2025年4月25日
つなぎ融資とは、新築や建て替えで住宅が完成する前に発生する費用を一時的にカバーするための融資です。
新築や建て替えの場合、工事の進捗に応じて支払いが発生しますが、住宅ローンは物件が完成してから融資されるため、その間の資金不足を補うためにつなぎ融資が利用されます。
SBI新生銀行では2020年1月から注文住宅用のつなぎ融資の提供を開始しています。
ただ、まだ新しいサービスのため、対応していることを知らない方も多いかもしれません。※建物部分のつなぎ融資は、グループ会社のアプラスが取り扱っています。
さらに、SBI新生銀行は住宅ローンの利便性向上にも注力しており、2020年12月には電子契約に対応。申し込みから契約まで来店不要で手続きが完結できるようになりました。
ネット銀行と同様のスムーズな流れで、店舗が近くになくても問題なくSBI新生銀行の住宅ローンが利用できるようになりました。
今回は、そんなSBI新生銀行の住宅ローン関連サービスのひとつである”つなぎ融資”の特徴について解説したいと思います。
なお、他のネット銀行などのつなぎ融資の対応状況などについて解説した記事も用意してありますので、興味がある人はそちらの記事も合わせて確認してください。
⇒ 住宅ローンのつなぎ融資とは?ソニー・auじぶん銀行・住信SBIネット銀行で利用できる?
これまで、日本の住宅ローン業界を引っ張ってきたネット銀行が住宅ローンの金利を大幅に引き上げています。業界全体が金利引き上げ傾向ですが、ネット銀行の住宅ローンの引き上げペースはすさまじく、「ネット銀行の住宅ローンの金利は低い」といはとても言えない状況になっています。そんな中で、目立っているのがSBI新生銀行の住宅ローンで、変動金利タイプの金利は年0.410%と業界最安値水準の低金利です。変動金利で1%を超える金融機関がどんどん増えているなか、SBI新生銀行の注目度は一気に高まっています。
SBI新生銀行は、旧日本長期信用銀行が生まれ変わった銀行で、業界に先駆けてインターネットバンキングの振込手数料無料化や24時間対応のATMを導入しました。2023年1月にSBIグループの傘下となり、現在の名前に変更されています。
SBI新生銀行の住宅ローンは、初期費用や諸費用が安い点が特徴です。さらに、介護保障(安心保障付団信)やステップダウン金利など、他の銀行の住宅ローンにはない独自のサービスが提供されています。
これらの独特なサービスにより、SBI新生銀行の住宅ローンは他のローンと似ているものがなく、選択肢として非常に魅力的です。詳細を確認すると、「こんなサービスもあるのか」と驚くこと間違いなしです。
SBI新生銀行のつなぎ融資は住宅ローンの固定1年の金利が適用されます。
適用月 |
金利 |
2025年2月 |
年1.200% |
つなぎ融資は短期で返済する融資のため、あまり金利は重要ではなく融資事務手数料がポイントとなってきますが、SBI新生銀行は金利も融資事務手数料(無料)も驚異的なコストパフォーマンスを実現しています。
最初に重要なポイントを簡単にまとめてみました。
それでは、SBI新生銀行のつなぎ融資について詳しく確認していきましょう。
SBI新生銀行のつなぎ融資は珍しい商品設計で、土地の融資にのみ対応しています。少し悪い表現になりますが、一般的なつなぎ融資と比べて対応範囲が狭いことから、SBI新生銀行のつなぎ融資だけでつなぎ資金すべてを賄えるケースは少ないでしょう。
その場合はグループ会社のアプラスでつなぎ融資を取り扱っているので、その商品を併用することでカバーはできます。
なお、土地購入資金のみをつなぎ融資でカバーしたいと考えている人にとっては、きわめて魅力的なつなぎ融資です。
SBI新生銀行のつなぎ融資の特徴は事務取扱手数料が無料であることです。事務手数料無料のつなぎ融資はSBI新生銀行以外に確認できたことがないぐらい珍しく、大きなメリットです。
金融機関名 | 手数料(税込) |
SBI新生銀行 | 無料 |
アルヒ(フラットつなぎ) | 110,000円(Aタイプ) |
イオン銀行 | 無料 |
SBIマネープラザ |
110,000円 |
次につなぎ融資の金利も確認しておきましょう。
金融機関名 | 金利(2025年2月金利) |
SBI新生銀行 | 年1.200% |
アルヒ(フラットつなぎ) | 年1.860%(Bタイプ) |
イオン銀行 | 年2.92%(変動金利の基準金利2.62%+団信分0.30%) |
金利を比較してもSBI新生銀行がお得なことがわかりますね。(ただし、建物部分はSBI新生銀行のつなぎ融資は対応してないのでグループのアプラスに申し込みする必要があるので注意が必要です)
住宅ローンには、団体信用生命保険(団信)が通常セットで付いていますが、つなぎ融資には団信が付いていないことが多くなっています。しかし、SBI新生銀行のつなぎ融資には、団信が付いているため、万が一の事態に備えた安心感が得られます。
団信は、住宅ローンを借りた本人が万が一、死亡や高度障害に陥った場合に、ローン残高が保険金で完済されるという特別な生命保険です。
ほとんどの住宅ローンでは、団信への加入が義務づけられており、借り手が不測の事態に見舞われた際、家族や遺族にローンの負担を残さないための仕組みとして非常に重要です。
一方で、つなぎ融資は住宅の新築や建て替えなどの工事の進行に伴い、必要な資金を一時的に借りるもので、最長でも1年程度で返済が終わる短期間の融資です。
このため、多くの金融機関では、つなぎ融資には団信が付帯されていません。その理由としては、つなぎ融資が短期間であるため、リスクが低いとみなされるからです。
つなぎ融資の期間が短いとはいえ、万が一の事態が発生すれば、土地や建物の購入費用を含めたローンが遺族に相続されることになります。
例えば、つなぎ融資で土地を購入して建物を建てている途中に、借り手に何かがあった場合、残された遺族はそのローンの支払い義務を引き継ぐことになります。
もちろん、土地を売却して資金を返済に充てることはできますが、土地売却資金では返済しきれない場合や、遺族に十分な自己資金がない場合には、最悪の場合、自己破産に追い込まれるリスクもあります。こうした状況は、誰にとっても望ましくない事態ですよね。
つなぎ融資を借りる際に団信が付いていない場合、団信の代替として民間の生命保険に加入することをおすすめします。そうすることで、万が一の場合でも遺族が住宅ローンの返済に困ることはありません。
ただし、生命保険には保険料がかかるため、追加のコストが発生することは考えておきましょう。
SBI新生銀行のつなぎ融資は、団信が標準で付いているため、万が一の事態にも備えられる安心感があります。つなぎ融資を借りる際に、追加で生命保険料を支払うことなく、住宅ローンと一緒に団信に加入できるため、手間が省け、費用を抑えることができます。
また、SBI新生銀行は、住宅ローン全般において低金利で初期費用を抑えたサービスを提供しており、団信以外にも安心保障付団信など、さまざまなオプションがあります。万が一に備えた保障が充実しているため、安心して住宅購入を進めることができます。
SBI新生銀行のつなぎ融資は、団信の付帯による安心感と、他の金融機関にはない独自のサービスが魅力です。つなぎ融資を利用しつつ、万が一の備えも手軽に整えることができるため、特に安心を重視する方には非常におすすめの選択肢です。
これまで説明してきたようにSBI新生銀行の住宅ローンのつなぎ融資のデメリット・注意点は建物部分の着手金・中間金などに対応していないことですが、その他に注意しておきたいや知っておきたいポイントをいくつか紹介しておきます。
種別 | 解説 |
手続方法 | SBI新生銀行の住宅ローンの審査が承認されていること。(SBI新生銀行の住宅ローンの審査に申し込んで、審査を通る必要がある) |
借入可能金額 | 最大で8,000万円まで |
元金返済日(利用可能期間) | 約1年間(借入日から11ヵ月にあたる月の26日に一括返済) ※1年以上は利用できません。 |
住宅ローンの自由度 | 事前にSBI新生銀行の住宅ローンの審査を通過する必要があるものの、SBI新生銀行の住宅ローンのお借り入れが強制されるものではない。(SBI新生銀行に土地先行融資してもらって、その間にネット銀行の住宅ローンの審査が通ったら乗り換えも可能) |
SBI新生銀行の公式サイトに「元金一括返済型住宅ローンのお申し込みには、戸建住宅の新築資金のための当行住宅ローンの審査承認が必要となりますが、戸建住宅の新築資金のための当行住宅ローンのお借り入れを強制するものではなく、また、貸付をお約束するものでもございません。戸建住宅の新築資金のための当行住宅ローンの融資実行日までの間に、著しい信用力の低下や建築工事が完成しない等の事情が生じた場合には、戸建住宅の新築資金のための当行住宅ローンにつき、再度審査を行わせていただく場合がございますので、ご了承ください。」と記載があるように、最終的にSBI新生銀行の住宅ローンを借りることが必須になっていないので、申し込んでみてから選びなおすという選択肢も用意されているのはありがたいですね。
SBI新生銀行のつなぎ融資は、手数料や金利などの面で見ると、今回取り上げた他の金融機関と比べて大きなコストメリットがあることが分かりました。
ただし、最大のデメリット・落とし穴は建物部分の融資には対応していないことなので、建物部分の費用も必要だという場合は、アプラスのつなぎ融資も併用することになります。
つなぎ融資は融資実行から1年以内に住宅ローンで完済することになるので、金利・利息に対する事務手数料の割合が大きい手数料が無料で利用できるのは大きなメリットですが、結局は他のつなぎ融資を併用するケースが大半なので、アルヒ、イオン銀行、SBIマネープラザが提供するつなぎ融資の事務手数料110,000円(税込)と同じような水準の手数料がかかります。
SBI新生銀行の住宅ローンは、土地の購入資金(土地先行融資)のつなぎ融資が低金利で魅力的ですが、建物建築費用もつなぎ融資で賄いたい場合は、アプラスのつなぎ融資を案内してもらうことができます。「ご自身でつなぎ融資を探してください」と案内するネット銀行が多い中で、グループ会社のアプラスと連携して手続きを案内してくれるのはメリットの1つです。
※なお、SBI新生銀行でつなぎ融資の審査を受けるには、先に住宅ローンの審査を通過する必要がありますので、以下の住宅ローン公式サイトから住宅ローンの申し込み手続きを進めて、審査が通ったら住宅ローンの担当者につなぎ融資を希望する旨を伝えるようにしてください。
注文住宅でマイホームを建てる場合、土地購入代金や建物建築費用(着工時・上棟時・引渡し時)の支払いが必要となります。通常の住宅ローンは、住宅が完成してから契約して利用することになりますが、それまでの中間の支払いに対応するのがつなぎ融資です。 地銀もつなぎ融資には対応していますが、住宅ローンの金利・手数料・疾病保障などの条件を考えるとネット銀行などが提供する全国区のお得な住宅を利用した方が有利です。以下に住宅ローン金利や条件が優れていて、かつ、つなぎ融資に対応しているおすすめの住宅ローンを紹介しておきます。
SBI新生銀行はグループ会社のアプラスと連携してつなぎ融資を利用できますし、SBIアルヒでは独自のつなぎ融資を提供しています。
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