公開日: 2026年9月20日

リバースモーゲージは、いま住んでいる自宅を担保にお金を借り、毎月は利息だけを支払って、元金は亡くなったあとに自宅の売却などでまとめて返す高齢者向けのローンです。年金収入が中心になった親世代でも借りやすい一方、担保にするのは家族にとっての「実家」なので、ご本人だけでなく相続人となるお子さんも一緒に仕組みを理解しておくことが欠かせません。
似た名前の「リースバック」は、自宅をいったん売却して賃料を払いながら住み続ける方法で、所有権が手元に残らない点がリバースモーゲージとの大きな違いです。両者の使い分けはリバースモーゲージとリースバックの違い・メリット・デメリットで詳しく比べています。
リバースモーゲージとは、マイホームを担保にしてお金を借りられる金融商品です。「家を担保にお金を借りる」と聞くと少し不安になるかもしれませんが、一般的な住宅ローンも完済するまでは自宅を担保に入れている点では同じです。仕組みの上では、住宅ローンの一種と考えると分かりやすいでしょう。
一般的な住宅ローンと決定的に違うのは、元金を毎月返済しないことです。借りたお金の元金は、ご本人が亡くなったあとに自宅を売却するか、相続人が一括で返済して清算します。だからこそ、現役時代のような収入がなくなった年金生活でも、毎月の負担を抑えて借りられるのです。
お子さんがすでに独立して別の住まいを持っている場合、実家をそのまま残しても使い道に困ることがあります。そうしたご家庭では、医療・介護の費用に充てたり、子や孫の教育資金を援助したりと、自宅の資産価値を生きているうちに家族のために活かす手段としてリバースモーゲージが選ばれています。
少子高齢化が進む日本では、「老後の住まいと生活資金を、自宅という資産で支える」方法として注目度が高まっています。ご自身の老後だけでなく、離れて暮らす親御さまの住まいや資金の選択肢として、家族で情報を集めている方も多いのではないでしょうか。
リバースモーゲージの最大のメリットは、「まとまったお金が手元に入ること」と「毎月の支払いが利息分だけで済むこと」の2つです(利息の支払いすら不要な商品もあります)。
借りたお金は、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の入居一時金、担保に入れた自宅のバリアフリー化や建て替え、日々の生活費の補てんなど、老後に不足しがちな資金を補う目的で使われています。ただし、使い道の範囲は商品によって大きく異なり、生活費に使える商品と住まいに関する資金に限られる商品があります(後述)。年金や貯蓄だけでは将来が不安という方にとって、自宅を手放さずに暮らしを支える選択肢の一つです。
リバースモーゲージには、各金融機関が独自に提供する商品のほかに、住宅金融支援機構の住宅融資保険を活用した「リ・バース60」というリバースモーゲージ型住宅ローンがあります。みずほ銀行・SBIアルヒ・SBI新生銀行など全国の多くの金融機関が取り扱っており、2026年9月時点の住宅金融支援機構公式サイトでは次のような仕組みが案内されています。
「自宅の建て替えやリフォームをしたいけれど、年齢的に普通の住宅ローンが組みにくい」という親世代にとって、月々の負担を抑えながら住まいを整えられる制度です。申込実績は2025年3月末で累計8,000件を超えています。詳細は住宅金融支援機構【リ・バース60】公式ページと各取扱金融機関でご確認ください。
家族の将来にかかわる商品だからこそ、デメリットも正しく理解しておきましょう。
リバースモーゲージの一般的な商品性をまとめました。商品性は金融機関によって異なりますので、検討時は取り扱い金融機関に必ず確認するようにしてください。
| リバースモーゲージ | |
| 概要 | 将来、家を売ることを前提にお金を借りる |
| マイホームの所有者 | 本人(変わらない) |
| 契約後にかかる費用 | 金利(利息)。固定資産税・保険料・修繕費も引き続き本人負担 |
| 経済条件 | リースバックや任意売却の売却代金より少ない金額しか融資してもらえないことが多い |
| 年齢条件 | 満50歳以上または満60歳以上など、金融機関・商品により異なる |
| 同居 | 配偶者しか同居できない(子供は住めない)のが一般的 |
| 資金使途 | 原則自由(投資資金・事業資金は認められない)※リ・バース60は住まいに関する資金に限定 |
| 契約終了後 | 契約終了後(死後)にマイホーム(自宅)を売却して元本・利息を返済する。売却益が出た場合は相続人に分配 |
| 対象物件 | 基本的には戸建住宅(土地の担保価値が重視される)。マンションを対象にする商品もある |
| 審査 | 年金収入などの審査がある |
| その他 |
契約者の死後、契約を配偶者に移転させることが可能な商品もある 住宅ローン返済中は原則利用できない(リ・バース60の借り換えを除く) |
※上記は一般的な商品性をまとめたものです。金融機関によって商品性は異なります。
リバースモーゲージの相談で行き違いが起きやすいのは、親御さまは「今の暮らしを楽にしたい」、お子さんは「実家をどうするのか」と、見ているものが違うときです。家族で話し合う際は、次の順番で整理すると落ち着いて判断できます。
A. リ・バース60では、申し込み前に金融機関の担当者がご本人に注意事項を説明するカウンセリングが手続きに組み込まれており、取扱金融機関では法定相続人(の代表者)にも同席や説明を求めるのが一般的です。自宅の扱いは相続に直結するため、家族の理解を前提にした運用になっています。親御さまが検討を始めたら、早めに家族で情報を共有し、一緒に話を聞くのがおすすめです。
A. できます。元金の返済は「担保物件の売却」だけでなく、相続人が現金で一括返済して自宅を引き継ぐ方法も選べます。また、契約者が生前に繰上返済して売却を回避することも可能です。実家を残したいご家族は、残債務の見込み額を把握しながら早めに方針を話し合っておきましょう。
A. 商品によります。金融機関が独自に提供するリバースモーゲージには生活資金に使えるものがありますが、リ・バース60は住宅の建設・購入・リフォーム・借り換え・サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金など住まいに関する資金に限られ、生活資金には使えません。目的に合わせて商品を選び分けることが大切です。
A. 配偶者が契約を引き継げる商品や、夫婦の連帯債務で借り入れる方法があります。リ・バース60を連帯債務で借りた場合、元金の返済時期は主債務者と連帯債務者がともに亡くなられたときになります。ご夫婦で利用するなら、申込時に「どちらかが残ったときの扱い」を必ず確認しておきましょう。
金利・条件・取扱の有無は金融機関ごとに異なり、随時見直されます。最新の内容は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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