2024年9月2日
auじぶん銀行の住宅ローンは病気やケガに対する保障の手厚さと、幅広い金利タイプでの金利の低さが特徴の住宅ローンです。第三者による調査機関などの調査や各種ランキングおいても評価が高い住宅ローンです。
auじぶん銀行の住宅ローンは変動金利タイプの金利が特に低いので、変動金利の金利の低さばかりが目立ちますが、固定金利タイプでも低い金利が設定されています。
例えば、当初10年固定金利タイプの金利は年HPご確認%(当初期間引下げプラン)です。金利が上昇傾向にありますが、他の金融機関との比較では相対的に低い水準です。
一般的に住宅ローンの金利は、変動金利<固定金利(固定期間が長いほど金利も高い)です。そのため、多くの人が変動金利タイプを利用していますが、固定金利タイプは借入期間中に金利が変動するリスクがないというメリットがあります。金利が安定する代わりに利率が高いということですね。
当初10年固定金利タイプの年HPご確認%(当初期間引下げプラン)も一定期間の金利を固定したいと考えている人にとって魅力的です。
※2024年9月適用金利。
※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。
この記事では、変動金利タイプが注目を集めがちなauじぶん銀行の住宅ローンの、”10年固定金利(当初期間引下げプラン)”について他のネット銀行と比較しながら解説していきたいと思います。なお、日銀によるマイナス金利政策の終了に伴い、10年固定金利などの金利タイプも人気を集める可能性があるのでしっかり確認しておくようにしましょう。
目次
具体的な商品の詳細に入る前に住宅ローンの金利の決まり方を解説しておきます。
一般的な銀行の住宅ローンの金利は、以下のように基準金利から引下げ幅を引いた金利が借入金利として適用される仕組みになっています。
日本の住宅ローンの金利は、以下の2つの要因によって低い状態が継続しています。
■住宅ローンの基準金利が上がっていない
■金融機関同士の金利引き下げ競争が進み、金利の引下げ幅が大きくなっている
基準金利は、借入金利を決定する前の段階の金利です。一般的に、変動金利の基準金利は日銀が決定する政策金利の影響を受け、固定金利は10年もの国債の金利など長期金利の影響を受けながらそれぞれの金融機関が最終決定していると言われています。2024年に入って政策金利があがっているので、基準金利に対する上昇圧力が高まっています。
今回、取り上げる固定金利タイプ(当初10年固定)の当初10年間の金利は10年もの国債の金利(長期金利)などの影響を受けながら金利水準が決定されていると覚えておくと良いでしょう。
次にauじぶん銀行の住宅ローンの金利タイプについて整理していきましょう。auじぶん銀行の住宅ローンには3つの金利プランが用意されています。
当初期間引下げプランは、最初に選んだ特約期間(固定金利が適用される期間)の金利引き下げ幅が大きく、特約期間終了後の金利引き下げ幅が小さい金利プランです。特約期間終了後の金利引き下げ幅は、全期間引下げプランより小さくなります。
全期間引下げプランは借入期間の全期間の金利の引き下げ幅の変動を小さくする金利プランで、当初期間引下げプランの最初の特約期間よりは金利の引下げ幅は小さくなります。
保証付金利プランは、審査の結果で、保証会社の利用が必要だと判断された人向けの金利プランで、保証料相当額が上乗せされた金利が設定されます。保証付金利プラン専用の基準金利から審査結果で金利の引下げ幅・借入金利が決定します。
この記事では、当初固定金利タイプの中でも特に人気がある「10年固定金利(当初期間引下げプラン)」について解説していきたいと思います。
auじぶん銀行の10年固定金利(当初期間引下げプラン)の金利は、最初の10年間は金利の引下げ幅が大きく、その後金利の引下げ幅が小さくなる、という仕組みになっています。
10年固定金利(当初期間引下げプラン)の特徴は下記の通りです。
「10年固定金利タイプ(当初期間引下げプラン)」は、金利の低さと当初固定金利期間長さのバランスが取れている金利タイプです。
借り入れ時点の低金利だけを追求するのであれば、変動金利を選ぶのが一般的です。しかし、変動金利の場合は金利が上昇してしまうリスクを負う必要があります。その点、10年固定金利(当初期間引下げプラン)であれば、当初10年間は金利の上昇はないので、住宅ローンの残高が多い最初の10年間の金利を固定できる安心感があります。
基準金利は、10年もの国債の金利の影響を受けます。10年もの国債の金利は、日銀の政策にかかっています。マイナス金利政策は2024年3月に解除されたあとは上昇傾向にあります。
※出典:三井住友銀行ホームページ
日銀は、マイナス金利政策解除をしても、短期金利の政策金利は特に利上げせずに据え置いています。(2024年9月2日時点)ただし、未来に”絶対”はありえないので急に日銀が金融政策を変更するなど、予想を反する動きがあれば、当然、金利が上昇する可能性はあります。
金利があがるリスクに備えつつ、ある程度低い水準の金利で住宅ローンを借りるには、10年固定金利(当初期間引下げプラン)などの固定金利タイプの住宅ローンを利用することが効果的です。
参考
https://www.boj.or.jp/mopo/outline/qqe.htm/
本記事執筆時点(2024年9月2日)以降の日本の金利はどうなるのでしょうか。日本の金利の行方は、日銀が握っているといっても過言ではありません。
日銀は短期金利と長期金利の両方に政策を打っています。短期金利は、日銀の当座預金の政策金利残高の金利を対象としており、その金利は2022年12月の日銀の金融政策決定会合時点では年率▲0.1%でした。2023年中にこの政策が変更になる可能性は否定できません。
長期金利については、先述のとおり10年もの国債の金利を一定水準に抑えるために、国債を買い入れる政策を実施中です。2023年10月の金融政策決定会合で上限を1%とし、1%を超えることも許容するYCC政策の修正を発表しています。
住宅ローンの金利には、変動金利と固定金利があり、変動金利は、短期金利に影響を受けます。もう少し細かくいうと、短期金利が短期プライムレートに影響を与え、短期プライムレートが住宅ローンの変動金利に影響を与えます。日銀が当座預金の政策金利残高の金利を▲0.1%から引き上げると、短期プライムレートが上がり、住宅ローンの変動金利は上昇する可能性があります。
日本では住宅ローンを変動金利で借りている人が多いため、短期金利の引き上げは、多くの国民を苦しめることに繋がります。ちなみに、短期金利が上がると、変動金利型の奨学金を返済中の人の利払いも増えてしまうため、多くの国民の家計に痛みが生じます。
一方、住宅ローンの固定金利は、10年もの国債の金利に影響を受けます。固定金利は長期プライムレートの影響を受け、長期プライムレートは国債の金利の影響を受けるという仕組みです。日銀が国債の金利を抑える政策を終了させたり、金利を抑える幅を広げたりすると、固定金利は上がる可能性が高いでしょう。
しかし、固定金利が上がっても、既に住宅ローンを借りている人たちの固定金利は上がりません。新しく固定金利を借りる人は、高い金利で借りなくてはいけませんが、借りているローンの金利が上がるよりは、国民に与えるショックは大きくないといえると思われます。
今後の日銀の政策について、具体的な予想はできませんが、日本にもインフレが押し寄せている以上、国債の金利については上昇しても不自然ではないと思われます。
(参考)
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2022/k221220a.pdf
auじぶん銀行の住宅ローンの10年固定金利(当初期間引下げプラン)の注意点は主に以下です。
10年固定金利(当初期間引下げプラン)は、将来、よほど住宅ローンの基準金利が下がっていない限り、11年目以降の金利上昇は免れない金利タイプと考えておくようにしましょう。なお、10年の固定金利特約期間終了時に何も手続きをしなかった場合は変動金利に切り替わります。変動金利を選択したくない方は固定金利への選択手続きが必要です。
10年固定金利(当初期間引下げプラン)は下記のようなニーズがある方に向いています。
子育て中の家庭の方で今後10年以内に子供が大学や私立の学校に入学する予定をしている場合、教育費・養育費だけでもまとまった金額になります。万が一、世の中の金利が上昇して住宅ローンの支払いが増えてしまうと家計が苦しくなります。
このように家計全体の収入と支出のバランスを崩したくない時期がこの先10年間の間に予定されている場合、10年固定金利(当初期間引下げプラン)は有力な選択肢となります。
また、「ローンがある状態が好きではない」と思っている人で、収入に余裕がある人は繰り上げ返済を早いペースで行い当初の固定金利特約期間10年が終了する時点で完済する計画を立てるケースがあります。繰り上げ返済を進めていくと、11年目以降の住宅ローンの残高が少なくなるので、当初10年の固定金利期間終了後に金利が上昇して、毎月の返済額が上昇する幅を小さくことができます。
他の銀行で金利が高い住宅ローンを借りている人は、低い金利の住宅ローンに借り換えをすることで総返済額を抑えられる場合があります。残りの返済期間が10年程度の方は借入期間のほとんどが当初の固定金利特約期間となりますので、低金利&金利上昇リスクを低減できる当初10年固定金利タイプを選ぶのは合理的です。
更に、今後10年間の間に金利が上がると考える場合、当初10年固定金利タイプは合っているでしょう。ただし、予測通りに金利が上がって、当初10年が終了した時点でも金利が上がっているままだった場合は、当初10年の固定金利特約期間が終了したタイミングから金利上昇の影響を受けてしまうことになります。金利が上がると考えている方は、繰上げ返済を進めたり、早めに借り換えを考えるなどの対策をすると良いでしょう。
ここからはauじぶん銀行の固定金利型の住宅ローンと、ネット銀行の中でも人気が高い住信SBIネット銀行で提供している固定金利型の住宅ローンを比較してみます。
今回は住信SBIネット銀行が提供している「住宅ローン(WEB申込コース)」の当初引下げプランの固定金利タイプ、特約期間10年の商品を比較対象とします。
auじぶん銀行の住宅ローンと住信SBIネット銀行の住宅ローン(WEB申込コース)は共に怪我や病気の療養時の保障が手厚くなっています。ここでは、公平性を保つために金利上乗せなしの条件で比較します。
auじぶん銀行では金利上乗せなしで、入院保障付きのがん50%保障団信に加入できます。(満50歳まで)保障内容の概要は下記の通りです。責任開始日以降の免責期間などを含む詳しい内容はauじぶん銀行の説明資料をご確認ください。
■残債が保険金で完済される状態
■残債の半分が保険金で完済される状態
■毎月の返済金額分の保険金が支払われる状態
■その他の特典
住信SBIネット銀行の住宅ローン(WEB申込コース)の加入者は金利上乗せなしで、団信に加入でき、全疾病保障が付いています。保障内容の概要は下記の通りです。責任開始日以降の免責期間などを含む詳しい内容は住信SBIネット銀行の説明資料をご確認ください。
■残債が保険金で完済される状態
■毎月の返済金額分の保険金が支払われる状態
※通算払込回数制限あり
auじぶん銀行のがん50%保障団信は、がんであれば診断確定でまとまった保険金が支払われるというわかりやすさがあります。がんは2人に1人がなる病気ともいわれているので、保険金が発生する可能性は低くありません。住信SBIネット銀行もがんを対象とする保障はありますが、保障内容はauじぶん銀行の内容とはかなり異なります。
一方で、がん以外の療養時の保障に関しては、auじぶん銀行は「入院」が条件となっており自宅療養が含まれるかどうかは保険会社の判断になってきます。住信SBIネット銀行は8大疾病であれば「就業不能」が条件となっているため、働けないほどの症状であれば自宅療養も含まれるかもしれません。(判断は保険会社がします)
長期療養によって残債が完済される保障に関しては、auじぶん銀行の「入院」の条件より、住信SBIネット銀行の「8大疾病であれば就業不能」という条件の方が一見保険金の支払い事由に該当しやすいように見えます。しかし、auじぶん銀行は入院継続180日が条件であり、住信SBIネット銀行の8大疾病で就業不能1年の条件よりも日数は少なくて済みます。どちらの銀行の方が保険金が支払われやすいかは甲乙つけがたくなっています。
ここまで見てきた通り、auじぶん銀行の10年固定金利(当初期間引下げプラン)の金利は相対的に見ても有利だといえます。また、入院時の保障が付いたがん50%保障団信は保障の深さと広さを両立した内容になっており、多くの方から支持を得ています。金利変動リスクは取りたくなく、早期の完済を目指す方にとってはauじぶん銀行の10年固定金利(当初期間引下げプラン)は検討対象になるのではないでしょうか。
なお、固定金利タイプの住宅ローン金利は徐々に高くなってきています。金利を固定したいと考えている人はタイミングを逃してしまうことの無いように気を付けてください。
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