公開日: 2026年9月17日 更新日: 2026年9月27日

全国保証の保証料が「高い」と感じられることがあるのは、保証料が一律ではなく、年収倍率や担保掛目などの審査結果で5段階に分かれる段階制だからです。属性が良ければ低い区分になりますが、区分が下がると大手行系列の保証会社より負担が重くなることがあります。一方で、地方銀行・信用金庫と幅広く提携し、自営業・会社経営者の住宅ローンも引き受けている点は、家族のためにマイホームを持ちたい人にとって入り口が広いということでもあります。以下、全国保証の仕組み・保証料・審査の特徴と、保証料が高いと判定されたときの選択肢を順に整理します(2026年9月時点)。
全国保証は東証プライム市場に上場している保証会社で、住宅ローンの信用保証業務を中心とした保証業務を行っています。メガバンクや地銀などの系列には属していない独立系の保証会社で、自社を「国内唯一かつ最大の独立系住宅ローン保証会社」と位置づけています。
フラット35やネット銀行の住宅ローンのように保証会社を使わない住宅ローンも増えていますが、地方銀行・信用金庫の住宅ローンの多くは今も保証会社の保証が条件なので、住宅ローンと保証会社は切っても切れない関係です。まずは全国保証がどんな会社なのかを確認しましょう。
全国保証は1981年2月に、年金福祉事業団(当時)が行っていた年金転貸住宅資金融資制度の信用保証会社として設立された会社です。1997年に業務を拡大して民間金融機関の住宅ローン保証業務を開始しています(全国保証 会社概要)。
業績も好調で、2026年3月期の連結業績は経常利益465億円・純利益325億円と、いずれも前期を上回りました(2026年5月発表の決算短信より。営業利益は413億円でわずかに減益)。住宅ローン利用者から受け取った保証料を主な収益源として、これだけの利益を上げているということになりますね。
確かに、全国保証の保証料が高いという噂が出ても仕方がないぐらい順調に利益を積み上げていることがわかります。保証債務残高は2025年3月末時点で19.4兆円に達し、2026年3月末には21兆円を目標に掲げていました(同社決算説明資料)。地方銀行・信用金庫・信用組合を中心に全国の金融機関と提携しており、規模の面でも住宅ローン保証の最大手といえる存在です。
最初に整理をしたいのが全国保証と提携している金融機関についてです。全国保証は独立系の保証会社ということもあり、提携している金融機関は地銀、信用金庫、信用組合などが中心です。大手金融機関は系列の保証会社を持っているため、規模感が大きくない金融機関との取引が中心になっています。
こうした金融機関の顧客には個人事業主や中小企業の社長なども多く含まれています。全国保証は保証料を属性に応じた段階制にすることで、幅広い属性の住宅ローンを引き受けやすい仕組みを作っています。
自営業・会社経営者の場合、大手行では3年以上の業歴を求められるのが一般的ですが、全国保証の保証が付く地銀・信金の住宅ローンでは、業歴や決算内容の見方が柔軟なケースもあります(要件は金融機関・商品ごとに異なるため窓口で確認してください)。独立・開業して間もないご家庭にもマイホームの入り口が開かれているのは心強い点です。自営業・個人事業主でも借りられる住宅ローンと審査基準もあわせてご覧ください。
住宅ローンの申込みから借入れまでは、一般的には次のような流れで進んでいきます。
事前審査(仮審査)の申込みと審査
↓
本審査(正式審査)の申込みと審査
↓
本審査に通過後、契約手続き
↓
借り入れ(融資実行)
保証会社を使う住宅ローンでは、銀行の審査とあわせて保証会社(全国保証など)の審査が行われ、保証会社が「保証できない」と判断すると銀行の審査にも通りません。金融機関の中には事前審査がなく、いきなり本審査から始まるところもあります。例えばSBI新生銀行は原則として仮審査がなく本審査のみで完結するため、手続きの二度手間がないという特徴があります(必要書類は本審査時にまとめて用意します)。
全国保証は公式サイトで、FAXでの事前審査申込みにより短い日数で事前審査ができること、給与所得者向けには「翌営業日回答制度」があり、原則として申込日の翌営業日に審査回答を行っていることを案内しています(全国保証 住宅ローン保証)。会社員・公務員の方であれば、保証会社の審査で待たされる場面は多くありません。
一方、自営業・会社経営者の場合には数週間かかったという口コミ・評判も散見されます。決算書や確定申告書の内容を確認する分、給与所得者より審査期間が長引く可能性があると考えておきましょう。
ただし、審査期間が目安より長引いているからといって、必ずしも審査に落ちるわけではありません。住宅ローンは非常に高額な借入であり、返済能力や提出内容に誤りがないかなど慎重な確認が行われるため、どうしても時間がかかることがあります。お子さまの入園・入学や引っ越しの時期が決まっているご家庭は特に、ある程度余裕をもってスケジュールを組んでおくことをおすすめします。
こちらも口コミや評判で散見されるのが、全国保証の保証料が高いという点です。
全国保証の保証料は一律ではなく、保証金額・保証期間・資金使途・収入や勤続年数などの属性・担保評価によって区分が分かれる段階制です。基幹商品の「住まいる いちばんネクストV」では、年収倍率や担保掛目などの要件により5段階の区分があり、さらに担保価格の100%までに適用される通常保証料と、100%を超える部分に適用される超過保証料に分かれています。属性や担保掛目が良好な人ほど低い保証料が適用される体系です(全国保証公式サイト・2026年9月確認)。具体的な保証料率は申込先の金融機関・審査結果によって異なります。
| 保証料に影響する要素 | 見るポイント | 家計への影響 |
|---|---|---|
| 年収倍率 | 借入額が年収の何倍か。倍率が高いほど区分が下がりやすい | 頭金を増やして借入額を抑えると区分が上がる余地 |
| 担保掛目 | 物件の担保評価に対する借入額の割合。100%超の部分には超過保証料 | 諸費用まで借りるフルローンは超過保証料の対象になりやすい |
| 収入・勤続年数などの属性 | 職業・雇用形態・勤続(業歴)・返済負担率 | 転職・独立直後は不利になりやすい |
| 保証期間・資金使途 | 期間が長いほど、借換・増改築など使途によっても料率が変わる | 返済期間を延ばすと月々は下がるが保証料は増える |
メガバンクや地銀系列の保証会社では、保証料を金利上乗せで支払う場合の上乗せ幅が年0.200%程度になることが多いので、全国保証で低い区分に入れなかった場合、「想像以上に高い保証料」を求められることがあります。「高い」という口コミがあるのは間違ってないと言ってよいでしょう。逆に、属性の良い方が低い区分に入れば、大手行系列と大きく変わらない水準に収まることもあります。「全国保証だから高い」ではなく「自分がどの区分か」で決まる、と理解しておくのが正確です。
全国保証の保証料が高いと感じた場合は、他の住宅ローンと総支払額を比べることをお勧めします。低い区分に入れなかった場合、保証会社を使わない住宅ローン(保証料0円のネット銀行等)やフラット35を利用するほうが総支払額を抑えられる可能性があります。ただしネット銀行の多くは保証料の代わりに借入額の2.20%(税込)前後の事務手数料がかかるので、「保証料+事務手数料」の合計と金利をセットで比較してください。
特に幅広い属性の方が利用しやすいと言われるフラット35は有力候補です。
フラット35は、独立行政法人の住宅金融支援機構が提供している住宅ローンで、申込窓口業務について民間の金融機関と提携しながら提供されています。申込の受付は提携金融機関が行っていますが、審査基準や商品性は基本的に住宅金融支援機構が決めています。保証会社を使わないため保証料は不要で、保証人も必要ありません(【フラット35】公式サイト)。
フラット35は個人事業主や会社経営者はもちろん、パート・アルバイト、派遣社員、契約社員の方も申し込めます。全国保証の審査に落ちたり、高い保証料の区分を適用されたりした人は、SBIアルヒに相談してみることをおすすめします。
SBIアルヒは16年連続でフラット35実行件数シェア1位(2025年度シェア27.7%)を獲得している、住宅ローン専門の最大手金融機関です(※2010年度-2025年度統計、取り扱い全金融機関のうち借り換えを含む【フラット35】実行件数(2026年3月末現在、SBIアルヒ調べ))。SBIアルヒの特徴は、全国の店舗(約90拠点・2026年3月末現在)で専門のスタッフにじっくりと相談しながら住宅ローンを申し込めることで、対面サービスで契約手続きをサポートしてもらえます。小さなお子さま連れでも相談しやすいのは、家族で動く住宅購入では助かるポイントです。
詳しくはSBIアルヒのHPをご覧下さい。
なお、地方銀行のなかには保証料の負担が住宅ローン選びの分かれ目になる地域もあります。長野県の住宅ローン比較(八十二長野銀行の保証料に注意)のように、地元の銀行とネット銀行・フラット35を並べて比べると、保証料の重みが見えてきます。
A. そんなことはありません。保証会社は金融機関ごとに異なるため、別の金融機関(=別の保証会社)に申し込めば通る可能性がありますし、保証会社を使わないネット銀行の住宅ローンやフラット35という選択肢もあります。1回の審査結果で諦めず、ご家庭に合う借り方を探しましょう。
A. 守られません。保証料は「家族のための保険」ではなく、銀行の貸し倒れリスクを保証会社が引き受けるための費用です。返済が滞ると保証会社が金融機関に残債を立て替えますが(代位弁済)、その後は保証会社への返済義務が残ります。万一の備えとして機能するのは団体信用生命保険(団信)の方なので、保証料と団信の役割は分けて理解しておきましょう。
A. 一概には言えません。全国保証の商品には保証料の支払方法を選べるものがあり、一括払いは繰上返済や借り換えをすると未経過分が戻る一方、手元資金が減ります。教育費の支出が近いご家庭は手元資金を優先し、長く借り続ける前提なら一括払いが有利になりやすい、というのが目安です。取扱いは金融機関ごとに異なるため、最新の条件は申込先の金融機関の公式サイトや窓口でご確認ください。
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