2026年6月23日

2021年5月11日、NTTドコモと三菱UFJ銀行が金融事業で包括的な業務提携契約を締結したと発表しました。発表当時は「ドコモユーザー向けの住宅ローン」誕生への期待が高まりましたが、その後どうなったのでしょうか。2026年6月時点の状況とあわせて、家計目線で整理します。
NTTドコモに限らず携帯通信事業者(携帯キャリア)は、携帯電話料金の値下げにより本業の通信事業による利益が減少傾向にありました。
そのため、各社で非通信事業の成長を狙った動きが活発になり、NTTドコモはKDDIやソフトバンクと比べて非通信事業で出遅れていると言われるなか、金融業界最大手の三菱UFJ銀行と包括的な業務提携を結ぶことで巻き返しを図ろうとしました。
三菱UFJ銀行も長引く低金利政策で国内金融事業の収益力が落ちており、これを底上げする狙いがありました。
発表された内容には「両社による独自の住宅ローンの開発や資産運用サービスでの協働など、金融サービスの各領域における協働事業も今後検討する」と明記され、ドコモユーザー向けの住宅ローン提供への期待が高まりました。あわせて、ドコモポイントがたまる専用の銀行口座(支店)や無担保ローンなどの金融商品を共同で展開する計画も示されていました。
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なお、三菱UFJ銀行は、KDDIとauじぶん銀行を開業し、住宅ローン業界で注目される存在に育てた実績があります。2022年にはオリコンの住宅ローン顧客満足度ランキングでauじぶん銀行が1位を獲得するなど、通信サービス事業者向けの金融サービス開発に知見があり、ドコモとの協働にも期待が寄せられていました。
両社の協働は、まずデジタル口座サービス「dスマートバンク」として2023年に実現しました。三菱UFJ銀行の口座とドコモのdアカウントを結びつけ、口座の利用に応じてdポイントがたまるアプリ型のサービスです。
ただし、このdスマートバンクは2026年1月29日をもってサービスを終了しました(新規申し込みの受付は2025年10月27日に終了)。そして、提携当初に検討されていた「ドコモ契約者専用の住宅ローン」という独立した商品については、2026年6月時点で提供は確認できていません。
一方で、三菱UFJ銀行の住宅ローンには、ドコモを含む各提供会社の特典が用意されるなど、提携の名残といえる仕組みは残っています。最新の取り扱いや特典の内容は、各社公式サイトでご確認ください。
「ポイントがたまるから」という理由だけで住宅ローンを選ぶのは禁物です。住宅ローンは数千万円・数十年にわたる契約で、家計に与える影響が大きいのは金利・諸費用・団信(団体信用生命保険)です。ポイント還元は魅力的に見えても、金利差や手数料差に比べれば家計へのインパクトは小さいことがほとんどです。まずは金利・総返済額・団信の保障内容で比較し、ポイントは「同条件なら有利になる要素」として捉えるのが、ご家族の暮らしを守る選び方です。
住宅ローンの選択肢としては、SBI新生銀行のように、事務取扱手数料が借入金額の2.20%(税込)の定率型でわかりやすく、一般団信を上乗せ金利0円で付帯できる商品もあります。金利や保障のバランスを見ながら、複数行を比較して検討すると良いでしょう。
通信会社とメガバンクグループによる金融事業の立ち上げ・提携には多くの事例があります。ソフトバンクやKDDIは傘下にネット銀行を持つ一方、NTTドコモはauじぶん銀行への出資にとどまっていた時期が長く、金融事業で出遅れていた背景がありました。
| 出資企業名 | 設立企業・サービス |
| KDDI、三菱UFJ銀行 | auじぶん銀行 |
| KDDI、三菱UFJフィナンシャル・グループ | auカブコム証券 |
| ソフトバンク、LINE | LINE Bank(2023年3月に設立プロジェクトを中止) |
| Zフィナンシャル(ソフトバンク)、三井住友銀行 | PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行) |
| みずほ銀行、ソフトバンク | J.Score(2023年1月に新規申込終了→LINE Creditへ事業統合) |
通信事業の競合であるKDDIはauカブコム証券・auじぶん銀行などで金融事業を強化し、ソフトバンクはPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)を傘下に持ちました。みずほ銀行と提携した無担保ローン「J.Score」は2023年1月に新規申し込みを終了し、LINE Creditへ事業統合されています。NTTドコモはこうした流れのなかで三菱UFJ銀行との提携に踏み切りましたが、前述のとおりdスマートバンクは終了し、ドコモ専用の住宅ローンの登場には至りませんでした。
提携の発表当時は「ドコモ住宅ローン」の登場に期待が集まりましたが、結果として専用の住宅ローンは提供されませんでした。マイホームの購入や借り換えにはタイミングがあります。特定のキャリア向け商品の登場を待つよりも、今ある住宅ローンを金利・諸費用・団信で比較し、ご家庭に無理のない一本を選ぶことが大切です。
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