2021年2月16日
この記事では新生銀行の住宅ローンのメリット・デメリットについて解説していきます。
新生銀行は2000年6月に日本長期信用銀行から名前を変えた国内でも歴史のある銀行の1つです。
近年インターネット専業銀行が存在感を増す中、新生銀行は実店舗とオンラインサービスを組み合わせ、幅広い年齢層の顧客に対し金融サービスを展開してきました。預金サービスだけでなく、資産運用や住宅ローンの商品にも定評があります。住宅ローン市場の中ではメガバンクでもネット銀行でもなく、新生銀行を選ぶという方がたくさんいます。その理由は新生銀行が顧客の幅広いニーズに応えているからです。新生銀行の住宅ローン商品の魅力を順に見ていきましょう。
目次
新生銀行の住宅ローンラインナップを見ていると、借り手に対しさまざまな気配りがなされているという印象を受けます。
多くの顧客が新生銀行の住宅ローンを選んだ理由として事務取扱手数料(以下、手数料)の安さを挙げます。新生銀行の住宅ローンの手数料は、定率制と定額制の2種類から選ぶことができます。例えば、2021年2月時点の新生銀行の変動金利住宅ローンの条件は下記のようになっています。
【2021年2月変動金利タイプの条件】
| 変動金利(半年型)タイプ <変動フォーカス> | 変動金利(半年型)タイプ
|
金利 | 年0.45% | 年0.65% |
事務取扱手数料(税込) | 借入金額✖️2.2%(定率制) | 55,000円(定額制) |
※上記条件は2021年2月契約の場合。新生銀行の公式サイトより引用。みんなの住宅ローン編集部調べ(2021年2月9日)。
上記の表のうち金利が0.45%の「変動金利(半年型)タイプ<変動フォーカス>」の手数料は2.2%(税込)の定率制になっています。この手数料率ははっきり言うと、差別化できるほどのものではありません。近年、ネット銀行を中心に、手数料を2.2%(税込)で設定している銀行は多数存在します。このような定率制の留意点は、借入金額が大きくなるほど、手数料も比例して上がってしまうことです。例えば、借入金額6,000万円の2.2%(税込)は132万円ですが、1億円の2.2%は220万円になります。
一方で、金利0.65%の変動金利(半年型)タイプの手数料は魅力的です。こちらは借入金額に関わらず手数料が55,000円(税込)で固定されているので、初期費用がかなり抑えられます。
ここで、多くの方は「手数料と金利、どちらを優先すれば良いのだろう。」悩まれると思います。その疑問は、下記のような表を作ることですぐに答えが出てきます。
ここでは、6,000万円の住宅ローンを組んだ場合の金利込みの返済額と手数料を合計してみます。
借入額6,000万円35年ローンの場合
| 金利0.45%、 手数料2.2%の定率制 | 金利0.65%、 手数料55,000円の定額制 |
返済額 | 64,874,407円 | 67,121,105円 |
手数料の金額 | 1,320,000円 | 55,000円 |
総返済額+手数料 | 66,194,407円 | 67,176,105円 |
※筆者試算による。手数料は消費税込み。
借入額6,000万円20年ローンの場合
| 金利0.45%、 手数料2.2%の定率制 | 金利0.65%、 手数料55,000円の定額制 |
返済額 | 62,765,562円 | 64,021,152円 |
手数料の金額 | 1,320,000円 | 55,000円 |
総返済額+手数料 | 64,085,562円 | 64,076,152円 |
※筆者試算による。手数料は消費税込み。
借入額6,000万円15年ローンの場合
| 金利0.45%、 手数料2.2%の定率制 | 金利0.65%、 手数料55,000円の定額制 |
返済額 | 62,072,732円 | 63,008,908円 |
手数料の金額 | 1,320,000円 | 55,000円 |
総返済額+手数料 | 63,392,732円 | 63,063,908円 |
※筆者試算による。手数料は消費税込み。
※実際の融資契約の場合は、手数料の他に司法書士報酬、抵当権設定登録免許税、印紙税などの諸費用がかかります。ここでは、比較をしやすいようにそれらの費用は除いて試算しています。
35年ローンだと金利0.45%で手数料2.2%(税込)の定率制プランが有利になります。しかし、期間20年以下だと金利が0.65%で手数料が55,000円(税込)の定額のプランの方が有利になり、特に返済期間15年の場合は定額制のプランの方が30万円以上も有利になっています。
このことから、手数料が定額制の住宅ローンは、返済期間が短い方に有利となっていることがわかります。定額制は繰上げ返済を積極的に行う予定の方や、残りの返済年数が20年を切っている方の借り換えのケースなどに適しています。借り換えを検討したものの、手数料でつまずいたという方は少なくありません。そのような方でも、新生銀行のプランなら借り換えの余地があるかもしれません。
複数の銀行のウェブサイトを見て住宅ローン選びをしていると、どの商品が結局一番有利なのかがわからなくなってしまうものです。住宅ローン選びの正解はそれぞれの方の借り入れ金額や返済予定期間によって異なります。本来は、商品を眺める前に返済計画を立てて、その計画に見合った商品を選ぶのが正しい順序です。
また、金利の先行きに対する考え方も大切です。金利が上がると考えるか上がらないと考えるか、金利上昇に家計が耐えられるのかどうかといったことを考えておきましょう。
新生銀行はその点、先述したように長期返済計画の方と短期返済計画の方にそれぞれ合った変動金利商品を扱っていますし、さらに固定金利の住宅ローンも揃えています。
新生銀行の固定金利商品の中でも特徴的なものが、ステップダウン金利タイプです。
ステップダウン金利タイプの住宅ローンとは、借り入れ当初の10年間は金利が固定され、10年経過後は一定期間を経るごとに適用金利が下がっていく住宅ローンです。例えば、35年ローンの場合は、10年経過後は5年ごとに金利がダウンしていきます。
ステップダウン金利タイプは金利の上昇リスクが気になるものの、利率が高い固定金利は気が引ける、という方に適しています。また、将来にかけて返済金額は確実に下がっていくので、これから子供の教育資金が上がっていくという方にとっては安心感があります。
また、変動金利か固定金利かをどうしても決められない方は、ミックスローンを利用することができます。ミックスローンは、変動金利と固定金利の住宅ローンを一定割合ずつ利用する方法です。金利が上がった場合は、変動のみで借りているよりも返済金額の上昇が抑えられますし、金利が上がらない場合でも固定金利だけで借りているよりは、返済額は少なくなります。
なお、2021年2月(本記事執筆中)時点では、先に挙げた変動金利(半年型)タイプ<変動フォーカス>とステップダウン金利タイプをミックスローンの組み合わせに選ぶことはできません。
注文住宅は完成後に住宅ローンを実行します。そのため、土地の購入から建物の完成までに必要な着工金、上棟金、土地の売買代金は、住宅ローンの借入金とは別に準備する必要があります。このような住宅完成前に必要になる資金を借り入れるローン商品をつなぎ融資と言います。つなぎ融資は通常、住宅ローンの借り入れ資金によって完済します。
また、つなぎ融資は通常の住宅ローンよりも高い金利が設定されている傾向があります。ところが、新生銀行ではつなぎ融資を「元金一括返済型住宅ローン」という商品名で、当初固定金利タイプ1年の住宅ローン金利(0.75% 2021年2月時点)で提供しており、さらにこのローンは事務取扱手数料が0円となっています。実は、一部のネット銀行ではつなぎ融資を取り扱っていません。注文住宅を検討する方にとって、新生銀行は有力な検討対象になるでしょう。
最近は中古物件を購入して自分の好みのデザインにリノベーションして住む、という選択をする方を多く見受けます。リノベーション(リフォーム)資金のローンの金利は、一般的に住宅ローン金利よりも高めに設定されている上、返済期間が短めになっている傾向があります。新生銀行ではリノベーション(リフォーム)のための資金を住宅ローンと同じ金利、同じ期間で借りることができます。
リノベーション(リフォーム)資金は、新生銀行で住宅ローンを借りる方、または既に借りている方が対象であるのは当然ですが、住宅ローンの借り入れがない方や、他行で住宅ローンを借りていて、新生銀行に借り換えをする方も対象になります。
また、リノベーション(リフォーム)資金についても団体信用生命保険(以下、団信)の対象になります。
新生銀行には、安心パックという住宅ローン利用者が選択できる有料のオプションサービスがあります。
安心パックに加入することで、下記の表の通りの手数料がかかってしまいますが、同時にメリットも得られます。
| 安心パック | 安心パックW | 安心パックS |
事務取扱手数料 | 11万円 | 16.5万円 | 16.5万円 |
コントロール返済 | ○ | ○ | ○ |
安心保障付団信 | ○ | ○ | ○ |
病児保育サービス |
| ○ |
|
家事代行サービス |
| ○ |
|
自然災害時債務免除特約 |
|
| ○ |
※新生銀行の公式サイトより引用。みんなの住宅ローン編集部調べ(2021年2月9日)。
コントロール返済とは、資金に余裕がある時に繰上げ返済をしておくと、逆に家計の経済状況が厳しくなった時に、一時的に元本の返済を止めることができる制度です。教育資金が嵩む時期に元本の返済を止めるなどのメリハリをつけた返済計画を立てることができます。
安心保障付団信は債務者が死亡や高度障害の他、病気や事故で介護が必要な状態になってしまった時に、保険金で住宅ローンの残債が返済されるサービスです。
適用条件は、引受保険会社所定の要介護状態が180日以上続いた場合、もしくは公的介護保険制度の要介護3以上に認定された場合です。
住宅ローンは、35年などの長期で組むため、70代まで返済が続く方も珍しくありません。また、脳血管疾患やがんなどの生活習慣病の後遺症で現役の方でも要介護状態になるリスクはあります。家系の病歴などを参考に検討すると良いでしょう。なお、債務者が死亡または高度障害状態になった場合に、保険金で住宅ローンの残債が返済される一般団信については安心パックの利用がない方でも加入することなります。
また、安心パックWに付帯されている病児保育サービスと家事代行サービスは、共働き世帯にとっては強い味方になります。病児保育サービスは、子供が発熱したにも関わらず、パパもママも仕事を離れられないような時に、専門スタッフが子供を預かってくれるサービスです。また、家事代行サービスは仕事が忙しくて家事にまで手が回らないような時に利用すると良いでしょう。
安心パックSに付いている自然災害時債務免除特約は、台風や地震、津波、洪水、土砂崩れ、雪災、落雷、噴火などの被害に遭った方の債務を一部免除するものです。家屋が半壊した場合は6回、大規模半壊した場合は12回、全壊した場合は24回分のローン返済が免除されます。
保証料とは、債務者が保証会社に支払う費用です。保証会社は、債務者の毎月の返済が滞った時に、本人に代わって銀行に残債を返済します(代位弁済)。保証会社は代位弁済後に、債務者に肩代わりした資金の返済を求めます。銀行にとっては貸倒れリスクを抑えられるというメリットがあるものの、債務者からすると経済的なメリットは乏しいと言わざるを得ません。
銀行によっては保証会社の利用を融資条件にしている場合もありますが、消費者側からすると保証料は支出であるため、できれば削減したいものです。
新生銀行は保証会社を利用しないため、この保証料がかからないというメリットがあります。
新生銀行の住宅ローン契約はオンラインの電子決済のみで完結します。自分でインターネット上だけで手続きを進めていくことに不安を感じる方は多いと思いますが、新生銀行では住宅ローンの専門スタッフと電話やビデオ通話で相談ができるので安心です。
さまざまなサービスを備えた新生銀行ですが、デメリットもあります。
新生銀行はメガバンクや地方銀行などと同様に、店頭相談型の銀行という印象を持っている方は多いと思います。しかし、新生銀行の店舗にいる担当者は資産運用や送金や出金などの業務が専門です。住宅ローンの相談は先述した電話かビデオ通話がメインとなっています。インターネット操作が不安な人は、店舗でビデオ通話による相談が利用できます。ただ、その場合は予約が必要になります。他の店舗型の銀行と同じ感覚で、ふらっと店舗に立ち寄って住宅ローン相談をすることは難しいと言えます。
変動金利タイプの住宅ローンを選んだ方は金利変動リスクが気になると思います。
一般的に住宅ローンには、5年ルール、125%ルールというものが設けられており金利が上昇した場合でも、返済額が急騰しないような仕組みになっています。5年ルールとは、金利が上がっても返済額の内訳(利息の支払いと元本返済の割合)を調整することで、5年間は返済額が上がらないようにする措置です。125%ルールは返済額の変更時に、それまでの返済額の125%を超えないようにする規約です。例えば毎月の返済額が現在10万円の方は、金利が上昇したとしても5年間は返済額が10万円のままとなり、結果的に5年後に返済額が上がってしまう場合でも12万5,000円が上限になります。ただし、利息の支払いが増える分元本の返済は後ろ倒しになるので、最終返済日の返済額は増えていきます。
5年ルールのデメリットは金利が上昇した時に借り手がその事実に気が付きにくいことです。そのせいもあってか、新生銀行では5年ルールと125%ルールは採用していません。
ここまで見てきたとおり、新生銀行は様々な方のニーズに対応できるように幅広い住宅ローン商品やオプションサービスを揃えています。
新規の借り入れや借り換えの場合は、定率制手数料か定額制手数料かを選択することで自身にとって有利な条件が見つかるでしょう。また注文住宅、リノベーションのニーズ対しても低金利の差別化された商品が揃っています。病児保育や家事代行サービスは、共働き世帯にとっては選択理由の1つになるではないでしょうか。
住宅ローン選びは、結局どの銀行の商品が一番自分に合っているのか1人では答えが見つからないものです。そのような時は、新生銀行のビデオ通話スタッフに相談してみてはいかがでしょうか。
参考サイト:新生銀行 住宅ローン 公式サイト
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