2024年11月19日
マイホーム購入を検討する中で「派遣社員は住宅ローン審査に通りづらい」と聞いたことがある方も多いかと思います。
住宅ローン審査の際には、継続的に返済ができるだけの安定した収入が求められます。そのため、契約期間に定めがある派遣社員は住宅ローンの審査に通らないことが多々あります。しかし、事前に対策をしておけば派遣社員の人でも住宅ローンを借り入れることは可能です。
「家を買って住宅ローン」を契約すべきか「賃貸で継続すべきか」は2つの意見がぶつかる話題ですが、どちらが正解という話ではありません。ただし、「家を買って住宅ローン」を選ぶという選択肢を選んだとしたなら、「少しでも有利な条件の住宅ローンを契約すべき」なのは間違いありません。
この特集記事では派遣社員の住宅ローンの審査や派遣社員として働く人におすすめの住宅ローンを紹介しています。
目次
派遣社員は住宅ローンの審査で有利な働き方とは言い難く、住宅ローンを選び放題というわけにはいきません。まずは、ARUHIなどで取り扱うフラット35に申し込んでみるのはおおすすめですし、住宅ローンに詳しい専門家に無料相談してみるという方法もおすすめです。
相談しやすいFPを自分で見つけるのは難しいので、無料相談に興味がある人は大手企業リクルートが提供している保険の比較サイト「保険チャンネル」の無料&オンライン(対面でも可能)の利用を検討してみましょう。住宅ローンはもちろん、お金に関する全般的な相談にのってもらえますので、住宅ローンについて相談したい人、お金に関する悩みを抱えている人は、1度利用してみることをおすすめします。
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日本人材派遣協会が発表している2019年の派遣社員数(毎年1月から3月の派遣社員数の平均を調査)は全国で約142万人と2008年の過去最高値に肉薄しています。多いようにも感じますが、実は雇用者全体のわずか2.5%なので派遣社員という働き方をしている人は全体からするとそれほど多いわけではありません。
テレビドラマなどの題材になったり、「派遣社員」という働き方がクローズアップされた時もあったので、派遣社員がたった雇用者全体の2.5%しかないのは意外です。最近も増加傾向にあるのは確かで、2018年から増加傾向に転じていることがわかります。2000年に39万人しかいなかったことを考えると比較的高い水準にあると言えます。
今から10年・15年前の派遣社員が今よりもかなり少なかった時代は、派遣社員では住宅ローンを利用できない(かなり難しい)と言われていました。
その後、仕事に対する考え方も変化し、上記のように派遣社員も増加するなどの社会的な変化があったことに加え、フラット35制度の導入やネット銀行などの新しい銀行が誕生し住宅ローン業界も変化してきました。
その結果、以前よりも派遣社員が住宅ローンを利用しやすい時代になってきています。
(ただ、メガバンクなどの大手銀行ではまだ派遣社員に住宅ローンを積極的に提供していなかったり、正社員や公務員と比べると選択肢は狭い状況です。)
派遣社員でも利用しやすいと言われているのが住宅金融支援機構が提供するフラット35ですが、ネット銀行のauじぶん銀行など低金利で人気の住宅ローンも派遣社員でも利用できるようになり「派遣社員でも住宅ローンを利用できる」から「派遣社員でも低金利の住宅ローンを利用できる」に変化しつつある時代です。
派遣社員への住宅ローンの開放は徐々に進んでいますが、まだ派遣社員が利用できない住宅ローンの方が多いですし、現実問題として派遣社員が正社員よりも住宅ローンの審査で不利な働き方であることに違いはありません。
この特集記事では、なぜ派遣社員だと住宅ローン審査に通りにくいのかという理由を改めて確認したうえで、派遣社員として働く人のための住宅ローン審査対策を考えたいと思います。また、派遣社員の方におすすめの住宅ローンを紹介したいと思います。
派遣社員が利用できる住宅ローンは決して多くはありませんが、近年は派遣社員でも借り入れ可能な住宅ローンは増えてきています。
例えば、auじぶん銀行は派遣社員でも借り入れ可能とされていますので申し込んでみる価値はあると言えます。
auじぶん銀行は、スマホやPCで手軽に利用でき、特に住宅ローンで注目されています。がん50%保障団信や全疾病保障といった疾病保障が無料で付帯され、低金利で借りられるのが特徴です。
ただし、基準上は派遣社員でも利用できることになっていても、審査に必ず通るわけではありませんし審査に落ちる可能性は想定しておく必要があります。
そして、もう一つオススメな住宅ローンがフラット35です。
フラット35は、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供している全期間固定金利型の住宅ローンです。民間の住宅ローンと違って、公的な機関が提供する住宅ローンなので住宅ローン審査に寛容、通りやすいのが審査上の特徴です。その為、派遣社員でも利用しやすいと言われています。
特に、アルヒのフラット35やARUHIスーパーフラットは”アルバイト”・”パート”・”派遣社員”・”契約社員”でも利用可能な基準です。ARUHIはフラット35実行件数で何年も連続で1位獲得中で、店舗で専門スタッフに相談できますので、適切なアドバイスをもらえるというメリットもあります。
働き方改革が進んでいく中で住宅ローンも変化してきていますが、まだまだ派遣社員という働き方が住宅ローンを借りにくい傾向は残っています。特に注意して欲しいのは「派遣社員でも利用できる」代わりに、「金利が高かったり」「保証料が高かったり」お得さがない住宅ローンも存在しているという点です。
そのような条件の良くない住宅ローンの利用は極力避けて、条件が良い住宅ローンをしっかりと選ぶようにしましょう。
日本にはテンプスタッフ、アデコ、リクルートスタッフィングなどの大手人材派遣会社が存在します。派遣社員とはこのような人材派遣会社に登録し、派遣会社が探してきた仕事先(企業)に派遣されて仕事をする雇用形態です。
日給ではなく時給で給与が決まることも多く、基本的には期間限定で仕事をすることになります。企業としては一時的な人材不足に対応するために派遣会社を利用するケースが多いですし、労働者派遣法による規制もあって、同じ会社で同じ仕事を5年も10年も派遣社員として行うことはありません。
なお、派遣社員の時給は決して低くはありません。派遣会社が中間に存在することで派遣会社を雇っている企業が派遣会社に支払っている額と比べると少ないですが、若い年代であれば正社員より派遣社員の方が収入が多くなったりすることもあります。
前述の通り、改正派遣法で3年を超えて同じ人を派遣社員として雇用し続けることは禁止されました。この法改正の影響で、「派遣社員から正社員に雇用形態を変えやすくなった」「派遣社員として長く働きにくくなった」と言われて賛否両論あります。
派遣社員のメリットは仕事(会社)や勤務地、給与、仕事の内容を確認したうえで働きはじめることができることです。大手企業の採用面接で落ちた人には、派遣社員として大手企業での業務経験を積んだうえで同業他社に転職するような人も多いと言われますし、派遣社員として働いている人の生涯の収入は以前よりも確実に安定的になっていると言えます。
結論として、一言でいうなら残念ながら派遣社員は正社員や公務員よりも不利と言わざるを得ません。
先ほども説明しましたが、実際に派遣社員を住宅ローンの融資対象外としているまだまだ銀行は多く、選択肢となる住宅ローンが少ないのは現実です。
また、派遣社員の申込を受け付けている金融機関でも正社員と比較してしまうと、審査に落ちる可能性は高いので、まだまだ不利と言わざるを得ないと思います。派遣社員は企業としてもリストラしやすい社員ですし、法令も長期派遣を許さない方向にありますので、正社員と比較して企業に雇用を継続してもらいにくい環境にある派遣社員は住宅ローンの審査の観点ではどうしても不利になってしまうわけです。
ただし、住宅ローンの審査基準は金融機関によって違います。また、たとえ1社の審査で落ちたからと言って住宅ローンを利用できる可能性が無くなるわけではありません。また、審査に通ったとしても「いくらまで貸してくれるか」は金融機関によって変わってくる可能性は十分にあります。
審査上で不利な側面がある以上、複数の住宅ローンに申込を行って、自分の希望に近い住宅ローンを利用できるようにする努力は重要なポイントです。
参考情報として以下に主な銀行の派遣社員への融資対象・住宅ローン審査対象可否を一覧にしています。派遣社員でも利用できる≠審査に通るではありませんので、利用可としている金融機関の中から複数の金融機関に申し込みすることをおすすめしたいと思います。
派遣社員への融資 | 勤続年数 | 年収(前年度) | |
---|---|---|---|
可 | 1年以上 | 200万円以上 | |
可 | 基準なし | 200万円 | |
フラット35 | 可 | 基準なし | 100万円程度でも可能 |
ネット専用住宅ローン | 可 | 基準なし | 安定かつ継続した収入があること |
可 | 半年以上 | 100万円以上 | |
不可 | 2年以上 | 300万円以上 | |
住宅ローン | 不可 | 基準なし | 400万円以上 |
不可 | 基準なし | 200万円 | |
みずほネット借り換え住宅ローン | 可 | 基準なし | 安定かつ継続した収入があること |
可 | 1年 | 100万円 |
※勤続年数の欄の”基準なし”は勤続年数が一切考慮されないわけではありません。継続的な収入を期待できるかの審査の中で勤続年数は利用されていると考えておきましょう。
メガバンク・SBI新生銀行やソニー銀行は基本的に派遣社員を対象外としています。なお、SBI新生銀行では契約社員の利用は認めていますが、派遣社員は認めていないようです。このように、派遣社員と契約社員を区別して審査しているケースも多くあります。
地銀名 | 可否 |
大垣共立銀行 | 可 |
京葉銀行 | 可 |
静岡銀行 | 可 |
横浜銀行 | 可 |
群馬銀行 | 可 |
東京スター | 可 |
JA | 不可 |
ろうきん | 可 |
フラット35取り扱い実績で連続1位を獲得しているアルヒが2017年に興味深い調査結果を発表していますのでここで紹介したいと思います。
この調査は単身女性の住宅ローンの利用状況を調査したもので、その中に住宅ローンを借り入れた時点での雇用形態別の調査結果も公表されています。(2017年7月発表の古いデータなのでご参考情報まで)
この「単身女性の住宅ローン利用状況調査」によるとマイホームの購入をした単身女性の多くは会社員(正社員に加えて契約社員や属宅社員が含まれているはずです)ですが、4人に1人は自営業や派遣社員・パートとして働いていて、住宅ローン利用開始時点で派遣社員として働いていた人が全体の6.5%程度を占めています。
少なくとも派遣社員で住宅ローンの審査に通っている人がいること、そして、そのシェアも極端に低いわけではないことが確認できる調査だと思います。
住宅ローンの審査上は、公務員や正社員と比べて住宅ローンの審査が厳しくなることは否定はできません。派遣社員でも利用可能と明言しているauじぶん銀行・アルヒ(フラット35)のような住宅ローンからいくつかを選択肢て申し込むと同時に、住宅ローンの審査で気を付けたいポイントやその対策をいくつか紹介したいと思います。その全ての対策がすぐに行えるとは限りませんが、すぐにできる対策もありますので確認しておくようにしてください。
項目 | 内容 | 対策 |
---|---|---|
年収 | 年収条件は必ず確認しておくようにしましょう。 | ARUHI(アルヒ)などで申し込めるフラット35やイオン銀行の住宅ローンのように年収100万円程度から利用できる住宅ローンもあれば、ソニー銀行に年収400万円以上の人に限定している住宅ローンもあります。 申し込み前に住宅ローンの年収基準は確認しておくようにしましょう。 |
年間返済負担率 | 住宅ローンをいくら借りれるかを決める要素に「収入」に対する「ローン返済」の割合があります。 | 一般的に年収400万円未満は年間返済負担率30%、年収400万円以上は年間返済負担率35%が上限とされています。 住宅ローンによって年間返済負担率の上限や計算方法が異なりますので、希望金額を融資してくれるかに不安がある場合はいくつかの住宅ローンに申し込みするようにしましょう。 |
年間返済負担率 | 年間返済負担率は住宅ローンだけでなくカードローンや自動車ローンなど、他のローン返済額も考慮して計算されます。 | 住宅ローン申込時に他の借り入れ状況を申告する必要があります。カードローン・フリーローン・自動車ローンなどのローン商品は住宅ローンの申し込み前に整理しておくことで借入可能額が増額できる可能性があります。 なお、他の借り入れ状況を隠して申し込んでも金融機関は簡単に把握できるようになっていますので正しく申告するようにしましょう。 |
個人情報に傷が無いか(ブラック登録) | 過去に各種ローンの支払い遅延などによる信用情報機関にその旨が登録されている可能性があります。 | 個人信用情報は過去5年間分は個人信条情報管理機関のデータベースに記録されています。ブラックリスト(異動)として記録されていると住宅ローンの審査では確実に落ちてしまいます。 携帯電話料金(の中の端末代金の分割支払い)、クレジットカードの支払いなど含め遅延が無いように管理しておくようにしましょう。 |
購入する物件の性能や価値 | 法令に準拠している物件であることや購入物件の販売価格 | 販売価格が極端に安い物件は法令に準拠できていない可能性があります。購入前に不動産会社に確認しておくようにしましょう。 また、利用しやすい住宅ローンの代表格であるフラット35は物件が一定の要件を満たしていないと利用できません。フラット35の利用を想定している人は物件選びの段階で注意するようにしてください。 なお、金融機関によっては物件の価値を再度別の不動産価値鑑定会社に委託して確認することがあります。周辺物件の販売価格よりも高い価格で購入していると不動産価値が理由で希望金額を融資してもらえなくなる可能性がありますので、周辺物件の販売価格の相場観は必ず確認しておくようにしましょう。 |
派遣社員としての勤務先は住宅ローン審査に影響するのでしょうか?派遣社員が雇用契約を結んでいるのは派遣会社であり基本的には派遣先(勤務先)は住宅ローン審査に影響しないと考えてよいでしょう。
審査の過程で派遣先(勤務先)を聞かれたり、在籍確認などがある場合はもちろんあると思われます。
金融機関は雇用形態を把握できないので派遣社員とばれるはずがないと勘違いして派遣社員であることを隠して住宅ローン審査に申し込む人がたまにいるようですが、運が良ければばれないかもしれませんが、基本的には簡単にばれてしまいます笑
住宅ローンの審査の必要書類に健康保険証の提出を求められたらすぐにわかりますし、そもそも住宅ローンの契約後に判明すると金融機関から悪質な契約違反と見做されて一括返済を求められる可能性もありますので、そのような行為はおすすめしません。
そんなウソをつくよりは派遣社員でも借り入れ可能なauじぶん銀行やアルヒ、庶民の味方ともいえるイオングループのイオン銀行などへの申し込んだ方が良いことは言うまでもありません。
次に年収別の住宅ローンの借入限度額を確認しておきましょう。住宅ローンの借入限度額の計算には正社員・派遣社員などの要素は関係しませんのでので年収で目安を把握することができます。
以下はアルヒのフラット35の借入限度額シミュレーションを利用しています。より詳しい借入限度額を把握したい場合は以下のシミュレーションツールでご自身の年収情報などを入力してシミュレーションするようにしてください。
年収 | いくらまで借りれる? | 月々の返済額※1 |
200万円 | 1,656万円 | 49,977円 |
250万円 | 2,070万円 | 62,471円 |
300万円 | 2,485万円 | 74,996円 |
350万円 | 2,899万円 | 87,490円 |
400万円 | 3,865万円 | 116,643円 |
450万円 | 4,348万円 | 131,220円 |
500万円 | 4,832万円 | 145,827円 |
※1ボーナス併用での返済なし
住宅ローン審査を受ける際、書類の準備が審査通過のカギとなります。主に必要な書類は以下の通りです。
備考 | |
---|---|
身分証明書(免許証、パスポート、健康保険証など) | |
住民票 | |
源泉徴収票 | |
住民税決定通知書 | 勤務先で入手 |
住民税課税決定通知書 | 市区町村役場で入手 |
所得税の納税証明書 | 勤務先は1箇所であったり、確定申告をしてない場合には不要 |
物件に関する書類 | |
借り換えに関する書類(返済予定表) |
安定した収入を示すため、契約期間の更新履歴や勤務先の規模・安定性を証明できる書類(源泉徴収票等)が有利に働きます。また、勤続年数が長い場合はその実績を強調しましょう。銀行によって必要書類が異なるため、事前に確認することが大切です。
「派遣社員」に住宅ローンを貸し出している金融機関は多くはありません。金利・商品性が魅力的で派遣社員でも利用できる可能性がある代表的な住宅ローンはauじぶん銀行・イオン銀行・ARUHIのフラット35です。auじぶん銀行の住宅ローンは、「保証付金利プラン」が提示されてしまう可能性がありますが、派遣社員でも利用可能な条件になっていますので、挑戦してみる価値は大いにあるでしょう。
審査の通りやすさの観点からはイオン銀行とARUHIに申し込んでみることをおすすめします。イオン銀行であれば金利が低い変動金利タイプを選べますし、ARUHIではフラット35が利用できますし、ARUHI変動Sという独自の変動金利タイプの住宅ローンも取り扱っています。いずれも全国区で店舗展開していて、専門スタッフに店頭で相談できるのが魅力的です。
派遣社員は、契約期間に限りがある雇用であることや、収入が安定しないことを理由に住宅ローンの審査に通りづらいことがあります。しかし審査の条件やコツを理解し、しっかりと対策をすればローンを組む事は可能です。
ローンを組む場合は無理なく返済できる条件で申し込むようにしましょう。
以下は職業や働き方ごとにおすすめの住宅ローンや注意したい住宅ローン審査のポイントを解説した記事です。合わせて参考にしてください。
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