2020年5月22日
この特集記事では、2018年8月に開始されたアルヒが提供する変動金利タイプの住宅ローン「ARUHI変動S」について解説したいと思います。
結論として、このARUHI変動Sは自営業・個人事業主の人は非常に使いやすい住宅ローンです。
このARUHI変動Sは、auじぶん銀行などのネット銀行の住宅ローン(変動金利)に比べると金利・保証料・手数料などの各種条件は決してよくありません。
従って、低金利で人気のネット銀行の住宅ローンも審査が通るようであれば、それらの住宅ローンを利用した方が良いと思います。ネット銀行の住宅ローンも自営業・個人事業主の人も利用できるようになっていますし、正直、ARUHI変動Sより金利・手数料・疾病保障などの条件はネット銀行の住宅ローンの方が良いので。
ただ、正社員や公務員と比べると住宅ローンの審査で厳しい結果になりがちな自営業の場合、ネット銀行の住宅ローンを利用できないことも多く、審査に落ちるケースも多くあります。特に注意したいのは、個人事業主・自営業を応援する住宅ローンと言いながら、単純に金利などの条件が悪い住宅ローンがたくさんあるということです。
”個人事業主でも利用できると宣伝しながら、足元を見て高金利にしている”と思われるような住宅ローンの利用はぜひ避けて欲しいと思いますし、今回、解説しているARUHI変動Sは、方向性としては「審査基準を緩くして個人事業主にも貸しやすくしている住宅ローン」ですが、法外な高金利の住宅ローンではありません。
ARUHI変動Sの特徴的な審査基準4つを確認してみましょう。
① 年収(所得)100万円から利用可能
② 年間返済負担率40%まで対応
③ 事務所兼自宅物件でも利用可能
④ 小さ目の戸建て住宅にも対応(床面積40平方メートル以上でOK)
自営業・個人事業主にも色々な業種がありますし、この審査条件を眺めただけでは自営業におすすめの理由がわかりにくいかもしれません。
フリーランスのデザイナーやプログラマーのように実質的にはサラリーマンに近いような働き方をしている人もいれば、酒屋・美容室・個人経営の居酒屋などのように小規模の店舗型ビジネスを行っている人など、その働き方も内容も様々なので、ARUHI変動Sが全ての自営業・個人事業主の人におすすめというわけではありませんが、この審査基準を魅力的に感じる自営業の人は非常に多いと思います。
個人事業主・自営業は共通して事業内容やビジネスの状況で年収(所得)が不安定になりがちです。
例えば、一昨年の業績は良くても昨年の業績が悪いということはよくある話ですし、サラリーマンと比較して「経費算入」の自由度も高いため、節税の努力次第で所得が極端に少なくなる(少なく見える)ことは通常のことです。
(脱税は違法行為ですが節税は権利ですし、しっかりと行うべきことで収入が不安定な自営業・個人事業主にとって必要な取り組みです)
その一方で、納税額をできるだけ少なくできるように節税に取り組むと、住宅ローンの審査で重要になる「所得」を減らすことになるので、「マイホームを購入しよう」「自宅を兼ねつつ自分のお店を建てたい」と思っても、所得の低さが原因で住宅ローンの審査で落ちたり、希望する金額を貸してもらえなくなってしまう可能性が増えます。
ビジネスを拡大させる努力をするのは当然ですが、ビジネスの拡大は簡単ではありませんので、住宅ローンを借りるために経費算入を無理に減らして所得を多めに見せるようにして、住宅ローンを借りやすい確定申告書を作り上げている人も多いと言われています。
自営業・個人事業主の人であればわかると思いますが、経費に算入可能な支出を経費に算入しないと納税がが増えるので大きなコスト増です。
住宅ローンは借りたいが、その審査のために経費を少なくして所得を多くみせるようなことは避けたい、そのような考えを持っている自営業・個人事業主の悩みに応えているのがこのARUHI変動Sです。
続けて、冒頭で紹介した4つのポイントを解説していきたいと思います。
自営業・個人事業主の場合、年収とは課税所得のことですが、ARUHI変動Sでは課税所得が100万円以上が条件となっています。月10万円未満の所得でクリアできるハードルなので、事業立ち上げ時の先行投資で支出が極端に増えたりしていなければ100万円の課税所得はクリアできると思います。
ちなみに、年収100万円以上を条件としている他の住宅ローンにはフラット35(楽天銀行・アルヒ・住信SBIネット銀行など)やイオン銀行の住宅ローンなどがあります。興味のある人はそれぞれの公式サイトなどで住宅ローンの商品性を確認してみてください。
フラット35なら低金利&低事務手数料の楽天銀行か、もしくは変動Sを扱っているARUHIもおすすめです。
アルヒであれば、来店予約して「フラット35」と「変動S」を比較しながら説明してもらうことができるのでまとめて感触を知りたい人はアルヒの店舗相談がおすすめです。
この年間返済負担率40%は最大の特徴です。年間返済負担率とは「年収」に対する「その年のローン返済額」の割合を示すもので、金融機関によって独自のルールを定めて貸出できる上限金額が決まっています。年間返済負担率40%かなり高い基準で他の金融機関よりも多くの金額を貸してもらえる可能性が高いことを示しています。
年収 | 年間返済額の上限 | 毎月の返済額 |
100万円 | 40万円 | 3万3,333円 |
200万円 | 80万円 | 6万6,666円 |
300万円 | 120万円 | 9万9,999円 |
400万円 | 160万円 | 13万3,333円 |
上記の年間返済額の上限を基準に2019年10月のARUHI変動Sの金利年0.9%(変動金利)で35年で契約した場合の借り入れ可能金額をシミュレーションしてみましょう。
年収 | 借入可能額 | 総返済額(利息含む) |
100万円 | 約1,200万円 | 約1,400万円 |
200万円 | 約2,400万円 | 約2,800万円 |
300万円 | 約3,600万円 | 約4,200万円 |
400万円 | 約4,800万円 | 約5,600万円 |
※元利均等返済・ボーナス返済無し。総返済額には住宅ローンの借り入れにかかる諸費用は考慮していません。
※上記は年0.9%の金利から当サイトがシミュレーションしたものです。実際の借り入れ可能金額と異なる可能性があります。
一般的な住宅ローンの場合、「居住」を目的とした物件でしか利用できないなどの制限がありますが、ARUHI変動Sは事業・居住兼用の住宅でも利用可能です。これは店舗が必要なビジネスを自営している人にとって非常に魅力的な利用条件と言えます。
不動産担保ローンや事業性ローンは住宅ローンとは比べられないぐらいの高い金利になることが一般的ですし、規模の小さな自営業では借りられる金額もかなり少なくなってしまいます。
フラット35は戸建て住宅の場合70平方メートル以上が条件です。ARUHI変動Sではその半分近い40平方メートル以上の物件で利用可能となっています。これは、「都市部の狭めの物件で仕事もする」とか「小さいながらも戸建てを持ちたい」と考える自営業・個人事業主にとってメリットが大きいと言えます。中古物件の購入にも対応していますし、リフォーム資金にも利用可能なので、立地の良い都市部の中古物件をリフォームして仕事・居住の兼用にしたいと考えている人のサポートになりうる住宅ローンです。
2020年5月のARUHI変動Sは年0.700%~(変動金利)と、保証料込の金利とはいえ、ネット銀行の変動金利と比べると高めの水準です。最大10年の当初固定金利タイプもありますが、そちらもそこまで低金利ではありません。
※最新金利・その他の金利タイプについてはアルヒ公式サイトから確認してください。
住宅ローンは金利が最大の比較ポイントですが、どんなに金利が低い住宅ローンでも審査に落ちたり、希望する金額を貸してもらえなければ意味がありません。特に自営業、それも節税をしっかりと行っている自営業の人ほど住宅ローンの審査で厳しく見られがちです。
ARUHI変動Sはそのような自営業・個人事業主にとって大変魅力的な利用条件・審査基準を備えた住宅ローンと言えそうです。残念ながらネットからの申し込みは受け付けていないようなので、ARUHIの店舗が近くにある人しか利用しにくいというデメリットがありますが、ARUHIの店舗に相談に行けるようであれば相談してみてはいかがでしょうか?
※自営業・個人事業主の人の審査基準についても執筆しています。合わせてこちらの記事も参考にしてください。
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