2024年9月16日
この特集ページでは年収800万円程度の人のための住宅ローンの審査基準やおすすめの住宅ローンについて解説をしています。
年収800万円を超えるのは日本の労働人口の上位10%程度と言われています。通常、住宅ローンには利用者に求める年収基準が設定されていますが、年収800万円以上の人を門前払いする住宅ローンはありません。(当サイト調べ。年収基準を満たしても審査に落ちる可能性はあります。)
ただし、同じ年収でも自営業や家族経営の会社の役員などはあっさり審査に落ちる可能性があります。一方で、年収800万円以上の公務員や大手企業の社員であれば、常識の範囲を超える金額の借り入れを希望しない限り大半の住宅ローンを利用することができるでしょう。
特に30代や40代で年収800万円以上の人はかなり限られています。ご自身の収入水準に自信をもって、少しでも良い住宅ローンを選び抜いて申し込むことが重要です。
メガバンクや地銀の住宅ローンは住宅ローンの金利が審査結果で変わったり、保証会社に支払う保証料が必要です。住宅ローンの利用者にはメリットがないと言って良い保証料の仕組みは10年以上前から疑問視されていましたが未だに大手銀行では残っていて、古い銀行がしがらみに苦しんでいる間に、auじぶん銀行、ソニー銀行、SBI新生銀行などの新しい住宅ローンは、金利が低いのはもちろん、疾病保障サービスまで無料でセットするのが当たり前の時代になっています。
収入が高い人は、マイホームの価格や借りるお金が大きくなりますので、少しの金利差でも総返済額に大きく影響を与えます。高額の借り入れになるからこそ、より優れた住宅ローンを選んで住宅ローンの負担を抑えることが重要になります。住宅ローンをしっかりと比較するようにしましょう。
目次
まず、年収800万円ぐらいの人が住宅ローンをいくら借り入れできるのかを確認しておきましょう。
年収が高くなると累進課税で所得税や社会保険料の負担が重くなり、税込年収(額面)と手取の年収の差が大きくなります。
この記事では税込年収と手取年収の両方で借り入れ可能額を算出するようにしています。借り入れ可能額は楽天銀行の住宅ローンシミュレーションを利用して算出しています。
年収 | 借り入れ可能額 | 月々の返済額 | |
800万円 | 税込800万円 | 7,163万円 | 186,796円 |
手取600万円 | 5,372万円 | 140,091円 | |
850万円 | 税込850万円 | 7,610万円 | 198,453円 |
手取633万円 | 5,640万円 | 147,080円 | |
890万円 | 税込890万円 | 7,968万円 | 207,789円 |
手取659万円 | 5,900万円 | 153,860円 |
一般的に住宅ローンの借入可能額を計算するときは『税込年収』、つまり、『額面』で計算しますが、余裕を持った返済計画にするためには、『手取年収』で計算しておくことをおすすめします。
例えば、年収800万円の方が、金融機関が定める住宅ローン借入限度額の上限である7,000万円を借りた場合、月々の手取りは約50万円であるのに対し、住宅ローンの月々の返済額は約19万円となります。
住宅ローンの返済以外にも、火災保険・地震保険料、固定資産税、マンションの場合には修繕積立金・管理費などの住居関連費用が発生します。7,000万円の住宅の場合には、占有面積も比較的大きいので住宅ローン以外の費用負担も大きくなりがちです。これらを考慮して借入額を考えることになります。
年収800万円の人の住宅ローンはいくらぐらいが適正なのでしょうか?
実際に住宅ローンを借りた人がどの程度の借入をしているかを調査したレポートをもとに確認していきましょう。フラット35を提供している住宅金融支援機構が、毎年「民間住宅ローン利用者の実態調査」を行っていて、実際に住宅ローンを借りた人の返済負担率を紹介しています。
返済負担率とは年収に占める住宅ローンを含めたローンの返済比率のことをいいます。例えば、年収800万円の方が毎年160万円のローン返済をしている場合には年収に対し20%です。その場合の返済負担率は20%ということになります。
住宅ローンを利用している人の約60%は返済負担率を20%以下で、全体の80%が返済負担率を25%以下にしていることがわかります。
例えば、前述の借入可能額を紹介した表で7,163万円の住宅ローンを組んだばあい、年収800万円だと返済負担率が30%弱ということになりますので、世の中の平均よりも返済負担がかなり大きくなってしまいます。
もちろん、問題なく返済できれば良いので、いくら借りられるかは自分で決めて良いのですが、借入可能額を計算に『手取り年収』で計算をしておくと余裕が生まれるということを念頭に置いておくようにしましょう。
続いて、一般的な年収800万円の人が余裕をもって返済できるようにするにはいくら借りるべきなのかを返済負担の観点で整理してみました。
借入金額 | 判定 | 当サイトのコメント |
3,000万円 | ◎ | 問題なく住宅ローンの返済ができると思われます |
3,500万円 | ◎ | 問題なく住宅ローンの返済ができると思われます |
4,000万円 | ◎ | 問題なく住宅ローンの返済ができると思われます |
5,000万円 | ◎ | 問題なく住宅ローンの返済ができると思われます |
6,000万円 | ○ | 800万円台後半の年収があれば可能 |
5,000万円の住宅ローンを変動金利で借りた場合で、住宅ローンの返済負担の総額を確認してみました。(35年返済・元利均等・ボーナス返済無しで試算)
ソニー銀行 | SBI新生銀行(手数料定率型) | |
変動金利(2024年11月) | 年0.647%(新規購入) | 年0.420% |
事務手数料(税込) | 1,100,000円 | 1,100,000円 |
月々の返済額 | 128,032円 | 128,032円 |
総返済額 | 55,353,737円 | 53,778,482円 |
総負担額(元本+金利+事務手数料) | 56,453,737円 | 54,878,482円 |
※2023年11月1日以降、物件の購入価格を超えて借り入れる場合は金利が年0.05%上乗せになります(新規購入時)。
SBI新生銀行の方が100万円ほど負担が少ない結果となりました。
疾病保障で見るとソニー銀行の住宅ローンにはがんと診断されると住宅ローン残高が半分になるがん保障50が付帯され、SBI新生銀行には病気や怪我など理由を問わず要介護3以上になった場合の保険、「安心保障付団信」が無料付帯されます。現状SBI新生銀行もソニー銀行も大きなコスト差は発生していないので好みの団体信用生命保険に加入できる方に申し込みをするのが良いでしょう。
しかし、こうした収入合算やペアローンで気をつけなければならない点もあります。
1.女性の妊娠・産休時の収入減
2.離婚
3.死別
などが挙げられます。
収入合算を選択した場合、収入合算者については団体信用生命保険に加入する事ができないので注意が必要です。
しっかりご夫婦で万が一のことを考えて収入合算・ペアローンを活用を話し合ってみてください。
金融機関名 | 特徴 |
auじぶん銀行 | ネット完結型で住宅ローン契約書が電子化されており収入印紙が不要。印紙代を節約できる。 |
ソニー銀行 |
事務手数料が44,000円(税込)~。ペアローン利用時はそれぞれの年収が400万円以上 |
都市伝説のように住宅ローンを組むには最低でも10%程度の頭金が必要とされています。実態はどうなのでしょうか?
さきにご紹介した「民間住宅ローン利用者の実態調査」では頭金についても調査を行っています。
この調査によると、頭金ゼロの割合は全体の10%、頭金が10%未満なのが30%います。頭金が10%未満の合計は40%にもなり、10%の頭金を用意するのが多数派とはいえない状況が浮かび上がります。
頭金に固執するのではなく、返済負担率や購入するタイミングなどを重視したほうがよいのかもしれませんね。
なお、近年、金融機関の多くは住宅以外にも、不動産仲介手数料、事務手数料なども住宅ローンとして貸し出すサービスを行っており、頭金がなくてもマイホームを購入できる環境が整ってきています。
金融機関名 | 特徴 |
auじぶん銀行 | 諸費用込みでも変わらない金利で住宅ローンが組める |
SBI新生銀行 | 諸費用込みでも変わらない金利で住宅ローンが組める |
ソニー銀行 | 諸費用込みでも変わらない金利で住宅ローンが組める、頭金が10%あると金利の割引がされる |
40歳・45歳で住宅ローンを組む際の落とし穴を見て行きたいと思います。
①40歳・45歳で住宅ローンを組んだ場合、完済時の年齢が定年退職のタイミングを越える可能性がありますね。具体的には40歳で35年ローンを組んだ場合、75歳で住宅ローンが完済となります。65歳が定年退職したとすると10年間も年金や貯蓄から住宅ローンを返済、完済する必要があります。
②auじぶん銀行※やソニー銀行が無料で付帯させているの疾病保障は、契約時の年齢で50歳前後までとしていることが多いので、疾病保障に加入できなくなる可能性も加味して、40代のうちに疾病保障の付帯している住宅ローンを利用するのが得策です。
auじぶん銀行の住宅ローンにはがん50%保障と全疾病保障が無料で付帯していて、無料の疾病保障が非常に充実しています。ネット完結型の住宅ローンで来店や郵送での手続きが不要で忙しい方には適した住宅ローンです。
ソニー銀行が提供している、がん100%保障。がんと診断されるだけで住宅ローン全額が保険金で完済され、住宅ローン残高がゼロになる保障で、保険料はわずか年0.10%の金利上乗せと、他行の半分の水準に抑えています。
また、他行にはない、がん診断給付金100万円(上皮内がん/皮膚がんの場合は50万円)が付帯しているのも大きな特徴です。
住宅ローン控除・減税は住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合に支払った所得税や住民税が年間40万円(住宅ローン残高の1%)まで還付される税制です。
所得税で還付枠を使い切れない場合には住民税からの還付も行われます。
早速ですが気になる住宅ローン控除でいくら還付されるのか、年収800万円台の方が5,000万円の住宅ローンを組んだ場合の住宅ローン控除(減税)で還付される金額を一覧でご紹介します。
【前提】扶養家族2名(配偶者および16歳以上18歳未満の子供1名)、保険料や医療費控除はないものとする
年収 | 所得税 | 住民税 | 住宅ローン控除額(減税額) |
780万円 | 28.7万円 | 37.5万円 | 40万円(所得税287,000円+住民税113,000円) |
800万円 | 31.7万円 | 39万円 | 40万円(所得税317,000円+住民税83,000円) |
820万円 | 34.7万円 | 40.5万円 | 40万円(所得税347,000円+住民税53,000円) |
840万円 | 37.8万円 | 42万円 | 40万円(所得税378,000円+住民税22,000円) |
850万円 | 39.3万円 | 42.8万円 | 40万円(所得税393,000円+住民税7,000円) |
860万円 | 40.8万円 | 43.5万円 | 40万円(所得税400,000円) |
880万円 | 43.8万円 | 45万円 | 40万円(所得税400,000円) |
※住民税からの住宅ローン控除は課税所得の7%(136,500円)が上限と決められています。
以上のように年収800万円あれば、住宅ローン控除を上限まで最大限活用できることが分かりますね。
納めている所得税も住民税も多額ですので、ふるさと納税も十分に活用できそうですね。最後にふるさと納税の目安もご紹介したいと思います。
みんなの住宅ローンでは年収に合わせた住宅ローン審査の解説記事を用意しています。日本の平均年収に関する情報やおすすめの住宅ローンも紹介していますので合わせて参考にしてください。
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