2024年11月8日
住宅ローンを利用する際、最初に直面するのが審査です。色々調べていく中で、ソニー銀行の住宅ローンを検討している方も多いのではないでしょうか。
ソニー銀行は、ソニーグループ(株)傘下のソニーフィナンシャルグループ(株)の完全子会社であるネット銀行です。
ソニー銀行の住宅ローンは実際に利用している人の満足度が高い住宅ローンとして知られています。
その一方で、審査が厳しい住宅ローンと言われることもあります。実際ソニー銀行の住宅ローンの審査に落ちた人のくちこみを簡単に見つけることができます。
この特集ページでは、”ソニー銀行の住宅ローンの審査は厳しい”という評判が正しいのか、また、仮に審査が厳しいのとして、「全ての審査項目の基準が厳しいのか」「審査基準があまい項目はないのか」と言う観点で審査基準を中心に解説していきます。
なお、2023年3月時点のソニー銀行の決算発表資料よると、ソニー銀行の住宅ローンの貸出残高は前年度末比1,308億円増えていて、2兆7,540億円もの金額を貸し出し中です。大手銀行が住宅ローンの残高を大きく減らしていますので極めて順調と言えるでしょう。
当たり前のことですが、ソニー銀行の住宅ローンを利用している人が多いのは、ソニー銀行の住宅ローンの審査に通過できた人が多いということです。多くの人が住宅ローンを利用している以上、「ソニー銀行の住宅ローンは審査が厳しい」だけの住宅ローンではないことがわかります。
一方で、厳しい審査基準になっている項目もあるのも事実です。これからソニー銀行の住宅ローンへの申込を予定している人、ソニー銀行の住宅ローンに興味がある人は、商品性だけでなく、審査基準や審査スピードなど審査に関する特徴についても合わせて把握しておくようにしましょう。
目次
まず、ソニー銀行の住宅ローンの評判や口コミについて解説していきます。
ソニー銀行の住宅ローンは、様々な商品やサービスの満足度を調査した結果をランキング形式で発表しているオリコンの「オリコン顧客満足度調査(住宅ローン部門)」で2011年~2021年までの11年間連続で満足度1位の住宅ローンを獲得している住宅ローンです。
オリコンのランキングは、実際に住宅ローンの新規借り入れ・借り換えを行った経験がある数千人に対して、アンケート形式で利用している住宅ローンの満足度を調査しているものです。このランキングで常に上位にいるということは、ソニー銀行の住宅ローンを実際に利用している人が「ソニー銀行の住宅ローンを選んで良かった」感じていると言い換えることができます。
それでは、2021年度版の調査結果を使って詳しい項目別の順位も公表されているので確認しておきましょう。
2021年版のソニー銀行の項目別の順位は以下の通りです。「商品内容の充実さ」「団体信用生命保険の充実さ」「繰り上げ返済」「サイトのわかりやすさ」の4項目でソニー銀行が1位を獲得し、他の項目も上位にランクインしています。
オリコン顧客満足度ランキング
このようにソニー銀行の住宅ローンは、実際に利用している人から高い評価を得ているのが最大の特徴です。
ただし、どんなに優れていて利用者の満足度が高い住宅ローンだとしても、審査に落ちて利用できなければ全く意味がありません。続けて、ソニー銀行の住宅ローンの審査基準を確認していきましょう。
各金融機関が提供する住宅ローンの審査基準を知るには「住宅ローンの商品説明書」を確認するのが確実なので、商品説明書を細かく確認しながら解説していきます。まず、ソニー銀行の住宅ローンの商品説明書には最低限の利用条件として以下のように記載されています。
※保証人は原則として必要ありません。
なお、これはソニー銀行の住宅ローンを利用するための最低条件で、この条件を満たせば審査に通るわけではありません。さらに深堀して審査基準を詳しく確認していきたいと思います。
住宅ローンを申し込んだ時点の年齢が満20歳以上満65歳未満で、かつ、満80歳の誕生日までに住宅ローンを完済することが条件となっています。
この基準自体は一般的なもので特筆すべきことはありません。35年で住宅ローンを借りることができるのは借入時の年齢が45歳までということになるので、60歳で借り入れる場合は20年未満で完済しなければならないと言ったように年齢は借入期間(返済期間)に影響してきますので注意しておくようにしましょう。
なお、ソニー銀行の住宅ローンには、がんと診断確定された際に住宅ローンの残高が半分になるがん団信50が無料でついてきますし、がんと診断確定された際に住宅ローンの残高が0円になるがん団信100も0.1%の金利上乗せで利用できるという大きな特徴がありますが、がん団信50・がん団信100を利用できるのは加入時の50歳未満なので注意が必要です。
50歳以上になるとどの金融機関の住宅ローンでも疾病保障の条件が厳しくなったり、加入できなかったりしますので、50歳以上で疾病保障を付帯させたい人はSBIマネープラザなどで申し込める住信SBIネット銀行の住宅ローンなど、50歳以上でも加入できる疾病保障を付帯する住宅ローンを検討するようにしましょう。
ソニー銀行の住宅ローンの利用条件に前年度の年収が400万円と言う年収条件が明確に記載されています。この年収基準がソニー銀行の住宅ローンの審査基準の厳しさの1つで、「他行に比べて審査が厳しい」などの評判がネット上で拡散している原因でもあります。
実際、この年収基準はネット銀行の中でもかなり厳しめの基準ですし、メガバンクや地銀の住宅ローンよりも厳しい基準と言えます。例えば、ARUHIのフラット35は年収100万円前後、auじぶん銀行の住宅ローンは年収200万円以上から利用できます。
「年収400万円あれば利用できる」ではなく「最低でも年収400万円以上が必要」と理解しておく必要がありますし、この年収基準はやはり厳しいと言わざるを得ないでしょう。
しかも、ソニー銀行の住宅ローンは「ペアローン(夫婦で2つの住宅ローンに分けて契約すること)」にも対応していますが、ペアローンを利用する場合、夫婦それぞれが年収400万円以上でなければペアローンを利用できません。(夫が年収350万、妻が年収200万というような組み合わせでは条件を満たすことができません)
このようにソニー銀行の住宅ローンは「現時点の年収」を重視した基準が設けられていますので、この年収基準を満たせない人はソニー銀行の住宅ローンを利用できないということになります。逆に、この基準を満たせる人にしか貸し出ししていないとと捉えることもできますので、基準を満たす人は申込してみる価値のある住宅ローンだと思います。
ソニー銀行の住宅ローンは、派遣社員、契約社員、パート、アルバイトの人は利用できません。パート・アルバイトの場合、フラット35以外の住宅ローンの利用は難しいのですが、最近は派遣社員・契約社員でも利用できる住宅ローンが増えてきていることを考慮すると雇用形態(働き方)の条件も厳しめと言えるでしょう。
ソニー銀行の住宅ローンには勤続年数の基準はありませんので、転職直後でも利用することができます。ただし、「1年前の1月1日以降(今年か去年)」に転職していると、本審査の際に以下の追加書類の提出が必要になります(仮審査の段階では提出不要です)。
● 新しい勤務先の人事部などから提示された雇用契約書、採用通知書、あるいは本年度の年収見込証明書等、収入金額記載の書類
● 転職後の給与明細・賞与明細(支給がない場合は不要)
前年度の年収を源泉徴収票で確認しつつ、転職後の年収もこのような書類で確認し、年収400万円以上が維持されるかをしっかり確認されるということです。なお、転職ではなく起業の場合は、3年以上の営業実績が必要になります。
民間の住宅ローンは基本的に団体信用生命保険(団信)への加入が必須です。
団信(団体信用生命保険)は、住宅ローンを借りた人が返済中に死亡や高度障害となった場合、残りのローンを保険が肩代わりする制度で、保険料はローンの金利に含まれることが多いです。これにより、本人が万が一の事態になっても、家族が残された住宅ローンの支払いから守られます。
ソニー銀行の住宅ローンも同様で団信に加入しないと利用することができません。団信に加入するには引受保険会社による団信の加入審査がありますので、健康状態の問題で団信に加入できない場合、住宅ローンの審査にも落ちることになります。
ただし、ソニー銀行では団信に加入できる条件を緩和したワイド団信も取り扱っていますので、通常の団信に加入できなくてもワイド団信に加入できれば住宅ローンを利用することができます。
ソニー銀行のワイド団信はクレディ・アグリコル生命保険が引受保険会社となっています。クレディ・アグリコル生命は多くの金融機関にワイド団信を提供している保険会社です。
以下にクレディ・アグリコル生命が公表している過去のワイド団信の引き受け実績を紹介しておきます。
ワイド団信に加入できるかは病名だけで判断されるものではなく、症状によって判断されます。そのため実際に申し込みをしないと加入できるかはわかりませんので積極的に申し込みを行いましょう。
おもな疾病のカテゴリー | ワイド団信で過去に引き受け実績がある病気 |
---|---|
代謝異常による病気 | 糖尿病、脂質異常症(高脂血症・高コレステロール血症)、高尿酸血症・痛風 |
心臓・血圧の病気 | 狭心症、心筋梗塞、不整脈、心房細動、期外収縮、心臓弁膜症、高血圧症、血栓性静脈炎(静脈血栓症) |
脳の病気 | 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、脳動脈瘤(脳動脈解離)、てんかん、ギランバレー症候群 |
精神・神経の病気 | うつ病・うつ状態、自律神経失調症、適応障害、不安障害、強迫性障害、パニック障害、睡眠障害、神経症 |
食道・胃・腸の病気 | 潰瘍性大腸炎、クローン病、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸ポリープ |
肝臓・胆道・膵臓の病気 | 肝炎・ウイルス肝炎(B型肝炎・C型肝炎)、肝機能障害、脂肪肝、胆石、胆嚢ポリープ |
呼吸器(胸部)の病気 | 喘息、気管支炎、肺炎、肺血栓塞栓症、結核、睡眠時無呼吸症候群 |
目・耳・鼻の病気 | 緑内障、白内障、網膜剥離、難聴、副鼻腔炎 |
ホルモン・免疫異常による病気 | バセドウ病(甲状腺機能亢進症)、甲状腺機能低下症、リウマチ性疾患、橋本病、全身性エリテマトーデス |
続いて資金使途について確認していきましょう。住宅ローンにおける資金使途とは、どんな物件の融資に対応しているかなどを言います。これもソニー銀行の住宅ローンの商品説明書に明確に記載されています。
資金使途・お取り扱い物件
ご本人さまがお住まいになる新築物件の購入、中古マンション・中古戸建ての購入、住宅の新築、増改築のための資金。借り換えにもご利用いただけます。
お取り扱い地域など
お取り扱い地域は日本国内全域の市街化区域です。したがって、市街化調整区域、いわゆる非線引き区域、および離島については、お取り扱いしておりません。
まず、「市街化調整区域」「非線引き区域」の物件については取り扱っていないと明記されています。例えば、住信SBIネット銀行は「市街化調整区域」「非線引き区域」のどちらも利用できますし、auじぶん銀行も「総合的に判断する」となっていますので、ソニー銀行の住宅ローンが物件の利用条件がやや厳しく設定されていることがわかります。
つなぎ融資とは、住宅が完成する前に必要な資金を一時的に一時的に借りる融資のことです。新築や建て替えの場合、工事の進捗に応じて支払いが発生しますが、住宅ローンは物件が完成してから融資されるため、その間の資金不足を補うためにつなぎ融資が利用されます。
ソニー銀行ではつなぎ融資には対応していません。ただし、信販大手のアプラスの住宅つなぎローン(アプラスブリッジローン)を紹介してもらえるようなので、実質的にはソニー銀行の住宅ローンをつなぎ融資を経由して利用することは可能です。
住宅ローンの申込みから借入れまでは、次のような流れで進んでいきます。
事前審査(仮審査)の申込みと審査
↓
本審査(正式審査)の申込みと審査
↓
本審査に通過後、契約手続き
↓
借り入れ(融資実行)
ソニー銀行の住宅ローンの仮審査では下記の画面の情報を登録する必要があります。考え方としては仮審査で住宅ローン審査に必要な全ての情報を審査し、本審査で仮審査で登録された内容に誤りが無いかの確認をするという考えればよいでしょう。
結論的には、仮審査にタイミングで下記の3つの信用情報機関に個信の照会が行われます。
JICC(日本信用情報機構)
CIC
全国銀行個人信用情報センター
仮審査が終わってから届くソニー銀行からの案内に従って、本審査に必要な各種書類をインターネットからのアップロードするか郵送で提出することになります。もし、ソニー銀行の口座を持ってない場合、このタイミングでソニー銀行に銀行口座を開設する手続きも行うことなります。合わせて、団信の契約手続きもこの本審査手続きの中で進めることとなります。
本審査のタイミングで勤務先に在籍確認の電話がある場合があります。プライバシーに配慮して電話しますので、さほど気にする必要はありません。
次にソニー銀行の住宅ローン審査期間について解説していきます。
ソニー銀行の住宅ローンは仮審査の回答は最短60分、本審査は7日から10日程度かかる可能性があります。仮審査は「AIによる効率化とスピード回答」が特徴で、すぐに回答がもらえる印象ですが、本審査は慎重に行われるため少し時間がかかります。もし、郵送で書類を送る場合、現物を郵送する時間もかかりますので、1か月程度かかる可能性が高いと考えておくと良いでしょう。
なお、ソニー銀行では住宅ローンの金銭消費貸借契約書を電子化しているので、電子契約を利用することで契約完了までの時間を短縮できますし、紙ベースでの契約ではなくなるので印紙代も不要となります。
なお、auじぶん銀行の場合は、住宅ローン仮審査は最短当日で、ソニー銀行よりは時間がかかることが多いようですが、申し込みから契約完了までのトータルではソニー銀行よりも手続きが完了する可能性が高いようです。
ソニー銀行の住宅ローンは、AIにより住宅ローンの仮審査が行われています。最新のAIを導入することで、仮審査の結果を最短60分で通知できるスピード審査を実現しています。(メールで通知がきます)
60分で仮審査の結果がわかるので、とりあえず申し込んでみると言うのは1つの有効な方法です。
ソニー銀行の住宅ローン審査結果は以下の期間を過ぎると無効・再審査となります。一般的な住宅ローンより有効期間がやや短めなので注意しましょう。
特に本審査結果の有効期間は短めで、auじぶん銀行の180日、イオン銀行の270日と比べるとかなり短くなっています。このあたりにもソニー銀行が住宅ローンの審査を厳格に考えていることが表れていると言えそうです。
正社員 | 自営業・個人事業主 | 会社役員・社長 | |
---|---|---|---|
身分証明書(免許証、パスポート、保険証など | ○ | ○ | ○ |
源泉徴収票 | ○ | ○ | |
住民税決定通知書 | ○ | ○ | ○ |
会社の決算書3期分(勘定科目内訳明細書を含む) | ○ | ||
確定申告書(付表を含むすべての申告書類) | ○ | ○(確定申告をしている場合) | |
納税証明書 | ○ | ○ | ○ |
物件に関する書類 | ○ | ○ | ○ |
借り換えに関する書類(返済予定表) | ○ | ○ | ○ |
ソニー銀行に限ったことではないですが、民間金融機関の住宅ローン審査において個人事業主や会社役員は必要となる書類がかなり多くなり、書類集め自体に時間を要します。時間に余裕を持って審査に申し込みをしましょう。
ソニー銀行は、2023年3月時点で2兆7,000億円を超える住宅ローンの貸出残高があります。ソニー銀行の住宅ローンは非常に多くの人が利用しています。ソニー銀行の住宅ローンが審査基準が甘くて利用しやすい住宅ローンと評価することはできませんが、「年収と雇用形態」の条件をクリアできる人であれば比較的利用しやすい部類の住宅ローンだと思います。
「①年収500万円以上、②公務員か正社員(勤続2年以上)、③マンションの購入か借り換え」という条件を満たす人であれば、あっさり審査に通る可能性は高いと思います。
一方、個人事業主・自営業、会社経営者・会社役員にとっては厳しく審査されている印象があります。なお、ソニー銀行だけが個人事業主などに厳しいわけではありません。自営業、会社経営者・会社役員の人はSBIアルヒなどで提供されるフラット35など検討候補に入れておくと良いでしょう。
なお、ソニー銀行の住宅ローンの審査に落ちた人や、年収400万円未満の人にはauじぶん銀行の住宅ローンSBI新生銀行の住宅ローンがおすすめです。いずれもソニー銀行の住宅ローンよりも利用しやすい条件設定が散見され、ソニー銀行の住宅ローンの審査に落ちた人でも審査に通る可能性が十分にあると思います。
気になる人は検討候補に加えてみてください。
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