公開日: 2026年8月23日

この記事では、住宅ローン専門金融機関のアルヒ(2024年1月に商号をSBIアルヒ株式会社へ変更)が取り扱っていた変動金利タイプの住宅ローン「ARUHIスーパー40」について解説します。2022年5月に取り扱いが始まった商品ですが、仮審査の新規受付は2024年9月30日をもって停止されており、2026年8月時点で新規に申し込むことはできません(SBIアルヒ公式サイトの現行商品一覧にも掲載されていないことを確認しています)。
とはいえ、「節税をしながら事業を営む自営業・個人事業主は住宅ローンをどう選べばよいか」という悩み自体は今も変わりません。この記事では、スーパー40がなぜ自営業の方に選ばれたのかを当時の商品性の記録として振り返りながら、2026年8月時点の「今の選択肢」もあわせてご案内します。
※ARUHIスーパー40の取り扱い開始にともない、従来の「ARUHI変動S」の新規受付は終了しています(その後、スーパー40自体も上記のとおり新規受付を停止)。最新の取り扱い状況は必ず各金融機関の公式サイトをご確認ください。
なお、店舗によって取り扱っている住宅ローンが異なりますので、お近くの店舗の場所を確認する際に、取扱商品もあわせて確認するようにしましょう。
ARUHIスーパー40は、自営業・個人事業主の方にとって非常に使いやすい住宅ローンとして知られていました。
金利・保証料・手数料などの条件は、auじぶん銀行などネット銀行の変動金利と比べて特別に良いわけではありませんでした。それでも支持されたのは、審査基準(利用条件)が自営業の実情に合っていたからです。
① 年収(所得)100万円から利用可能
② 年間返済負担率40%まで対応
③ 事務所兼自宅物件でも利用可能
④ 小さめの戸建て住宅にも対応(床面積40平方メートル以上でOK)
⑤ 最長40年まで借り入れできるので毎月の返済負担額を抑えられる(年間返済負担率も抑えやすい)
※上記は新規受付停止前の商品性の記録です。現在は新規で申し込めません。
個人事業主・自営業は共通して、事業内容やビジネスの状況で年収(所得)が不安定になりがちです。たとえば、一昨年の業績は良くても昨年の業績が悪いということはよくありますし、サラリーマンと比較して「経費算入」の自由度も高いため、節税の努力次第で所得が少なくなる(少なく見える)ことは通常のことです。(脱税は違法行為ですが、節税は権利であり、収入が不安定な自営業・個人事業主にとっては必要な取り組みです)
その一方で、納税額をできるだけ少なくしようと節税に取り組むと、住宅ローンの審査で重要になる「所得」を減らすことになります。そのため「マイホームを購入したい」「自宅を兼ねて自分のお店を建てたい」と思っても、所得の低さが原因で審査に落ちたり、希望する金額を借りられなくなる可能性が高まります。
スーパー40は、「住宅ローンは借りたいが、その審査のために経費を少なくして所得を多く見せるのは避けたい」という自営業・個人事業主の悩みに応えた商品でした。この「審査基準で選ぶ」という視点は、商品が変わった今も、自営業の住宅ローン選びの核心です。
| 年収 | 年間返済額の上限 | 毎月の返済額 |
| 100万円 | 40万円 | 3万3,333円 |
| 200万円 | 80万円 | 6万6,666円 |
| 300万円 | 120万円 | 9万9,999円 |
| 400万円 | 160万円 | 13万3,333円 |
※返済負担率40%はスーパー40が採用していた基準の例です。借りられる上限額と、無理なく返せる金額は別ものです。年収の40%が返済に消える状況は、家計全体で見れば返済負担がかなり重くなります。教育費や生活費とのバランスを考え、上限ではなく「手取りから無理なく返せる金額」を基準に借入額を決めることをおすすめします。
一般的な住宅ローンの場合、「居住」を目的とした物件でしか利用できないなどの制限がありますが、スーパー40は事業・居住兼用の住宅でも利用可能でした。不動産担保ローンや事業性ローンは住宅ローンとは比べものにならないほど高い金利になることが一般的なため、店舗が必要なビジネスを営む方にとって魅力的な条件でした。
また、フラット35が戸建て住宅で床面積70平方メートル以上を条件とするのに対し、スーパー40は40平方メートル以上から利用でき、「都市部の狭めの物件で仕事もする」ニーズに応えていました。借入期間も最長40年と長く、月々の返済額を抑えやすい設計でした。参考までに、取り扱い開始当時(2022年5月)の適用金利は年0.650%〜でした。
2026年8月時点では、日本銀行の利上げ(政策金利1.0%程度)を受けて金利環境が大きく変化しています。当時の金利水準を前提とした借入シミュレーションは現在は成り立たないため、最新の金利での試算は各金融機関の公式サイトやSBIアルヒの店舗でご確認ください。
スーパー40が新規受付を停止した現在、同じ悩みを持つ自営業・個人事業主の方が検討しやすい選択肢には、次のようなものがあります。
| 選択肢 | 自営業目線でのポイント | 備考 |
|---|---|---|
| ユアセレクト(SBIアルヒ) | スーパー40の後に登場したSBIアルヒの変動金利住宅ローン。給与所得者・個人事業主・会社役員が対象で、借入期間は最長50年 | 2026年8月の変動金利は年2.014%〜。団信Sへの加入が必須 |
| フラット35 | 全期間固定金利。雇用形態を問わず利用でき、収入は返済負担率の基準で判定される。自宅兼店舗(併用住宅)にも一定の条件で対応 | 2026年8月の金利(買取型・9割以下・21〜35年)は年3.290%。要件の詳細は公式サイトで確認 |
| イオン銀行 住宅ローン | 個人事業主は「事業開始後3年経過・前年度所得100万円以上」が申込条件(2026年6月1日現在の商品概要説明書) | 条件は改定されることがあるため公式で最新を確認 |
また、店舗で相談しながら選びたい方には、諸費用のわかりやすさで選択肢になる銀行もあります。たとえばSBIアルヒの店舗でも取り扱いのあるSBI新生銀行は、事務取扱手数料が借入金額の2.20%(税込)の定率型で保証料もなく、一般団信を上乗せ金利0円で付帯できるなど、費用構造がシンプルです。自営業の方は審査書類(確定申告書など)の準備も多いため、店舗やオンラインで相談しながら複数商品を比較できる環境を活用するのがおすすめです。
Q. すでにARUHIスーパー40で借りている場合、返済はどうなりますか?
A. 新規受付の停止は「新たな申し込み」に関するもので、すでに借り入れているご契約が打ち切られるものではありません。返済条件の確認や変更のご相談は、SBIアルヒの窓口・マイページで行えます。
Q. スーパー40の代わりに、節税中の自営業でも検討できる住宅ローンはありますか?
A. 上の表のとおり、SBIアルヒのユアセレクト、フラット35、イオン銀行の住宅ローンなどが候補になります。商品ごとに「所得の見方」(直近何年分の所得で判断するか等)が異なるため、確定申告書を用意したうえで窓口に相談すると、ご自身の所得状況で現実的に借りられる商品がはっきりします。
Q. 自宅兼店舗の物件でも住宅ローンは組めますか?
A. 商品によります。フラット35は住宅部分の要件を満たす併用住宅に対応していますが、取り扱いの詳細や面積要件は商品ごとに異なります。事業用部分の割合が大きい場合は住宅ローンの対象外になることもあるため、物件の図面を持って各金融機関・SBIアルヒの店舗で確認するのが確実です。
※自営業・個人事業主の方の審査基準についても解説しています。あわせてこちらの記事も参考にしてください。
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