2024年11月19日
アルバイトやパート、派遣社員、契約社員として働いている人にとって、住宅ローンの審査は一層ハードルが高いと感じられるかもしれません。
非正規雇用の場合、審査が通りにくいといわれていますが、審査を通過する方法はないのでしょうか?
この特集ページでは、住宅ローンの審査に通るのが難しいと言わざるをえない”アルバイト”・”パート”・”派遣社員”・”契約社員”として働いている人の住宅ローン対策について解説しています。
結論として、アルバイトやパートで働いている人の大半は、住宅ローンの利用を最初から諦めてしまっていることが多いのですが、フラット35であれば”アルバイト”・”パート”・”派遣社員”・”契約社員”でも利用できますし、実際に利用されている実績もあります。楽天銀行のフラット35でも利用できる可能性はあります。ただ、当サイトのおすすめは、フラット35の取扱実績が圧倒的に多く、店舗で相談しながら一緒に審査を通過するためにサポートしてもらえるARUHIです。ARUHIのホームページにも以下のように明記されていて、アルバイトやパートで働く人への貸出実績も豊富です。
このようにアルバイトやパートでもフラット35であれば利用できることはわかりましたが、審査には通過しなければならないですし、貸してもらえる金額は年間の収入によって異なります。また、フラット35は物件の性能などに条件があります。
次にフラット35以外の住宅ローンも視野に入れながらアルバイト・パート・派遣社員・契約社員の住宅ローン選びについて解説を続けていきます。
先ほど、ARUHIのホームページから引用した画面を紹介しましたが、フラット35のホームページにも「こんなかたも申込可能です!」と、以下の内容で案内されています。
フラット35は派遣社員やパートでも利用可能です。
アルバイトや契約社員という言葉自体はありませんが、アルバイトとパートは同じですし、派遣社員よりも契約社員の方が安定的な雇用形態と言われていますので、パート・アルバイト・派遣社員・契約社員が利用できることが案内されていると理解して問題ありません。
また、起業したばかりの個人事業主や自営業でも利用可能です。
派遣社員・契約社員であれば、「auじぶん銀行」や「イオン銀行」の住宅ローンは利用できる可能性があります。(この2つの銀行のホームページやよくある質問には利用できる可能性がある旨が明記されています。)
昭和・平成初期に比べると、派遣社員や契約社員でも住宅ローンを利用しやすい環境が整ってきていますが、アルバイト・パートでは一般的な民間銀行の住宅ローンを利用できる可能性はほとんどありません。審査に通過できたとしても、適用される金利や保証料が高くなることが多いので、あまりおすすめできません。営利目的の民間銀行の住宅ローンでは、収入が不安定な働き方であるパート・アルバイトでは門前払いされてしまうか、金利や保証料がかなり高く設定されてしまうのが実情です。
民間の銀行が提供する住宅ローンは利用できないのに、フラット35は、なぜ、アルバイト・パート・派遣社員・契約社員でも利用可能なのでしょうか?
それはフラット35が国の政策に沿って戦略的に提供され公的な住宅ローンだからです。
フラット35は、独立行政法人の住宅金融支援機構が提供している住宅ローンで、申込窓口業務について民間の金融機関と提携しながら提供されている住宅ローンです。申込の受付は提携金融機関が行っていますが、住宅ローンの審査基準や商品性は基本的に住宅金融支援機構が決定しています。
日本の政府は「幅広い日本国民が優良な家を持てるように支援すること」を目的としてフラット35という仕組みを作った経緯があり、収入や働き方などの制限せずに、幅広い人が利用できるように設計されています。スポーツ選手や芸能人など、収入が不安定な職業や同じ収入を維持できる期間が短い職業の人もフラット35を利用するケースが多いと言われています。
次に気になるのは「いくら貸してもらえるのか」だと思いますので、フラット35の借り入れ可能金額について解説しておきます。
フラット35は100万円程度の年収があれば利用できるとされていますが、いくら借りれるかは年収によって変わります。また、フラット35は公的な住宅ローンで、「ルール」がしっかりと決まっています。
年収400万円未満は年間返済負担率30%、年収400万円以上は年間返済負担率35%と定められています。これは一般的な金融機関で取り扱っているフラット35共通のルールです。
年間返済負担率とは、年収に対するローン返済額の割合です。例えば、年収100万円の人が1年間に返さなければならないローンの返済額が30万円であれば年間返済負担率は30%というように計算されます。注意点は「住宅ローン以外の他のローン商品の返済も「1年間に返さなければならないローンの返済額」に含まれるということです。
住宅ローンをできるだけ多く借りたい人は、他のローンを整理してから住宅ローンに申し込んだ方が良いと言われるのはこのルールがあるためです。
その年間返済負担率を元に年収ごと借入可能額を計算した表が以下です。借入期間(返済期間)を長く設定した方が借り入れ可能金額が増えるので、返済期間を35年とし、金利はいったん年1.170%として計算しています。
年収 | 借入れ可能額 |
100万円 | 861万円 |
150万円 | 1,291万円 |
200万円 | 1,722万円 |
250万円 | 2,153万円 |
300万円 | 2.583万円 |
350万円 | 3,014万円 |
400万円 | 4,019万円 |
450万円 | 4,521万円 |
500万円 | 5,023万円 |
550万円 | 5,526万円 |
フラット35を取り扱うアルヒが独身女性向けの住宅ローンの実態調査を行ったことがあります。その調査によると、パートの方の平均年収は228万円となっていて、約1,300万円のマイホームを頭金として300万円を用意したうえで、フラット35で1,000万円程度借りているというような結果になっています。
母子家庭・シングルマザーだから住宅ローンを組めないということはありません。母子家庭だからと言って審査に落とされることはなく、継続的な収入があれば母子家庭でもそうでない人も同じような審査基準で審査してもらうことができます。
母子家庭・シングルマザーの人の住宅ローン審査についてはこちらの特集記事で詳しく解説していますので合わせて参考にしてください。
住宅ローンの収入合算とは、共働きの夫婦や親子など、「2名の収入」を合算して住宅ローンを借りることを言います。
2名の年収を合わせることで、住宅ローンの審査上の収入が増額されるので、単純に言えば住宅ローン借入可能額を増やし、高額なマイホームを購入できることになります。
パートで働く妻の年収を含む収入合算でフラット35に申し込むことも可能です。ただし、申し込みする人の50%を超える年収を合算する場合返済期間が短くなったりする可能性があります。
一般的にアルバイトやパート勤務だと審査を通過するのが難しいと言われていますが、以下のような条件を満たすことで審査を通過できる場合もあります。
・審査が通りやすい金融機関を選ぶ
・頭金をできるだけ多めに用意する
・自分の信用情報に傷が付かないように気を付ける
・正社員で働ける企業へ転職する
これらの対策を実施することで、金融機関のリスク評価が下がり、審査が通りやすくなる可能性が高まります。特に、安定した収入や頭金の多さは返済能力を示す重要な要素です。また、信用情報が良好であることは、過去に返済トラブルがないという信頼を与えます。転職による雇用形態の改善も、収入の安定性を強調するために有効な手段です。
住宅ローン控除・減税は納めた所得税や住民税が住宅ローン残高に応じて還付される制度です。つまり、納めた税金の範囲でしか還付されないので、住宅ローン控除による節税効果は年収に大きく左右されます。
たとえば、住宅ローン残高が1,000万円残っていると、その1%の10万円が還付金額の上限なのですが、年収200万円の人の所得税は5万円程度のはずなので、5万円が上限になります。
アルバイト・パート・派遣社員・契約社員でも一定金額以上の収入を得ていれば、所得税は納めているはずなので手続きを行って住宅ローン控除制度はしっかりと利用するようにしましょう。
本記事ではアルバイト・パート等非正規雇用の方の住宅ローンについて詳しく解説しました。
フラット35がアルバイト・パート・派遣社員・契約社員はもちろん、職業を問わず申し込み可能なのは、フラット35が公的な住宅ローンという側面があるためで、民間銀行の住宅ローンの利用は厳しい状況にあります。
また、フラット35を取り扱う金融機関は300社以上あって、その審査条件は基本的には変わりませんが、当サイトに寄せられた声の中には楽天銀行のフラット35の審査に落ちた人がARUHIのフラット35の審査に通ったというものがありましたので、必ずしも同じ審査結果になるとは限らないなので、その点も踏まえていくつかの金融機関に申込・相談しておくことをおすすめします。
審査の条件やポイントを理解し、しっかりと準備をすれば審査を通過することは可能なので、本記事を参考に、ローンを組む際は無理なく返済できる条件や金融機関を選ぶようにしましょう。
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