2021年12月27日
住宅ローンを組む際に変動金利が良いのか、固定金利が良いのか悩む方は少なくありません。実際、ファイナンシャルプランナーや銀行員の中でも変動金利派と固定金利派は分かれます。そこでどちらかに決められないという方のためにあるのが「ミックスローン」です。ミックスローンは、変動金利と固定金利といったように2本の住宅ローンを合わせて借りる契約方式です。
この記事では、ネット銀行の中でも人気が高いauじぶん銀行が提供しているミックスローンについて、メリット・デメリットの両方の視点を交えながら解説します。
目次
※1 2022年6月現在の金利に金利引下げキャンペーンの金利引下幅を適用した金利です。
※2 2022年6月現在の金利にau金利優遇割および金利引下げキャンペーンの金利引下幅を適用した金利です。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。それぞれの金利プランの詳細はこちらから確認してください。
auじぶん銀行は2008年に設立されたインターネット専業銀行です。
過去、住宅ローンといえば店舗で相談をしながら進めるのが一般的でした。しかし、auじぶん銀行には店舗がなく、住宅ローンの契約手続きのほとんどをスマホやパソコンで行うことができます。
auじぶん銀行はメディアや情報サービスが提供する「住宅ローンランキング」で上位の常連になっている銀行です。
auじぶん銀行の住宅ローンの特徴は、低い金利水準と手厚い保障の団体信用生命保険(団信)に二分することができます。金利については後述するとして、ここでは団信について簡単に触れます。
auじぶん銀行の団信の特徴は、保障範囲が広くて厚く、そして経済的であることです。
例えば、金利上乗せなしで加入できる「がん50%保障団信」は以下の保障内容になっています。
auじぶん銀行のウェブサイトを元にみんなの住宅ローン編集部作成。正確な保障内容や利用条件の確認はauじぶん銀行のウェブサイトをご覧ください。
団信といえば死亡・高度障害時の保障が基本となっており、がん団信に加入する場合は、金利上乗せが必要になる銀行が多いのが実情です。
しかし、auじぶん銀行では金利上乗せなしで、上記のがん50%保障団信に加入できるので、多くの消費者から支持を得ています。
がん50%保障団信はあくまで一例であり、auじぶん銀行では金利の上乗せは必要ですが、さらに保障が手厚いがん100%保障団信、給付金が支給される11疾病保障団信も取り扱っています。そしてここまで取り上げた団信は50歳までの方が利用できます。
また、auじぶん銀行では51歳以上の方が利用できる一般団信や、病歴や持病があるせいで療養中の保障が付いた団信や一般団信に加入できない方のためのワイド団信も取り扱っています。
一般団信とワイド団信は主に死亡・高度障害やリビング・ニーズに絞ったシンプルな保障内容になっています。
一般的に、保障内容が手厚い団信を利用の際は、金利上乗せが必要になるか、金利上乗せは必要ないまでも通常の金利自体が高い場合があります。しかしauじぶん銀行の金利は以下の通り、かなりの低水準であるにも関わらず、金利上乗せなしでがん50%保障団信の保障が付くわけですから、様々な銀行の住宅ローンを吟味した方ほどその魅力が理解できると思います。
金利種類 | 金利 |
変動金利 | 年HPご確認%(全期間引下げプラン) |
固定10年 | 年HPご確認%(当初期間引下げプラン) |
固定20年 | 年HPご確認%(当初期間引下げプラン) |
固定35年 | 年HPご確認%(当初期間引下げプラン) |
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。
※auじぶん銀行ウェブサイトを参考に筆者作成。最新の金利はauじぶん銀行のウェブサイトをご確認ください。
ミックスローンの解説をする前に、ここからは変動金利と固定金利のメリットとデメリットについて解説します。まず、住宅ローンの金利を理解するためには以下の3つの言葉を覚えておく必要があります。
基準金利:借入金利を決定する前の基準となる金利
引下げ幅:借入金利を求めるために基準金利から引く幅のこと
借入金利:基準金利から引下げ幅を引いた顧客が借入時に利用する金利
変動金利のメリットは、前述の表からもわかる通り、金利が固定金利よりも低いことです。
また、auじぶん銀行では、「全期間引下げプラン」を提供しているので、基準金利が上がらない限りは当初の金利が続くことになります。
変動金利のデメリットは金利上昇の可能性があることです。どんどん金利が上がってしまった場合、固定金利を追い抜いてしまう場合も想定されます。
しかし、日本は20世紀の終盤に日銀によって実施された「ゼロ金利政策」以降、様々な金融緩和策が実施され、低金利の状態が長期化しています。
日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、豪州においても近年は10数年前と比較して金利が低下傾向にあり、「金利はそう簡単には上がらないだろう」と考える方は少なくありません。そういった考えの方は変動金利を選んでいる傾向があります。
(参考)
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/seisaku/b42.htm/
固定金利のメリットは金利上昇リスクがないことです。前述の通り、日本が低金利の国になって久しいですが、金利上昇のリスクが絶対にないとはいえません。例えば、物価上昇率が激しい新興国では金利を上げることは珍しくありません。
もし日本で新興国のような物価上昇が起きれば、金利を引き上げる可能性は否定できないということです。
また、実際、「日本もそろそろ金利が上がるだろう」という考える方は固定金利を選んでいるわけですが、固定金利型の住宅ローンの代表ともいえる住宅金融支援機構が提供するフラット35(借入期間が21年以上35年以下、融資率9割以下、団信付き)の金利は、近年だけで見れば金利の底打ち感があります。
(参照資料)住宅金融支援機構 【フラット35】借入金利の推移平成29年10月から
https://www.flat35.com/files/400343898.pdf
固定金利のデメリットは、一般的に変動金利よりも金利が高いことです。前述の表にもあるとおり、固定金利の利率は変動金利を上回っています。
また、当初期間引下げプランは最初の10年、ないしは20年間は金利の引下げ幅が大きくなっているプランです。当初期間終了後は基準金利からの引下げ幅が縮小し、借入金利が上昇するのが一般的です。短期で返済する計画の方に向いているプランだといえます。
ここまで見てきた通り、変動金利と固定金利にはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらかに決めきれないという方は多いと思います。また、固定金利も何年の当初期間を選んだら良いか悩ましいものです。そういった悩みを解決するのがミックスローンです。ミックスローンは2本の住宅ローンを組み合わせて借りるタイプの契約形式です。
2本の住宅ローンの割合は50:50に限定されず、30:70、もしくは 25:75など、自由に決められます。また必ずしも変動金利と固定金利のように種類の異なる組み合わせにする必要はありません。下記にミックスローンの組み合わせの例を記載します。
固定と変動を組み合わせるのがミックスローンの最も代表的な形です。変動か固定かに迷った方は、この方式を選ぶと良いでしょう。
例えば当初固定10年の住宅ローンと当初固定20年の住宅ローンの選択に迷った時のように、どちらの固定金利タイプにしようか迷った時にもミックスローンは有効です。
同じ変動金利の住宅ローンを2つ組むこと自体には一見メリットは感じられません。しかし、変動金利をいずれ固定金利に変更する可能性がある方にとってはこの組み合わせは有効です。変動金利の住宅ローンを2本で組んでおけば、どちらか片方だけを固定に変えることができます。後から変動と固定のミックスローンに変更したり、種類の違う固定金利のミックスローンを組むなどのように先々の選択肢を広く持つことができるということです。
ミックスローンを組む際には注意点があります。ミックスローンは住宅ローンの契約件数が2本になるため、1本で住宅ローンを組むよりも登記関連費用が高額になってしまいます。詳しくはauじぶん銀行または、司法書士に確認をしておきましょう。
また、auじぶん銀行では審査の結果、保証会社の利用が必要とされた方用の「保障付金利プラン」が存在します。保障付金利プランの利用者は、ミックスローンを利用できません。
ミックスローンは、金利の相対比較がしやすい分、「こうすればよかった」という気づきが生じやすい傾向があります。
ミックスローンを選択する場合、auじぶん銀行では、当初に選択した金利プラン(全期間引下げプランまたは当初期間引下げプラン)が、完済時まで適用される点については注意が必要です。
例えば、35年ローンを組む場合に、全期間引下げプランで変動金利を借り、当初期間引下げプランで10年固定金利を借りたとします。
この場合、仮に当初期間引下げプランの優遇された金利引下げ幅が適用される10年間に基準金利が上がらない場合は、「結局金利は上がらなかったから、今後も上がらない気がするので10年固定金利の方も全期間引下げプランの変動金利に変更したい」という想いが生じる可能性があります。経験によって見解がはっきりしてくるということです。もちろん金利が上がった場合は、上記とは違う考えが生じるでしょう。
全期間引下げプランの変動金利の金利引下げ幅は、当初期間引下げプランの当初の固定金利期間が終了した後の金利引下げ幅より大きくなります。上記の例でいうと10年経過後は、金利の低い全期間引下げプランと、金利が相対的に高い当初期間引下げプランのローンが存在することになります。
しかし、金利プラン(全期間引下げプランまたは当初期間引下げプラン)は途中で変更できないため、全期間引下げプランと当初期間引下げプランで借りていたミックスローンを全て全期間引下げプランにすることはできません。
上記の例では、当初期間引下げプランの10年固定金利のローンを優先的に繰上げ返済し、10年後以降の返済がない状態を作っておけば、金利が相対的に高いローンを抱えなくてすみます。
ミックスローンを選択し固定金利を選ぶ際には、金利引下げ幅が変わるタイミングを把握し、計画的に繰上げ返済を行うなどの対応が必要になります。
二者択一を苦手とする方は多いと思いますが、金融商品は、迷ったときに両方選ぶことができるという特徴があります。
住宅ローンを組む際には多くの方が変動か固定かの二者択一で考えてしまいますが、ミックスローンを利用することで、両方選ぶことが可能になります。
参考サイト:auじぶん銀行
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