言えるでしょう。
また、auじぶん銀行の住宅ローンは無料のがん50%保障のほかに、”がん100%保障団信”や”がん100%保障団信プレミアム”も利用可能です。この2つの保障を利用する際の上乗せ金利は、それぞれ年0.05%、年0.15%(2026年7月時点)と非常に低く抑えられており、業界をリードする充実した団信内容を提供しています。
SBI新生銀行の住宅ローンでは、2026年3月から金利上乗せ0円の「全疾病保障付団信」が始まりました。一般団信(上乗せ0円)に加えて、すべてのケガ・病気による就業不能に備えられる保障を追加負担なしで選べるのは、家計を預かるご家庭にとって心強い内容です。保証料0円・一部繰上返済手数料0円で、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応している点も、はじめての住宅ローンで相談しながら進めたい方に向いています(事務取扱手数料は借入金額×2.20%(税込)の定率型。保障の詳細・加入条件は公式サイトでご確認ください)。
※なお、かつて提供されていた「安心保障付団信(団体信用介護保障保険)」は新規申込を終了しています。古い情報にはご注意ください。
PayPay銀行の住宅ローンは、2021年7月にがんと診断されたときに住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障」の無料付帯を開始しましたが、現在は制度が変わり、がん50%保障団信は年0.1%の金利上乗せ(有料)となっています(がん100%保障は年0.15%上乗せ。無料で付帯するのは一般団信まで。2026年7月時点)。かつての「無料」を前提にした情報が残っていることがあるため、申し込み前に必ず最新の団信ラインナップを公式サイトでご確認ください。
PayPay銀行といえば変動金利の年1.330%(全期間引下型)を筆頭に低金利が最大の特徴ですので、公務員や大手企業の正社員など信用力が高い方にはお勧めです。
ソニー銀行の住宅ローンには、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん団信50」を無料で付帯させています(保障特約付き団信は加入時年齢が満50歳未満の方が対象)。auじぶん銀行などと比較して、全疾病保障が付帯されていないのでスペックが良くないのでは?と思うかもしれませんが、忘れてならない点が2点あります。
まずは、事務手数料が44,000円(税込)~と住宅ローン借り入れの際の諸費用が格安で済む点です。auじぶん銀行では2.20%(税込)、楽天銀行では一律330,000円(税込)必要ですが、ソニー銀行は44,000円(税込)で済むため、将来的な住み替えを想定している場合や住宅ローンの借り換えでコスト重視の際などに大きな強みとなります。最低限のがん保障を考えている方におすすめです。
2つ目は、無料ではないですが、がんと診断された際に住宅ローン残高がゼロになる「がん団信100」を、わずか年0.1%の上乗せで付けられる点です。「がん団信100」にはがん診断給付金100万円や、通算2,000万円までのがん先進医療給付も付帯します(2026年7月時点・公式サイトで確認)。また、がん診断保険金では保障対象外の上皮内がん・皮膚がんにも50万円の給付があります。がんを幅広く保障するタイプのものなので、将来もしもの時のために保障を手厚くしたい方、とくに教育費とローン返済が重なる時期の万一に備えたいご家庭におすすめです。がん100%保障でここまで低い上乗せ金利の設定は業界でも屈指の水準です。

「全疾病保障」は、ケガや病気などの働けなくなった理由を問わず就業不能な状態が12ヶ月を超えて継続した場合に住宅ローン残高が0円になる保障です。
地銀を中心に全疾病保障を取り扱う住宅ローンは存在していますが、付帯するには住宅ローン金利に年0.1%程度上乗せになることが多く、完済までには100万円前後返済額が増してしまう場合があります。ネット銀行の低金利の住宅ローンを店舗で相談・申し込みできるのが住信SBIネット銀行(この場合は住宅ローン(対面))です。※ただし住宅ローン(対面)は審査結果によっては金利上乗せとなる場合があります。最新の取扱状況・保障条件はSBIマネープラザ公式でご確認ください。

ここまで紹介した各行の疾病保障を、「無料で付くもの」と「上乗せで選べるもの」に分けて整理しました(2026年7月時点・当編集部調べ。詳細な条件・年齢制限は各行公式サイトでご確認ください)。
| 銀行 | 無料で付帯する主な疾病保障 | 上乗せで選べる保障の例 |
|---|---|---|
| auじぶん銀行 | がん・4疾病50%保障+全疾病長期入院保障+月次返済保障(満50歳以下) | がん100%保障(年0.05%)・がん100%保障プレミアム(年0.15%) |
| SBI新生銀行 | 一般団信+全疾病保障付団信(上乗せ0円・2026年3月開始) | ガン団信など(詳細は公式サイトで確認) |
| ソニー銀行 | がん団信50(がん診断で残高50%保障・満50歳未満) | がん団信100(年0.1%・診断給付金100万円等) |
| PayPay銀行 | 一般団信(がん保障は無料では付かない) | がん50%保障(年0.1%)・がん100%保障(年0.15%) |
Q. 無料の疾病保障が付いていれば、医療保険やがん保険は解約してよいですか?
A. 団信の疾病保障はあくまで「住宅ローンの残高や毎月返済」に対する保障で、治療費・入院中の生活費・教育費そのものを直接カバーするものではありません。住宅ローンの保障が手厚くなった分、死亡保障の減額など保険料の見直し余地は生まれますが、治療費に備える医療保障まで一気に解約するのは慎重に。家計全体で「何が保障されて何が残るか」を確認してから見直しましょう。
Q. 疾病保障付き団信には年齢制限がありますか?
A. あります。たとえばauじぶん銀行のがん・4疾病50%保障は満50歳以下、ソニー銀行の保障特約付き団信は加入時満50歳未満が対象です(2026年7月時点)。無料の手厚い保障は40代までに借りる・借り換えるほど選択肢が広い、と覚えておくとよいでしょう。お子さまの教育費が本格化する前に、保障と金利をセットで見直すのがおすすめです。
住宅ローンを選ぶときには、金利に目が行きがちですが、病気で返済ができないといったリスクに備えることも重要です。
本来は死亡時や高度障害が残った時に しか保障されない一般団信と比較して、ガンや3大疾病でも保障されるのは住宅ローンの契約者には大変ありがたいことです。ネット銀行による住宅ローンサービスの進出でこうした疾病保障を無料で付帯することが業界のス タンダードになりつつあります。
また、疾病保障付き住宅ローンで借り入れた場合には、疾病保障の内容をよく確認して、生命保険の死亡保障などが適切か見直し、保険料の節約にもつなげたいですね。
ネット銀行の住宅ローンを中心に無料の疾病保障サービスが付帯する住宅ローンが増えています。みんなの住宅ローンでは、疾病保障サービスの特徴を解説した記事を用意しています。住宅ローン選びの参考にしてください。
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