公開日: 2026年9月18日

不動産投資ローンを先に組んでいると、住宅ローンの審査には影響があります。金融機関はすべての借入れを合算して返済能力を見るためです。ただし、フラット35では1棟アパート向けのローンは総返済負担率の計算から除外されるため、投資の種類によっては影響をかなり小さくできます。
首都圏を中心に不動産価格の高い水準が続いています。不動産購入は相続税対策にもなりますし、家賃収入があれば老後の生活資金にもなります。年金制度への不安から不動産投資を行う方が増えていると言われています。
よく「先に不動産投資ローンを利用していると住宅ローン審査に影響する」という口コミを見かけます。このページでは不動産投資ローンが住宅ローンの審査にどのような影響を与えるのか、また、家族のマイホーム計画と不動産投資を両立させたい方に向けて、影響を受けにくい住宅ローンの選び方を紹介します。
まず不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて確認しておきます。
不動産投資ローンは名前のごとく投資として不動産を購入する時に利用するローンで、メガバンク、地銀、信用金庫、専業の金融会社、日本政策金融公庫など多くの金融機関が手がけています。金利は商品や申込者の属性によって幅があり、居住用の住宅ローンより高めに設定されるのが一般的です。
一方の住宅ローンは自分や家族が住むマイホームを購入するための資金を貸し出すものです。かりに賃貸物件の併用住宅であっても、住宅部分の床面積が非住宅部分以上でないとフラット35は利用できず、民間銀行でも自宅部分が主であることが条件になります。
メガバンク、地銀、信用金庫、ネット専業銀行、モーゲージバンクなどが取り扱っており、金利は2026年9月時点で変動金利であれば最優遇でおおむね年1.0〜1.2%台、フラット35など全期間固定金利では年3%台が中心です。フラット35の2026年9月の最頻金利は年3.460%(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)です(住宅金融支援機構【フラット35】金利情報・2026年9月1日確認)。
不動産投資ローンでは年収はもちろん、事業としての収益性を審査されることとなる一方、住宅ローンは担保価値、返済能力が審査の中心となります。
金利が安いからと言って、居住用の住宅ローンを借りて不動産投資を行うことは不正利用とされるので注意が必要です。住宅金融支援機構は融資住宅に本人や親族が実際に住んでいるかを転送不要郵便などで定期的に確認しており、投資用など目的外の利用が判明した場合は借入れの全額一括返済を求められます(【フラット35】ご利用条件)。家族の住まいを守るためにも、住宅ローンと投資用ローンは必ず正しく使い分けましょう。
結論としては影響があります。これは不動産投資ローンの審査を行う金融機関は住宅ローンを含む各種ローン全体も加味して融資可能枠(上限)を設定するためです。
そのため住宅ローン残高が3,000万円あれば、不動産投資ローンの借入限度額がその分減ることとなります。これは不動産投資を行っている方が新たに住宅ローンを組む場合にも当てはまるので注意が必要です。投資用ローンの返済も住まいのローン返済も、最終的には同じ家計から支えるものだからです。
子育て世帯にとって見落としがちなのは、空室や家賃下落で投資物件の収支が崩れたとき、その穴埋めも家計から出るという点です。教育費のピークと投資物件の修繕・空室が重なると、住宅ローンの返済に影響が出かねません。
審査に通るかどうかだけでなく、「投資物件の家賃収入をゼロと見ても、住宅ローンの返済と生活費が回るか」を家計簿ベースで確かめてから申込先を選ぶことをおすすめします。
前項で不動産投資と住宅ローンを併用する際の審査上のデメリットを紹介しましたが、この影響を受けにくい住宅ローンをご紹介したいと思います。国が所管する住宅金融支援機構と全国の多くの金融機関が提携して提供しているフラット35です。

フラット35の総返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)の計算では、すべての借入れ(住宅ローン・自動車ローン・教育ローン・カードローンなど)を含めるのが原則です。しかし、賃貸用のアパート向けのローン(ローンの対象が1棟の共同住宅または寄宿舎)である場合は、借入金に含めないと公式に定められています(住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件・2026年4月1日現在)。
つまり、1棟アパートのローンで不動産投資をしている方は、そのローンが総返済負担率の計算から除外されるため、住宅ローンの借入可能額への影響を受けにくいのです。
ただし注意したいのは、除外されるのは「1棟の共同住宅・寄宿舎向けのローン」だけという点です。ワンルームマンションなど区分所有物件の投資ローンは「賃貸予定または賃貸中の住宅に係る借入金」として総返済負担率に含まれます。ご自身の投資ローンがどちらに当たるかは、申込前に取扱金融機関へ確認しておきましょう。
フラット35の基準は、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下です。年収600万円なら年間返済額の上限は210万円になります。
※返済額は説明のための仮の数値です。実際の年間返済額は金利・期間で変わるため、取扱金融機関の試算でご確認ください。
審査の際には、状況に応じて
などの提出を求められることがあります(必要書類は取扱金融機関の案内に従ってください)。
また、フラット35の年収は給与収入のみの方は給与収入金額、それ以外の方は事業所得・不動産所得・給与所得などの所得金額の合計で見るため、不動産所得を確定申告している場合はその所得も年収として評価されます(前掲のご利用条件)。経費を差し引いた「所得」で見る点には注意が必要です。
不動産投資をすることは空室リスクを負うことでもありますので、全期間固定金利のフラット35で月々の住宅ローンの返済額を予め固定できることは、教育費など将来の支出を見通したいご家庭にとっても心強いですね。フラット35の取扱窓口ごとの違いは「SBIアルヒ(フラット35)の住宅ローン審査は厳しい?甘い?」も参考にしてください。
なお、収入に余裕があり区分投資の返済比率も低い方なら、変動金利の民間住宅ローンも十分候補になります。たとえばSBI新生銀行は保証料0円・一部繰上返済手数料0円で、家賃収入の入金時にこまめに繰り上げ返済しやすい設計です。変動と固定の比較は「ソニー銀行の住宅ローンはフラット35よりお得?」で解説しています。
A. 区分所有マンションの投資ローンは1棟アパート向けローンと異なり、総返済負担率の計算に含まれます。年収に対して投資ローンと住宅ローンの年間返済額の合計が基準(年収400万円未満は30%以下・400万円以上は35%以下)に収まるかがポイントになります。
A. 総返済負担率の計算からは除外されますが、審査では信用情報や返済状況、物件の担保評価なども総合的に見られます。延滞歴があれば別の理由で不利になるため、「計算に含めない=審査に無関係」ではないと考えておきましょう。
A. フラット35では給与収入以外の方は所得金額の合計で年収を見るため、確定申告した不動産所得(家賃収入から経費を引いた額)は年収に含まれます。民間銀行の扱いは金融機関ごとに異なるので、申込先に確認してください。
A. 住宅ローンは本人や親族が住むための融資のため、無断で賃貸に出すと契約違反となり、一括返済を求められるおそれがあります。転勤などやむを得ない事情がある場合は、必ず事前に借入先の金融機関へ相談しましょう。
フラット35に関連する関連記事の一覧を紹介します。フラット35選びの参考にしてください。
※取扱状況・商品内容・金利は変わることがあります。最新の情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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