2024年5月30日
この特集ページでは、年収500万円台の人のための住宅ローン選びや住宅ローン審査基準の解説および対策についてまとめています。
目次
国税庁が実施している民間給与実態統計調査によると、令和3年度の男性の平均給与は下記の表の赤枠のように約540万円です。この調査によると年収500万円を突破するのは平均で35歳~39歳となっています。この年代は住宅ローンを借りる中心とも合致します。
まず、年収500万円以上であれば、高額物件の購入&高額の住宅ローンの利用を希望する、などの背伸びをしなければ、多くの金融機関で住宅ローンを利用できるでしょう。選択肢が多いので、住宅ローンの金利や商品性を比較しながら住宅ローンを選ぶことができる立場にある年収ともいえます。
最初にメガバンク、ネット専業銀行などの住宅ローンの年収、勤続年数、年齢、雇用形態の条件などを確認しておきましょう。
年収の審査基準が高いのはソニー銀行や楽天銀行です。いずれも400万円以上と定められています。審査基準を満たしているため年収500万円以上であれば十分利用可能でしょう。また、SMBC信託銀行(旧シティバンク)の住宅ローンは年収500万円以上ですが、こちらもギリギリ条件を満たしています。いずれも審査に落ちるか否かは年収以外の他の要素次第です。
年収500万円以上の人は幅広い住宅ローンの選択肢の中から自分にあった住宅ローンを選ぶことができますので、金利はもちろん、疾病保障などの付帯サービスをしっかりと比較して選んでいくことが重要になってきます。
前年の年収 | 勤続年数 | 年齢 | 雇用形態 | |
---|---|---|---|---|
フラット35 | 100万円程度でも可能 | 基準なし | 70歳未満 | 個人事業主・契約社員・派遣社員・パート・アルバイトでもOK |
100万円以上 | 半年以上(個人事業主は3年以上) | 満20歳以上71歳未満 | 個人事業主もOK | |
200万円以上 | 基準なし(個人事業主・法人代表は3年以上) | 満18歳以上満65歳未満 | 個人事業主もOK | |
200万円以上 | 1年以上(個人事業主・法人代表は3年以上) | 70歳満で、完済時年齢が満80歳未満 | 個人事業主もOK | |
300万円以上 | 2年以上 | 20歳以上65歳未満 | 個人事業主・契約社員もOK | |
ソニー銀行 | 400万円以上 | 基準なし(個人事業主・法人代表は3年以上) | 満20歳以上満65歳未満 | 個人事業主もOK |
ネット専用住宅ローン | 安定かつ継続した収入があること | 基準なし(個人事業主・法人代表は3年以上) | 満20歳以上満65歳以下 | 基準なし |
住宅ローン(対面) | 安定かつ継続した収入があること | 基準なし(個人事業主・法人代表は3年以上) | 満20歳以上満65歳以下 | 基準なし |
PayPay銀行 | 200万円以上 | 基準なし | 満20歳以上満65歳未満 | 正社員、契約社員のみ |
みずほネット借り換え住宅ローン | 安定かつ継続した収入があること | 基準なし(個人事業主・法人代表は2年以上) | 満20 歳以上71 歳未満 | 個人事業主・契約社員・派遣社員でも可 |
SMBC信託銀行(旧シティバンクジャパン) | 500万円以上 | 基準なし | 満20歳以上満80歳未満 | 個人事業主もOK |
住宅ローンを利用できる選択肢は広いと言っても、いくら借りられるかは別の問題です。
借り入れ上限、つまり、「いくらまで住宅ローンを貸せるか」の計算ルールは金融機関によって違いますが、一般的には「返済負担率」と言われる「年収に対する年間の返済額」で算出されています。
早速「年収500万円台の方の住宅ローン借入限度額・いくらまで借りれるか?」を確認していきましょう。
借り入れ額の算出にあたっては、ネット銀行のシミュレーションツールなどを利用すると、ご自身の年収から簡単な操作で金利タイプごとに借入限度額を確認できます。上記の通り借り入れ限度額は金融機関ごとに変動する可能性がありますが、借り入れ可能限度額をイメージしておきたい人はシミュレーションツールを使って試算しておくと良いでしょう。スマホでもパソコンでもかんたんに計算できます。
auじぶん銀行が住宅ローンを変動金利で利用している人向けに2025年1月から3年間、住宅ローン利息の一部を毎月現金でキャッシュバックするキャンペーンを行っています。キャッシュバック金額は、円普通預金残高の増加額とやその他のお取引状況で算出され、住宅ローン契約者本人の口座に加えて、家族の口座の預金増加額も合算して計算されます。
auじぶん銀行は2024年11月の変動金利を年HPご確認%(全期間引下げプラン)・新規借入れ、10年固定金利:年HPご確認%(当初期間引下げプラン)という魅力的な金利で提供していますが、さらに利息額の一部がキャッシュバックされることになります。このキャンペーンはエントリーが必要なので2024年12月末までに必ずエントリーするようにしましょう。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。
auじぶん銀行の住宅ローンは、ただ金利が低いだけでなく、がんに対する診断保障(がん50%保障団信)、精神障がいを除くすべての病気とケガによる就業不能(入院)に備える全疾病保障、精神障がいを除くすべての病気とケガによる入院時に月々の住宅ローン返済が保障される月次返済保障が”無料”でセットされています。
なお、このキャンペーンに参加するには、エントリー期限日(2024年12月31日)終了時点で、auじぶん銀行の住宅ローンを変動金利でご契約中であり、お借入残高が1円以上あることが条件となっています。また、固定金利または保証付金利プランは対象外で、ミックスローンを利用している場合、変動金利タイプの部分のみが対象になります。
適用条件・キャンペーン内容・キャッシュバック期間の詳細はauじぶん銀行の公式サイトをご覧ください。
なお、最終的にいくら貸してもらえるかは金融機関の住宅ローンの審査に申し込んでみないとわかりませんが、一般的には「フラット35」の方が希望金額を借りやすくなり、変動金利などの低金利の住宅ローンの方が借入限度額が高くなる傾向があります。(”審査金利”と言うものを準備して貸出限度額の算出に利用している大手銀行の場合、借入金利は限度額算出に影響しません)
自分が借りることができる金額はだいたいイメージがついたと思いますが、上限と適正金額は別の話です。
「子供がいるのか」「子供の人数・年齢は?」「共働きをしているか」「将来的な収入増の見込みがあるか」など、いくらまで借りて良いのかはそれぞれの家庭環境によって違います。
そうは言っても、1つの参考にできるのが実際に住宅ローンを契約した人の借り入れ状況の統計データです。
統計データを参考にして、実際に年収500万円前後の人が、どのぐらいの金額を借り入れているのかを確認してみましょう。参考にするデータはフラット35を提供している住宅金融支援機構が毎年調査・発表している「住宅ローン利用者の実態調査」です。この統計データでは、利用者の年収に対して、住宅ローンの返済比率がどの程度をなのかが公表されていて、返済負担率を20%以下としている人が全体の半数を占めています。
年収500万円の方の返済負担率20%で住宅ローンを組むと、年間の住宅ローン返済額は100万円となり、月々の住宅ローン返済額は約8万円です。月々の返済額から住宅ローン借入額を計算すると約3,100万円となります。確かに現実的な金額ですし、適正範囲と言えそうです。
年収500万円だけでなく、550万円・590万円のケースも試算しておいたので合わせて紹介しておきます。
年収 | 月々の返済 | 借入れ平均目安・相場 |
---|---|---|
500万円 | 約80,000円 | 約3,100万円 |
550万円 | 約91,000円 | 約3,500万円 |
590万円 | 約100,000円 | 約3,900万円 |
一昔前はマイホームの購入には最低10%の頭金を用意すべきといわれていますが最近の実態はどうなっているでしょうか。
住宅金融支援機構による「住宅ローン利用者の実態調査」によると、住宅ローンを組む方のうち90%近い方が多かれ少なかれ頭金を用意していることがわかります。(変動金利を選んだ人が他の金利タイプと比較して若干頭金を用意していない傾向も読み取れますね)
マイホーム購入の手続きをしてみるとわかるのですが、実際には物件の手付金など住宅ローンの融資の前に必要な費用も多いので、全く手元にお金がない状態で家を買うのは現実的ではありません。頭金を物件の購入費用の1割入れれば住宅ローンの金利が割引になる金融機関も多く、できれば頭金をしっかり用意した上で住宅を購入したいものです。
最近は不動産仲介手数料や住宅ローンの事務手数料を住宅ローンの一部して借り入れできる住宅ローンがかなり増えていますが、月々の返済額も考慮してしっかりと判断するようにしましょう。(住宅ローン審査対策上は、頭金があったほうが審査には有利です)
次に、年収500万円で2000万円、2500万円、3000万円、3500万円、4000万円を借りようとした場合で判定してみました。あくまでも当サイトによる適正判定ですが、3,000万円台半ばぐらいが返済を続けられる適正な借入金額の上限と考えておくと良さそうです。もちろん、ご家庭の状況によって異なりますし、大手企業で安定的に昇給が期待できる場合、もう少し背伸びすることはできるでしょう。なお、以下の判定は住宅ローン以外に自動車ローンなど各種ローンを利用していないことを前提としています。
コメント | 適正判定 | |
2,000万円 | 年収400万円あれば余裕をもって借り入れ可能 | ◎ |
2,500万円 | 年収400万円あれば余裕をもって借り入れ可能 | ◎ |
3,000万円 | 年収500万円あれば余裕をもって借り入れ可能 | ○ |
3,500万円 | 年収550万円あれば余裕をもって借り入れ可能と言えるので、年収500万円ちょうどの人は注意が必要 | ▲ |
4,000万円 | 年収600万円あれば余裕をもって借り入れ可能と言えるので、年収500万円ちょうどの人は危険水域と言える | × |
5,000万円 | 年収500万円程度でこの金額を借りると住宅ローンの返済に苦しむ可能性が高い | × |
なお、住宅ローンでは年収ごと返済負担率を定めていることが多く、公的な住宅ローンでもあるARUHI(フラット35)では年収が400万円以上を35%としています。年収550万円の場合、450万円×0.3=165万円(年間の返済上限額)÷12か月=毎月13.75万円が月々の返済額の上限になります。
次に、40代・年収500万円前後の人のために気をつけて欲しいポイントを少し紹介しておきます。
40歳以降で住宅ローンを借りた場合に注意したいのが住宅ローン完済のタイミングです。例えば、40歳で35年ローンを組むと完済は75歳です。75歳までに働き続けている可能性もありますが、定年退職になったり、役職定年を迎えることで月々の収入が大きく減る可能性があります。
35年返済で借りること自体は問題ありませんが、定年前に住宅ローンを完済しておくという前提で繰上返済計画を立てたり、退職金を使った返済を検討したり老後の生活に支障がないようなプランをあらかじめ考えておくことが重要です。
次に住宅ローン控除について解説しておきます。
住宅ローン控除・減税は住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合に支払った所得税が還付される仕組みで、所得税で還付枠を使い切れない場合には住民税からの還付も行われます。ここでは年収500万円台の方が3,000万円の住宅ローンを組んだ場合の住宅ローン控除(減税)で還付される金額を試算してみました。
【前提】扶養家族2名(配偶者および16歳以上18歳未満の子供1名)、各種保険・医療費控除を加味しない。
年収 | 所得税 | 住民税 | 住宅ローン控除額(減税額) |
480万円 | 7.39万円 | 16.1万円 | 約17.6万円(所得税73,000円+住民税103,600円) |
500万円 | 8.04万円 | 17.8万円 | 約19.3万円(所得税80,400円+住民税112,700円) |
520万円 | 8.7万円 | 19.2万円 | 約21.9万円(所得税87,000円+住民税132,300円) |
540万円 | 9.36万円 | 20.5万円 | 約23万円(所得税936,000円+住民税136,500円) |
550万円 | 9.69万円 | 21.1万円 | 約23.3万円(所得税円96,900+住民税136,500円) |
560万円 | 10.3万円 | 21.8万円 | 約23.9万円(所得税103,000円+住民税136,500円) |
580万円 | 11.6万円 | 23.1万円 | 約25.2万円(所得税116,000円+住民税136,500円) |
※住民税からの住宅ローン控除は課税所得の7%(136,500円)が上限となります。
住宅ローン控除について10年間、住宅ローン残高の1%還付を選択した場合に、3000万円の住宅ローン残高があると、住宅ローン控除の枠は30万円となりますが、上記の試算だと年収580万円の方でも住宅ローン控除の枠を利用しきれていないこととなります。
(2019年の消費税増税で11年目~13年目に期間が拡大していますがここでは考慮していません)
年収が500万円程度、またはそれ以上あれば利用できない住宅ローンはほとんどありませんが、まず1つ紹介したいのはauじぶん銀行の住宅ローンです。
auじぶん銀行の住宅ローンの年収基準は200万円以上なので、年収500万円あれば問題なく審査基準を満たしています。また、がん診断保障・全疾病保障が無料でついてくるという特徴もあります。
低金利のローン商品を金融機関が提供するには、「ちゃんと返してくれる人に限定して貸すこと」が重要になってきます。借りたお金を返すには返せるだけの収入があることが必要で、auじぶん銀行のように低金利で提供している住宅ローンは審査が厳しくなりがちですが、年収500万円程度であれば問題なく利用できる可能性は高いと言えます。
auじぶん銀行の住宅ローンのメリットとして、がん50%保障と全ての病気や怪我を保障する「全疾病保障」が無料でついてくるという点が挙げられます。
がん50%保障はがんと診断されるだけで住宅ローン残高が半分になる保障で、全疾病保障は、病気や怪我の種類を選ばず就業不能な状態が1年継続した場合に住宅ローン残高がゼロになる保障です。もちろん、死亡・高度障害を保障する一般団信も付帯されています。
他にもがん50%保障が無料のソニー銀行なども低金利&保障面からおすすめです。フラット35を探している人はフラット35最大手のSBIアルヒが有力候補になると思います。
みんなの住宅ローンでは年収に合わせた住宅ローン審査の解説記事を用意しています。日本の平均年収に関する情報やおすすめの住宅ローンも紹介していますので合わせて参考にしてください。
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