公開日: 2026年9月15日 更新日: 2026年9月27日

イオン銀行のフラット35は、住宅ローンを完済するまでイオングループでの買い物が毎日5%引きになる「イオンセレクトクラブ」が付く、店舗申込限定の全期間固定型住宅ローンです。金利そのものは住宅金融支援機構が示す水準(2026年9月の最頻金利は返済期間21年以上・融資率9割以下で年3.460%)を軸に決まるため、他社のフラット35と比べて金利で大きく差が付くわけではなく、「毎日の買い物の節約」と「土日にイオンモールで相談できる安心感」をどう評価するかが選ぶかどうかの分かれ目になります。全国のイオンモール内を中心に店舗を展開するイオン銀行は独自の低金利の住宅ローンが人気ですが、ここで取り上げるのはその通常の住宅ローンではなく、イオン銀行で申し込めるフラット35のほうです。メリット・デメリットを子育て世帯の家計の目線で整理していきます。
イオン銀行は2007年に営業を開始した銀行で、金融庁の分類ではインターネット銀行などと同じ「新たな形態の銀行」に位置づけられています。住宅ローンの取扱いを始めたのは開業翌年の2008年で、当初は自社の住宅ローンだけでしたが、その後、店舗限定でフラット35(イオン【フラット35】)の取扱いを始めました。
フラット35は、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供する最長35年の全期間固定金利型住宅ローンです。機構は国土交通省・財務省が所管する独立行政法人なので、国が直接貸しているわけではないものの、国の支援を土台にした住宅ローンといえます。借入時に返済終了までの金利と返済額が確定するため、教育費のピークが何年後に来るかを見通しながら家計を組み立てたいご家庭に向いています。
そのうえでイオン銀行から申し込むと、住宅ローン契約者向けの特典(後述のイオンセレクトクラブ)や、イオン銀行の取引状況に応じてATM手数料や普通預金金利が優遇される「イオン銀行Myステージ」の対象になるなど、日常の暮らしに直結するメリットが加わります。商品の全体像はイオン銀行公式のイオン【フラット35】ページで確認できます。

国内では取扱金融機関が少ないフラットの「保証型」ですが、フラット35取扱最大手のSBIアルヒでは「保証型のフラット35・ARUHIスーパーフラットを積極的に取り扱っています。通常のフラット35との比較で約年0.1%割安な金利で利用可能なケースもあります。また、借り換え専用のスーパーフラットもあります。フラット35の利用を検討中の人はARUHIスーパーフラットを検討候補に入れておくと良いでしょう。
なお、WEB申込でも事前審査の結果は1営業日~2営業日で完了するため、審査スピードも速いのですが、繁忙期など、利用者全体の申込状況により時間がかかることもありますので、時間がない人や急ぎたい人は早めに手続きしておくことをおすすめします。
フラット35の金利は機構の仕組みで決まるので、イオン銀行で申し込む最大のメリットは金利ではなく、契約者特典「イオンセレクトクラブ」です。住宅ローンの完済までずっと、イオングループの対象店舗での買い物が毎日5%引きになります(イオン【フラット35】も対象ローンに含まれます)。
この特典は2023年3月のリニューアルで、会員有効期間が従来の「入会から5年間」から「対象ローンの完済まで」に延長され、年間の割引対象額の上限も撤廃されました。専用の「イオンゴールドカードセレクト」で対象店舗のクレジット決済をすると、請求時に5%割引されます(入会には所定の条件・審査があります)。
イオン銀行のフラット35には、金利が低い代わりに融資手数料が借入額に比例する定率型の「Aタイプ」と、融資手数料が55,000円(税込)の定額で済む代わりに金利が0.2%高い「Bタイプ」の2つがあります。住宅金融支援機構の金融機関別検索では、2026年9月資金受取分のイオン【フラット35】Bタイプ(返済期間21年以上35年以下)は融資率9割以下で年3.660%・9割超で年3.770%と案内されています(住宅金融支援機構「最新の金利情報」から金融機関名で検索できます)。
同じように2タイプを用意している金融機関は多いので珍しい仕組みではありませんが、1タイプしかない金融機関もあるため、選択肢があること自体はメリットです。
選び方の目安は次のとおりです。Bタイプは初期費用を抑えられますが、金利が高いぶん総返済額は増えるのが大半で、借入額が大きく返済期間が長いほどAタイプが有利になります。一方、数年以内に売却や大きな繰上返済を考えているご家庭は、初期費用の軽いBタイプのほうが結果的に安く済むこともあります。実際の金利・手数料は毎月変わるので、申込前に店舗で両タイプの総返済額を出してもらい、比べてから決めましょう。
つなぎ融資とは、住宅が完成する前に必要な資金(着手金や中間金など)を一時的に借りる融資のことです。新築や建て替えの場合、工事の進捗に応じて支払いが発生しますが、住宅ローンは物件が完成してから融資されるため、その間の資金不足を補うためにつなぎ融資が利用されます。
注文住宅でこれから家を建てる場合、工務店に支払うお金をつなぎ融資で賄うことになりますが、イオン銀行のフラット35は「イオン【つなぎ】融資」でこれに対応しています。土地代やリフォーム代金、中古住宅の購入時にも利用できます。
つなぎ融資(イオン銀行つなぎローン)の利用可能期間・借入金額・金利などの条件は、最新の商品概要をイオン銀行公式サイトでご確認ください。
また、つなぎ融資にも審査期間が発生します。利用を検討している場合は、住宅を建てる段階で早めに申し込みを済ませておきましょう。
フラット35取扱金融機関の多くはつなぎ融資に対応していますが、対応していない金融機関もありますので注意しましょう。
イオン銀行のフラット35を利用すると、提携する損害保険会社(損害保険ジャパン〈旧・損害保険ジャパン日本興亜〉・東京海上日動火災保険)の火災保険に団体扱いで加入できる案内がされてきました。以前は団体割引率10%と紹介されていました。
火災保険は5年契約でも10万円近い保険料になることがあり、割引が1割あれば無視できない金額です。ただし団体割引率や対象保険会社は公表されておらず、変更されることもあります。正確な割引率・対象商品は申込時にイオン銀行の店舗で確認してください。
イオン銀行のフラット35、Aタイプの融資手数料は普通~高めの水準です。
フラット35の取扱い最大手であるSBIアルヒの事務手数料は借入金額の2.20%(税込・最低22万円)ですので、イオン銀行が特に手数料が高いわけではありませんが、突出して安いわけでもない、と認識しておきましょう。
なお、かつてSBIアルヒ(旧ARUHI)にあった「WEB申込で事務手数料が1.10%(半額)になる割引」は終了しており、現在はWeb申込+電子契約の利用で1債権あたり33,000円(税込)を定額で割り引くキャンペーン(2026年3月2日~2027年3月31日)に変わっています。手数料の差は借入額3,000万円なら数十万円単位になるので、金融機関を選ぶ材料として最新の条件を確認しておきましょう。
イオン銀行のフラット35は、申込時・契約時にフラット35商品取扱窓口(店舗)への来店が必要です(2026年9月時点・イオン銀行公式の利用条件で確認)。同じく店舗相談できるSBIアルヒはWEBでの申込みも可能ですので、共働きで来店の時間を取りづらいご家庭は注意しておきましょう。一方、土日も営業しているイオンモール内の店舗で、買い物ついでに子ども連れで相談できるのは、イオン銀行ならではの強みです。
フラット35全体の2026年9月の金利水準は、返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付きで最頻金利 年3.460%(取扱金融機関の提示範囲は年3.460%~5.690%)、返済期間20年以下なら年3.140%です(住宅金融支援機構の公表値)。2026年7月の3.140%、8月の3.290%から上がっており、全期間固定の金利は日銀の政策金利ではなく長期金利(10年国債利回り)を基準に毎月見直されるため、政策金利の決定を待たずに先に動くことがあります。ちょうど今週は日銀の金融政策決定会合が9月17日・18日に開かれ、結果は18日に公表されます。複数の報道機関が利上げの公算が大きいと報じていますが、記事執筆時点で決定はされておらず、フラット35の10月金利がどうなるかも機構の公表を待つ必要があります。イオン銀行での適用金利は同行公式の「融資実行金利情報」で、月ごとに確認してください。
フラット35は、変動金利と比べると当初の返済額は重くなります。それでも子育て世帯に選ばれ続けている理由は、「10年後・15年後の教育費がいくらかかる時期に、住宅ローンの返済額が変わらない」という見通しの立てやすさにあります。イオン銀行で申し込む場合は、これに毎日の買い物5%引きが加わるので、次の順番で家計を点検してみてください。
全期間固定を検討するなら、比較の相手も1社は見ておきましょう。たとえばSBI新生銀行の住宅ローンは、長期固定(35年)が年4.230%(2026年9月・新規・自己資金10%以上優遇)とフラット35より高めですが、保証料・一部繰上返済手数料・一般団信が0円で、全疾病保障付団信も上乗せ金利なしで付けられ、店舗とオンラインの両方で手続きできます。金利だけでなく、団信の保障範囲や繰上返済のしやすさまで含めた総額で比べると、ご家庭ごとに向く商品が変わります。詳しくはSBI新生銀行の住宅ローンのメリット・デメリットで解説しています。また、イオン銀行の通常の住宅ローン(変動金利・当初固定)についてはイオン銀行 住宅ローンの評判・メリット・デメリットで、ネット銀行全般との違いはネット銀行の住宅ローンの特徴でまとめています。
A. できません。イオン【フラット35】は申込時と契約時にフラット35商品取扱窓口(店舗)への来店が利用条件になっています(2026年9月時点)。店舗は土日も営業しているイオンモール内が中心なので、買い物と合わせて相談する使い方が現実的です。
A. 対象です。イオン【フラット35】はイオンセレクトクラブの対象ローンに含まれ、対象ローンを完済するまで会員資格が続きます。割引を受けるには専用のイオンゴールドカードセレクトでの決済が必要で、入会には所定の条件・審査があります。
A. 借入額が大きく、長く借りるならAタイプ(定率手数料・金利低め)、初期費用を抑えたい・数年内に売却や大きな繰上返済を予定しているならBタイプ(手数料55,000円・金利0.2%高め)が候補です。金利は毎月変わるので、店舗で両タイプの総返済額を並べて比べてから決めてください。
A. 使えます。他の金融機関やイオン銀行で返済中の住宅ローン(フラット35を含む)の借換えに利用でき、借換えでは融資率9割以下の金利が適用されます。ただし借換えの場合、【フラット35】子育てプラス以外の金利引下げメニューは利用できません。
参考として、当サイトで記録していたイオン銀行のフラット35の金利推移を残しておきます。ここではフラット35の取扱い最大手であるSBIアルヒ(旧ARUHI)のスーパーフラットの金利と比較しています。2021年4月で金利推移表の更新を終了しています。当時は1%台前半でしたが、2026年9月の最頻金利は年3.460%と水準が大きく変わっているため、現在の金利は必ず公式サイトで確認してください。
| Aタイプ | Bタイプ | ARUHIスーパーフラット9 | |
| 2021年4月 | 1.370% | 1.570% | 1.320% |
| 2021年3月 | 1.350% | 1.550% | 1.300% |
| 2021年2月 | 1.320% | 1.520% | 1.270% |
| 2021年1月 | 1.290% | 1.490% | 1.240% |
| 2020年12月 | 1.310% | 1.510% | 1.260% |
| 2020年11月 | 1.310% | 1.510% | 1.260% |
| 2020年10月 | 1.300% | 1.500% | 1.250% |
| 2020年9月 | 1.320% | 1.520% | 1.270% |
| 2020年8月 | 1.310% | 1.510% | 1.260% |
| 2020年7月 | 1.300% | 1.500% | 1.250% |
| 2020年6月 | 1.290% | 1.490% | 1.240% |
| 2020年5月 | 1.300% | 1.500% | 1.250% |
| 2020年4月 | 1.300% | 1.500% | 1.250% |
| 2020年3月 | 1.240% | 1.440% | 1.190% |
| 2020年2月 | 1.280% | 1.480% | 1.230% |
| 2020年1月 | 1.270% | 1.470% | 1.220% |
| 2019年12月 | 1.210% | 1.410% | 1.160% |
| 2019年11月 | 1.170% | 1.370% | 1.120% |
| 2019年10月 | 1.110% | 1.310% | 1.060% |
| 2019年9月 | 1.110% | 1.310% | 1.060% |
| 2019年8月 | 1.170% | 1.370% | 1.120% |
| 2019年7月 | 1.180% | 1.380% | 1.130% |
| 2019年6月 | 1.270% | 1.470% | 1.220% |
※上の表の金利は自己資金10%以上を用意するときに適用されていた当時の金利です。SBIアルヒのスーパーフラットには自己資金をもっと用意できる人向けに更に金利が低くなるプランが複数用意されています(2026年9月のスーパーフラット9〈自己資金1割以上〉は年3.450%)。
国内では取扱金融機関が少ないフラットの「保証型」ですが、フラット35取扱最大手のSBIアルヒでは「保証型のフラット35・ARUHIスーパーフラットを積極的に取り扱っています。通常のフラット35との比較で約年0.1%割安な金利で利用可能なケースもあります。また、借り換え専用のスーパーフラットもあります。フラット35の利用を検討中の人はARUHIスーパーフラットを検討候補に入れておくと良いでしょう。
なお、WEB申込でも事前審査の結果は1営業日~2営業日で完了するため、審査スピードも速いのですが、繁忙期など、利用者全体の申込状況により時間がかかることもありますので、時間がない人や急ぎたい人は早めに手続きしておくことをおすすめします。
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