公開日: 2026年8月24日

マイホームの取得を後押しする全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」には、子育て支援や地域活性化に取り組む自治体と住宅金融支援機構が連携し、住宅取得時の借入金利を一定期間引き下げる「フラット35 地域連携型」という制度があります。以前は「子育て支援型」「地域活性化型」と呼ばれていたメニューが整理されたもので、2024年2月13日からは「ポイント制」のしくみで運用されています。
金利が上がりやすい局面では、当初5年間でも金利が下がる効果は家計にとって小さくありません。この記事では、子育て世帯の目線で、地域連携型の引き下げ幅・利用条件・手続きの流れをやさしく整理します。
フラット35 地域連携型とは、子育て支援や地域活性化などに積極的な地方公共団体(自治体)と住宅金融支援機構が連携し、自治体の補助金交付などの財政的支援とあわせて、フラット35の借入金利を一定期間引き下げる制度です。お住まい予定の自治体がこの制度に取り組んでいることが利用の前提になります。
地域連携型は、大きく次の2つの分野に分かれます(分野によって引き下げ幅が異なります)。
このほか、自治体の移住支援金の交付とセットで金利を引き下げる「フラット35 地方移住支援型」という別メニューもあります(引き下げ幅や要件が異なり、地域連携型との併用はできません)。
現在のフラット35は、家族構成・住宅の性能・地域の支援といった各メニューに「ポイント」が定められ、合計ポイント数に応じて金利の引き下げ幅と期間が決まる「ポイント制」になっています。1ポイントにつき、当初5年間 年▲0.250%が基本です。
地域連携型のポイントと、それ単独で利用した場合の引き下げは次のとおりです(2026年8月時点・住宅金融支援機構公式サイトにて確認)。
| 地域連携型の分野 | ポイント | 金利引き下げ |
|---|---|---|
| 子育て支援 | 2ポイント | 当初5年間 年▲0.500% |
| 空き家対策 | 2ポイント | 当初5年間 年▲0.500% |
| 地域活性化 | 1ポイント | 当初5年間 年▲0.250% |
地域連携型は、住宅の性能で金利が下がる「フラット35S」(ZEH・金利Aプラン・金利Bプラン)や、子どもの人数などに応じてポイントが加算される「フラット35 子育てプラス」などとポイントを合算できます。合計ポイントが大きくなると、当初5年間だけでなく6年目以降も5年刻みで(年▲1.0%を上限に)金利引き下げが続く仕組みです。教育費がかさみやすい時期に返済負担を抑えられるのは、子育て世帯にとって心強いポイントです。
たとえば2026年8月時点のフラット35(買取型・融資率9割以下・借入期間21〜35年・新機構団信付き)の金利は、最も多い金利(最頻金利)で年3.290%です。ここから地域連携型(子育て支援)で当初5年間 年0.500%引き下げられれば、当初5年間は年2.790%まで下がる計算になります。金利は毎月見直され、フラット35は申込時ではなく融資実行時の金利が適用されます。最新の金利や引き下げ後の金利は、各取扱金融機関の公式サイトでご確認ください。
なお、地域連携型には国の予算金額が定められており、予算に達する見込みとなった場合は受付が終了します(終了の約3週間前までに機構サイトで告知されます)。利用を考えている方は、早めに動くと安心です。また、地域連携型はペアローンでも、フラット20・フラット50でも利用できます。
まず、フラット35 地域連携型を利用するには、居住地(住宅を取得する地域)の自治体が住宅金融支援機構と連携している必要があります。
連携しているかどうかは役所に問い合わせるのが確実ですが、こちらのページ(住宅金融支援機構ホームページ)で連携している自治体が一覧で確認できますので、あなたの住む(住む予定の)自治体が対象か確認しておきましょう。
連携済みで所定の条件を満たせば、自治体から「利用対象証明書」を交付してもらえます。この証明書を交付してもらえることが利用の条件になります。連携していない自治体では、残念ながら利用できません。
※支援の内容や条件は各自治体で異なります。いずれにせよ、利用前に各自治体の担当部署へ確認が必要です。
①若年子育て世帯が住宅を取得する場合(詳細条件は各自治体で異なります)
②若年子育て世帯と親世帯が同居または近居するために住宅を取得する場合(詳細条件は各自治体で異なります)

①Uターン、Iターン、Jターンを契機として住宅を取得する場合
②居住誘導区域 外から居住誘導区域内に移住する際に住宅を取得する場合
※対象分野はこのほか、空き家対策・防災対策・地域産材使用・景観形成・グリーン化などにも拡大しています。
繰り返しになりますが、どの制度を利用するにしても要件は各地方公共団体によって異なるため、地方公共団体の担当部署への問い合わせが必須になります。
制度開始から年数が経ち、現在では多くの自治体が連携しています。基本的には市区町村レベルで連携しますが、地域活性化を目的に都道府県レベルで連携している事例もあります。連携している自治体は時期によって増減するため、最新の状況は住宅金融支援機構の公式ページの一覧でご確認ください。
この制度を利用する流れを簡単にまとめると以下のとおりです。まず利用できるかを確認し、フラット35の審査に通ったら証明書を入手して金融機関に提出する流れになります。

証明書には発行に日数がかかることもあります。住宅ローンの契約日までに提出が必要なので、利用を考えている場合は早めに自治体へ相談し、スケジュールに余裕をもって動くと安心です。
SBIアルヒ
16年連続でフラット35実行件数シェア1位の実績があり、来店不要のWeb申込(ARUHIダイレクト)に対応するなどの特徴があります(事務手数料は2.20%〈税込・最低22万円〉が標準。Web申込+電子契約による定額割引などのキャンペーンの有無・条件は公式でご確認ください)。
※2010年度-2025年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2026年3月末現在、SBIアルヒ調べ)
※ARUHIスーパーフラットの新規借り入れを除きます。なお、地域連携型などの地域に関する金利引き下げメニューは、借り換え(借換融資)では利用できません(新規取得が対象)。
全国区で営業を行う金融機関で、フラット35 地域連携型を取り扱うのはアルヒが代表的です。実際に利用できる引き下げメニューや必要書類は、申し込み時に取扱金融機関へ相談しましょう。
住宅金融支援機構は楽天グループと連携し、2026年10月1日以降にフラット35(フラット20・フラット50を含む)を借り入れた方に「楽天ポイント」を進呈する「フラットすまい・るポイント」を開始します。借り換えも対象です(2026年8月時点・機構の特設サイトにて確認)。
利用にあたっては、次の点に注意しましょう。
ポイントはあくまで「おまけ」です。ポイントの有無で住宅ローンを選ぶのではなく、金利・事務手数料・団信のバランスを軸に比較したうえで、対象になる場合は忘れずに申請するのが賢い使い方です。詳細は住宅金融支援機構の特設サイトでご確認ください。
A. いいえ。住宅を取得する自治体が住宅金融支援機構と連携していることが前提です。さらに、子育て世帯であることや移住など、自治体ごとの要件を満たして「利用対象証明書」を交付してもらう必要があります。
A. はい。地域連携型は、住宅の性能で金利が下がるフラット35Sや、子どもの人数などでポイントが加算される子育てプラスなどとポイントを合算できます。合計ポイントが大きいほど引き下げ期間が長くなります。ただし地方移住支援型とは併用できないなど、組み合わせの可否はメニューにより異なるため、詳細は公式・取扱金融機関でご確認ください。
A. フラット35は全期間固定金利なので、引き下げ期間が終わると当初の契約金利(割引前の金利)に戻ります。引き下げ期間中に家計に少し余裕が出る分を、繰り上げ返済や教育費の備えに回しておくと、その後の返済が安定しやすくなります。
A. いいえ。地域連携型などの地域に関する金利引き下げは新規の住宅取得が対象で、借り換えでは利用できません。借り換えを検討している場合は、フラット35の通常メニューや各行の金利・手数料を比較しましょう。なお、2026年10月開始の「フラットすまい・るポイント」は借り換えも対象です。
地域連携型は、お住まいの自治体が対象であれば、当初の家計負担を抑えながら全期間固定金利の安心を得られる心強い制度です。まずはお住まい予定の自治体が連携しているかを確認し、要件や手続きのスケジュールを早めに押さえておきましょう。
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