2021年12月20日
auじぶん銀行の借入金利は、住宅ローンを取り扱う日本国内の全ての銀行の中でも相当な低金利水準です。そのため、数々のメディアや調査機関が作成する住宅ローンのランキングにおいて、auじぶん銀行は上位グループの常連となっています。
例えば、2021年オリコン顧客満足度®︎調査では、「住宅ローン金利」において、auじぶん銀行は1位に輝いているほどです。
ただし、いざ、auじぶん銀行で住宅ローンを借りようと考えた際に、多くの方が「全期間引下げプランと当初期間引下げプランのどちらを選べば良いのか」ということに悩みます。どちらの商品が特に優れているというわけではなく、借りる方の金利の見通しと返済計画によって合うプランは変わるので、初めて住宅ローンを借りる人が悩むのは当たり前です。
この記事では、そんなauじぶん銀行の住宅ローンにおける全期間引下げプランと当初期間引下げプランのメリット・デメリットや違い、また、どういった方にそれぞれのプランが合うのかを解説したいと思います。
目次
一般的に私たちが住宅ローンを借りる時に適用される”借入金利”は、「基準金利―引下げ幅=借入金利」という計算式で決定されます。auじぶん銀行は、この「引下げ幅」を大きく取ることで、魅力的な低金利を打ち出していますが、全期間引下げプランは、借入期間中(借入開始から完済予定日まで)の全期間の引き下げ幅を平均的に引き下げるプランです。
変動金利を選択した場合は、当初に決定した引下げ幅が完済時まで続きます。auじぶん銀行の変動金利は、引下げ幅が大きくなっており、他の銀行の変動金利と比較しても相当な低水準を実現しています。
一方、固定金利の場合は、一定の引下げ幅が借入期間中維持されるものの、引下げ幅自体は変動金利よりも控えめになっています。
基本的に、全期間引下げプランにおいては変動金利の利率が、固定金利の利率の数分の1程度になっており、当初の金利だけで選ぶなら、変動金利に軍配が上がります。
全期間引下げプランが向いている方は、変動金利派の方です。
実は、固定金利を選んだ場合で、当初の固定金利特約期間が終了した際には、特段の指示を出さない限り、変動金利に移行されます。
固定金利特約期間が終了したあとの変動金利の引下げ幅は、最初から変動金利を選んだ場合の引下げ幅よりも小さくなっています。
全期間引下げプランを選択するのであれば、最初から変動金利を選ぶことで大きな幅の引下げ幅を全期間に渡って享受することができます。
当初期間引下げプランは、当初の固定金利特約期間の金利の引下げ幅が大きめに取られているプランです。ゆえに当初の固定金利特約期間中の借入金利は、全期間引下げプランよりも低くなっています。
しかし、当初の固定金利特約期間終了後の金利の引下げ幅は、全期間引下げプランの引下げ幅よりも小さくなります。当初期間引下げプランも、固定金利特約期間終了時に、特段の指示を出さなければ、変動金利に移行されます。
固定金利特約期間には、20年、30年、35年といった長期の期間も存在します。
35年ローンを組んでいる方が、35年の固定金利特約期間を選んだ場合は、全期間が当初の固定金利特約期間になります。
つまり、全期間引下げプランで35年の固定金利特約期間を選ぶのであれば、当初期間引下げプランで35年の固定金利特約期間を選ぶ方が、合理的ということになります。
当初期間引下げプランは、全期間を固定金利にしたい方に向いています。
逆に、当初期間引下げプランで当初の固定金利特約期間終了後の、上がってしまった金利を払い続けるのは得策とはいえません。なぜなら、金利の引下げ幅が小さいため、比較的高い金利になってしまうからです。
例えば、35年ローンを組んでいる方が、当初期間引下げプランで当初の固定金利特約期間を5年にした場合、5年経過後の残りの30年は全期間引下げプランよりも高い金利になってしまうということです。仮に、残りの30年で変動金利を選択するのであれば、最初から全期間引下げプランで変動金利を選んでおいた方が良かった、ということになります。
当初期間引下げプランを選択する場合、全ての期間を当初の固定金利特約期間で覆うのであれば、「引下げ幅が大きい金利で全期間固定できる」というメリットがあります。
例えば、35年ローンを組む方が当初期間引下げプランで当初の固定金利特約期間を35年に設定すれば、途中で引下げ幅が縮小され、金利がアップしてしまうという事態を防げます。
また、固定金利派で、繰上げ返済を積極的に行い当初の固定金利特約期間中に返済を完了させてしまう、という計画の方にも当初期間引下げプランは向いています。
プラン名 | 金利の種類 | 当初の固定金利特約期間 | 当初の固定金利特約期間終了後の引下げ幅 |
全期間引下げプラン | 変動金利 | 全期間一定の引下げ幅 | |
固定金利 | 引下げ幅は当初期間引下げプランより小さい | 引下げ幅は、最初から変動を選んだ場合より小さいが、当初期間引下げプランよりは大きい。 | |
当初期間引下げプラン | 固定金利 | 引下げ幅は全期間引下げプランより大きい | 引下げ幅は全期間引下げプランより小さい |
(出所)auじぶん銀行ウェブサイト「住宅ローン」
どちらのプランを選ぶかを判断する上で大切なポイントが今後の金利の行方です。
日本の金融機関の住宅ローンの基準金利は、長期的に低下傾向になっています。1980年代〜1990年代にかけておきた「バブル」が崩壊した際に、変動金利の低下が進んだことにより、1990年代の後半からは20年以上低位水準が続いています。
つまり、ここ20年程度は「住宅ローンの金利が上がり、変動金利で借りていた方の支払いが苦しくなる」という現象は、理論上は起きていないことになります。
変動金利は、日銀の政策金利の影響を受けるため、今後については、誰も確証が持てません。
日銀が金利を上げるとしたら、目標としている消費者物価指数の物価上昇率が安定的に2%を超えるようになってからだと思われます。
2021年12月時点では、海外で物価上昇率が上がっている国も出てきており、日本の物価にどのような影響が出るかが注目です。
住宅ローンを借りる際には「繰上げ返済」の予定はしっかりと考えておく必要があります。
前提として、「繰上げ返済をすることで、金利負担が軽減されるため、総返済額は少なくなる」ということがいえます。だからといって、繰上げ返済を急ぐことだけが、選択肢ではありません。
ここからは、繰上げ返済をすべきか否かを判断するための考え方を解説します。
全期間引下げプランで変動金利を選択した方や、全期間分の固定金利特約期間を選んだ方の中には、「繰上げ返済はせず、35年めいっぱいかけて返済する」という方も少なくありません。
このように考える理由の1つに、団体信用生命保険(団信)の存在があります。
住宅ローンを借りる際には、団信に加入するのが一般的です。団信は、債務者に万が一のことがあった場合に、残債が完済される生命保険です。
auじぶん銀行には、死亡・高度障害時を保障している通常の団信だけでなく、がんに罹患した場合を保障する団信もあります。
例えば、「がん50%保障団信」は、がんと診断されると残債が半分になる保障が付いています。残債が半分になるということは、毎月の返済額が半分なることを意味します。
がんの療養後は、体力が完全には戻らないことも想定できます。そのような場合でもがん50%保障団信に加入しておけば、がん罹患前の半分程度の返済をしていけば良いので、返済が滞る可能性を低く抑えることができます。
また、がん50%保障団信には、入院保障も付いています。がん以外の病気や怪我を含めて、入院が継続31日以上になった場合には、毎月の返済額分の保険金が支払われます。
入院が長引いた場合は、入院30日ごとに同じように保険金が支払われます。
そして、入院が継続180日以上となった際には、残債が完済されます。
auじぶん銀行では、がん50%保障団信に金利上乗せなしで加入できます。
手元資金は、投資などで効率的に増やし、住宅ローンは団信で守られている、という状態を作ることで、万が一の時の備えは強固になります。
当初期間引下げプランを選択した方で、当初の固定金利特約期間が借入期間よりも短い方は、毎月の返済額が途中から上がってしまう可能性が高いことに注意しましょう。
返済額が上昇した際には、期間短縮型の繰上げ返済で残債を完済してしまうか、返済額軽減型の繰上げ返済を行うことで、金利が上がっても、毎月の返済額が増加してしまうことを抑えることができます。
この記事では、auじぶん銀行の全期間引下げプランと当初期間引下げプランについて解説しました。とにかくスタート時点の金利を低くしたい、金利上昇リスクには納得をしている、という方は全期間引下げプランの変動金利が向いています。
一方、全期間固定金利の安心を得たいという方は、当初期間引下げプランにし、「借入期間=当初の固定金利特約期間」とすることで、途中から金利が上がってしまうことを回避することができます。
また、住宅ローンの返済は、返済金額が変わらなくても家計の支出の状況によって苦しくなることがあります。auじぶん銀行のウェブサイトに備え付けられているシミュレーションを利用し、毎月の返済金額を確認しましょう。そして、その金額が今だけでなく、将来も返済可能な金額なのかを確認することが大切です。
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