2024年11月1日
フラット35は国土交通省が所管している独立行政法人の住宅金融支援機構が提供する長期固定金利の住宅ローンです。フラットの名の通り、返済期間中の金利が一定で、返済計画が立てやすく、金利変動リスクを回避できます。
また、年収や、職業、勤続年数などの制限が少なく、より幅広い人が利用できるというのも魅力的です。
住宅金融支援機構が開発・管理している住宅ローンを、銀行・信用金庫・モーゲージバンクなどの民間の金融機関が販売・営業窓口を行います。
フラット35には変動金利タイプや当初固定金利タイプはありません。借入期間中の金利を完全に固定する長期固定金利タイプの住宅ローンのみが提供されています。また、金利優遇制度が充実していると共に、最大50年借り入れ可能なフラット50という商品も提供されていますので、ご自身の状況に合った商品を選ぶこともできます。
住宅金融支援機構と提携している金融機関は300社以上あります。さらにそれらの金融機関が不動産会社・工務店・ファイナンシャルプランナーなどと提携しているため、フラット35の販売ルートは多岐に渡ります。マイホームの購入や建築を考えた時にフラット35という名前は何度も聞く機会があるでしょう。
フラット35は「つなぎ融資」が利用しやすいこともあって、注文住宅の場合に工務店からフラット35を紹介されることが多くあります。
つなぎ融資とは、住宅が完成する前に必要な資金を一時的に一時的に借りる融資のことです。新築や建て替えの場合、工事の進捗に応じて支払いが発生しますが、住宅ローンは物件が完成してから融資されるため、その間の資金不足を補うためにつなぎ融資が利用されます。
世界はコロナ禍以降、急激なインフレが進み、行き過ぎたインフレを抑制することを目的に各国の中央銀行で利上げが実施されていましたが、2024年に長く続いた世界各国の金融緩和政策は大きな転換点に差し掛かりつつあります。日本でも2024年3月にマイナス金利政策が解除され、秋には次の利上げが行われると言われています。
こうした流れの中で日本では一昔前のように金利上昇を強烈に抑え込むのが難しくなりつつあります。実際に2023年に入ってからフラット35の金利も引き上げ傾向が続いています。
住宅ローンが10年前・20年前のような金利で提供されるようになる時代が近いと考える人も増えていて、その予想が当たるとは言いませんが、将来、2024年が住宅ローンの借り換えのラストチャンスだった、と言われた状態になっている可能性も否定できません。
フラット35はフラット35に借り換えもできるので、今、金利が高いフラット35を借りている人は、フラット35に借り換えることは単純に住宅ローンの金利を下げて総返済額を減らすことです。金利差や残債次第ではありますが、今から10年ぐらい前に借りたフラット35を利用している人は積極的に借り換えを検討するようにしましょう。
変動金利タイプは借り入れ中に金利が上昇するリスクがあるため、住宅ローンの金利上昇リスクを抑えたいと考える人は金利を固定することができる期間が用意されている固定金利タイプを選んでいます。
そのような金利タイプの住宅ローンの中でおすすめしたいのがSBI新生銀行の住宅ローンです。20年固定~35年固定の金利は業界内でもトップクラスの低金利です。
SBI新生銀行の住宅ローンは固定期間終了後の金利優遇条件も一般的なネット銀行の住宅ローンと比べて有利な条件となっていて、「住宅ローンの金利変動リスクに備えたい」と考える人におすすめの住宅ローンです。
フラット35からフラット35への借り換えの場合、固定金利タイプという商品性は維持されますし、改善されていることはあっても改悪はほとんどありませんので、金利が安ければ借り換えすることによるデメリットは基本的にはありません。
借り換え時に発生する諸費用など、しっかりと借り換え効果の試算を行い効果さえ確認できれば積極的に借り換えを行うべきです。また、フラット35取扱い最大手のSBIアルヒでは「スーパーフラット借換」という借り換え専用のフラットを提供しているので、低金利のフラット35に借り換えたい人はチェックしておくようにしましょう。
目次
フラット35は2008年当時の金利は3%前後、2012年当時でも2%前後で推移していました。2022年に入って金利が上昇傾向で、2016年にスタートした日銀のマイナス金利政策導入以降では最も高い水準まで上昇しています。
※2017年10月から団信の保険料が金利に含まれる制度改正が行われているため、これ以降は年0.2%ほど金利が高く見えています。
今から15年ぐらい前まではフラット35からフラット35への借り換えはできませんでした。2009年の制度改正でフラット35からフラット35に借り換えできるようになっています。フラット35は借り換え時にかかる事務手数料などの諸費用も含んで借りられるようになっているので、うまく借り換えることで手元資金が無くても借り換えられますし、その後の経済的負担を軽減することもできます。
ここでは「住宅ローン残高2,000万円、借り入れ金利2.2%、残りの返済期間28年」という人をモデルケースとして借り換えによる負担軽減効果をシミュレーションしてみたいと思います。
住宅ローン残高 | 残りの返済期間 | 月々の返済額 | 総支払い利息 | 総返済額 |
2,000万円 | 28年 | 79,780円 | 6,843,898円 | 26,843,898円 |
このように借り入れ金利2.2%のままで返済を続けると利息部分の支払総額は600万円を超えることがわかります。(これまで支払った分は除いて)
まず、フラット35からフラット35に借り換えると事務手数料などのその他の費用は追加でかかります。毎月の返済額を減らすことができてもこの諸費用分を差し引いて得をしないのであれば、もちろん借り換える必要自体がありません。
借り換えをしない場合 | ARUHI(店頭申込) | ARUHI(WEB申込・契約) | |
事務手数料(税込) | なし | 440,000円 | 220,000円 |
保証料 | なし | なし | なし |
その他費用 | なし | 200,000円(登記費用など) | 200,000円(登記費用など) |
合計 | なし | 640,000円 | 440,000円 |
金利差が大きければ、フラット35に借り換えることで大幅に節約できる可能性もありますし、今回シミュレーションしたケースではアルヒ(ARUHIダイレクト)でのWEB申込・契約の借り換えがもっともオトクな結果になりました。店舗申込とWEB申込の違いは手数料だけです。(ただし、WEB申込・契約は借り換えまで時間がかかるので、早めに借り換えてしまいたいと言う人は店舗申込を活用するようにしましょう)
ARUHIスーパーフラット借換を活用することで総返済額を抑えることが可能です。審査スピードはARUHIダイレクト(審査申込から融資実行まで最低6週間必要)より、店舗での審査・手続きをした方が3週間程度の期間で融資実行まで終わらせることができます。
健康上の理由で一般団信の審査に通らない場合でも団信の利用が可能になるのが「ワイド団信」です。
ワイド団信とは、従来の団体信用生命保険(団信)の加入が難しい、持病や健康上のリスクがある人向けの保険で、通常の団信よりも加入条件が緩和されているのが特徴です。
例えば、高血圧や糖尿病といった健康状態でも申し込むことができます。そのため、より多くの人が住宅ローンを組む際に安心して加入できる選択肢となっていますが、保険料がやや高めに設定されることが一般的です。
他の金融機関が提供するフラット35では取り扱いがありませんが、ARUHIスーパーフラットならこのワイド団信を年0.30%の金利上乗せで選択することが可能です。
昔と違って「健康状態が良くない」、「持病がある」という理由で団信の審査で落ちてしまう場合は「団信なし」のフラット35にしか借り換えができないということになります。団信なしのフラット35は団信の保険料分の金利負担が軽減されるとはいえ、万が一の備えが無い状態で住宅ローンを組むことになりますので、場合によっては残されたご家族に大きな負担が発生してしまう可能性もあります。
ARUHIスーパーフラットのワイド団信を活用すれば、健康状態に不安のある人でも団信への加入と借り換えを同時に実現できる可能性がありますので、健康状態に不安のある方でも安心して借換ができます。
なお、ARUHIのワイド団信の保険引受先はクレディ・アグリコル生命保険になっています。
ARUHIのWEBサービス、ARUHIダイレクトを利用したフラット35への借り換えであれば2.2%(税込)必要な融資事務手数料が半額の1.10%(税込)となるので、借り換えによる住宅ローン支払いコストの削減メリットを大きく享受することができます。3,000万円の住宅ローンの申込・契約を店頭で行った場合は66万円(税込)の事務手数料となりますが、インターネットから申込・契約を行えば半額の33万円(税込)に抑えることができます。住宅ローンの残債が多ければ多いほどインターネットでの申込によるメリットが大きくなりますので、インターネットからフラット35を申し込むことに抵抗がない方であれば借り換えに伴う諸費用を抑えることができるので、積極的に利用を検討されることをおすすめします。
※店舗で手続きをすると割引対象外なので注意をしましょう。審査申し込みから契約までARUHIダイレクトで完結させる必要があります。(ARUHIスーパーフラットの新規借り入れを除く)
今回は、フラット35からフラット35への借り換えについて詳しく解説しました。当記事のシミュレーションを参考にし、金利や手数料、将来のライフプランを総合的に考慮して、最適な選択をすることが大切です。住宅ローンは長期にわたる大きな決断ですので、慎重に比較検討し、自分に最も合ったプランを選びましょう。
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