公開日: 2026年7月22日

住宅ローンの金利や商品性を比較するランキングで、頻繁に上位にランクインしている銀行の1つに「auじぶん銀行」があります。
auじぶん銀行の住宅ローンが人気を集めている最大の理由は、金利が低い(安い)ことですが、上乗せなしで付けられる充実した団体信用生命保険(団信)によって、借りたあとも家族の暮らしを守りやすいことも大きな魅力になっています。
では、auじぶん銀行はなぜ金利や保障の負担が軽い住宅ローンを出し続けられるのでしょうか。家計を預かる立場の目線で、その理由をやさしく分析していきます。
目次
auじぶん銀行は、2008年にKDDIと三菱UFJ銀行が共同で開業したインターネット銀行で、一般的な銀行のように実店舗を持たないのが大きな特徴です。2025年1月末には、KDDI(auフィナンシャルホールディングス)が三菱UFJ銀行の保有株式を取得し、現在はKDDIグループの100%子会社(中核銀行)となっています(三菱UFJ銀行との業務提携自体は継続しています)。
スマートフォンをはじめとするデジタル端末に特化しており、住宅ローンや口座開設などの手続きはパソコンやスマホを使ってネット上で行います。問い合わせも基本的にチャットやコールセンターを利用する形です。ネット銀行はスマホやPCとの相性がよく、機器が一台あれば多くの銀行サービスを利用できるため、忙しい子育て世帯や共働き世帯にとって使い勝手のよい仕組みといえるでしょう。
また、auじぶん銀行は顧客基盤を広げるために、満足度の高いサービスや商品を打ち出し続けている点も見逃せません。店舗を持たない分、店舗の維持費や人件費などのコストを抑えられるため、その分を有利な条件として住宅ローンに反映しやすいのです。
特に、auじぶん銀行の住宅ローンは低金利だけでなく充実した団信(保障)も兼ね備えています。住宅ローンは多くの人にとって一生に一度の大きな契約で、何十年にもわたって付き合う商品です。だからこそ金融機関は、少しでも多くの人に選んでもらえるよう、それぞれの「強み」を前面にアピールしています。
auじぶん銀行の場合、「低金利」と「上乗せなしで付けられる手厚い団信」を看板に住宅ローンを取り扱っていると考えてよいでしょう。
近年は医療技術が進歩し、がんなどの重い病気でも治療しながら暮らしを続けられるケースが増えています。国立がん研究センターの集計でも、がんと診断された方の5年相対生存率はおおむね6割を超える水準です。一方で「日本人の2人に1人はがんになる」とも言われ、誰にとっても身近な病気になりつつあります。だからこそ、住宅ローンを組むときには「もしものとき、家族に返済が残らないか」という視点が欠かせません。
こうしたニーズに応えるように、auじぶん銀行では満50歳までの方を対象に「がん50%保障団信」を金利の上乗せなし(無料)で提供しています。これは、がんと診断された場合に住宅ローン残高の半分が保険金で返済される保障です。
さらに、精神障害を除くすべてのケガ・病気で入院が継続180日以上となった場合に残高が0円になる「全疾病保障(長期入院保障)」も、上乗せなしで付帯します。2023年の改定では急性心筋梗塞・脳卒中などの4疾病について残高の50%を保障する内容も追加され、無料の保障がさらに手厚くなりました。より広くカバーしたい方向けには、がん100%保障団信(+年0.05%)やがん100%保障団信プレミアム(+年0.15%)も選べます。
下表は、auじぶん銀行の主な団信ラインアップと上乗せ金利の目安です(2026年7月時点。最新の内容・条件は公式サイトでご確認ください)。
| 団信の種類 | 主な保障 | 上乗せ金利 |
|---|---|---|
| 一般団信 | 死亡・所定の高度障害 | 0円(無料) |
| がん50%保障団信+全疾病保障 | がん診断で残高50%+4疾病50%+全疾病長期入院で残高0円 | 0円(無料・満50歳まで) |
| がん100%保障団信 | がん診断で残高100%+全疾病保障 | +年0.05% |
| がん100%保障団信プレミアム | がん100%+4疾病で残高100% 等 | +年0.15% |
小さなお子さんがいるご家庭ほど、「万一のときに住まいだけは残せる」という安心は大きな支えになります。金利の低さと同じくらい、家族の生活を守る保障が無料または低負担で付く点は、auじぶん銀行が支持される理由の一つといえるでしょう。
(参考 国立がん研究センター 最新がん統計)
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
auじぶん銀行は比較的新しいネット銀行のため、メガバンクと比べると預金残高などの規模はどうしても小さくなります。そこで気になるのが「規模や健全性は実際のところどうなのか」という点でしょう。成長性と安全性の両面から見ていきます。
成長性については、口座数・預金残高・融資残高の3点で解説します。
auじぶん銀行の預金口座数は、2010年5月時点で100万口座だったものが、2015年9月に200万口座、2020年6月に400万口座、2022年12月に500万口座、そして2024年4月に600万口座へ到達しました。従業員数が630名程度(2024年4月時点)であることを考えると、限られた人員で効率的に業務を回している様子がうかがえます。
預金残高は2018年12月に1兆円を突破し、2024年4月に4兆円、2025年8月には5兆円を突破しました。ローン残高も2019年11月に1兆円を超えたあと急成長を続け、2024年度(2025年3月末時点)には5兆9,598億円に達しています。どちらも非常にハイペースの積み上がりです。
銀行業界全体では、預貸率(預金に対する貸し出しの割合)が低下傾向にある状態が長く続いています。そうした中で、auじぶん銀行が積極的に住宅ローンなどの貸し出しを伸ばしている点に、堅実な成長を感じる方も多いでしょう。
(参考)数字でみるauじぶん銀行
https://www.jibunbank.co.jp/corporate/performance/
auじぶん銀行は、株式会社格付投資情報センター(R&I)から発行体格付「AA」、株式会社日本格付研究所(JCR)から長期発行体格付「AA+」(いずれも方向性は「安定的」)を取得しています(2025年3月付与、2026年に据え置き)。格付は開業当初の「AA-」から段階的に引き上げられてきました。格付の最高値はAAAですが、これらは金融機関として相対的に高い水準であり、財務の健全性の高さを示しています。親会社がKDDIグループという大企業である点も、安心材料といえるでしょう。
つまり、auじぶん銀行は成長性と安全性を両立していると言えます。こうした裏付けもあり、利用者やこれから検討する人でも、経営面を不安視する方は少ないのではないでしょうか。
auじぶん銀行の住宅ローン金利は、変動金利・固定金利ともに低水準で提供されています。ただし、いくら低金利でも自分の家計に合った金利プランとは限りません。ここでは、金利プランを選ぶ際の参考として、それぞれのデメリットに触れておきます。
変動金利のデメリットは、将来的に金利が上昇するリスクがある点です。固定金利は契約当初から返済終了まで金利が変わりませんが、変動金利は経済情勢によって見直されていきます。
日本はバブル崩壊以降、長らく超低金利が続き、変動金利を選んだ方が低金利の恩恵を受けやすい状況でした。しかし日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除して以降、段階的に利上げを進めており、2026年6月には政策金利を1.0%程度へ引き上げています(時点:2026年7月)。今後の金利の先行きは不透明で、変動金利を選ぶ場合は「金利が上がっても家計が耐えられるか」をあらかじめ試算しておくことが大切です。教育費のかかる時期と金利上昇が重なっても無理なく返せる範囲か、という家族目線での確認をおすすめします。最新の適用金利や金利動向は、必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。
このように、経済情勢によって返済計画の見通しが立てにくい点は、変動金利のデメリットといえます。
固定金利(当初金利引下げプラン)のデメリットは、当初の固定金利特約期間が終わると金利の引下げ幅の優遇が終了し、比較的高い金利に切り替わってしまうことです。
この特徴を踏まえると、当初金利引下げプランは次のような方に向いています。
1. 借入期間が当初の固定金利特約期間のみで終わる方
2. 繰上げ返済を積極的に行い、当初の固定金利特約期間内で完済する予定の方
1の例としては、借り換えなどで借入期間を長く確保しない方が挙げられます。たとえば20年ローンを組む際に当初の固定金利特約期間を20年にすれば、全期間が当初の固定金利特約期間ということになります。
2の例としては、新規で35年ローンを借りつつ、繰上げ返済によって20年程度で完済することを目標にしている方が該当します。
auじぶん銀行の住宅ローンには”0円”で利用できるサービスが6つあります。
対面型の銀行では、融資の条件に「保証会社の利用」を必須とし、その保証料を利用者が負担するケースがあります。保証料は住宅ローンに必要な費用なので損というわけではありませんが、払わずに済むならそれに越したことはありません。
auじぶん銀行では、一般団信の保険料を銀行側が負担するため、実質的に利用者の負担がありません(※1)。加えて、がん50%保障・4疾病保障・全疾病入院保障のほか、セカンドオピニオンサービスや電話健康相談サービスも付いています。
さらに、審査の結果に問題がなければ保証会社を利用しないため、保証料がかかりません(※1 審査の結果によっては保証会社を利用する場合がありますが、保証料相当額は金利に含まれており、別途保証料は発生しません)。
住宅ローンはauじぶん銀行で借りたものの、給与振込口座は別の銀行という方も多いでしょう。そのような場合でも、auじぶん銀行では定額自動入金サービスを使えば、毎月のローン返済分を給与振込口座からauじぶん銀行の口座へ自動で移動できます。他行間の資金移動には手数料がかかることが多いのですが、auじぶん銀行なら無料で行えます。
一部繰上げ返済を書類手続きで行うと、対面型銀行によっては1万円以上の手数料がかかることがあります。auじぶん銀行では、一部繰上げ返済はインターネット上での手続きになるため、手数料が発生しません。教育費のめどが立ったタイミングなどでこまめに繰上げ返済をしたい家庭にとっては、うれしいポイントです。
住宅ローンを紙の契約書で契約すると、借入額が1,000万円超5,000万円以下の場合は2万円、5,000万円超1億円以下の場合は6万円の「収入印紙代」がかかります。
1件でも痛い出費ですが、ペアローンの場合は契約書が2件分になるため、収入印紙も2件分必要です。一方、auじぶん銀行はネット契約書になるため紙の契約書がなく、収入印紙を購入する必要もありません。地味ではありますが、数万円でも出費を抑えたい方にとってはありがたい節約です。
auじぶん銀行では、登記手続きのための司法書士面談以外は住宅ローンの申し込みから契約までをすべてインターネット上で完結できます。
一人で申し込むことに不安を感じる方も少なくありませんが、ウェブサイトには手順や必要書類のチェックシートがわかりやすく用意されているので、初めての方でも比較的スムーズに手続きを進められます。
疑問点はコールセンターに電話すれば丁寧に答えてくれるので安心です。auじぶん銀行の住宅ローンセンターは、HDI-Japan主催の「問合わせ窓口格付け」「クオリティ格付け」で最高評価の三つ星を獲得した実績もあり、サポート面でも安心感があります(最新の受賞状況は公式サイトでご確認ください)。
auじぶん銀行は実店舗を持たないネット銀行のため、地域を問わず日本全国の方から広く選ばれています。マイホーム購入時は最寄りの対面型銀行で借りたものの、あとからauじぶん銀行の好条件な住宅ローンへ借り換えたという方も少なくありません。
これまで忙しくて銀行に行く時間がなかった方でも、自宅にいながら手続きができます。
地方在住などで希望する銀行が近くになく不便を感じていた方でも、ネット環境さえあればどこからでも手軽に申し込めます。時間や場所に縛られたくないという方に、auじぶん銀行は広く選ばれているといえるでしょう。
近年は共働き世帯が増え、それに伴って夫婦が協力して組む「ペアローン」を利用する方も増えています。
ペアローンは、夫婦のどちらか一方が病気などで働けなくなると返済の比重が重くなりがちですが、auじぶん銀行の住宅ローンならがん診断時や入院時の保障が充実しているため、世帯としての安心感を確保しやすくなります。万一のときに「片方の返済が残っても、もう片方の家計だけで抱え込まない」ための備えとして、団信の中身は夫婦でしっかり確認しておきたいところです。
また、ペアローンのために夫婦2人そろって銀行の窓口へ行くのは、忙しい家庭にとって大きな負担です。auじぶん銀行ならインターネット上でほとんどの手続きが進むため、スケジュール調整のストレスも軽減できます。
さらに、都心を中心に価格が1億円を超える物件も珍しくなくなりました。借入限度額が1億円以下の銀行で高額物件を購入する場合は個別の交渉が必要になることもありますが、auじぶん銀行の住宅ローンの借入限度額は500万円以上2億円以下(10万円単位)となっており、高額物件を検討する方にも利用しやすい設計です。
Q. auじぶん銀行は店舗がなくても住宅ローンの相談はできますか?
A. 申し込みから契約までネットで完結しますが、疑問点はコールセンターやチャットで相談できます。必要書類のチェックシートも用意されているため、初めての方でも進めやすい仕組みです。
Q. 共働きで夫婦それぞれの収入を活かして借りたいのですが、どんな借り方がありますか?
A. 夫婦それぞれが債務者となる「ペアローン」や、一方の収入に他方の収入を合わせて借入額を増やす「収入合算」といった方法があります。世帯での借入額が増える分、片方が働けなくなったときの備え(団信の内容)まで含めて検討すると安心です。
Q. 子どもの教育費が心配です。金利プランはどう考えればよいですか?
A. 変動金利は当初の返済額を抑えやすい一方、将来の金利上昇リスクがあります。教育費が集中する時期に金利が上がっても返済を続けられるか、余裕をもった返済比率で試算しておくことが大切です。金利が上がったときの返済額もシミュレーションしておくと、家計の見通しを立てやすくなります。
Q. auユーザーでないと不利になりますか?
A. auユーザー向けの金利優遇プログラムなどはありますが、auユーザー以外でも住宅ローンは利用できます。適用条件は変わることがあるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください。
auじぶん銀行の住宅ローンは、低金利に加えて上乗せなしで付けられる手厚い団信が魅力で、auの優遇サービスを最大限活用すると金利負担はさらに軽くなります。これは、激しい顧客獲得競争のなかで、他行に選ばれるためにauじぶん銀行が磨き上げてきた強みだといえるでしょう。
そう考えると、auじぶん銀行が継続して好条件の住宅ローンを提供できる理由も見えてきます。特にauユーザーにとってはメリットが大きく、アプリを活用すれば返済状況や返済計画の確認も手軽に行えます。
もっとも、住宅ローンは各家庭のライフプランによって最適解が変わります。金利のわかりやすさや諸費用、団信を重視するなら、店舗相談とオンライン手続きの両方に対応し、上乗せなしの全疾病保障付団信をそろえるSBI新生銀行なども含めて、複数行を比較して選ぶと納得感が高まります。詳しい条件は各行の公式サイトやアプリでご確認ください。
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