2022年5月17日
この特集記事では、2022年5月に取り扱いが開始されたARUHI独自の変動金利タイプの住宅ローン「ARUHIスーパー40」について解説したいと思います。
※ARUHIスーパー40の開始に伴ってARUHI変動Sの取り扱いを終了しています。
なお、店舗によって取り扱っている住宅ローンが違いますのでお近くの店舗の場所を確認する際に、取扱商品も確認するようにしましょう。
結論に触れるとARUHIスーパー40は自営業・個人事業主の人は非常に使いやすい住宅ローンです。
商品性や金利をしっかり確認するとすぐにわかりますが、まず、ARUHIスーパー40は、auじぶん銀行などのネット銀行の住宅ローン(変動金利)に比べると金利・保証料・手数料などの各種条件が良いわけではありません。
そのため、低金利で人気のネット銀行の住宅ローンの審査が通る人はそれらの住宅ローンを利用した方が良いと思います。ネット銀行の住宅ローンも自営業・個人事業主の人も利用できるようになっていますし、ARUHIスーパー40より金利・手数料・疾病保障などの住宅ローンとしての商品性はそれらのネット銀行の住宅ローンの方が有利です。
ただし、正社員や公務員と比べると住宅ローンの審査で厳しい結果をだされがちな自営業の場合、ネット銀行の住宅ローンの審査に落ちるケースが多くあります。厳しく審査されるからと言って、”個人事業主でも利用できると宣伝しながら、足元を見て高金利にしている”と思われるような住宅ローンの利用は避けるべきです。
今回、解説するARUHIスーパー40は、「審査基準を緩くして個人事業主にも貸しやすくしている住宅ローン」ですが、けっして法外な高金利で貸しだす住宅ローンではありません。
ARUHIスーパー40の特徴的な審査基準4つを確認しておきましょう。
① 年収(所得)100万円から利用可能
② 年間返済負担率40%まで対応
③ 事務所兼自宅物件でも利用可能
④ 小さ目の戸建て住宅にも対応(床面積40平方メートル以上でOK)
⑤ 最長40年まで借り入れできるので毎月の返済負担額を抑えられる(年間返済負担率も抑えやすい)
自営業・個人事業主にも色々な業種がありますし、この審査条件を眺めただけでは自営業におすすめの理由がわかりにくいかもしれません。
フリーランスのデザイナーやプログラマーのように実質的にはサラリーマンに近いような働き方をしている人もいれば、酒屋・美容室・個人経営の居酒屋などのように小規模の店舗型ビジネスを行っている人など、その働き方も内容も様々なので、ARUHIスーパー40が全ての自営業・個人事業主の人におすすめというわけではありませんが、この審査基準を魅力的に感じる自営業の人は非常に多いと思います。
個人事業主・自営業は共通して事業内容やビジネスの状況で年収(所得)が不安定になりがちです。
例えば、一昨年の業績は良くても昨年の業績が悪いということはよくある話ですし、サラリーマンと比較して「経費算入」の自由度も高いため、節税の努力次第で所得が極端に少なくなる(少なく見える)ことは通常のことです。
(脱税は違法行為ですが節税は権利ですし、しっかりと行うべきことで収入が不安定な自営業・個人事業主にとって必要な取り組みです)
その一方で、納税額をできるだけ少なくできるように節税に取り組むと、住宅ローンの審査で重要になる「所得」を減らすことになるので、「マイホームを購入しよう」「自宅を兼ねつつ自分のお店を建てたい」と思っても、所得の低さが原因で住宅ローンの審査で落ちたり、希望する金額を貸してもらえなくなってしまう可能性が増えます。
ビジネスを拡大させる努力をするのは当然ですが、ビジネスの拡大は簡単ではありませんので、住宅ローンを借りるために経費算入を無理に減らして所得を多めに見せるようにして、住宅ローンを借りやすい確定申告書を作り上げている人も多いと言われています。
自営業・個人事業主の人であればわかると思いますが、経費に算入可能な支出を経費に算入しないと納税がが増えるので大きなコスト増です。
住宅ローンは借りたいが、その審査のために経費を少なくして所得を多くみせるようなことは避けたい、そのような考えを持っている自営業・個人事業主の悩みに応えているのがこのARUHIスーパー40です。
続けて、冒頭で紹介した4つのポイントを解説していきたいと思います。
自営業・個人事業主の場合、年収とは課税所得のことですが、ARUHIスーパー40では課税所得が100万円以上が条件となっています。月10万円未満の所得でクリアできるハードルなので、事業立ち上げ時の先行投資で支出が極端に増えたりしていなければ100万円の課税所得はクリアできると思います。
ちなみに、年収100万円以上を条件としている他の住宅ローンにはフラット35やイオン銀行の住宅ローンなどがあります。興味のある人はそれぞれの公式サイトなどで住宅ローンの商品性を確認してみてください。
年収100万円から借りられる変動金利タイプの住宅ローンはARUHIを除くとイオン銀行の住宅ローンぐらいしか思い当たりません。
アルヒであれば、来店予約して「フラット35」と「ARUHIスーパー40」を比較しながら説明してもらうことができるのでまとめて感触を知りたい人はアルヒの店舗相談がおすすめです。
この年間返済負担率40%は最大の特徴です。年間返済負担率とは「年収」に対する「その年のローン返済額」の割合を示すもので、金融機関によって独自のルールを定めて貸出できる上限金額が決まっています。年間返済負担率40%かなり高い基準で他の金融機関よりも多くの金額を貸してもらえる可能性が高いことを示しています。
年収 | 年間返済額の上限 | 毎月の返済額 |
100万円 | 40万円 | 3万3,333円 |
200万円 | 80万円 | 6万6,666円 |
300万円 | 120万円 | 9万9,999円 |
400万円 | 160万円 | 13万3,333円 |
上記の年間返済額の上限を基準に2022年5月のARUHIスーパー40の金利年0.65%~(変動金利)で35年で契約した場合の借り入れ可能金額をシミュレーションしてみましょう。
年収 | 借入可能額 | 総返済額(利息含む) |
100万円 | 約1,200万円 | 約1,400万円 |
200万円 | 約2,400万円 | 約2,800万円 |
300万円 | 約3,600万円 | 約4,200万円 |
400万円 | 約4,800万円 | 約5,600万円 |
※元利均等返済・ボーナス返済無し。総返済額には住宅ローンの借り入れにかかる諸費用は考慮していません。
※上記は当サイトがシミュレーションしたものです。実際の借り入れ可能金額と異なる可能性があります。
一般的な住宅ローンの場合、「居住」を目的とした物件でしか利用できないなどの制限がありますが、ARUHIスーパー40は事業・居住兼用の住宅でも利用可能です。これは店舗が必要なビジネスを自営している人にとって非常に魅力的な利用条件と言えます。
不動産担保ローンや事業性ローンは住宅ローンとは比べられないぐらいの高い金利になることが一般的ですし、規模の小さな自営業では借りられる金額もかなり少なくなってしまいます。
フラット35は戸建て住宅の場合70平方メートル以上が条件です。ARUHIスーパー40ではその半分近い40平方メートル以上の物件で利用可能となっています。これは、「都市部の狭めの物件で仕事もする」とか「小さいながらも戸建てを持ちたい」と考える自営業・個人事業主にとってメリットが大きいと言えます。
中古物件の購入にも対応していますし、リフォーム資金にも利用可能なので、立地の良い都市部の中古物件をリフォームして仕事・居住の兼用にしたいと考えている人のサポートになりうる住宅ローンです。
2022年5月のARUHIスーパー40は年0.65%~(変動金利)と、保証料込の金利とはいえ、ネット銀行の変動金利と比べると高めの水準です。最大10年の当初固定金利タイプもありますが、そちらもそこまで低金利ではありません。
※最新金利・その他の金利タイプについてはアルヒ公式サイトから確認してください。
住宅ローンは金利が最大の比較ポイントですが、どんなに金利が低い住宅ローンでも審査に落ちたり、希望する金額を貸してもらえなければ意味がありません。特に自営業、それも節税をしっかりと行っている自営業の人ほど住宅ローンの審査で厳しく見られがちです。
ARUHIスーパー40はそのような自営業・個人事業主にとって大変魅力的な利用条件・審査基準を備えた住宅ローンと言えそうです。残念ながらネットからの申し込みは受け付けていないようなので、ARUHIの店舗が近くにある人しか利用しにくいというデメリットがありますが、ARUHIの店舗に相談に行けるようであれば相談してみてはいかがでしょうか?
※自営業・個人事業主の人の審査基準についても執筆しています。合わせてこちらの記事も参考にしてください。
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