2019年12月18日
10月1日に増税された影響で小売業の売上げが低下するなどの影響が出始めています。。
軽減税率やキャッシュレス・消費者還元事業などで話題が消費増税に関するニュースを聞かない日はないのではないでしょうか。
本ページでは消費増税が住宅ローン金利に及ぼす影響を再度、確認していきたいと思います。
消費増税に伴う住宅ローン金利への直接的な影響はない。住宅購入に伴う諸費用にかかる負担増も住宅ローン減税やすまい給付金の拡充で吸収可能。消費増税による景気低迷で住宅ローン金利はより上がりにくくなる可能性が高い。2019年7月に住宅ローンサービス参入したPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)のようにマイナス金利を受けた新規参入組みの登場で住宅ローン獲得競争が激化すると思われる。
目次
年月 | 内容 |
1989年4月 | 消費税法施行、税率3%で消費税が導入される |
1997年4月 | 消費税率が5%となる |
2004年4月 | 税込み表示が義務付けられる |
2011年12月 | 2014年4月に税率8%、2015年10月に税率10%とすることを野田内閣が決定 |
2014年4月 | 消費税率が8%となる |
2014年11月 | 安倍首相が2015年10月の消費税増税の先送りを発表 |
2016年6月 | 安倍首相が消費税増税の2019年10月への再度の先送りを発表 |
2018年10月 | 安倍首相が2019年10月に予定通り10%とすることを表明 |
2019年10月 | 消費税が10%になる |
消費税は1954年にフランスで導入された仕組みであり、所得税などの直接税に対し、間接税と呼ばれています。所得などに課税するものでなく、サービスや商品の取引に課税することで、より多くの国民に課税することを目的としています。
日本では少子高齢化が進む中で勤労者の減少している一方、年金、介護、医療費が膨らみ続けており、これをまかなうために、消費税増税が行われます。
消費税がサービスや商品の取引に課税することから
◆より多くの国民に課税できる
◆脱税しにくい
◆所得税増税と比べ勤労者の労働意欲を削ぎにくい
とされています。
②住宅エコポイントの復活
④贈与税の非課税枠の拡大
残念ながら景気の下振れ要因となることは過去の消費税導入、増税時の経験則から間違いないと言えるでしょう。
政府では今回の消費税増税の対策として
◆中小店舗でクレジットカード・電子マネー決済をした場合に最大5%のポイント還元
◆食料品などへの軽減税率の導入
◆自動車や住宅購入時の減税
◆幼児教育・保育の無償化
◆公共事業への投資
を実施しますが、景気への悪影響は避けられないでしょう。
特に世界的な景気への先行き不透明感が台頭しており、日本経済への悪影響も考えられる中、国内外ともに予断は許されない状況です。
次に8%から10%に増税された場合にどの程度、住宅関連費用に影響あるのか見ていきたいと思います。
3,000万円(土地1500万円、建物1500万円)の住宅を購入することを前提として、関連する費用を一覧化してみました。
項目 | 内容 | 8%から10%への増税での費用負担 |
土地 | 土地は非課税なので影響なし | - |
建物 | 1500万円相当で計算 | 30万円 |
家具 | 200万円分の購入をする場合 | 4万円 |
住宅ローン事務手数料 | 2.20%から2.20%の負担に | 6万円 |
保証料 | 非課税なので影響なし | 非課税なので影響なし |
住宅ローン契約書にはる印紙代 | 非課税なので影響なし | - |
抵当権設定登記費用(免許税) | 非課税なので影響なし | - |
抵当権設定登記費用(司法書士の費用) | 7万円の場合 | 0.14万円 |
合計 | 約40.14万円 |
3000万円のマイホーム購入で約40万円の負担増となりました。建物と住宅ローン事務手数料で消費税のほとんどを締めていることが分かりますね。
住宅ローン事務手数料については楽天銀行(フラット35)、楽天銀行(金利選択型)、SBI新生銀行など、安価なものを選ぶことで増税の影響も最小限にできそうです。
3,000万円の住宅ローンを組んだ際の主要銀行の住宅ローン事務手数料は下記のようになります。
銀行名 | 8%時の住宅ローン事務手数料 | 10%時の住宅ローン事務手数料 |
楽天銀行(金利選択型) | 330,000円 | 330,000円 |
楽天銀行(フラット35) | 330,000円 | 330,000円 |
SBI新生銀行 | 55,000円~ | 55,000円~ |
住信SBIネット銀行 | 648,000円 | 660,000円 |
SBIマネープラザ | 648,000円 | 660,000円 |
事務手数料だけを比較すると楽天銀行(金利選択型)、楽天銀行(フラット35)、SBI新生銀行が最も消費税増税の影響を少なく抑えられると言って良さそうですね。
消費税増税は住宅ローン金利にどのような影響があるのか考察してみましょう。まず、前項で記載したような景気対策を政府も対策を打ち出していますが、景気に何かしらの影響を及ぼした場合には日銀も何かしらの対策を迫られるでしょう。
日銀は現状、大規模な金融緩和を実施しており、正常化の兆しは見られており図、今後も歴史的な低金利状態が継続する可能性が高いでしょう。それどころか、費税増税による景気低迷を考えると日銀の政策は「より金利を低くする」方向性になると考えてよいでしょう。
ただし、現在、国内の住宅ローン金利は変動金利が0.4%台(PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)が年0.415%、SBI新生銀行が年0.450%/変動フォーカス)となっており、下落幅が極めて限定的です。
※金利は2019年12月適用金利
このため住宅ローン金利も現状の水準から大きく乖離することはないと考えられます。消費税増税後も超低金利政策をもっとも享受できるのは変動金利となりそうです。
消費税の増税とともに拡充されてきたのが住宅ローン減税です。マイホームの購入は家具や家電の購入にも結びつくため、経済全体への波及効果が大きいとされており、政府は住宅ローン減税に積極的です。
10月の消費増税後は控除期間(減税期間)を13年まで延長されます。索されています。
住宅ローン減税(控除)は納めた所得税や住民税を還付する仕組みであるため、家族構成や所得水準によってはそもそも収めている所得税や住民税が限られ、住宅ローン減税枠を使い切れないケースが多々あります。
住宅ローン減税が拡充されても、それは所得税や住民税をある程度収めている世帯向けの話となってしまいます。
こうした世帯をサポートするため政府はすまい給付金という住宅購入者に最大50万円の現金を給付する制度を導入しています。年収700万円程度までの世帯であれば利用できるようですので詳細はすまい給付金の事務局に問い合わせをしてみてください。 http://sumai-kyufu.jp/
すまい給付金の詳細は当サイトでも記事を作成していますので、一読ください。
結論から申し上げると個人間の取引となる中古住宅には消費税は課税されません。新築住宅の場合、土地には消費税はかかりませんが、建物には課税されます。
このため、注文住宅の建物部分が1500万円であった場合には、消費税率が10%の場合には150万円もの必要となります。
中古と新築ではその価値自体が違うため一概に比較はできませんが、新築では150万円の支払いとなる消費税が、中古の場合には一切かからないということはかなり大きな負担の違いと言えそうです。
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