2025年3月26日
フラット35は、独立行政法人の住宅金融支援機構が提供している住宅ローンで、申込窓口業務について民間の金融機関と提携しながら提供されている住宅ローンです。申込の受付は提携金融機関が行っていますが、住宅ローンの審査基準や商品性は、基本的に住宅金融支援機構が決定しています。
毎年制度が改正されているフラット35ですが、2017年4月にフラット35の制度改正で「アシューマブルローン」が登場しました。
目次
アシューマブルローンは、以前「債務継承型ローン(アシューマブルローン)」という名称で提供されていました。ただ、「名前がわかりにくい」という評判があったかどうかは定かではありませんが、2018年4月には「金利引継特約付き【フラット35】」という名称へと変更されています。
2025年3月時点では約30社の金融機関で取り扱っています。通常のフラット35は全国で300社以上の金融機関で取り扱っていることを考えると、金利引継特約付き【フラット35】(アシューマブルローン)はまだまだ浸透していないということがわかります。
金利引継特約付き【フラット35】とは、フラット35の返済中に長期優良住宅を売却する場合に、その住宅を購入する方にフラット35の債務を引き継ぐことができる住宅ローンです。住宅を購入する人は、住宅を売却する方が利用していた借入金利のままで、フラット35の返済を引き継ぐことができるというわけです。
※長期優良住宅とは「長く安心・快適に暮らせる優良な住宅として国が定めた基準を満たし認定を受けた住宅」が対象です。
とはいえ、これだけではメリット・デメリットが分かりにくいので、具体的な例をもとに考えてみましょう。
まずは、私たち夫婦が「フラット35」で4000万円を年1.35%で借り、その資金でマイホームを購入します。そして、その10年後にその住宅を別の夫婦Bに売却するとします。
私たちの住宅ローンの元本は3000万円残っていて、加えてマイホームが3300万円で売れたとします。
一般的な住宅売却の場合、売買契約が成立したら、
①最初に住宅の買い手(夫婦B)は3300万円の住宅ローンを契約(頭金がない場合)し、そのお金を基にして、私たち(不動産仲介会社)に3300万円を支払う。
②売り手(私たち)は、買い手(夫婦B)から支払われた3300万円をもとにして、3000万円の住宅ローンを完済・・・
という流れになります。結果として、私たち夫婦の手元には300万円の現金が残ることになります。
では、金利引継特約付き【フラット35】(アシューマブルローン)を利用した場合はどうなるでしょうか?
先ほどのケースで金利引継特約付き【フラット35】(アシューマブルローン)を利用した場合、
①住宅の買い手が、3000万円の住宅ローンを引き継ぎつつ、住宅ローンの元本と住宅価格の差額の300万円を私たちに支払う。
②結果として私たちの手元には300万円残る・・・
というわけです。
これだけでは、300万円が手元に残るという結果は全く変わらず、メリットもデメリットもあるようには思えませんよね。
ただ、実はこの商品が大きな効果を生み出すのは、金利情勢が変わったとき。つまり、金利が上がった時です。
金利引継特約付き【フラット35】のメリットを理解するための重要なポイントは、①の「私たちから住宅を買う人(夫婦B)は、通常の場合はその時点で住宅ローンを組む」場合と「3000万円の住宅ローンを引き継ぎつつ、住宅ローンの元本と住宅価格の差額を売り手(私たち)に支払う」という手続きの違いです。
もし、10年後の住宅ローン金利が上昇していたら、普通はその時点で新しく住宅ローンを組む必要があります。つまり、あなたの家を買ってくれる人は、今よりも高い金利の住宅ローンを契約しなければならないことになります。
今から約10年ちょっと前の2007年・2008年頃のフラット35金利は3%を超えていました。わかりやすく計算するために、今から10年後のでフラット35の金利が3.0%まで上昇していたとしましょう。
住宅の買ってくれる人が、3300万円の住宅を金利3.0%で25年・元利均等返済した場合の総返済額は約4700万円程度になります。つまり、あなたから購入した物件のために4200万円を超える住宅ローンを返済しなければならないことになります。
もし、買い手があなたのフラット35お条件を引き継いだ場合、「住宅の買い手の方」が残りの25年かけて返済する住宅ローンの総返済額は約3800万円になります。先ほどの4268万円の総返済額と比べると900万円程度削減できることになるのです。
なんとなく、金利引継特約付き【フラット35】が住宅を買ってくれる人にメリットがあることは理解できたと思いますが、ではアシューマブルローンは「あなたにとってメリットは全くなくて」、「あなたから住宅を購入する人だけが得する」制度なのでしょうか?
実は、決してそんなことはありません。
例えば、同じマンションの同じ間取りの隣同士の部屋が、3300万円で売りに出されていたとします。片方はその時点の相場で住宅ローンを契約する必要があって、その総返済額は約4700万円。もう一方は金利引継特約付き【フラット35】を利用することで総返済額で3800万円程度になります。これだけ総返済額が違ってくるわけですから、金利引継特約付き【フラット35】があることで、100万円~500万円ぐらい高く売れる可能性すらありそうです。
まだそこまで制度が浸透していませんし、住宅ローンの金利が上昇しているわけではないので話題になることすらほとんどありませんが、この制度を利用することは住宅の売り手(ここではあなた)にとっても大きなメリットになり得ると言えるのです。
金利引継特約付き【フラット35】を利用する価値がない(売却時に金利が上昇してない)場合は利用しなくても良いだけなので、金利引継特約付き【フラット35】にはデメリットは特にありません。もし、将来的に利用したいと考えるなら、おそらく住宅を購入した後は「物件の価格あがれ!」だけでなく「住宅ローンの金利あがれ!」と期待するようになるかもしれませんね。
ただ、取り扱い金融機関がまだまだ少なくて選択肢が狭いという点がデメリットと言えばデメリットですが、いつか家を売ろうと考えているのであれば、この金利引継特約付き【フラット35】の付加価値は高いと言えるでしょう。
2025年2月時点では、まだ24社の金融機関しか金利引継特約付き【フラット35】(アシューマブルローン)に対応していません。
制度改正(2017年4月施行)から8年ぐらい経過していますが、まだまだ金融機関も反応していないようです。
ただ、2025年に入り長期金利の見直しが協議されていますので、今後「金利が上昇するかも?」というような雰囲気が高まってくれば需要も高まり、導入する金融機関も増えてくるかもしれません。
※金利引継特約付き【フラット35】が利用できる物件には条件があります。詳しくは住宅金融支援機構のホームページを参照ください
※「住宅ローンの買い手」の方の審査次第ではフラット35を引き継げない可能性もあります
フラット35の金利引継特約(アシューマブルローン)は、住宅を将来譲渡する際に契約者の金利条件を引き継げる点が魅力です。特に低金利時代の契約では大きなメリットとなり、住宅資産価値を高める可能性があります。一方で、条件次第では金利が不利になる場合もあるため、十分な検討が必要です。自身のライフプランと市場動向を踏まえた選択が重要です。
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