2024年5月30日
金融機関が住宅ローンの審査を行う時に年収は必ず確認・審査されます。住宅ローンの審査では、年収以外にも様々な項目が審査されていますが、年収は最重要の審査項目の1つで、以下の2つの審査結果に影響を与えます。
一般的に住宅ローンの利用条件の1つに最低年収という項目があります。多くの金融機関が住宅ローンの商品説明書やホームページのよくある質問などに公表・明記していますが、一部の金融機関では、最低年収基準を公表せずに、総合的な評価の1つの材料として扱っています。
この最低年収の審査基準は住宅ローンによって大きく違い、年収100万円から利用できる住宅ローンもあれば、年収500万円以上の人に限定する住宅ローンもあります。
年収は「住宅ローンを利用を融資するか・融資できないか」を判断する材料の1つになっています。
もう1点は、「いくら借せるか=住宅ローンの借入可能額」の決定基準の1つになっているという点です。
最低年収基準がクリアできれば、その住宅ローンを利用できる可能性がありますが、「いくら借りられるか・希望の金額を借りられるか」は別の話です。
希望金額を借りられるかは年収に大きく左右されます。むしろ、年収が理由で審査に落ちて悩む人より、審査に通ったけど希望する借入額を借りられなかったというケースの方が多いでしょう。
借入可能額(限度額)の計算は金融機関(住宅ローンの種類)によって違いますが、基本的な考え方はそれほど変わりません。この記事の後半で「年収・基準金利・年間返済負担率による借入可能額の計算」で解説していますので、参考にしてください。
借入可能額は「仮審査」が終わった時に概算金額を教えてもらえますので、早ければ仮審査申込当日~数日で結果を知ることができます。
仮審査では書類を提出する必要は無くWEB画面から入力するだけなので、”いくら借りれるか”を知りたい時は、さっさと仮審査申込して回答をもらうのが手っ取り早い方法です。
仮審査をいち早くしりたいという場合にはソニー銀行の仮審査をオススメします。審査にAIを導入することで仮審査の回答を最短60分としています。
1つの目安として年収の5倍~6倍と思ってください。家族構成や家計状況により異なるため、賛否両論ある指標で、本来は「年収の5倍」とか「年収の6倍」とひとまとめにすることはできないのですが、この計算式は、シンプルでかつ大きく外れることはないよくできた計算式です。
なお、25年未満で完済したい人は年収の5倍、30年以上で完済する計画であれば年収6倍ぐらいを目安にすると良いでしょう。
あくまでも参考金額ですが、年収300万円なら借入可能額は1,800万円、年収500万円なら借入可能額は3,000万円といった単純計算するだけで目安がわかります。
住宅ローンは年収の6倍までという指標は標準的な目安としては信用できる数値です。もちろん、住宅ローンの種類によっては年収の7倍~8倍ぐらいまで借りられるケースもありますし、4倍ぐらいが適切ということもありますのであくまでも目安としてです。
もう少し具体的な条件を付けくわえると、「住宅ローンの借入期間は30年~35年、住宅ローンの金利は1.5%以内、住宅ローン以外の他のローンが無い(ほとんどない)」という条件を満たせれば、年収の6倍が目安になります。
「年齢的なことを考えて25年で完済したい」とか「自動車ローンや教育ローンなど他のローンを利用している」という状況や「子供が2人以上いて毎月の家計に余裕がない」と言った事情がある人は、年収の4倍~5倍程度を目安にして考えておくと良いでしょう。
住宅ローンの申込を行うタイミングでは「この金額を借りられるか?(このマイホームを買うことができるか)」を意識してしまいますが、住宅ローンは借りることがゴールではなく完済することがゴールです。
最大で35年間も返済を続けて行く必要があり、その間、どのような生活の変化があるかわかりませんので、住宅ローンの借入額や毎月の返済額は余裕がある方が良いのは間違いありません。
年収(手取りを意識)と毎月の住宅ローン返済額と完済予定日(完済時の年齢)を考慮して無理なく返済できると考えられる金額に収まるように心がけましょう。
35歳の35年で住宅ローンを契約すると70歳まで返済することになります。大半の人は60歳~65歳までには完済しておきたいと考えると思いますが、だからと言って安易に25年ローンや30年ローンのように借入期間を短縮することはおすすめしません。
期間を短くすると毎月の返済額が増加します。当然、その金額は毎月確実に返済していかなければなりません。返済期間を延ばすと総返済額が増えてしまうので、そのデメリットが気になる人もいると思いますが、最近の住宅ローンはインターネットから気軽に手数料無料で繰上返済できるので、毎月固定される支出を減らして余裕ができた分を繰上返済することで総返済額を減らしていくことができます。
固定支出を減らしておいて、急な収入減や支出増に対応しやすくしていおて、余裕があるときに繰上返済して住宅ローン残高と総返済額を減らしていくのは賢い住宅ローンの借り方&返し方です。
住宅ローンの借入可能金額(上限額)は、年収・審査金利・年間返済負担率・借入期間で計算されています。
審査金利とは住宅ローンの審査の時に利用される金利で、変動金利や当初固定金利(期間選択型)金利の場合は実際に適用する金利とは別に定義されていることがあり、全期間固定金利の場合、適用金利を審査金利として利用している金融機関が多いと言われています。審査金利が低ければその分借入可能額も増加するという考え方で、最近は適用金利をほぼそのまま審査金利として利用しているようなケースも増えてきました。
年間返済負担率とは年収に対するローン返済額の割合のことを言います。この基準も金融機関によって異なっていて、基準を開示していない金融機関も多いので実際に申し込みしてみないと正確な金額はわかりませんが、以下のような定められ方をしている例が多いと言われています。
年収 | |
300万円未満 | 20%以下 |
450万円未満 | 30%以下 |
600万円未満 | 35%以下 |
600万円以上 | 40%以下 |
また、フラット35の場合以下のように定められています(フラット35は基準を明示しています)。フラット35は住宅ローンの審査が希望通り通りやすい、というのは年収が低い人に対する年間返済負担率の基準が民間の住宅ローンよりも緩和されているからと言うことが出来るでしょう。
年収 | 年間返済負担率 |
年収400万円未満 | 30%以下 |
年収400万円以上 | 35%以下 |
具体的にフラット35の年間返済負担率を使って年収400万円のケースで計算してみたいと思います。
年間返済額の上限=400万円×35%=140万円
次に借入期間を35年とします。
総返済額の上限=140万円×35年=4,900万円
この金額は住宅ローンの元本ではなく利息支払いも含んだ総返済額です。仮に審査金利が1.5%とした場合、3,810万円が住宅ローンの元本になります。
総返済額の上限から住宅ローンの上限金額を計算する式は単純ではないので各金融機関が用意している限度額シミュレーションを利用すると良いでしょう。
3,810万円を35年・年1.5%の金利で借りた場合の毎月の返済額は11.5万円です。
年収400万円で手取り320万円でボーナスが年間2か月分と仮定すると毎月の手取りは23万円程度になります。手取りの半分が住宅ローンの返済で消えてしまうのは収入と支出のバランスが良いとは言えません。
冒頭で紹介した「年収の6倍」で計算すると2,400万円。2,400万円を35年・年1.5%の金利で借りた場合の毎月の返済額は7.4万円です。これであれば住宅ローン支払い後の残金が15万円残ります。
借入可能額の計算の結果だけでなく、借りれると返せるは違うという意識でマイホームや住宅ローン選びを心がけることが大切です。
公務員や会社員の場合、源泉徴収票の「支払金額」が年収になります。一方、自営業や個人事業主の場合「所得」が年収になります(※住宅ローンの審査においてはこの所得金額が年収として利用されます)。節税対策などで所得金額を抑えている自営業や個人事業主の場合は注意が必要です。
みんなの住宅ローンでは年収に合わせた住宅ローン審査の解説記事を用意しています。日本の平均年収に関する情報やおすすめの住宅ローンも紹介していますので合わせて参考にしてください。
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