2024年11月17日
この記事ではがんになった時に住宅ローンの残高がチャラにになる住宅ローンについて解説しています。
最近はauじぶん銀行の住宅ローンのようにがんになった時に住宅ローンの残高が保障されるだけでなく、脳卒中や心筋梗塞にまで対応する住宅ローンが登場しています。
住宅ローンの返済中にがんや脳卒中なった時にどのように備えられるのか、詳細を確認したい人は以下のページなどで確認確認しておいてください。
インフルエンザや新型コロナウイルスのような感染症のような病気と違って、がんは人から人に感染していく怖さはありませんが、日本人の2人に1人が生涯のうちにがんにかかると言われています。また、最近の医療の高度化や早期発見しやすくなったこともあり、「がん」になるとすぐに命に関わると言う時代ではなくなってきています。(参考記事:国立がん研究センターの調査結果の解説)
目次
医療の発展によりがんの生存率は高まっていますが、一方で、がんの治療に多額の費用がかかるケースが増えています。ちょっと休んでいれば回復する病気と違って、がんは自然に回復するような病気ではないので、早期発見・早期対応とリハビリが必要になってきます。
完治率・生存率が高まっているのは良いことですが闘病期間が長くなる可能性もあります。また、がんの治療にかかる費用だけでなく、がんになったことで働けなくなったりして収入が減少すると考えておく必要もあります。
がん保険や入院保険(医療保険)に加入していれば一定金額の治療費を保険金で受け取ることができますが、収入の減少には備えることができません。特に住宅ローンの返済が残っている状態で、給料が減ってしまうと家計が一気に苦しい状態に陥ってしまうので、最近は「がんなどの病気に対する保障が付帯する住宅ローン」で備える人が増えています。
この数年、無料でがんに備えられるネット銀行の住宅ローンが数多く登場してきました。しかも、がんと診断されるだけで保険金が支払われる保障が無料でセットされる住宅ローンもあります。
”無料で使える疾病保障”というだけで魅力的ですが、住宅ローンの疾病保障において重要なポイントは、「費用」だけでなく「保険金の受取条件」です。例えば、「〇か月の入院で保険金を受け取れる」というような厳しい受け取り条件がある保障に加入していてもいざという時に保険金が支払われない可能性があります。
「●●疾病保障」と言う同じような名前でも、保障内容は違いますので保険金の受取条件を把握して最新情報を各金融機関の公式サイトで確認するようにしてください。
銀行名 | 変動金利 | 10年固定 | ガンに対する保障 |
---|---|---|---|
SBI新生銀行 | 年0.410%※2 | 年0.950% | がんなどを含む病気やケガで要介護状態になるなどの条件を満たすと住宅ローン残高がゼロ(チャラ)になる/年0.1%の金利負担でがんと診断されるだけで住宅ローン残高がゼロになる疾病保障も取り扱い |
住信SBIネット銀行の住宅ローン(WEB申込コース)(※3) | 年0.448%~ (通期引下げプラン) | 年1.303%(当初引下げプラン) | がんなどの病気やケガ働けない状態が1年以上継続すると月々の住宅ローン返済が免除され、働けない状態が12ヶ月経過すると住宅ローン残高がゼロ(チャラ)になる |
ソニー銀行 | 年0.647%(新規購入) (変動セレクト) | 年1.419% (固定セレクト) | がんと診断されるだけで住宅ローン残高が1/2に免除される ※2023年11月1日以降、物件の購入価格を超えて借り入れる場合は金利が年0.05%上乗せになります(新規購入時)。 |
PayPay銀行(※4) | 年0.499%(全期間引下型) | 年1.165%(当初期間引下型) | がんと診断されるだけで住宅ローン残高が1/2に免除される |
住信SBIネット銀行の住宅ローン(対面相談コース)(※5) | 年0.448%~ (通期引下げプラン) | 年1.303%(当初引下げプラン) | 通常の団体信用生命保険、全ての病気やケガに備える全疾病保障に加え、お借入時のご年齢に応じてガン診断時給付を含む3大疾病保障特約(50%)を基本付帯 |
住宅ローンは何十年も返済を続ける必要があります。
一昔前は住宅ローンを契約する時には死亡や高度障害状態になった場合に備える団信(生命保険)に加入すれば十分と考える人が大半でした。
ところが、医療の発展(生存率の上昇)・晩婚化(住宅ローン契約の高齢化)・がんの早期発見率の上昇など、住宅ローンを契約する私たちを取り巻く環境が変化したことで、がんに代表される将来の病気やケガに備えることができる住宅ローンのニーズが高まり利用者が増えています。
とくに、がんに備えられる住宅ローンには様々な種類があり、業界全体としては保険料を住宅ローン利用者が負担する形で加入する疾病保障の商品が大半でしたが、先ほど紹介したようなネット銀行など無料でがんに対する保障がついてくる住宅ローンの提供を開始しています。
医療の高度化が進み、がんの早期発見も増え、生存率が高まっているということは「がんになったらすぐに死ぬ≒残された家族のための死亡時の保障がある生命保険に加入していれば良い」という時代ではなくなっていることを意味しています。
「がんになっても、最新医療を活用することで長生きできるし、完治する可能性も高まっている。ただし、治療にはお金がかかるし、どうしても収入は不安定になってしまう。」という考え方で備えることが重要です。
住宅ローンを利用する場合も同じで、「がんになっても治療して普通の生活に戻れる可能性が高くなってきている」ということを念頭に、がんや病気になった時に治療に集中できる疾病保障を検討することが大切です。ネット銀行は無料でがんに備えられる住宅ローンを提供していることもあって、がんと診断された時に住宅ローンの残高が保険金で支払われる疾病保障がついてくる住宅ローンを利用する人が増えています。
特にがんと診断された時に住宅ローンの残高が半額になる保障が”無料”でついてくるauじぶん銀行やソニー銀行の住宅ローンは高い人気を集めています。
住宅ローンにつけられるがんに対する保障にはいくつかの種類がありということ、また、その保障内容も実は違っていることを説明しましたが、もう少し具体的に各金融機関についているがんに対する保障内容の特徴を比較・整理してみました。
保障の範囲 | がんに対する備え | 保険料無料で取り扱う銀行 | 保険料有料で取り扱う銀行 |
がんに限定した保障 | がんと診断されるだけで保険金が支払われる | ソニー銀行 | 多数。SBI新生銀行、みずほ銀行、鹿児島銀行、千葉銀行、横浜銀行など |
がん以外の疾病にも備える(8疾病保障、3疾病保障など) | がんと診断されるだけで保険金が支払われる | 住信SBIネット銀行(満50歳以下の方) | 多数。アルヒなどのフラット35の新3大疾病付機構団信。ソニー銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行 |
がんを含む全ての病気やケガに備えられる(全疾病)※精神障害除く | がんと診断されるだけで保険金が支払われる | auじぶん銀行 | 静岡銀行など |
一定期間就業不能が継続した場合に保険金が支払われる | 住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、PayPay銀行 |
地銀など | |
その他 | 一定期間就業不能(介護)が継続した場合に保険金が支払われる | SBI新生銀行(融資事務手数料に含まれる) |
日本人の場合、しっかりと備えておきたい病気はがんですが、もちろん、がん以外の病気になるリスクもあるので保障範囲を拡大した疾病保障もたくさん用意されています。
繰り返しになりますが、疾病保障を比較する時には保険金の支払条件に注意が必要です。どのような状態になった時に保険金が支払われるかは重要なポイントで、具体的には、「医者から診断されること」・「入院が継続すること」・「一定期間働けなくなること」などに分かれています。
現代社会ではがんは不治の病ではなく、早期発見・治療で社会復帰可能な病気です。そのため、今までの団信(生命保険)だけでは備えとして不十分と考える人が多く、ネット銀行を中心に自行の住宅ローン商品の優位性確立の観点からもがんになってしまった時に住宅ローン残高が免除・ゼロ(チャラ)になる保障を利用する人が増えているわけです。
がんと診断されるだけで保険金が支払われる住宅ローンの多くは住宅ローン金利に保険料を上乗せすることで、がんと診断された際に住宅ローン残高が免除(チャラ)になる商品設計となっています。
銀行ごとの保障内容と保険料を一覧化してみました。(2024年11月、みんなの住宅ローン編集部調べ)
金融機関名 |
保険料 (費用負担) |
2024年11月の金利に保険料をプラスすると? | 保障内容 |
auじぶん銀行のがん50%保障団信 | 無料 | 年HPご確認%(全期間引下げプラン)(変動金利/全期間引下げプラン)(新規借り入れ)※ |
がんと診断されるだけで保険金で住宅ローン残高が半分になる ※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。 |
auじぶん銀行のがん100%保障団信 | 年0.05% | 上記金利プラス年0.05% |
がんと診断されるだけで住宅ローン残高がゼロ(チャラ)になる |
SBI新生銀行のガン団信 | 年0.10% | 0.410%プラス年0.10% | がんと診断されるだけで住宅ローン残高がゼロ(チャラ)になる |
ソニー銀行のがん50%保障団信 | 無料 |
年0.647%(新規購入)(変動金利/変動セレクト) ※2023年11月1日以降、物件の購入価格を超えて借り入れる場合は金利が年0.05%上乗せになります(新規購入時)。 |
がんと診断されるだけで住宅ローン残高が半分になる。 |
みずほ銀行のがん団信(ネット専用) | 年0.10% | 年0.475%~(変動金利) | がんと診断されるだけで住宅ローン残高がゼロ(チャラ)になる |
三菱UFJ銀行の7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン〈Plus〉3大疾病保障充実タイプ(金利上乗せ型) | 年0.3% | 年0.745%~(変動金利・ずーっと一律優遇コース) | がんと診断されるだけで住宅ローン残高がゼロ(チャラ)になる |
三井住友銀行(WEB申込専用住宅ローン 8大疾病保障付住宅ローン) |
年0.3% | 年0.925%~(変動金利) | がんと診断されるだけで住宅ローン残高がゼロ(チャラ)になる |
ARUHI新3大疾病付機構団信 | 年0.24% |
年2.060%(35年固定) |
がんと診断されるだけで住宅ローン残高がゼロ(チャラ)になる |
がんと診断されるだけで住宅ローンの返済が不要になる保障を利用するには住宅ローンの金利に年0.2%~0.3%前後を上乗せすることで保険料を負担することが一般的です。
住宅ローン金利が超低金利の水準で推移するなか、この保険料を付加してもネット専業銀行であれば変動金利で年0.5%程度の水準、メガバンクであれば年0.8%程度の水準でがんと診断された際に住宅ローン残高がゼロになる保障が利用できます。
まず、がん50%保障ではauじぶん銀行の住宅ローンの金利の低さが目立っていることがわかります。auじぶん銀行では、金利水準が申し分ないだけでなく、がん保障以外に全ての病気や怪我に対する保障である全疾病保障が無料で付帯されてきます。
次に住宅ローンのがん保障と一般的ながん保険の違いについて比較していきます。
住宅ローンのがん保障はがんと診断された際に住宅ローンが減額・免除される仕組みなので基本的にお金を受け取れるわけではありません。一方でがん保険はがんになった時に入院費や治療費を受け取ることができます。住宅ローンのがん保障が「がんの治療費用を直接賄ってくれるわけではない」という点は理解しておくようにしましょう。
それだけ聞くと、がん保険の方が魅力的に感じるかもしれませんが、がんと診断された際に200万円~300万円程度を給付してもらえるがん保険と、数千万円もの住宅ローン残高が最大でゼロになる住宅ローンのがん保障では、圧倒的に住宅ローンのがん保障の方が経済メリットが大きいわけです。
参考までにアクサダイレクトのがん終身保険の保障内容の画面を掲載します。この保険の場合、がんと診断されると200万円が給付されることがわかります。(40歳男性で月額の保険料は5,100円)
(ただし、がん特約を付帯することでがん保険が不要と言い切れるわけではありません。治療費を住宅ローンのがん保障で直接まかなえる訳ではないため、がん保険の加入は別途検討すべきです)
なお、ソニー銀行ではがんの治療費に対応した「がん団信100」を取り扱っています。選択すると「がんと診断されると100万円の給付金」「通算1000万円までのがん先進医療給付金」を備えることが可能です。
住宅ローンのがん保障の方が圧倒的に保障額が大きいと解説しましたが、がん保険への加入を否定するものではありません。
がん保障が付帯されている住宅ローンを選ぶことで、がんになった後の住宅ローンの返済の負担は大きく軽減されるか無くなりますが、治療費や治療中の生活費を賄えるわけではありません。
住宅ローン返済以外の治療費、生活費を補填できる最低限の保険への加入は検討してもよいでしょう。
がん研究センター、がん研究振興財団など多くの公的機関ががんに関する統計を発表していますが、男性の60%、女性の50%が生涯でがんと診断されるとしています。
住宅ローンを借りる名義人となる可能性となるケースが高い男性では半数以上の方ががんとなっているのは驚かされます。
もちろん、一言で”がん”・”がんの治療”といっても、日帰り手術で終わるケース、数日の入院する必要があるケース、継続した通院と治療が必要なケースなど、症状により治療負担が大きくことなります。当然、家庭や仕事に与える影響も千差万別ですが、総合的な数字を見ると、男性はがんにならない確率の方が少ないぐらいなので、何らかの備えは必要です。
参考;フコク生命
以下は国立がん研究センターの調査結果ですが、住宅ローンの主契約者になることが多い男性は62%の確率でがんにかかるという統計となっています。
(参考)国立がん研究センターのがん統計データより引用
ソニー銀行のがん団信100は年0.1%の金利上乗せが必要ですが、通算1,000万円までの先進医療を保障してくれます。
国立がんセンターによると下記な治療が先進医療として存在しており、陽子線治療では300万ほどの費用が必要となっています。
こうした費用を住宅ローンで保障してくれるのは心強いですね。
結論から申し上げるとがん保障はできるだけセットする方向で考えておいたほうがよいでしょう。
ただし、年代別でがんになる確率を見ると、50代から急激にがんになる確率が上昇するものであり、40代まではかなりレアなケースといってよいでしょう。お子さんの教育費など出費が多い時期にがんに対する備えをするのは優先順位が低いというご家庭も多いのかもしれません。
ただし、気をつけたいのはがんになってからではがん保険には加入できない、がん保障付き住宅ローンを組めないということです。がんにならないまでも年齢を重ねるとがん保険の保険料は高額になり、がん保障付き住宅ローンは50歳までしか加入できないなどの制約がでてきます。
また、一度になってしまうとがん保障付き住宅ローンは組めなくなるので、若いうちにがん保障付き住宅ローンに加入しておくことも将来の安心感を高めるためには有効です。がんに対する備えに余計なお金をかけたくないという人はauじぶん銀行やソニー銀行への申し込みを検討されてはいかがでしょうか。
auじぶん銀行のがん50%保障団信はがんと診断された時の保障が無料で付帯します。金利も低金利を実現しています。住宅ローン返済額やがん保障の保険料、いずれをとっても、コストを抑えてがん保障をつけたい方には最適の住宅ローンといえます。
さらに、2019年3月からは精神疾患以外の全ての病気とケガを保障する「全疾病保障」の付帯も開始しました。入院が継続180日以上になった場合にローン残高相当額が保険金として支払われるので、無料の疾病保障付きの住宅ローンとしては検討先から外せない住宅ローンと言ってよいでしょう。
※満50歳までの方が加入可能。
※審査の結果によっては、保証付金利プランとなる場合があり、その場合、上記の金利とは異なる金利となります。 金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5 年、10年に限定されます。それぞれの金利プランの詳細はこちらから確認してください。
当サイトでオススメしたいのが、ソニー銀行の住宅ローンです。PayPay銀行ではがん100%保障を付帯させるのには、年0.20%の金利上乗せが必要ですが、ソニー銀行ではその半分の年0.10%と非常に魅力的な水準となっています。
さらにソニー銀行には、がんと診断されると100万円の給付金と通算1,000万円までのがん先進医療給付金が付帯されます。
ネット銀行の住宅ローンを中心に無料の疾病保障サービスが付帯する住宅ローンが増えています。みんなの住宅ローンでは、疾病保障サービスの特徴を解説した記事を用意しています。住宅ローン選びの参考にしてください。
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