2020年11月9日
みずほ銀行は第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行が2002年に合併して誕生したメガバンクであり、全国に420あまりの店舗・支店を有しています。
みずほ銀行はかつて全国にあった農工銀行の営業拠点を引き継いだ経緯からメガバンクで唯一、全国の政令指定都市に店舗を有しています。
一方、みずほ銀行はメガバンクの中でも経費率が高いとされ、積極的なリストラ・経費削減を進めており、一部地方では住宅ローンの新規融資サービスから撤退をしています。
また、メガバンクで唯一、系列・グループのネット専業銀行が存在しませんが、ソフトバンクグループやLINEとの協業を進めています。
目次
みずほ銀行は三菱UFJ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行につぐ住宅ローンの融資シェアを有しています。これは全国に巡り張らされた店舗網が大きく貢献しているといってよいでしょう。
メガバンクの中でも比較的早くネット専用の住宅ローンを取り扱うなど住宅ローンサービスの取り扱いには積極的です。一方でメガバンクの中で最も経費率が高く利益が出にくい体質とされており、店舗の統廃合、人員リストラも進めており、2018年3月には一部地方からの住宅ローンサービスからの撤退を行うなどしています。
みずほ銀行では積極的にネット専用住宅ローンの取り扱いを拡大しており、みずほ銀行のホームページ上の住宅ローン金利表記はネット専用のものですし、メガバンクとしては初めて電子契約にも対応(ただし有料、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)、auじぶん銀行といったネット銀行では無料)しています。
また、ワイド団信、がん保障など疾病保障も充実させており、住宅ローンに注力している姿勢がうかがえます。
がんと診断された時に住宅ローンの残高が半分になる”がん50%保障”に加えて、精神障害を除く全ての病気や怪我を保障する“全疾病保障”も無料でセットされるauじぶん銀行の住宅ローン。
金利が低いだけでなく、充実した無料の疾病保障サービスの魅力は他の住宅ローンとの競争から頭1つ抜け出しているとも言える状況で、申し込み先候補に加えておきたい住宅ローンです。今後、他のネット銀行が今後どのようにauじぶん銀行に対抗してくるかにも注目です。
2020年11月現在、みずほ銀行のネット専用住宅ローンの変動金利は年0.475%~(全期間重視プラン)とメガバンクが扱うネット専用住宅ローンとして横並びの水準を実現しています。
ただし、年0.475%を適用してもらうためにも最もよい審査結果が出たときであり、審査結果が最も悪いと0.725%となります。また、審査結果によってはそれ以上の金利となる可能性もあるとホームページには明記されています。
金利だけ見ると、年0.475%の金利で住宅ローンを借りれる可能性はありますが、疾病保障が有料であることを考えると、金利の安さではネット銀行には全く勝てない水準です。
なお、ネット専用住宅ローンを利用するためには審査申し込みから契約までネットおよび郵送で手続きを行うこととなり、店舗でのサポートは原則ありません。
みずほ銀行のネット専用住宅ローンは店舗向けの住宅ローンに対して最大で年0.15%の割引が適用される体系です。
人生の中で最も大きい買い物であるマイホーム。返済が長期に渡るものでもあるので、信頼できる銀行と取引したいと考えるのは自然なことでしょう。その点でメガバンクであるみずほ銀行の住宅ローンの安心感は間違いないでしょう。
ただし全国に420ある店舗のうち、住宅ローンの取り扱うエリアは縮小されている点には注意が必要です。
現在、最も人気がある金利タイプは変動金利ですが、当初期間設定型の住宅ローンも人気となっています。特に10年固定金利が人気ですが、このタイプの金利は当初設定された期間の住宅ローン金利の割引幅を大きくし、期間経過後の割引幅を小さくするものです。10年固定金利であれば最初の10年間の割引幅を大きく設定しており、11年目以降の割引幅は小さくなる設計です。
この期間経過後の割引幅は金融機関ごとに異なっているため、住宅ローンを契約する前に、期間経過後の金利がどの程度になるのか計算しておかないと、総返済額が不明で、きちんと住宅ローン比較をしないことを意味します。
期間経過後の割引幅(何%金利が割り引かれるか)はホームページに必ず明記されています。今回は、みずほ銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)で10年固定金利を借りた場合の総返済額の違いを比較してみましょう。
2020年11月に3,000万円を35年ローンで借りた場合のシミュレーションとなっています。
みずほ銀行 | 住信SBIネット銀行 | PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行) | |
金利(2020年11月適用) | 当初10年:0.700% 11年目以降:0.775%(基準金利より-1.7%) | 当初10年:0.660% 11年目以降:2.075%(基準金利より-0.7%) | 当初10年:0.530% 11年目以降:0.915%(基準金利より-1.4%) |
月々の返済額 | 当初10年:82,604円 11年目以降:81,870円 | 当初10年:80,015円 11年目以降:94,412円 | 当初10年:78,274円 11年目以降:82,043円 |
総返済額 | 34,475,744円 | 37,867,907円 | 34,001,990円 |
最も総返済額が少なく済むのは三井住友銀行が出資しているネット専業銀行のPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)となりました。総返済額が最も多い住信SBIネット銀行とは380万円以上の差が出ています。
当初期間経過後の金利がどの程度になるかが大きなポイントであり、住信SBIネット銀行は当初10年経過後の金利が劇的に高くなることがこの一覧で見て取れますね。
みずほ銀行に限らずメガバンク・地銀の住宅ローンのデメリットして、住宅ローン金利や保証料が審査結果で変動することです、審査結果が出るまで月々の住宅ローン返済額が確定しません。
みずほ銀行では下記のように審査結果により0.25%の変動があります。また、審査結果によっては希望の金利プランが利用できない可能性もあると明記されています。本審査が終わるまで金利が分からない、そもそも希望の金利タイプが分からないというデメリットを回避するためには他行の住宅ローンにも申し込んでおき、みずほ銀行より想定する金利が提示されなかった場合の、選択肢を用意しておくことが絶対条件となりそうです。具体的にはみずほ銀行だけに絞って審査にも申し込むのではなく、auじぶん銀行、新生銀行など変動金利を低水準で提供している銀行にも審査を申し込むべきでしょう。
ネット専業銀行や地銀の一部ではがんやケガなどを保障する疾病保障が住宅ローンに無償で付帯されるものが増えています。
住宅ローン業界の潮流は「金利は安く疾病保障は無料で付帯」となっています。
みずほ銀行の住宅ローンには8疾病保障やがん保障を付帯させることが可能ですが、いずれも有料となっています。
変動金利 | 10年固定 | 特徴 | |
---|---|---|---|
auじぶん銀行※1 | HPご確認% (全期間引下げプラン) | HPご確認% (当初期間引下げプラン) | がんと診断されるだけで住宅ローン残高が1/2に減額!入院が180日継続すると住宅ローン残高がゼロに。 |
住宅ローン(対面)(住信SBIネット銀行)※2 | 0.390% (通期引下げプラン) | 0.920% (当初引下げプラン) | 通常の団体信用生命保険、全ての病気やケガに備える全疾病保障に加え、お借入時のご年齢に応じてガン診断時給付を含む3大疾病保障特約(50%)を基本付帯。SBIマネープラザで対面サービスが受けられる。 |
新生銀行 | 0.450% (変動フォーカス) | 1.000% | 介護保障が無料で利用可能。変動金利は変動フォーカスを選んだ場合。 |
ソニー銀行 変動セレクト・固定セレクト住宅ローン | 0.457%※3~0.507%※4 | 0.750%※3~0.800%※4 | がんと診断されるだけで住宅ローン残高が1/2に減額! |
三菱UFJ銀行が出資している、auじぶん銀行が実現し、他行にも普及しているのが、住宅ローンの金銭消費貸借契約を電子化し、紙の契約書を廃止するものサービスです。
契約書には住宅ローンの借入額に応じた収入印紙を貼る必要がありますが、電子契約の場合には収入印紙を貼る必要がありません。
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円
1億円を超え5億円以下 10万円
電子契約により数万円の節約になります。
しかし、みずほ銀行の電子契約には税抜き5000円の利用料金が必要となるのがデメリットです、電子契約を導入しているPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)、auじぶん銀行などでは利用料金は不要となっています。
以上、みずほ銀行の住宅ローンのメリット・評判、デメリットについて確認をしてきましたが、みずほ銀行の住宅ローンの最大のウリはメガバンクの安心感になると思われます。
大きなメリットと言える当初期間経過後の金利がやすく抑えられている点も、三井住友銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)との比較を行いましたが、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)に軍配が上がりました。
大きな規模を持つメガバンクだからこそ、特徴のない、万人受けのする商品設計になっているのは仕方ないのかもしれません。
今、注目の住宅ローン
今月のおすすめ特集
各社住宅ローンの金利速報
サイト更新情報
2022.05.26
2022.05.25
2022.05.24
2022.05.24
2022.05.20
2022.05.17
2022.05.17
2022.05.16
2022.05.16
2022.05.16
住宅ローンの基礎
住宅ローンの審査特集
職業別の住宅ローン審査
年収別の住宅ローン審査
地域別おすすめ住宅ローン
取扱銀行一覧
執筆・監修者
Copyright © Izit Inc. 2013 - 2022
Copyright © Izit Inc. 2013 - 2022