2020年12月11日
この記事では住信SBIネット銀行の住宅ローン(ネット専用住宅ローン)の審査基準が厳しいのか、甘いのかという点に注目して解説しています。
住信SBIネット銀行は数年前まではネット銀行の住宅ローンとしては独走していましたが、最近は不動産会社経由での融資実行に力を入れたり「商品力」ではなく「営業力」重視の動きが強く、他のネット銀行の低金利住宅ローンに商品性は追い抜かれた印象があります。
疾病保障を例として考えると、住信SBIネット銀行の住宅ローンには無料の全疾病保障がついてきますが、auじぶん銀行と楽天銀行は「全疾病保障」と「がん診断保障」が無料でついてくるようになっていますし、ソニー銀行もがん診断保障が無料です。金利水準については、「住信SBIネット銀行の住宅ローンの固定金利引き下げプランの当初固定金利終了後の変動金利の水準が高すぎるという悪評なども目立ってきています。
金利も業界最低水準付近の金利ではありますが、2019年夏にジャパンネット銀行※が住宅ローンを取り扱い開始したこと、また、金利水準では同レベルですが「がん診断保障」と「全疾病保障」の2つを無料でセットするauじぶん銀行の住宅ローンも住信SBIネット銀行より低い金利で人気を高めてきていることもあり、以前ほどの断トツの人気とまでは言えません。
※ジャパンネット銀行の住宅ローンは正社員・契約社員が利用可能であり、個人事業主・自営業、同族企業に勤める方は利用できません。また、市街化調整区、非線引き区域の物件は借入不可となっています。
そろそろ商品性のてこ入れが必要そうに見える住信SBIネット銀行の住宅ローンですが、そうは言っても、ネット銀行の住宅ローンとしては最大規模の住宅ローンであることに違いはありません。また、条件が良い住宅ローンは審査が厳しいのが一般的な考え方なので、自分が審査に通るのかと心配になっている人も多いと思います。
今回はこの住信SBIネット銀行の住宅ローン審査は厳しいのか甘いのかという点を探っていきたいと思います。
がんと診断された時に住宅ローンの残高が半分になる”がん50%保障”に加えて、精神障害を除く全ての病気や怪我を保障する“全疾病保障”も無料でセットされるauじぶん銀行の住宅ローン。
金利が低いだけでなく、充実した無料の疾病保障サービスの魅力は他の住宅ローンとの競争から頭1つ抜け出しているとも言える状況で、申し込み先候補に加えておきたい住宅ローンです。今後、他のネット銀行が今後どのようにauじぶん銀行に対抗してくるかにも注目です。
ネット銀行の住宅ローンの特徴としては、審査に通れば公式サイトに掲載されている金利で借り入れができる点です、メガバンク、地銀などでは審査結果で金利が変わる仕組みとなっており、本審査の結果がでないと金利が確定しない落とし穴があります。
2019年12月より住信SBIネット銀行でも同様の仕組みを導入しており、審査結果により年0.1%の金利上乗せがされるようになっているので要注意です。
下記は、2020年12月の金利ですが、この旨がしっかりを明記されています。
変動金利が年0.540%(通気引き下げプラン)になる可能性があります。
こうした審査結果で金利が変わるのがイヤだと感じる場合には変動金利が低いauじぶん銀行、ソニー銀行にも審査申し込みをすると良いでしょう。審査結果で金利が変わることは原則的にありません。
では、住信SBIネット銀行の住宅ローンの説明書を1つ1つ確認しながら解説していきたいと思います。
申込時の年齢が満20歳以上満65歳以下で完済時の年齢が満80歳の誕生日まで。例えば、45歳までであれば返済期間を35年で借り入れ可能ですが、50歳の場合返済期間は30年が最大となります。この基準は他の金融機関と同様であり、厳しいわけでも緩いわけでもありません。
年収が明確に定められておらず、安定かつ継続した収入があるとだけ記載されています。住宅ローンは一般的に300万円程度の年収が必要と言われていますので、その程度は必要と考えたほうがよいかもしれません。300万円未満の方は公的な住宅ローン、フラット35最大手のアルヒへの申し込みをしてみてください。フラット35は国土交通省が所管する独立行政法人が提供する住宅ローンで、公的な側面が色濃く、幅広い年収の方が利用しやすい住宅ローンです。
日本国籍を有するか、日本で永住許可を取得している必要があります。
三井住友信託銀行が指定するカーディフ生命保険会社の団体信用生命保険(団信)に加入することが必須条件となります。団信への加入が必要となるのは、住信SBIネット銀行だけではなくすべての住宅ローンで同様であり、特に審査が厳しいということはないでしょう。団信は過去3年の健康状態を告知した上で加入が認められるかの審査がされるため病歴や現在の健康状態によっては審査に通らない可能性があります。
団信の加入条件を緩和したワイド団信という商品も多くの金融機関で取り扱っていますが、残念ながら住信SBIネット銀行ではワイド団信は取り扱っていません。
このため、結果的に持病や病歴によっては住信SBIネット銀行の団信の審査が厳しいと感じる方が出てきてしまうのも仕方がありません。
団信に加入できないという方には加入条件を緩和したワイド団信を取り扱うauじぶん銀行の住宅ローンと、団信への加入が住宅ローン借り入れの条件とならないアルヒを選択肢に加えておくと良いでしょう。(アルヒのスーパーフラットであれば、ワイド団信の利用も可能です。)
住信SBIネット銀行の全疾病保障について詳細はコチラを参照ください。
住信SBIネット銀行の全疾病保障とは?
商品説明書に職業について説明されていませんが、住信SBIネット銀行のホームページのQ&Aコーナーに職業について記載があります。安定継続した収入があれば契約社員や派遣社員も利用可能と明記されています。メガバンクなどが派遣社員や契約社員に厳しいと言われていますので、派遣社員も利用可能としている点は住宅ローン審査基準が寛容であると言ってよいでしょう。
ただし、パート・アルバイト・年金受給者の方は住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンの利用ができませんので、フラット35取扱最大手のアルヒなどフラット35の利用が最有力候補です。(フラット35は国土交通省が所管する独立行政法人が提供する住宅ローンで、公的な側面が色濃く、パート、アルバイトの方でも利用可能な住宅ローンとなっています。)
夫婦で別々の住宅ローンを借りるペアローンに対応しています。共働きのご家庭で1人の収入ではちょっと高額な借り入れを行いたいというケースで重宝するサービスです。また、ペアローンを活用することでご夫婦ぞれぞれが住宅ローン控除を受けることができるは大きな魅力です。
※なお、住信SBIネット銀行では連帯債務型には対応していません。
住信SBIネット銀行(三井住友信託銀行)では2018年1月よりLGBT向けの住宅ローンの審査基準を設けています。
レズビアン、女性同性愛者
ゲイ、男性同性愛者
バイセクシュアル、両性愛者
トランスジェンダー
身体的性別と性自認が一致しない人(性同一性障害を含む)
を対象とし、ペアローンや収入合算、担保提供における配偶者の定義に同性パートナーを含める対応を開始しています。
住信SBIネット銀行の住宅ローンでは保証会社による保証が不要な仕組みとなっており、保証料も不要となっています。
地銀などでは審査結果により最大で年0.7%程度の保証料が必要になる住宅ローンもあることを考えると安心して申し込みできる商品性と言えます。ただし、住信SBIネット銀行の住宅ローン金利は審査結果により最大で年0.1%の上乗せがされので要注意です。
資金用途は2つに限られます。ご自身や家族のご自宅の購入、もしくはそれらご自宅の住宅ローンの借り換え資金です。アパートローンなど不動産投資用としては利用ができません。
また、借り換えについては事務手数料、司法書士などの諸費用も住宅ローンに含めて借り換えることができます。住宅ローン借り換えで確実なメリットは見込めるけど、諸費用を現金で用意するのが厳しいという方の住宅ローン借り換えをバックアップしてくれるサービスとなっています。
なお、住信SBIネット銀行の住宅ローンは中古住宅の購入時のリフォーム、住宅ローン借り換え時のリフォーム資金としても利用可能ですが、リフォーム資金の支払日を住宅ローン借り換えの実行日、中古住宅の購入日と同じタイミングにする必要があります。
融資金額で注目をしたいのが担保評価額の200%まで借入れができる点です。借り換えに伴う諸費用も住宅ローンにまとめて借り換えができ、また、不動産価格の評価額が下がっていても借り換えできる可能性あることとなります。
新生銀行のように担保評価額の100%までしか借入れできない銀行もあり注意が必要です。この点、住信SBIネット銀行は問題なさそうですね。
一方で、融資限度額が1億円までと高年収の方には物足りない水準となっている点はデメリットですね。1億円以上の住宅ローンを利用したいという場合には、auじぶん銀行もしくはソニー銀行への申し込みを行いましょう。いずれも2億円までの融資に対応しています。
住信SBIネット銀行の住宅ローン審査が遅いというのは残念ながら多くのクチコミ・評判となっています。実際、公式サイトにも新規で45日以上、借り換えで30日以上の時間が必要と明記されています。
審査自体は仮審査が3営業日、本審査が1週間から10日程度となっており、特別遅い印象は無いですね、審査以外の書類発送などに時間を要しているのかもしれません。
ただし、auじぶん銀行がネット完結型の住宅ローンを展開し、仮審査最短当日、本審査3日、住宅ローン契約が10日で完了としており、審査が早い銀行と比較すると、住信SBIネット銀行の住宅ローン審査の遅さが際立ってしまいますね。
住信SBIネット銀行の住宅ローン審査では仮審査、本審査ともに審査結果が180日間有効となっています。審査結果が出てから融資実行まで約6ヶ月の猶予があることとなります。
正社員 | 契約社員・派遣社員 | 自営業・個人事業主 | 会社役員・社長 | |
---|---|---|---|---|
保険証 | ○ | ○ | ○ | ○ |
住民票 | ○ | ○ | ○ | ○ |
源泉徴収票 | ○ | ○ | ○ | |
住民税決定通知書 | ○ | ○ | ○ | ○ |
会社の決算書3期分(勘定科目内訳明細書を含む) | ○ | |||
確定申告書3年分(付表を含むすべての申告書類) | ○ | ○(確定申告をしている場合) | ||
所得税の納税証明書3年分 | ○ | ○ | ○ | ○ |
物件に関する書類 | ○ | ○ | ○ | ○ |
借り換えに関する書類(返済予定表) | ○ | ○ | ○ | ○ |
住信SBIネット銀行の住宅ローンですが、仮審査と本審査で何が審査されるのでしょうか?
一般的に仮審査では申し込みをされた方の収入や資産に対して、借り入れい無理がないか、継続的に収入を得て、きちんと返済できるか、などの信用情報・返済負担率に関する審査が行われます。
このため、収入・勤務先・年収に関する情報はもちろんですが、カードローンや自動車ローンなど他社からの借り入れ状況を確認するため信用情報機関に照会を行い、事故情報(ブラックリスト)が登録されていないかの審査が行われます。
問題の本審査では物件の担保価値や住宅ローンの借り入れの前提となる団体信用生命保険に加入できるかの健康状態の審査が行われます。住信SBIネット銀行ではワイド団信の取り扱いがありませんので、もし健康上の問題で審査に落ちれば、アルヒを活用するか、同じネット銀行で変動金利で格安でワイド団信を取り扱うauじぶん銀行への申し込みを検討しましょう。
2018年10月1日より住信SBIネット銀行が住宅ローン審査にAIを導入すると発表しています。AI導入により住信SBIネット銀行の住宅ローン審査の課題である、審査が遅いという問題が解消に向かうことを期待したいですね。
各項目見る限りでは、住信SBIネット銀行の住宅ローンの審査基準に特別厳しい点は見当たりませんでした。
ただし、年収基準が明確に記載されていない点は気になりますが、住宅ローン審査では一般的には年収は300万円前後が望ましいといわれているので、これに順ずる年収水準が必要と考えておくのが無難でしょう。
もし、年収300万円未満の場合はアルヒなどが候補と言えるでしょう。(フラット35は国土交通省が所管する独立行政法人が提供する住宅ローンで、公的な側面が色濃く、年収が100万円の方でも利用可能となっています。)
今、注目の住宅ローン
今月のオススメ特集
住宅ローン最新ニュース
2021.01.16
2021.01.15
2021.01.14
サイト更新情報
2021.01.16
2021.01.15
2021.01.14
2021.01.12
2021.01.12
2021.01.12
2021.01.12
2021.01.11
2021.01.08
2021.01.08
住宅ローンの基礎
住宅ローンの審査特集
職業別の住宅ローン審査
年収別の住宅ローン審査
地域別おすすめ住宅ローン
取扱銀行一覧
Copyright © Izit Inc. 2013 - 2020
Copyright © Izit Inc. 2013 - 2020